2012/09/09

"Blood Rushing" is nomad folk.


ジョセフィン・フォスターの新作が良い! とあちこちで吹聴している。
なんなんだろう。ボクはこの人の熱心なファンではないし、良い聴き手でもないと思う。
それでもなぜか。いま、この声とメロディがしっくりくる。少しダルくて、気持ちが良い。
乾いている。移動している。この辺境感がたまらない。

“ノマド・フォーク”か。確かにそうだ。
越境と雑食の味わい。これは何度でも、味わえる。
移動は感動だ。越境は熱狂なのだ。

とにかく一度、ご一聴あれ。

***
アルバムから三曲こちらで試聴できます。


2012年、"Perlas"に続く二作目の新作早くも到着。
現在の彼女の創作意欲がどれほど高まっているかを伝えるすばらしい仕上がり。
欧米のプレスでは早くも最高傑作との評も飛び交っています。
イギリスの雑誌「The Wire Magazine」最新号は
表紙・8ページに渡るインタヴュー記事で大々的に紹介。
ソロ名義の作品としては2009年リリースの"Graphic As A Star" 以来
三年ぶりとなるこの新作は故郷コロラドに戻って録音。
録音は2012年を代表する1枚となるであろう、
Alabama Shakesのデヴューアルバム"Boys & Girls”を手がけた
Andrija Tokicがナッシュビルから駆けつけ、
暖かみのあるアナログ録音で収録。
10年来の友人であるThe Entrance Bandの紅一点Paz Lenchantin
ベース、ヴァイオリン、インディアン・フルート、ヴォーカル/コーラスで
ニューメキシコからA Hawk and A HacksawHeather Trost
ヴァイオリン、ヴォーカル/コーラスで参加。
そして、近年の彼女の作品には欠かせない、
ヴィクトール・エレーロが弾く最高にいかしたスパニッシュ/エレクトリック・ギターが
さらなる高みへと導いています。
(アンサンブルのこのメンバー・組み合わせ、最高だと思いません?)
スペイン民謡に取り組んだ"Anda Jaleo","Perlas"を経て、
フリー(ク)・フォークやサイケといったタームが無意味に思えるくらい
独自の表現を獲得したこのアルバム
まさにジョセフィンのファースト・フィナーレを飾る
特別な作品となることでしょう。
あらゆる枠組みから自由な真にオルタナティブなアーティストの表現は
ノマド・フォークと言いたくなるような
なつかしいようであたらしい旅情感溢れるもの。
パノラマ・ワイドに視界が一気に広がったような開放感には
これまでの作品に親しんできたリスナーの方々もおどろかれるもしれません。


0 件のコメント: