2026/07/11

7/11 店日誌


7月11日、土曜日。母からメールが届く前、NHKのラジオでスペイン×ベルギー戦の結果を知る。そっか、スペインか……なんの恨みもないし全く嫌いなわけじゃないけど、個人的にはベルギーが勝ってくれた方がよかった。とはいえ、ようやくベスト4が見えてきたわけで、長かった大会もようやく終わりが見えてきた。決勝は何日の何時からなのだろう、きっと自分が寝ているうちに終わってるんだろうな。このままの流れで、アルゼンチンとフランスが戦うことになるんだろうか(残ってるなかでは、イングランドにがんばってほしいなーと思ってる)。

きのうの「バッペ」と同じ話なのか「プーチンはプーチン」みたいだよ、と母からメールがくる。別の友人は「エムボマはエムボマってことですかねー」と伝えてくれた。こういう話で盛り上がれると、なんだか嬉しい。

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急に暑くなったからかな、おととい、きのうは激鈍の客足。ビールでも飲もうかなーって頃に来てくれたのはムーちゃん。ヘンリー川原のCD数枚と中古LP、届きたての『RIDGE』も買っていく。好きなものは好き! ハッキリしてても、多くは語らない。そういう友人、お客さんに救われている。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にも動きがあります。

2026/07/10

7/10 店日誌


7月10日、金曜日。母親からのワールドカップ速報便、まずは「フランス×モロッコは地上波放映なし!」ときて「フランスの勝ち!」「エムバペとデンゲケとかがゴールだって」とメールが続いた。DAZNを契約している兄経由の情報らしいのだけど、なるほどーっとしか返せない。まず、大会が長い! んで、聞こえてくるのが金のこと、不当介入、VAR判定で、どうにも白ける。母と兄とのやり取りは楽しいのになあ、大会自体のうさん臭さが先立ってしまうのは何なんだろう。情報過多の弊害なのか。

そういえば先日、アメリカ人の友人にエムバペ選手ってなんて呼べばいいのかなーと尋ねたら「バッペ」が正しいみたいだよーと応えてくれた。ムは発音しないくらいで、バッぺというのがいいみたい。ジンバブエ出身の人が教えてくれたと話してた。

それにしても暑くなったなァ……10時36分現在、冷房はいれてないんだけど、これでお客さんがきちゃったらいれないよねえ。ワールドカップ開催中の北中米大陸はもっと暑いんだろうし、選手たちも大変だよなあ(審判も線審も関係者、誰彼も)。

とりあえず、開店! いろいろ入荷があるので、ぜひご来店ください。

2026/07/09

7/9 店日誌

7月9日、木曜日。玄関をでたのが9時8分。燃えるゴミと溜まった枯草をゴミ捨て場に捨てて、歩きだす。お茶畑、水田を越えたところで、幼稚園に子供を送り出すお父さんとすれ違う。おそらく東アジア系の方、軽く会釈をして、ぐいぐい進む。材木店、商店跡地、大きめの農園を左手に折れたところで筑波大に合流。バス停、校舎、スターバックス、図書館から郵便局。ATMにお金を預けて荷物を発送すると、いやまあ暑い! 汗がぽたぽた垂れてくる。自転車店、古着屋、焙煎所、コンビニを過ぎて店に着くと、9時46分。約40分の道のりだ。

ラジオをつけるとプリンス「ポップ・ライフ」が流れてて、安西肇さんがウヒャウヒャいいつつ解説してる。「ウィー・アー・ザ・ワールドも最初にプリンスに頼めば、断らなかっただろうにねえ」とか、楽しそうに話してて、妙に嬉しくなる。

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きのうもたくさんの本を買い取った! 単行本、文庫、雑誌に加えてCDとDVDも。しっかりと査定して金額を伝えると快く承諾してくれる。石井さん、わざわざ運んでくれて、ありがとう。今後ともどうぞよろしく。

今日も通常営業! こう暑くなると、アイスが食べたくなりますねえ。

2026/07/08

7/8 店日誌


7月8日、水曜日。早朝に届いていた母親からのメール速報によれば「アルゼンチン対エジプト、エジプトが2点のリード、しかし2-2に追いつき、3-2でアルゼンチンの勝ち」とのこと。テンションが下がってきてるのはアメリカ大統領の介入に加えて、VAR判定などの煩雑さ、スッキリしない試合展開ゆえだろうか。今のところ、一番の盛り上がりは4日前のカーボルデ×アルゼンチンだったのは間違いない。大会が進むごとにモヤついていく空気を間接的に感じているんだけど、実際のところはどうなのかな。

ラヴァーズロックのコンピレーション、リー・ペリー、パラゴンズと気の向くままにレコードをかけていく。今朝の空気は気持ちいい。庭の草刈り、ラジオ体操、コーヒー抽出のルーティンを普通にこなせるのが何よりも嬉しい。

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これはもう梅雨明け!? この気温でオススメしたいのはNOOLIO『SIDE.C Classics』vol.9Dove『LATE NIGHT』『NO PROBLEM』。それに次いで、HAPPFAT『MELT 7』になるのかな。いずれにせよ、暑い日に合うのは間違いないなし。

今日も通常営業です。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/07/07

7/7 雑記

9時半に予約していた〈Bespoke〉で散髪を終えて、母親からのメールに気がつく。「ヨシッ!! ベルギーやった〜、4-1!!圧勝だぁ〜」とあり、当然の結果だよなあと安心する。開催国とはいえ異例の強権発動に、多くの人がベルギーに肩入れしたわけで、なるようになったというべきか。個人的に気になる選手、ルカクも点をとっていた。

今日、読み終えたのは、色川武大『友は野末に 九つの短篇』。その後で手に取ったのは、川添登『今和次郎 その考現学』。どちらも〈ブックセンターキャンパス〉で買った本である。

2026/07/06

7/6 店日誌


7月6日、月曜日。母親からのワールドカップ定期便、今朝は「ノルウェーがブラジルに勝ち! 2-2!」と届いて「おお!」と返信、でも待てそれはドロー、もしくはPK決着? ってことかなーと思ってたら「2-1だった! 興奮して間違ってしまった」と追加便。テレビはなくネットで細かチェックしてるわけじゃない自分には、これが最速の情報だ。ありがたいし、何とも面白いやり取りなんだよなあァ(身近のサッカー友達、新田は開催前からノルウェーがやるのでは……と言っていた。さすがの読みである)。

今のところ、有力なのはアルゼンチンとフランスか。それについでモロッコ、ノルウェーあたりが波乱を起こす気配があるのかな。開催国のひとつ、アメリカの可能性もゼロじゃない気もする(とか書いたあとで、レッドカード取り下げ?? それはさすがにマズいんじゃないか)。

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きのう届いた新刊は、茨木のり子 全日記Ⅰ』。「医師・三浦安信と結婚した1949年11月、大学ノートに日記を書き始めた。1955年からは日記帳に、詩人たちとの交流、書いた詩のこと、日々のこと、晩ごはんのおかず、映画や演劇の批評、読んだ本、世相のことを綴った」とは、版元〈Katsura Books〉の解説から。

今日もいつも通りに開けてます。本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2026/07/05

7/5 店日誌


7月5日、日曜日。ライオネル・ハンプトン、テンダー・リーフ、アーチー・ベル&ザ・ドレルズ、ジョニー・キャッシュ、ジュン上久保、等々のレコードを売ってくれたのは常連のイシワタさん。査定、了承、支払の流れがスムーズで気持ちがいい。買い取ったのは、積極的には手にしないレコードが多い。超名盤といわれていても、聴いてないものがあり、きっかけがないまま素通りしてきたものもあり。イシワタには、いつもいい機会をもらっている。

てなわけで、今日はレコードの試聴、値付けをしながら営業します(隣のカフェで再生機を借りてきたのだ……)。

2026/07/04

7/4 店日誌

もし、この訳者あとがきを先に読んでいる人がいれば、教訓や思想はないかもしれないが、この小説がとにかく心底面白いということをまずはお伝えしたい。(桑田光平)

7月4日、土曜日。国書刊行会が手がける「アフリカ文学の愉楽」がとてもいい。在庫しているのは、アラン・マバンク/桑田光平(訳)『割れたグラス』とミア・コウト/伊藤秋仁(訳)『夢遊の大地』なのだけど、全6巻構想のようなので、このあとに4冊の刊行が控えてる。アフリカ文学ってだけで特殊だし、値段も安くないから手を出しづらいかもしれないけれど、この叢書はなかなか気が利いているのだ。まず見た目がカッコいいし、本好きを刺激する工夫も散りばめられている(装幀の羽毛田顕吾さんは谷中〈ブーサンゴ〉の方らしい)。

これら「アフリカ文学の愉楽」を仕入れるきっかけをつくってくれたのは、常連のイシガミさん。国書刊行会の本が読みたい! と伝えてくれなければ、たぶん遠巻きに眺めていただけだった。ワールドカップでのアフリカ勢の奮闘もあり、どうも他人事じゃない気がしたのも要因ではあるのだけれど。

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朝、携帯電話に届いた母親からのメールに「カーボルデ凄すぎ! 2-2の同点!」「凄い試合だったよ」と書かれていて、ちょっと悔しい。できれば、その試合は生中継で、フルで観たかったなァ……。ともあれ、これでようやくベスト16が出そろったのか。

ではでは、開店! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/07/03

7/3 店日誌

7月3日、金曜日。小山市〈円盤ペニンシュラ〉で買ったもう1枚は、DENNIS BOVELL『THE DuBMASTER The Essential Anthology』と題されたトロージャン企画の編集盤。Disc1には「Dennis Matumbi」「Dennis Bovell &The Dub Band」や「African Stone」名義のルーツ・レゲエ/ダブが選曲されていて、Disc2には「Janet Kay」「Errol Dunkey」「Marie Pierre」「I Roy」といったアーティストに提供(楽曲プロデュース)した曲が入ってる。こちらはラヴァーズ、ダブを中心にした柔らかめの12曲。

デニス・ボヴェルさんがやっぱりすごい重要な動きをしていた。70年代後半になってからマトゥンビでアルバム出したり、リントン・クウェシ・ジョンソンと一緒にレコード作ったり、あとスリッツとかポップ・グループのプロデュースしたり。(石田昌隆)

個人的にはデニス・ボヴェルといえば石田昌隆さん、ハーポ部長が編んだ『本のコミューン』。この本がでた去年の春頃、ラヴァーズ・ロックのレコードを多く扱いはじめて、デニス・ボヴェルの作品を意識的に聴き始めた。いまだ分からないことは多いけど、ラヴァーズ特有の質感は、掴めてきた気がしてる。

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きのうは長雨になるかと思ったら、意外にもパタリとやんだ。夕方前からお客さんもチラホラ来はじめて、最後は常連にして友人のイケちゃんも現れる。お約束のビールにはじまり、まあまあの量のCD、本を売ってくれる。その上で、支払分と同額(+α)の買い物もしてくれるから、ありがたい。次回も期待してますよ。

ではでは開店! 今日は12時〜13時でちょいと外出する予定です。

2026/07/02

7/2 店日誌

7月2日、木曜日。ポパイウェブでのミニコラム連載「Town Talk」4話目のテーマは「ぼくの天久保散歩地図」。歩いて回れる距離に小さな店が集まってるのが天久保地区の特色で、天気がよければ公園で寝そべれる(←かなり重要なポイント)。カフェ、古着屋、パン屋、美容室、定食屋、バー、ギャラリー、レコード店が点在してるエリアはつくば市内では珍しい。他よりもいい! とか、自慢の町! ってわけじゃなく、車がなくてもこんな感じで楽しめる地区なんですよーってことが書きたかった。

先月から今月、雑誌掲載がいくつかあり、いま載っているのは「散歩の達人」と「&premium」。どちらもコンビニ、新刊書店に置いてあるので、気になれば手に取ってみてください(小声でいいますが、立ち読みでいいと思います)。

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ワールドカップはオランダ、ドイツ、エクアドル、コートジボワール、コンゴ、スウェーデン、南アフリカに加えて日本も敗退。だいぶ長くやってるなーと思うけど、ここまできて、ベスト16。決勝までいくチームは大変だろうなあ。

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朝から雨。こんな日はオンライン・ストア〈平凡〉をご利用ください。届きたての新譜は、ANJI『わたしのすき』。ニューエイジとくくるのは違うと思うけど、アンビエントってわけでもない。コンピューマ氏のプロデュースが効いてます。

今日も通常営業。本を読みつつ、ご来店をお待ちしています。

2026/07/01

7/1 店日誌


7月1日、水曜日。きのう〈円盤ペニンシュラ〉で買ってきた、DUB SPECIALIST『ROOTS DUB』は妙である。印刷されているのは両面とも「STUDIO 1 DISCO」「THE ORIGINAL」「RIGHT AROUND THE WORLD」「TODAY’S SOUND TODAY」「PRODUCED BY C.S.DODD」「MADE IN JAMAICA」の文字のみ。パッと見では12インチ・シングルみたいな簡素なスリーブ。レーベル面に曲の記載があったからLPだと認識できたけど、なんとも奇妙な佇まいなのである。そもそも、DUB SPECIALISTとは何者なのか。

ダブ・スペシャリストとは、おそらくコクソンが自らミックスを行っていた名義(シルヴァン・モリスという説もあるが1972年前後にはコクソンと袂を分かっている)。

河村祐介(監修)『DUB入門』には上記のように書かれていて、インターネット上ではコクソン・ドッドとシルヴァン・モリス両者の名前を並置しているものもある。なんとなく有力かなと思うのは〈STUDIO 1〉内でダブ・ミックスされた音源に被せる名義なのでは、という説。さて、これは簡単に解ける疑問なのだろうか。

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NOOLIO『SIDE.C Classics』vol.9が到着! 当店の夏の大定番、人気シリーズの最新作。ボレロにはじまり、ロックステディ〜レゲエでタメをつくって、ラテン〜スパニッシュからダブへと流れる。この展開に宿る厚みはかなりのもの。単に曲を繋げて「どうでしょう?」てなノリとは大きく異なる。

月が変わって気分一新! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく〜!

2026/06/30

6/30 雑記

定休日。はじめて訪ねた小山市〈円盤ペニンシュラ〉で感じたのは、店主オカくんの書く字がいいってことで本人にそのまま伝えると「字を書くの好きなんですよー」と応えてくれて納得。値札に添えられた数行の解説であっても、彼の文字があるかどうかで、客側の印象はだいぶ異なる。買ったのは、デニス・ボヴェルとダブ・スペシャリスト。どちらもこの夏に愛聴するだろう。

(メモ:小山市の図書館、雰囲気よし。静かで棚が低くて、蔵書も気が利いていた。)

2026/06/29

6/29 店日誌


6月29日、月曜日。朝いちばんで聴いたのは、DETERMINATIONS『I’ve Got You Under My Skin/LONE GAZER』。なんと優雅で、美しいのか。ラジオで流れるクラシックや黄金時代のポップスのような空気をはらむスカ・チューン。聴いている数分間、梅雨空の曇天、重たい湿度が吹っ飛んでいった。次の『Ska Champion/Love Me Do』はもう、混じり気なしのダンスミュージック。太陽よ、はやく出てきておくれー! って感じでウズウズしてくる。ああ、こんなの聴きながらビールが飲みてえよなあ。

予想外の軌道に身体がのけぞったのは、小山市の〈円盤 ペニンシュラ〉店主オカくんが編んだミックス作品。インスタグラムの紹介文にある「遅回しダンスホールダブセレクト」って言葉からダンスホール・レゲエのスクリューを基盤にしていると思われる。たまたま居合わせたオザワさんが「ユンキーっぽくもある」と言っていたのも納得のローファイ感もあり、繰り返し再生してしまった。

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近所のよしみで最速入荷! 「場づくりのヒント」特集の『スペクテイター』56号は、店頭とオンライン・ストアで販売開始。過去に同誌で取り上げた「つげ義春」と「北山耕平」の追悼記事もあり。これまでの読者からどんな反応があるんだろう……ちょいとドキドキしながら売ってます。

今日も通常営業。本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2026/06/28

6/28 店日誌


6月28日、日曜日。友人に頼んで買ってきてもらったのは、Keith Hudson『Pick A Dub』。これはまずジャケットが良すぎる。ヤシの木によりそってジョイントをふかすラスタマン、軽い笑みをたたえた彼の表情がいい。ふわっと浮かぶ煙のなかで「PICK A DUB」の文字が揺れている───いざ、手にすると2LPじゃん! 喜んで調べてみると、2016年のVP Records再発は拡張盤と題されて、ヴォーカル・ヴァージョンが追加収録されているらしい。

裏ジャケットで参加メンバーを確認。リズム隊はアストン&カールトンのバレット兄弟、ギターはチナスミス、メロディカはオーガスタス・パブロ。録音スタジオは〈ハリーJ〉、アレンジはキース・ハドソンとアストン・バレットと記載されている。要するに、キース・ハドソンのダブ・アレンジ作品と思えばいいんだよね? (「キング・タビーによるミックス」って書いてるお店もあったけど、それはきっと誤りだよね……)

河村祐介(監修)『DUB入門』をひもとくと「シンガーのジュニア・ウォーカー、彼がジャマイカで売れ始めていたダブ・アルバムに目を付け、制作を持ちかけて生み出されたダブ・アルバム。/その名の通り、キースのプロダクションのなかからウォーカーがダブ・ミックスする楽曲をピックアップしたからとか」と書かれていて、混乱する。ドーユーコト??? けっきょく誰の作品なのだろうか。指揮者キース・ハドソンのもと、協力はアストン・バレット、制作補助にジュニア・ウォーカーって把握でいいんだろうか。

今朝の曇天、小雨の天気と低空飛行のダブが合いすぎて、音はうまく捉えられず。めちゃくちゃいい! って言えないのはちょっと残念ではあるけれど、手にできてよかった。いろんな条件で鳴らしてみなけりゃレコードの真価は問えないのだ(その後で聴いた、タッパ・ズーキー『イン・ダブ』にゃ痺れたゼ……)。

梅雨っぽい空模様。いまいち気分も冴えないけれど、いつも通りに開けてます。

2026/06/27

6/27 店日誌

6月27日、土曜日。ワールドカップ、地震、台風。もう店を開けないほうがいいんじゃないかって出来事が重なる。実際、開けてから数時間だれも来ない。気配も感じられない。そこにまたドン! と震源地の縦揺れがくる。あわててCDの山を抑えてふーっと一息、こりゃ参ったなあ。午後はやい時間に馴染みの方から本を買い取り(90’sカルチャー雑誌)、コーヒーブレイクの15時ちょうどにソニックさん、サイン本蒐集家のナカヤマ先生も。気がつくと夕方、カフェスタッフの仕事が終わるころ、雨足が強くなってくる。

18時過ぎ、そーっと入ってきた方は音楽が好きそう。遠方からですか? ピンときて尋ねてみると、なんと松本から。「popeye web」の連載コラムを読んでくれたらしく、同じロックステディ愛好家とわかり、やあやあ盛り上がる。山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』ともう1冊、会計を済ませて「またどこかで!」と送り出すと、土田店長と仲間たちが……。

ザーザー降りのなか、近隣回遊バスに乗り近所まで。ドラッグストアに寄り、ちょいちょいと買い物を済ませて、歩き出す。スニーカーはずぶ濡れ。湿度があって汗がじわり。不快な気分につかまらないように足を運んで、21時過ぎに帰宅。朝からコケてCDがバリっと割れたり、妙な1日だったが、悪くはなかった。

さあ、今日の天気はどうなりますか! 天候次第で、早く閉めることもあり得ます。

2026/06/26

6/26 店日誌

これまで楽しかった旅は、すくない。不快だった旅もすくない。/旅嫌いのわりには、これまでずいぶん旅をしたが、たいていの旅は、今、想いだそうとしても、消しゴムで拭いたように頭の中では白紙になっている。(草森紳一)

6月26日、金曜日。おととい、阿佐ヶ谷の古書店〈コンコ堂〉で買ったのは、草森紳一『旅嫌い』ほか数冊。お目当ての15周年記念トートバッグをいただき、店主天野さんと立ち話。急に値段が上がりはじめた翻訳書、驚くほどの値段で売れていった写真集、不要な本をどうするべきか……なんて事柄をざっくばらんに伝え合う。わかるー! ってことがあれば、知らなかったです! ってこともある。ネットじゃ得られない感覚を共有できるのは、すごく貴重だ。コンコ堂はいつ行っても整ってて、読みたい本がたくさん見つかる。いいお店なんだよなあ。

そのあと、西荻窪の喫茶店〈JUHA〉に入ると「えっ!」と声をかけられ、横をみる。なんと、つくばの友人夫婦とはちあわせ。ユハはいいよね、好きなんだよね〜と話したこともあるから納得だけど、このタイミングには驚いた。

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ワールドカップ観戦は他に任せて、午前中のうちに読書日記や店日誌、インスタグラムの投稿準備も済ませたい。できれば、オンライン・ストアも動かしたい。開店前に店の整理もしたいのだ。書いている今、8時34分。スウェーデン戦はどうなってるのかな。

明日からの天気はどうなりますか。とりあえず、今日は通常営業です。

2026/06/25

6/25 店日誌


戦争は泥棒をすることで、平和は乞食をすることだ。それはそうだな。イラクをみよ。石油泥棒のアメリカが攻めこんで、巻きあげて、あとはおこぼれで、イラク人民を平和で暮らせ。いまもごたごたしていますけれど、アメリカがいう中東地域の民主化とは、そういうことでしょう。(小沢信男)

6月25日、木曜日。小沢信男『捨身のひと』を読んでいて、上記箇所に付箋を貼る。著者は続けて「戦争が略奪なら、平和は搾取で、人民はどのみちたすからない。というありさまは、中近東、アジア、アフリカ、中南米にと、グローバルにひろがっている」、数ページのちには「朝鮮戦争のおかげで経済が息を吹きかえして「三丁目の夕日」の平穏がくるのだけれど。つまり、おこぼれをいただいてやってきた。泥棒の手下でいながら乞食のようなもので、それでのほほんとしてるのを高度先進国というのでしょう」と書いている(2006年に上演された『泥棒論語』パンフレットに寄稿したテキスト)。

ぼくは失業者で、下宿の一室でラジオを聞くか、貸し本を読むだけの孤独な生活だ。/東京タワー完成の噂はきいたが、池袋からは見えない。ぼくの昭和三十三年は夕日もなく、限りなく暗い。(小林信彦)

小沢信男を読んでいて、小林信彦を思い出す。一昨日手にした『昭和のまぼろし』で何度かゾクリとする。以下にそのまま引用する───「気づいている読者もあると思うが、日本の大衆は必ずしも権力者の命令だけで動くのではない。/時として権力が命じる前に、先走りして迎合するのだ」、「無邪気に浮かれていた日本の大衆は、あまりにも〈無邪気(イノセント)〉であった」。すべて2005年に書かれたエッセイから。

生きていることは、なにがなんでも崇高であり、めちゃくちゃに正しい───というような戦後民主主義の一つの売りものは、生命(ライフ)と生活(ライフ)を混同することから生じる。(平岡正明)

平岡正明『戦後事件ファイル 赤塚不二夫、安保、三島由紀夫、ひばりの死、他』の情報量、思想の厚み、言葉遊びのような解釈の数々にクラクラする。言葉に打たれ続けても、止まらず、一気に読み切る。わかる、わからないは二の次でいい。引用したのは1971年に書かれた「1970年三島由紀夫割腹自殺」で見つけた一節。本から本へと、記憶がつながり、好奇心が増していく。

今日は一日、雨なのでしょうか。鴨トート3色(ベージュ・ナチュラル・ブラック)が再入荷予定です。

2026/06/24

6/24 臨時休業

諸用のため、今日は臨時休業です。

2026/06/23

6/23 雑記


今月末で閉店との報を受け、いくべきか、いかぬべきかと迷っていた〈かつ善〉に足を向ける。着いたのは11時15分頃、店前の行列をみて挫けそうになるも、駐車を済ませたのち列につき開店を待つ。前後の会話を耳に入れつつ、こんな時こそ常連面は控えたい、我欲は抑えたいよな〜とか考えながら本を読む(小林信彦『昭和のまぼろし』がヤケにハマって、ぐいぐい読んでしまった)。

入店後、入口脇の椅子で15分ほど待って、奥の座敷に通される。ヒレカツを注文して読書再開。なんとなく顔見知りの感のある配膳担当の方と言葉を交わしたり、茶を啜ったりしながら、待つ。10分ほどで供されて、しみじみといただく。馴染んだ店が無くなるのはさみしいけれど、こればかりは仕方ない。ご馳走様でしたと伝えて、さっぱりと会計を済ませた。

2026/06/22

6/22 店日誌


6月22日、月曜日。さーーーて、時間がない! ただいま10時36分。ラジオでは国会中継が流れてて、「サナエトークン」なる暗号資産に関する質疑が行われている。時間を過ぎても応えがなされず、タイムアップ。双方ともにガーガー、ワーワーやたらにうるさく、瞬間的には話が掴めず。さて、いま飲んでいるのは某輸入食材チェーン〈K〉で買ってきた「アイスコーヒー 無糖/珈琲専門店用」(HOMER)なのだけど、これよりも、「DOUTOR 直火焙煎ブラック」(アサヒ飲料)の方が美味いと思う。前者にとくだん不満があるわけでなく、後者について書いておきたかった。

さあ10時43分! ついさっき出かけたスーパーで『&Premium』2026年8月号を発見。「旅と、本と」と題された本屋特集で、全国各地の書店が紹介されているなかで、当店オリジナルのトートバッグも掲載されていた(見本誌はまだ送られてこない)。矢吹純が描いた鴨がプリントされたトート3色は、今週中に再入荷する予定。

ここまで書けば、安心の10時48分。蒸し暑いけど、クーラーはつけずにいる。歩いてきたり、自転車に乗ってきた人は暑いだろうなァ……申し訳ない気持ちはあるものの、空調なし、ドアをばーんと開けたままで営業するのが好きなのだ。

ではでは、定時に開店! 明日、明後日と連休にしようかなあと思っています。

2026/06/21

6/21 店日誌

6月21日、日曜日。先週末の「NRQ祭り」を主催した猿田なつ奈さんは「natunatuna」名義でイラストレーター/画家として活動していて、夏前に京都市左京区の〈gorey cafe〉で個展をするのが毎年恒例になっている。今年は6月23日(火)〜7月12日(日)の会期で、その間にライブがなんと6本(7公演)! すべてにライブペインティングで参加……って、かなりすごい! 演奏家は全10組。それぞれ色が異なるわけで、音に絵を乗せるのも簡単じゃないだろうし、相当なエネルギーを使うはず。一体なぜ? そこまでやるの? って聞くのは野暮だけど、そのうちにじっくり話してみたいなーと思ってる。

お隣のカフェでは、さとうさかな個展「Slow Dry」が開催中。ぱっと見て「いい」とか「すてき」とか言葉にできる作品じゃないから面白い。じっと観察したり、暮らしの場に置いてみたり、長い時間をかけて付き合ってこそ感知できる要素があるのかな。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2026/06/20

6/20 店日誌

6月20日、土曜日。小林信彦『袋小路の休日』所収の短篇「隅の老人」を再読。話の中心に置かれるのは、狩野道平───大正末期〜昭和初期の伝説の編集者、真野律太をモデルに造型された人物であり、世の中と完全にズレてしまった老人として描かれる。狩野いわく「読者なんてものは保守的だから、食いつかせるのに時間がかかる」「都会趣味ということよ。……『新青年』のカラーを創ったのは二代目編集長のヨコセイってことになってるが、私に言わせりゃ、助手の渡辺温の力が大きかった」。

小林信彦が江戸川乱歩の誘いに乗り宝石社に入社、『ヒッチコック・マガジン』編集長に就任したのは1959年。26歳のとき。その経験を基にして小説化された「隅の老人」では主人公・上村宏の感慨として、著者自身の雑誌観の肝が語られる。「雑誌が生き物だということ(…)それは、編集の中心になる人間の生理の反映であった。その人間が少しでも疲れれば、誌面に疲れがあらわれる。まして、時代からズレてしまえば、誌面は現代の読者とは関係がなくなってしまう」。

この一冊におさめられた人も、モノも、街も、一九六〇年代半ば以降、われわれの生活から失われた、あるいは無用とみなされるようになったなにか───といってよいように思う。書物もまた、同じことである。(小林信彦)

いまも雑誌が編まれ続けるのはなぜなのか。情報を得るだけならスマートフォン、SNS、サブスクリプションがあれば充分なのに。自分はなにを期待して、今も雑誌を手に取っているのか、改めて考えてみる必要がある(ポパイに不平を言ってる場合じゃないのだ)。

*
古本はもちろん、新刊と新譜、中古音源にも入荷あり。オンライン・ストア〈平凡〉で紹介できるのは、そのうちのごく一部。もので溢れた店内ではありますが、興味を持って見てもらえれば、何かしらにピンとくるのでは? ご来店の上、お確かめください。

そうそう梅雨ってこうだよね〜って感じの空模様。湿度がないのが幸いでしょうか。

2026/06/19

6/19 店日誌

なにせ、いろんな人間が自由に編集部に出入りできていた時代は、何かこう猥雑なエネルギーが編集部に満ちていたからだ。/そんな雑多な空気は、記事作りにおいて有利に働くこともある。企画のアイデアをひねり出す時も、名前も知らない業界筋の人が打ち合わせに突如乱入し、なかなか鋭い意見を述べ、風のように去って行くこともしばしば。(佐々木徹)

6月19日、金曜日。いや〜これはめっけもん! 先週末に買い取った、佐々木徹『週刊プレイボーイのプロレス』は有名レスラーの内にある葛藤、誇り高き哲学を知らしめるプロレス本にして、1980年代後半〜2000年代初頭の編集者の在り方、仕事術を伝える重要資料でもある。読みながらビビッときて付箋を貼ったのは上記箇所に加えて「読者に伝えられるのは、よくてたったひとつ。そのひとつを伝えるためだけに全力を尽くしなさい」っていうところ。

ポパイが50周年、気合いの入った号をつくったらしいと聞いて書店に赴き、立ち読みするも「う〜ん、これじゃ買えねえ!」とガックリくる。かつての名記事、先人への敬意は伝わる。書影が並ぶページはワクワクもする。だけど、背中を押すだけのパワーがないのは何故だろう。編集者個人の自発性の欠如か? 広告主への配慮なのか? 各方面への目配せが上手いだけじゃ、読者は掴めないと思うのだ。

そのあとで届いた『Sb』46号に興奮させられたのは、誌面全体に関わる人(編集長/編集者/ライター)それぞれの好奇心が反映されていたから。有名か無名か、ルーキーかベテランか、売れているか否か。そんな線引きとは異なる熱源で各コーナーが作られているから、読み手も自然と引き込まれる。安全策だけじゃないからドキドキする。

*
ジョン・カサヴェテス、今野雄二、小林信彦、ダディ・グース。オンライン・ストア〈平凡〉にあげた古本への反応がよくて手応えあり。買い取りがあってこその古本商売ってことを改めて実感している。大事な本を売ってくださった方々に感謝、感謝。今後ともよろしくお願いします。

今日は晴れて、暑くなるのかな。いつも通りに開けてます。

2026/06/18

6/18 店日誌

6月18日、木曜日。6大会連続出場のメッシがハットトリック、かたやクリスティアーノ・ロナウドは空振。後者には少なからず批判もあるらしい。はてさて、日本代表の長友佑都は5回目の出場で役割はチームを元気づけること。さらに吉田麻也にも同じような役割を期待されていて、南野拓実はメンターとしてチームに帯同。ニュースに耳を傾けながら、どうも腑に落ちないのは、今時の選手ってそんなに支えが必要なの? と思うから。若い選手でもたくましく見えるし、試合ぶりも堂々としていたと思うんだけどなァ。

なんだかんだ言っても試合があれば気になるわけで、ワールドカップやサッカー選手を揶揄するつもりは全くない。だけど、日本代表をとりまく雰囲気になんとなく馴染めないのは、安易な物語化が行われてると感じるからか(グループリーグでそんなに感動しないでしょ……)。

*
まあまあ調子よくやれてるかもな〜と、呑気に過ごしていると落とし穴。年を重ねてみないと体感できないブルースがあるってことなのか。ハァァ〜とため息をついてたら、「Popeye web」での1ヶ月限定連載「Town Talk」第2回が公開されていた。正直に言って、うまく書けなかった回である。反省。

朝から雨、本格的な梅雨模様。今日もいつも通りに開けてます。

2026/06/17

6/17 店日誌

6月17日、水曜日。半袖短パン、ビーサン解禁。庭の草刈りもシーズンイン。いよいよ夏に向けての準備がはじまった。なーんて書いても明日からは雨続き? 今週いっぱいはジメジメの梅雨空になる? って天気予報が伝えていたから油断はできない。気温の変化に気をつけつつ、体調はもちろん心身のコンディションに敏感に。無理せず慎重に、日々を重ねていくのがいちばんだ(ンなの当たり前だっつーの! そうツッコミが入りそうだけど、こうして書いて、意識しておかないとすぐに調子に乗るクセがあるので……)。

*
ワールドカップはDAZNじゃなくてNHK ONEがいい。自分は後者の2分間ハイライトでのみ、大会の情報を得ている。でも日本代表の初戦、オランダ戦の引き分けはいいけど、すでに感動と興奮の反芻が始まっているのに違和感がある。名場面、名台詞ばかりを繰り返さなくてもいいんじゃないか。

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昨夜の地震はドン! ときた。震源地を確認すると茨城県南。やっぱりな〜とは思ったけど、震度3より強い揺れだったのでは。店にくると雑誌が数冊落ちてるだけで、危ういバランスで積み上がってるCDには変化なし。よくもまあ崩れないもんだな。他人事みたいに感心している。

では、今日も開店! 新譜、新刊、古本に入荷あり。今週もよろしくどうぞ。

2026/06/16

6/16 雑記

先週から今週にかけて読んだのは、坪内祐三『一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』と『文学を探せ』、『古くさいぞ私は』。青色ひよこ『彼岸花』を経て、小林信彦『袋小路の休日』(に収録されている「隅の老人」)から『横溝正史読本』へと流れる。今日、新刊書店で買ったのは山田稔『もういいか』。個人的定番とも言える作家の本を読み直すことが多く、改めて唸っている。

2026/06/15

6/15 店日誌


6月15日、月曜日。先週末に大量の本の買取があり、レジ前には最高峰の雑誌タワーができている。MR.ハイファッション、装苑、ブルータス、ポパイを中心にしたファッション関連誌が主で、こんなにも買って、集めたのはすごいなあと感心するのみ。内容を見て仕分けしたのち、3分の1以下の高さにするのが今日の目標。その他、近年もっとも多くの著作に触れて、意識的に読み込んでもいる作家、小林信彦の著作もまとめて買い取った。映画や小説、芸能評論に加えて時評、対談などがあり。

雨が降ったと思うと、ぱーっと陽がさしたりと、どうにも読めない空模様。均一価格の本を店前に出したいのだけど、油断すると濡らしてしまいそうでもあり、動きだせない。もうちょっと様子を見ることにする。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目ください。

2026/06/14

6/14 店日誌

6月14日、日曜日。某ラジオ番組でNRQ関連の曲が流れたみたいですね。そう言葉をかけると、吉田悠樹さんの眼が光る。「よくぞ聞いてくれました! その件は隣にいる中尾さんに話してもらうといいんですよ!」と中尾勘二さんに水を向けると「いやあ、あれはたぶんね……」なんて感じで笑いながらことの顛末、推測をいろいろ話してくれる。流れのままコンポステラのLPについても質問すると勿体ぶらず、あれこれ教えてくれて、びっくり。話しながら笑いだしちゃう感じが北沢夏音さんとダブって、言葉を交わすほどに親近感が増していく。なんとも味のある方なのである。

コントラバスを持つ服部将典さんを見ていたら、不意にガンジーさんを思い出して、声をかけてみる。「ベース弾きのガンジーさん、知ってますか?」「ああ、学生のころ聴いていましたよ。シネマ・ダブ・モンクス」って返してくれるだけで、ジーンとくる。そりゃ知ってて当然かもしれないけど、飾らずに話してくれるのが妙に嬉しい。

2度目のつくばとあってか、メンバー(NRQ・牧野琢磨トリオ・みたらし団子ズ)の方々はちょうど良く力が抜けていて、会場にも自然に馴染んでいた。今回もステージはあんまり観られなかったけど、片岡敬さんの音響あってか廊下でも音がよく聴こえて、不満なし。いい夜だった。

*
先週からまた、本の買取依頼がぐーんと増えている。買い取った本をインスタグラム、ツイッターで紹介すると、それらを求めて人がくる。売って、買って、売って、買ってのリズムがいいと店にいるのが楽しい。古本屋としての手ごたえも大きい。

今日は久しぶりの通常営業(11時~19時)。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/06/13

6/13 店日誌

数あるリー・ペリー・プロデュースのアルバムの中で、僕が最も愛する1枚。/全編にフィーチャーされたドン・ドラモンドJr.こと、ヴィン・ドーゴンのトロンボーン。このトロンボーンは、リー・ペリーの手による乾きまくったリディムに乗ることで哀愁度が急旋回して聴く者の鼓膜にがっちり食い込み、強烈なアクセントを心に残す。(武田洋)

6月13日、土曜日。先週日曜にオザワさんに託された、リー・ペリー&アップセッターズ『ミュージカル・ボーンズ』を聴いてびっくり。こりゃ、めちゃくちゃ良いじゃないか! 所蔵しいる『定本 リー・“スクラッチ”・ペリー』をひもとくと、上記した武田洋さんによる解説が掲載されていて、作品と同じくらいに素晴らしい。続く箇所をそのまま引くと───「悠々としながらも情感豊かなフレーズでメロディを奏で、枯れたドラムとの見事なコンビネーションを見せるヴィンのトロンボーンは、男気や武骨といったものを音で表現したものの最高峰に位置するだろう」。

干涸びたドラムと、絶妙なタイミングで顔を出すキーボード、センチメンタルなメロディが絡み合った「5 Cardiff Crescent」と「Voodoo Man」の極上な2曲を是非直感で味わってほしい。

自分が盤から受けた印象を書き足せば、武田さんの書く「乾きまくったリディム」を堪能できるのは、主にB面。スウィートかつモンドな「5 Cardiff Crescent」「Four Of A Kind」「Voodoo Man」を通して聴いて、リー・ペリーのセンスとアイデア(霊感×音感×直感=創造性!)を思い知った。大袈裟じゃなく、キーボードの出てくるタイミングが絶妙すぎて、悶絶しそうになる。

*
さて、今日は天久保1丁目の地下スペース〈aNTENA〉で開催される「NRQ祭り/つくば再訪」に出店するため、11時~15時の短縮営業! 牧野琢磨トリオ・パッカサタン、みたらし団子ズ、NRQの3組が一同に会するのはかなり珍しいようなので、ぜひ遊びに来てほしい! 当日ふらり参加も大歓迎ですので。

さあ開店! 今週に入って古本の買取りが増えてきていて、ありがたいです。

2026/06/12

6/12 店日誌

6月12日、金曜日。午前中の用事があっという間に終わったので、予定変更! 11時に開けて、18時に閉めます(来週以降は11時〜19時の営業に戻るつもりなので、今週いっぱいはご勘弁ください)! 傷がどんどん癒えていく。あっという間に皮膚は再生して、かさぶたになり、腫れは引く。当たり前なんだけど身体ってすごいな〜と思ってる。

今日もよろしくお願いします。オンライン・ストア〈平凡〉もご利用ください。

2026/06/11

6/11 店日誌

6月11日、木曜日。目が覚めて軽くうがいをして鏡を見る。上唇の腫れが引いてきた。コーヒーが飲めて、細切りにしたパンが食べられる。ジャンプこそ思いっきりできないものの、ラジオに合わせて体操もできる。ちょっと前進。だいぶ安心。焦らず、少しずつ、元に戻していけばいい。日曜にオザワさんに託された『Studio One Classics ROOTS』はお約束というべきかレーベル面が真っ白で、ぱっと見じゃA/B面か分からない! ルーツ・レゲエという括りでも、地面から湧き上がるような低音、裏打ちのギター・カッティングは曲によって差異があるのを感じ取る。

「Popeye」ウェブ版での小さな連載が、今日から掲載開始。全4回。上手く書こうとせず、正直に、虚飾なく。まっすぐに書けたらいい。今月はいくつかの雑誌と縁があり、某達人誌、某プレミアム誌にも記事が掲載される。どちらも20日前後の発売らしい。どこかで見つけたら、ぜひ。

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2026年3月16日、21時頃に二泊三日の韓国旅行から帰宅した。荷ほどきは後回しだ。上着だけ脱いで、スーツケースからクラブ極楽のパーカーを取り出し、着込む。レコードプレイヤーの前に腰掛けてヘッドホンを装着する。/レコードに針を落とす。途端に始まるぶっといベースライン。/これこれ……これです!(キングジョー)

キングジョー×松永良平『おれの心に絨毯を敷いて』が到着。2026年3月、2泊3日の韓国旅を記録した小冊子にはページ数以上の厚みあり。キングジョーさんのテキストには、読み出すと止められなくなるパワーがあるのが不思議です。ピープル・ブックストア店頭とオンライン・ストア〈平凡〉で販売中。

今日は11時~18時、明日は13時~18時、明後日は11時~15時(その後、NRQ祭りに出店)と変則営業が続きます。ややこしくて申し訳ないのですが、ひとつご容赦ください。

ではでは開店! お隣カフェではあらたな展示がはじまりますよー!

2026/06/10

6/10 店日誌


6月10日、水曜日。近年最大のダメージを受け、心身ともにボロボロだった日曜、どうにか店を開けられたのは14時頃。こりゃまともな営業にならんだろな……と思ってたら、常連オザワさんがすぐに顔を出す。おお、こんな日にありがとうございます(ありひゃほうごじゃます)っと言うとニコリと微笑んで、2枚のレコードが差し出される。見ると、大好きなシリーズ「Studio One Classics」のルーツレゲエ編、リー・ペリー&アップセッターズ『ミュージカル・ボーンズ』。周年祝いです、と伝えられてジワーッと心が熱くなる。やさしくされると泣きたくなる。

ひさびさにきてくれたヤナ先輩、ダンサーのナイスカップル、足利のマキタさん、ナツナさん。もうこれで充分。大感謝。急遽閉店して帰宅したのは18時前、そのまま布団に入って翌朝6時までどっぷりと眠った。

*
ペンペンドンピーの最新7インチ! 『Mama go shopping to Thailand/干せ(Jose Sangria)』は6月17日(水)発売。ただいまご予約受付中。その他、多くの方がお待ちかねのサマー・ミックスも待機していますので、乞うご期待。

さあ改めて! 今日明日は11時~18時、明後日は13時~18時の短縮営業です!

2026/06/09

6/9 定休日

今日は定休日です。

2026/06/08

6/8 臨時休業


今日は臨時休業です。

2026/06/07

6/7 短縮営業


今日は短縮営業(14時〜17時)です。

2026/06/06

6/6 店日誌

この本のなかで、草森さんが、《サブ・カルチュアなんて無かった。仮にあったとしても、政治や資本に全部絡めとられていく。》と言っているんだけど、本当にそうだと思いましたよ。七〇年のあの頃、若者が考えたこと、やろうとしたことが、今となってみるとほとんどが商業化して、日常化している。(本間健彦)

サブカルチュアに属した新劇や純文学の停滞は当然としても、政治や経済すらも、サブカルチュア化し、空洞化しはじめている。あたかも私が王道のように、それまで無視されたサブ文化を正面に据えて啓蒙してきたこと、ただ世界規模の愚民化に手を貸したに過ぎない。(草森紳一)

6月6日、土曜日。北沢夏音『Get back,SUB! あるリトル・マガジンの魂』を数年ぶりに読み返して、引き込まれる。もともと付箋が貼られていた箇所はもちろんなのだけど、時勢もあってか1973年のオイル・ショックに関して書かれたところが気になった。特に草森紳一の跋文のなかで上記引用部につづく一節───「オイル・ショックとその後の世の変化に対し、そう象徴化として考えるようになっていた。マクルーハンの指摘が、ロコツに現実化してきたのだ。世は不景気だったが、グローバル化の準備が着々と準備していた」。

最初のオイル・ショックから33年が経った現在にも似たような状況があるのだろうか。表面化されない領域で何が起きて、誰が暗躍しているのだろう? 過去の事象から学べることがあるのは間違いない。今こそ1973年が検証されるべきなのでは……そう感じている人は多いのかな。とりあえず、坪内祐三『一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」』を読み直してみる。

思いどおりになるかどうかわからない未来への投資より、思い出の反芻は目減りのしにくい娯楽だ。ベスト盤のCDが売れるのも道理である。この境地に辿り着けたら大成功だ。(ナンシー関)

ナンシー関の書く「思い出の反芻」がビッグ・ビジネスになって久しい。かつての人気バンドの再結成、大規模フェス、どれもこれもが「思い出の反芻」に絡めとられている。そういう自分も? どうしたって現行の音楽に付いていけてないわけで、反芻行為に陥っているのが実情なのである。

*
そろそろ梅雨入りなのかな。先週よりもぐっと温度がさがって過ごしやすいけど、寒暖差(涼熱差と書きたい)が大きくて、どうも気持ちが落ち着かない。こういうときは無理せず、動きを抑えておくのに限る。ぐだぐだと日誌を書いて、くたびれているのは馬鹿らしい。

ではでは、開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜。

2026/06/05

6/5 店日誌


6月5日、金曜日。ナンシー関を読んでいる。まとめて買っておいた文庫本をてきとうに手に取っていく。『聞いて極楽』『耳部長』『何をいまさら』『顔面手帖』『記憶スケッチアカデミー』(⇦今ここ)。どれを読んでもハズレなし。グサリと刺されるようなテキストがあれば、ダハハ! 思わず声が出てしまうコラムもある。時期によっては消しゴム版画作品に光が当てられていて、文庫ながらも作品集って趣のものもあって面白い。『顔面手帖』所収の「桂歌丸」「朝まで生テレビ」「内藤陳」の連作は実にお見事(かなうならば、原画を見てみたい)。

フリークス性と呼んでしまってもいいくらいに、それぞれに奇妙な形に発達した歌手の「人前で歌う人間」性の品評会。そのせめぎ合いの中から流行歌が育つというのは、歌番組の幸福なかたちだった。(『何をいまさら』所収「歌番組不在の時代が生んだ「人前で歌うべきでない」歌手たち」より)

皆さんすでにご承知のことだろうが、日本テレビはどうゆうわけかフリークスが好きだ。日本一フリークス好きのテレビ局と言い切って間違いない。(『ナンシー関の顔面手帖』所収「愛川欽也」より)

際立つのは、上記した「フリークス(性)」を捉える感性だ。プロレス鑑賞/観戦で育まれたと思われる奇矯な人物へおくる眼差しは、たとえ用のないほど独特だ。安っぽく揶揄(からか)うわけでなく、子供じみた愛を語るわけでもない。読みやすく、分かりやすいのに深みがある。魅力のある文章なのだ。

*
きのう届いたDoveの2作が好発進! メロウな歌ものを主に構成された『LATE NIGHT』、友人の残したレコードを気の向くまま再生し合った『NO PROBLEM』。どちらにも愛と洒落っ気あり。気になれば、ぜひお手元に。

今日明日、明後日、明々後日としばらくは通常営業。お暇があればご来店ください。

2026/06/04

6/4 店日誌

ニュールーツというわりには人懐っこいサイン派ベース+エレクトロ・ダブで、世界のダブ・アディクトたちの話題をかっさらったMERMAIDのLP『DUBMAID』。2025年のリリースから1年、早くも『DUB FOREVER』なる新作がここに。/カヴァー=ヴァージョニングの妙たるレゲエのうま味を出汁に使いつつ、これまた人懐っこいアシッドの熱風が低音とともにスピーカーから吹き出すダブ・アルバムに。(河村祐介)

6月4日、木曜日。発売日よりも一足はやく届いた、MERMAID『DUB FOREVER』に針をおろして、まず浮かんだのがPottmann(ポットマン)。音楽だけを聴いてれば、マーメイドとポットマンを横並びにするのは何の不思議もないはず。自宅の部屋で録音されたようなローファイ・サウンド。歌未満のヴォーカル。するりと耳をぬけるメロディ。心地良いんだか悪いんだか、簡単には判断させない感じが似てるのかな。A面ラストの「NO WAY」を聴いてたら、ロボ宙&DAUを真ん中に置くと分かりやすいかなーと思ったり。

B面冒頭の「BABY」「GAVOTTE」の可愛げ、人懐っこさはダブと言わずとも、多くの人の耳を引く気がする。後者はクラシックの有名曲(「ガヴォット ニ長調」は、フランソワ=ジョセフ・ゴセックが作曲した小曲)らしいけど、ここに「生き延びよう」って言葉を被せるセンス、チョイスに賛同。軽くていいんだよなァ。

*
来週末13日(土)に開催される「NRQ祭り」に向けて、主催者・猿田なつ奈(natunatuna)さんへのインタビューを公開しました。なぜ今、NRQ? またアンテナで、またまたピープルなんすか? って率直な疑問に応えてくれたので、ぜひご一読を。で、興味がわいたら遊びにきてほしいっス。

今日からようやく通常営業。入荷がたくさんありますよー。

2026/06/03

6/3 臨時休業

台風接近のため、今日は臨時休業です。

2026/06/02

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー④


撮影:大宮麻比古

-では、最後にもうひとつ。出店のピープル・ブックストアなのですが、なぜ毎度声をかけてくれるのでしょう? こうしたライブの現場に本は必須じゃないよなーと自分でも思うのですが……。

いつもありがとうございます! とは言え、〈PEOPLE BOOKSTORE〉に声をかける時、その時その時で、いろんな理由があってお声がけしている気がします。そもそも、音楽と本ってものすごく相性のよいものだったと思うんだけど、今そこの結びつきがあまり見えなくなっている気がしてそれが見えたらいいなあというのがひとつ。

これは私の勝手な偏見なのかもだけど、近年いろいろ便利になって、音楽や本が、データや情報として捉えられた結果なんじゃないかな、と思っていて。わたしはそこには小さくとも抗っていきたいなあと思ってこうして企画をやっている気がします。

良い音楽聴いた帰り道に読もうかとふと手に取った本に、人生変えられちゃったよ、とかそういうアクシデントがあったら嬉しい。

-なるほど。たしかにそうかもしれません。ライブが始まるまでの時間で本を読んでる人を見つけると嬉しかったりしますね。会場に本が並んでたら眺めるだけで時間が経つし。

あと〈aNTENA〉のイベントの時は特になんだけど、ピープルがあの場にいてくれることで、つくばという街との地続き感が出ると思ってます。ふらっと何やってるの?と立ち寄れるような空気であるとか、ライブを観に来てるのか飲みに来てるのかわからんような、通路ですでに楽しそうにしてるお客さんがいたりとか、目指してもやっぱりすぐには作れない。つくばに根差している店の力はおおきいなあ、と思ってます。

自分の住む街で何かをやるって、その先が重要だと思っていて、ライブ後今度はピープルに本を買いにつくばに行ってみようとか、足を運ぶきっかけになればいいなあと。

結局話長くなってますが、コンポステラ*のレコードがアナログ化されて、ピープルが取り扱いを始めたこととかも、とても自分にとっては嬉しいことで、そうやって街の店や人の共通言語のようなものが増えていくのが、うれしいことだなあと思います。

-おお、それは嬉しい。実際ライブ前後に店に来てくれる人もいますからねえ。コンポステラはもう、この企画に関わるなら無視できなかったです。イベント当日に見つけてくれる人がいたら嬉しいですね。……と、ここまで長く話してきましたが、最後に「NRQ祭り」に向けての意気込みとナツナさんの今後の活動情報があれば、教えてください!

都市部でのライブに比べ、地方のイベントってある一日のために長い時間をかけて準備することができたり宣伝できることができるなあと思っていて、実はその過程こそが大事なんじゃないかな?と思ってます。

集客の人数は結果でしかなくて、当日そりゃ満杯になったら気持ちもいいし、お金もたすかりますけども、それよりも、NRQという唯一無二のバンドに出会うきっかけをそこかしこにつくれるのが企画者冥利に尽きます。今回はさらにみたらし団子ズと牧野琢磨トリオ・パッカサタンにも出会えますし。そういう機会つくれたこと、それがまず嬉しい。あとはこの感じを面白そう! って、つかまえてくれる人と出会いたい。自分のアンテナは衰えてなかった、と感じてもらえるような日になったら嬉しいです。

わたし自身はこの後6月23日(火)〜7月12日(日)の会期で京都の〈gorey cafe〉で毎年恒例の個展**があります。今年で9年目、いま追い込み中です。期間中にライブイベントも6本ほど予定しているので是非ぜひ遊びにいらしてください。

−ありがとうございます! ここまで読んでくれて、当日〈aNTENA〉に来る方がいるならば、NRQメンバーやナツナさん、あっちゃんに声をかけたくなるでしょう。見つけたら気軽に話してみてください。みんなやさしく応えてくれると思うので。

ではでは、来週13日(土)に会場で会いましょう!

(終わりです!)

*「篠田昌巳ユニット」のち「コンポステラ」:と名乗った楽団の音源、2タイトル(『COMPOSTELA』・『1の知らせ)』が今年4月にアナログ盤でリリースされた。ちなみに、NRQのメンバー、中尾勘二さんは両作に参加している。

**natunatuna solo exhibition 「「ゆめ」のあと/さき」:は〈goery cafe〉(京都市左京区浄土寺西田町82-1)で上記会期で開催。月曜定休。

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー③

PA:片岡敬さん(撮影:大宮麻比古)

-で、忘れちゃいけない! サポート陣のことも聞いておきます。今回もPA(音響オペレーター)として片岡敬さんが参加されますね。前回からの連続参加ですが、そもそもどんなきっかけがあったのでしょうか?

以前からNRQのイベントや音源でお名前をみていたり、〈senkiya〉のイベントで片岡さんがPAをしている時にご一緒する機会があり、お話をきいたりしていて、いろんな状況で最適に音を鳴らすことを得意としてるし楽しんでいるのを感じまして、この方なら一緒に1日を作ってくれるなあと思いお願いしました。

はじめは、NRQは自分たちでも音を作れるし、その規模なら自分がPAやらなくてもいいかもとおっしゃっていたのですが、ライブがたくさんはいりはじめた〈aNTENA〉で、プロにPAをお願いしたらどれくらいいい音できけるのか場所の可能性を知りたかったのもありお願いをしました。

2年前は、どれくらい人が来るかも未知数だったので、音のことをまるごとお任せできたのは本当に助かりました。

-では、会場となる〈aNTENA〉に関しても聞いていきます。今や焼菓子と名物店主あっちゃんのイメージが強いですが、どんな風に知り合って、どうやって関係が出来ていったか知りたいです。

あっちゃんとの出会いは、かなり変わってて。話すと長いんです。(聞き手の植田は)知っているとおもうんだけど、数年前にわたしはスパン子さんというピアニストの500枚手描きのCDというのをつくらせていただいていて、その完成記念の大阪のイベントで、「維新派」*の美術や舞台制作をしていた白藤垂人さんが、会場装飾をしてくださいまして。センスも熱意も、ものすごくて、勝手にかなり尊敬してる方なんですが、その後、映画のセットをつくったりするのにつくばに何日も泊まり込みできてるとおっしゃっていて、現場に覗きにいったりした流れで、夜みんなで飲んでる場に呼ばれまして。

そこで、紹介されたのがあっちゃんでした。あっちゃんと垂人さんは酒場で隣同士になって、垂人さんが関西弁で憂歌団の木村充揮**さんの話をしていたから声をかけたとのことでした。

多分天久保に出入りしていたら、出会うこともあったのかもしれないけど、わたしはもともと酒場に行ったりしないタイプなのでその日まで全くお互いに存在を知らず、あっちゃんもきっと謎だっだろうなと思います。お互いに共通していたのは、信頼する垂人さんの紹介だから、きっと大丈夫だろう、というところだったと思います。


2018年頃、アンテナ施工中。貴重な記録!

-あっちゃんと乗人さんの出会いの話、いいですねえ! 天久保での木村充揮さんのライブを観にいく直前のことらしいですね。それもまた運命的。

その時にライブスペースを手作りしている話を聞きまして、場所を見せてもらうんです。スナック二軒をぶち抜いた広いスペースに木材やらなにやらが沢山あって、ステージの上で使う木材に色を塗っていました。本当に手作りで、地下にこんなところがあるなんて、しかもこれから始まる場所だなんて、と、ものすごくワクワクしました。

そこが、今のaNTENAです。まだコロナ前、2018年頃だったと思います。

-おお、貴重な写真! この時から比べて、現在のアンテナはどうでしょう? 最近はいろいろライブもやってて貴重な場所になってると思うのですが。

いやあ、かなり貴重な場所だとおもいますね。はじめこの場所を見た時には、コロナ前、他にもライブできる場所はたくさんあったので、さてどんな音楽がここで鳴らされていくんだろな?と思ってました。本人の中でも、どんな音楽をやることになるかはまだイメージ無かったんじゃないかな。

あっちゃんは、どんどん良くしてこう、というタイプの人で、ライブをしては改善点を次々と直していくんです。「誰も気づかない」と口癖のように言いながら。壁の色もその都度の課題にあわせてどんどん変わる。結果、今かなりいろんな方が使いやすい場所になっていると思います。

風通しがよくて、いろんなお店の店主も足を運んでくれるのはかなり面白いなと2年前にNRQつくばを開催した時におもいました。

-とにかく楽しいことなら何でもあり! 宴会やるよーみたいな漠然としていたところに形を与えたのがなつなさんの絵だったり、デザインだったのかなと思ってます。

チラシをつくることで、当時まだ始まったばかりの場所の、お互いの共通イメージを作れた気がします。すごいのは、ひとつひとつ現実になっていること。とうとう今度祭りの開催もあるということで、あっちゃんも張りきっています!

(次回につづきます!)

* 「維新派」:1970年に大阪で活動を開始。維新派の最も大きな特徴として、巨大な野外劇場を建設することが挙げられる。この作業は、役者、スタッフの総勢50名ほどが50日〜60日を費やして自分たちの手で行う。 何もない全くの更地の状態から、舞台、客席、宿泊場所までを作り、上演時はカーニバルの異空間を作り上げる。公演後は釘一本残さず、再び更地に戻すという徹底ぶりは、架空性への強いこだわりでもある。http://www.ishinha.com/ishinha/

**「木村充揮(きむらあつき)」:日本を代表するブルースバンド「憂歌団」のヴォーカル。独特のダミ声に乗せる情感は唯一無二。2018〜2023年にはつくば市天久保にあった〈FROG〉でライブを開催していた。https://www.kimuraatsuki.info/

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー②

6/13「NRQ祭り」のフライヤーはこちら!(natunatuna画)

-NRQ、2年ぶりのつくば公演をこのタイミングで行うのは理由がありますか? たまたま? それとも、満を持しての日程なのしょうか?

実は第一回目のNRQつくばをやった時に、次をどのタイミングで企画するかすでに考えていました。前回の直後からNRQははじめての半年間の活動休止に入ったので、1年後にやるのはちょっとはやいかも?とは思ってました。

去年(2025年)の冬ごろに、「来年旧作4thアルバム『Retronym』がLP化されるのでまたつくばでライブしたいです」と言ってくださり、そこから計画を練り始めました。〈aNTENA〉店主あっちゃんもNRQやメンバーそれぞれの活動を追っていたこともあり、なんとなく、みんなで企画を組み立てていくような気運を感じました。

ほどなくして、「前回とちょっとアプローチを変えて前座として短めに「パッカサタン」と「みたらし団子ズ」も加えるのは如何でしょう、とメンバーの吉田悠樹さんから(ブッキング発案は牧野琢磨さん)提案をいただき、これはもう祭りだね、なんてことをみんなそれぞれに思っていたと思います。

-なるほど! そんな流れがあったとは。企画名の「NRQ祭り」っていうのは、自然と流れのなかで生まれたわけですね。もうちょい詳しくタイトルのことを教えてほしいです。やはり「祭り」ってのは特別だと思うので。

さっきの続きになるんですが、バンドからの企画案を受けて、タイトルに祭りと付けたいな。あっちゃんは祭りが好きだし、提案してみようかな、とは思ってました。

今のNRQをみた上で、その「NRQ祭り」と銘打ってもよいですか?とお伝えできたらなと思い、ライブに足をはこびました。MCでギターの牧野さんが、「6月13日につくばでNRQ祭りをします!!!」と言ってくださったのです。とても嬉しく、ライブ後ダッシュで帰り、その日のうちにフライヤーを描き始めました。

前回公演(2024年)のフライヤー。印刷は〈えんすい舎〉で。

−それはすごい(笑)! 神の思し召しみたいな話ですね。では改めて、今回出演の3バンド(NRQ、牧野琢磨トリオ・パッカサタン*、みたらし団子ズ**)の紹介をお願いできますか?

NRQは本当にバンドを組むために集まった個の集まり、みたいなバンドで、仲良しこよしから始まっていないし、バンドで一つの答えを出す、よりも、誰かの意見がでたらそれを100%尊重する、みたいに書いてあって、なかなかにすごい方々だなと思ってます。

わたしが何を紹介できるのだろう、プロフィールとはちがうよなあ、と。2年前も読んだんだけど、このインタビューに色々書いてありかなり面白いです。

−おお、ありがとうございます。(数十分、無言。インタビュー読む)このインタビュー、すごいですね……。これまでもっていたNRQ観がひっくり返ってしまいました。いやー、オレは何も知らなかったんだな(笑)。

(次回につづきます!)

* 「牧野琢磨・トリオ・パッカサタン」:2023年結成。NRQや湯浅湾、Summer Eye Sound Syndicateなどでギターを弾いている牧野琢磨のリーダートリオ。自身の好きな曲・演奏したい曲群、謂わば“人力プレイリスト”を演奏する。レパートリーはラテン、クンビア、ソウル、ジャズ、アメリカーナの名曲たち。https://www.youtube.com/watch?v=pY6zK8vjMIc

**「みたらし団子ズ」:吉田悠樹+服部将典のユニット。今回は中尾勘ニをドラムに迎え、NRQ4分の3。NRQとの大きな違いは歌心。NRQでは二胡のメロディラインが美しい吉田氏だが、みたらし団子ズではギター片手にボーカルをとり、服部氏も歌う。叙情的な味わい深い歌詞も必聴。名曲スプリングは前野健太氏作詞。

NRQ祭りって何だろう? 企画者・猿田なつ奈 インタビュー①

前回公演、終了時の1枚。真ん中が猿田さん(いい顔)!

2026年6月13日(土)につくば市天久保1丁目の地下スペース〈aNTENA〉で、NRQのライブが開催される。前回2024年4月に同会場で行われたワンマン以来、約2年ぶりとなる企画は「NRQ祭り」。……って一体、どうゆうこと? 今回は何が行われるの? SNSを介して広がる情報以上のことが知りたくなり、企画者の猿田なつ奈(natunatuna)さんに話を聞いてみた。まずは2年前の企画に関することから───。

-なつなさん、こんにちは。6月13日(土)に開催する「NRQ祭り」に向けて、いろいろ聞いていこうと思います。よろしくお願いします。

どもども、よろしくお願いします!
当日の出店も受けてくれてありがとうございます、すごく嬉しい。

-いえいえ、こちらも誘ってもらえて嬉しいです。開催まで2週間をきりました。いまのところの反響、予約状況はどうですか?

行くよ〜! みたいな声とか、楽しみ! って声は聞こえてきてます!予約が入ってくるのはここからだと思います!2年前も連絡来たの前日と当日がほとんどだったので。当日の朝までの予約で40人、当日で60人増えて、その感じがまた面白かったです。

とは言え、やっぱり予約してくれるとほっとしますんで、良かったらご一報ください!

-分かります! イベントの企画側はできればハラハラしたくないですもんね……。前回(2024年4月6日)のライブは100人超の集客で大盛況でした! 近い距離でみていて、告知としての「NRQポスター展」の効果が大きかったと思うんですが、あの反響はどんな風に受け止めていましたか?

あれは、つくばと、そしてNRQの組み合わせならではの企画だったなと思ってます。長くなってしまうんですが、あの少し前に〈千年一日珈琲焙煎所CAFE〉で〈AKUAKU〉の展示*をやっていましたよね。あれを見て、街の中にポスターがあって、バンドやアーティストの名前がかっこいいビジュアルを纏ってて、面白い場所に貼ってある、みたいな当時のつくばをイメージしたんです。羨ましかったし、すごいなあと思ったし、魅力的だなあと。

ポスターの大きさがすごく重要だと思いました。今はなんでも手のひらにおさまるから。ピントを手のサイズから壁のポスターに、街の風景に、合わせていけるようなことになったらいいなあと。

-ピントをずらし、広げて、街に向ける。その発想は面白いですねえ。

とは言え、あちこちの店を訪れて、ポスターを貼らせて欲しいとわたしは軽々しく言えない。やっぱりそこは、何を貼るかはお店の表現でもあるから。でも、NRQをつくばに呼ぶ企画だったからきっとみんな協力してくれる、と思いました。

結果22人だったかな、たくさんの人が参加してくれました。天久保1丁目の〈えんすい舎〉**と絡めたかったのもあったんです。今のつくばでは、そういう遊びができるということをみせたくて。大変だったけど、その一連の流れをお店の方々も把握してくれて、ポスターもたくさん貼ってくれて、目にする人も多く、集客にも繋がった気がします

2024年4月のイベント当日。廊下に沢山のポスターが貼り出された。

-そもそも、「NRQ ポスター展」っていろんな人にポスターを描いてもらう企画ですよね? なんにせよイベントのモチーフとなる絵ないし写真はひとつの方がわかりやすい。そんな声もあったと思うんですが、ああやって呼びかけた理由はなんでしょう? 単に集客目的以上のものがあった気がするんです。

みんながNRQを聴いてみるキッカケをつくれることかな。今は色々聴く方法があるし。あとは、自分だったら、私に描かせて欲しいって思っただろうな、と。ツテがなかった若い頃の自分へ投げたパスでもあった気がします。仲良しこよしじゃなくて、チャンスくれよ、って私だったら思うなって。

-「チャンスくれよ!」ってのは、とってもなつなさんらしい答えです……!



*〈AkuAku〉の展示: 「アクアクの時代 1979 - 2000   ひとつの つくば カウンターカルチャー史」(会期:2024年1月25日−2月5日) かつてつくば市天久保には「CREATIVE HOUSE AKUAKU」という文化的実験の場がありました。あえて分類するならば、ジャズ喫茶やライブハウスというカテゴリーにあてはまるのでしょう。ただ、そうした既存の言葉でこの場所の活動の広がりを表すことはできません。https://1001coffee.jugem.jp/?eid=672 

**〈えんすい舎〉: 「えんすい舎は、リソグラフとシルクスクリーンの印刷ができる体験型印刷所です。お客様自身で印刷をして作品を完成させることで、「ものづくり」の楽しさを体験してもらいたいと考えています。印刷後に加工するための色々な道具やスペースも揃えていますので、ワークスペースとしても使うことができます。」https://1001coffee.net/1-5

6/2 雑記

朝イチのレコードは、JOEY QUINONES『INNA SOUL STEADY SITUATION』。ジャケットの雰囲気からしてフィーリンっぽいのかなーと思ってたけど、軽めのレゲエではじまる。スカラチャ、スカラチャ、リズムを刻んで徐々にペースが落ちてきて納得。そうそう、期待してたのはこの感じ。マテオ・ストーンマンに似たシルキー・ヴォイス、チカーノソウル特有のテンポ、深みのあるグルーヴ。これは梅雨から夏にかけての重宝盤になるだろう。

怒涛の週末が過ぎて、ようやく日常のスピード感を取り戻した。これから健康診断を受けてくる。

2026/06/01

6/1 店日誌


6月1日、月曜日。連日の出店、それに伴う出来事に飲み込まれて、アウト・オブ・コントロール状態に陥る。こういう時には、北山耕平『自然のレッスン』に手を伸ばす。「満足を知るためにやっていいこと やってはいけないこと」の前半部をそのまま書き写す。「一、不平を言わない。だれかの不満の種にならない。 二、ひとつのことをくよくよと、いつまでも考えない。 三、自分の分け前を、他人のものとくらべたりしない。 四、過去を振り返り「あのとき、ああしておけば」などと絶対に言わない」。

このあとにも「七、ひとを見るときには、よいところをさがす。 八、やさしい気持ちで行動する」など、平明かつ簡素に言葉が重なられていくのだけど、すーっと受け入れられる。せめて今、数時間だけでもここに書かれていることを意識する。背筋を伸ばして、いい気分で過ごせるよう工夫してみる。

*
毎週末に催事参加、臨時休業が重なった先月でしたが、今月は13日(土)の「NRQ祭り」のみ。単なる出店ではなく、会場(アッチャン)と主催(ナツナサン)との三位一体、心を合わせて準備を進めています。「十、どんなに小さなことでも、どんなに大きなことでも、やるからにはベストをつくす」ってのを実践するのは今! やったるぜ。

今日は通常営業。お隣カフェで開催中の「メザメザメ 春 刊行記念展」最終日です。

2026/05/31

5/31 休業

本日は棕櫚での出店のため、終日休業です。

2026/05/30

5/30 店日誌

さて、やっと出ました、うしろ暗いジャマイカ音楽の中でも、その中でも二流中の二流、恥ずかしいグループと考えられているスリー・トップスだ。これまた活字になりにくいグループであるが、中庸の魅力以上のなにかがある。名前すら知らないが、リードもよく通る声で歌うし、バックもいいので、バカにしないで聴いて頂きたいものである。(山名昇)

5月30日、土曜日。『ブルー・ビート・バップ!』を読んでいて、思わず声が出る。スリー・トップスのことが(*5/25店日誌を参照あれ)書いてあるじゃん! やっぱ山名さん、目が効くな〜! てなわけで、1991年に発行された大判の初版にも掲載されている「Dig Treasure Isle 海賊気分で宝島探検」を読みながら、『It’s Rockin’ Time duke reid’s rock steady 1967-1968』を再聴している。空は真っ青、空気は爽やか。気持ちいいなァ〜。

朝はサッパリ、昼からはネットリ、ギラギラの暑さになるのだろうか。今から覚悟しておくけど、一昨日あたりのムシムシ湿度じゃないだけ良しとしよう。ひとまず! 本日開催「パスカルズ つくば公演」のチケットは全席完売、満席とのこと。当日券なし。

今日は11時〜14時の短縮営業、明日は終日休業です! どうぞよろしく!

2026/05/29

5/29 店日誌


5月29日、金曜日。Toots and the Maytals『REGGAE GOT SOUL』に針をおろすと部屋の空気が軽くなる。ゆったりしたリディムに乗るトゥーツの声には華がある。ロックステディほどメロウじゃないけど、ルーツ・レゲエほどヘヴィーじゃない。ファンキーなカントリーって感じでのどか、おおらか。心を不安にさせる要素がなくて安心できる。ルンルン気分でB面冒頭の「Reggae Got Soul」「Everybody Needs Some Loving」を聴きながら、『ブルー・ビート・バップ』を紐解くと───

トゥーツは、オーティス・レディングなどアメリカ南部のディープなソウル・ミュージックの表現方法に露骨にインスパイアされていたが、逆に、どこかニセ物っぽい後ろめたさのようなものが感じられるヤバさが、もっとも魅力的だった。(山名昇)

ふーーーむ、なるほど。ってか、やっぱり山名さんのレヴューは言葉選びが独特でカッコいい。奇をてらわず率直なのに、独特の揺れがある。簡潔だけれど情緒があって、色気もただよう。やっぱり特別な書き手なんだよなあ。いわく「(『Reggae Got Soul』は)モダン・ソウル・ファンク・レゲエの大傑作」とのこと。メモとしてここに書いておく。

*

今日は通常営業! 明日は11時~14時の短縮営業、明後日は終日休業です。

2026/05/28

5/28 店日誌


5月28日、木曜日。朝イチのレコードは、Slim Smith『EARLY DAYS』。美声シンガーのスリム・スミスのアーリーデイズ、さぞかしメロウなんだろな〜と針をおろすと、A面前半はファットな低音が響いてびっくり。単に音がいいってことでもあり、アーリー・レゲエの時期に差しかかった頃の録音でもあるのだろう。その後にはスカ・チューンやロックステディもあり、ソウルフルかつスウィート、タフな14曲を堪能した。たった1度だけで、何かが分かるわけじゃないのだが、レコードは最初の1周目をどう聴けるかが重要だと思ってる(時間が経てば、また新鮮に出会えたりもするけれど)。

レゲエがジャマイカのソウル・ミュージックなら、スカはジャマイカのロックン・ロールだろう。ロックン・ロールには「チャック・ベリー不滅説」というのがある。なぜなら、彼が歌ったテーマが、誰もが必ず経験する恋やセックス、車や学校といった、まさに「青春もの」だからだ。(宮崎研二)

山名昇(責任編集)『ブルー・ビート・バップ』に入っている、宮崎研二「バスター親分、登場だ」が素晴らしい。平易ながらもプリンス・バスターに対する敬意があり、バスターと共に時間を過ごした上での体験、高揚までもが言語化されている。上記の「スカ=ロックン・ロール説」は重要な指摘だと言えるだろう。

かと思えば、ハード・ボイルドな曲の「アル・カポン」に乗せる「チュク、チュク」という「くちカッティング」。これにはパターンがいくつもあって、「パッピキ、パッピキ」や「ドッチキ、ドッチキ」、「チキ・チュク、チキ・チュク」、「ヘキ、ヘキ」などあり、真似しようにもなかなか難しい。

「くちカッティング」を解説する箇所が、このテキスト内の個人的ハイライト。文字面じゃなくて、実際に口にしてみるとわかる音があって、面白い。「ヘキ、ヘキ」なんて、あの特有のコブシっていうかヒネリがあって成立してるんだよねえ。スリム・スミスからプリンス・バスターに話が移ってしまったけれど、まあそんな気分だったというわけで。

*
明後日30日(土)の営業時間を変更します! お伝えしていたよりさらに1時間短くなり、11時〜14時で店を開けます。「パスカルズ つくば公演」会場での準備にかかる手間が思いのほか大きく、31日(日)の出店準備も重なったため。ややこしいですが、ご了承ください。

今日明日は通常営業! いろいろ入荷もあるので、よろしくどうぞ〜!

2026/05/27

5/27 店日誌


音楽と言葉の結びつきについて語れる時、ビートニクにスポットが当たる。/つまり、彼等の多くが退屈しきった白人青年たちであり、最後の世界大戦(今のところは、だが)後のアメリカ社会の古臭く偽善的な習慣やモラルにその内部から反抗した時、ジャズが彼等にとって一つの実践目標だった。(荏開津広)

ヴェトナム戦争が落とした暗い影はキッズたちを憂鬱にさせ、街全体が暗い空気に包まれていた。/その中で、とにかくたくさんの人間が自分の存在を証明したがっていた。それでマーカーやスプレイペイントを手にし、自分の名前を壁に描いて『僕はここにいる』ってことを証明しようとした。(ラメルジー)

5月27日、水曜日。荏開津広『人々の音楽について』を数年ぶりに読み返して、ブルース~ジャズにはじまり、スカ~レゲエ~ダブへと展開し、ヒップホップ~アシッドジャズ~テクノに接続する音楽文化の変遷を再提案された気がした。パブリック・エネミー、じゃがたら、プリンス・バスター、スカ・フレイムス、松岡徹、藤井悟、TOKYO NO.1 SOULSET、ギル・スコット・ヘロン、ラスト・ポエッツ、ジャミロクアイ、ラメルジー……って並びがヤケに新鮮。90年代の再評価も完了しつつある2026年に、こんな感覚が得られるってのはちょっとした驚きでもある。

第二次大戦の戦勝国としての経済的繁栄に対してのカウンターとして現れたビートニク。その後の東西冷戦、ヴェトナム戦争による悲観的情況を反映して生まれたヒッピー・カルチャー。そこまでは認識していたつもりだけれど、「ザ・ラメルジー」を読むまでは、そこにヒップホップを接続する発想を持てていなかった。

まあ、つまり自分はニブイのだ。その手の本を読み漁っても、系統立った知識は獲得できないまま。ばらばらに煮込まれ、ときに発酵した情報たちが混ざっていくと、何かが生み出されることもあるんだろうか。

*
今週末のつくば市内は催事いろいろ。あちこちが賑わうみたいです。当店は30日(土)が短縮営業で、翌31日(日)は終日休業。それぞれ「パスカルズ つくば公演」と「棕櫚 開店4周年記念パーティー」に出店します。

今日明日、明後日は通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2026/05/26

5/26 雑記

午前中、市内の実家に移動する。道中、かつて通った小学校の古びた体育館が目に入って、複雑な気分。ケンカがあって、鼻血を出した友達がいた。カメムシの匂い。くさったソフト麺。いい思い出が浮かばないまま、家に着く。庭で昼食、日陰の風が気持ちいい。ドジャースとロッキーズの中継が流れてた。

午後はのんびり、何枚かのレコードに針をおろす。スリム・スミス、プリンス・バスター、リー・ペリーなど。夕方に散歩にでて〈つるばみコーヒー〉を覗いてみると、友人がいる。ホーマック、カワチを経由してマイセンに。数ヶ月ぶりのAコース、デカジョッキの生ビール。いい心地で帰宅、そのまま就寝。

2026/05/25

5/25 店日誌


5月25日、月曜日。眼がさめると、なんとも爽やか。いい天気。朝イチで針をおろしたのは、『It’s Rockin’ Time / Duke Reid’s Rock Steady 1967-1968』。ロックステディの黄金期につくられた16曲をまとめた本作には、Justin Hinds&The Dominos,Tommy McCook&The SuperSonics,Phyllis Dillonなどが収録されていて、どれもが絶品なのだけど、今朝グッときたのはThe TechniquesとThe Three Topsの2組。わりに目にする前者はともかく、後者は初見。いったいどんな人たちなんだろうか。伸びやかなサウンド、コーラスがめちゃくちゃ気持ちいい。

スカ期に登場した偉大なシンガーであるスリム・スミスは、類い稀なハイトーン・ヴォイスと歌唱力を持っていた。そのため彼が在籍したヴォーカル・グループであるユニークス、テクニークス、センセーションズでは、いずれもリード・ヴォーカリストとして優れた作品を残したほか、ソロ・シンガーとしても活躍した。

前者、Techniquesについて『The ROCKSTEDY BOOK』で調べてみると、「SLIM SMITH,THE UNIQUES」の項でヒントを得る。なるほど、スリム・スミスがいたグループなのか。おりよく手元に数作、彼のレコードがある。『Just A Dream』の裏ジャケで、カーティス・メイフィールドやサム・クック、ジミー・クリフなどの曲を歌っていると確認できた。

*
二日酔いが抜けぬまま、電車を乗り換えて吉祥寺。気候のよい日曜日、当然ながら街には人がたくさん。逃げ込むように足を向けた井の頭公園には横になれる芝生がない! 参った! ここまで追い込まれて、つくば市は公園には恵まれてるんだな〜と気がつく。いい環境で暮らせてるんだよなァ……(ベンチで寝て、どうにか回復)。

今週末30日(土)は11時~15時の短縮営業、31日(日)は終日休業。今日は通常営業です。

2026/05/24

5/24 休業

 今日は所用のため、終日休業です。

2026/05/23

5/23 店日誌


5月23日、土曜日。ちょうど1週間後、30日(土)開催! 「パスカルズ つくば公演」の当店分チケットは完売! と言ってもまあ、パスカルズだし、これくらい動いてくれなきゃ困るんだけど、手応えはある。公演を主宰する「Warming up」の公式HP、会場の〈つくばカピオホール〉では今もチケット販売中。まだまだ席はあるようなので、気になる方はぜひ! 前売券をお求めの上、ご来場ください(当日ギリギリまで都合がわからん……って方もご安心を。ほぼ間違いなく当日券の販売もあるはず)。

雨のおととい、キーンと寒くなったきのう、そりゃ店は暇になる。パスカルズ公演の主催者、野口さん。天久保1丁目の地下スペース〈aNTENA〉の中山さん。それぞれとじっくり話して、現状と今後の展望を伝えあう。お互いに落ち着かないし、まだまだ楽はできないねーっと話せる先輩がいて、助かる。率直に励まされるし、元気が出てくる。

*
暇な時間をつかって、オンライン・ストア〈平凡〉に新譜、古本を足しました。今日の注目はエム・レコーズの定番作、ムスタファ・スカンドラニ『イスティクバルと即興』。新装丁になった2026年仕様。アラビア版「ゴルトベルク変奏曲」とも評されるスカンドラニの1965年のピアノ独奏をご堪能ください。

今日は通常営業! 明日24日(日)は所用のため、終日休業です。

2026/05/22

5/22 店日誌

6点や7点のような、当たり障りのない点数を付けても、人は誰も憶えてくれはしない。だが、0点やマイナス10点なら、人はその作品に興味を抱き、また採点者のことも忘れられなくなる。音楽に対して強い好奇心を抱かせることこそ、音楽評論家の仕事だと考えるなら、当然のことではないか。(小西康陽)

5月22日、金曜日。小西康陽『わたくしのビートルズ 小西康陽のコラム 1992-2019』を読み返して、192~248ページで展開される「軽い読み物など。」で膝を打ち、ときに唸った。なるほど、そんな見方と聞き方があったとはと驚き、まったく同意! と頷いたり。とにかく読みどころばかり。上記引用は中村とうようの逝去を受けて書かれたブログからの一説で、「彼がクロスレヴューで誰のアルバムに0点を付けた、とか、マイナス10点を付けたとか、そんなことを面白おかしく、あるいは苦々しく書いたのを読んだ」につづくところ。

感動した! って言葉を使わず、音楽のいいところを伝えたい。あの曲のあそこ、ちょっと間が空くところでグッとくるんだ。腹の底に響いてくるよね。そういった抽象的な情動にうまく言葉を与えたい。べつに自分は評論家でも批評家でもないのだけれど。

若い人にはたぶん理解してはもらえないだろう。けれどある日、海苔が旨い、海苔こそはラーメンにおける最も重要な具だ、と知る日があなたにもやってくる。そのとき、自分は伏し目がちに黙って頷くはずだ。

この「眼鏡の弦。」って文章も格別だ。眼鏡の弦の内側、イグジット・スルー・ギフトショツプ、加齢による味覚の変化と話題が移って、ラーメンの中の海苔の旨さを語って閉じられる短文。技巧に長けてて、ユーモアもある。されどエモーションには頼らない。この按配が実にお見事。

*
オンライン・ストア〈平凡〉に入荷あり。篠田正巳ユニット『COMPOSTELA』Compostela『1の知らせ』の新譜に加えて、木村二郎、ヨーゼフ・ボイスなどの古本も。気が向いたら覗いてほしい。Pottmann『ふるさと』津村記久子『ふつうの人が小説家として生活していくには』など、再入荷もあり。

って感じで、今日も開店! 明日は通常営業、明後日24日(日)は終日休業です。

2026/05/21

5/21 店日誌

ジャケットのアートディレクションは、『relax』誌のアートディレクターでもある小野英作。使う写真は、小野英作が100本ほどあるベタ焼きを見てセレクトした。/ラヴァーズ・ロックのアルバムにロマンチックな世界観を表わすハートのマークや花のイラストといったヴィジュアルではなく、ルードボーイとかサウンド・システムという要素が強調された写真を使うことが的確なメッセージになっていた。(*1)

5月21日、木曜日。先週入荷した、石田昌隆『Struggle Reggae meets Punk in the UK』を読んではっきりと認識。今も続く人気シリーズ『Relaxin’ with Lovers』は藪下晃正さんと小野英作さん、石田昌隆さんによる三位一体の発明なのだ。2001年にはじまった同シリーズが25年後も続いているのは、この3者の力が大きいはずなのだが、小野さん不在の今後はどうなるのだろうか。

製作陣にケチをつけたいわけじゃない。石田さんの写真はCDもいいが、アナログ盤でこそ映えるのはわかってる。どうもうまく言葉にできないのは、自分も、レコードが好きだからだ(プレス後の即プレミア化はどうも辛いところもあり……)。

音楽を聴くということは、音楽に込められているメッセージを受け取って、自分の中にあるおぼろげな世界地図に具体的なデティールが描き加えられて、少しずつ世界が見えてくることにほかならない。(*2)

ピーター・バラカンさんのラジオ番組やイベント開催、映画上映なども、上記した石田さんと同一の見識の上で行われているのだろう。ピーターさんの活動すべてを追っているわけじゃないし、熱心なファンでもないのだけど、はっきりとそう思う。

*
朝から雨。空気もひんやり。きのうまでの暑さ、湿度はどこいった! なんて言ってもどうしよいもない。このくらいの温度が過ごしやすいし、店には居やすい。18時の短縮営業にして様子を見てみます。

今日も通常営業。新譜レコード、2タイトルの入荷があります。

(*1)p.96 (*2)p.314

2026/05/20

5/20 店日誌


一癖も二癖もある、誰一人としてほかに代わるもののいない演奏者たちとの化学反応を経て生まれた、篠田以外には生み出し得ない、篠田そのもののような音楽。当事者とその周辺にとっては、それは日々生きていくために必要な、生涯変わることのない自身の表現であり、音楽運動であった。(川村恭子)

個性豊かなメンバーが、それぞれの自立性を持ちながらそこで共闘しているようなジャケット写真からも、メンバー個々人の意識を押し除け、肝から湧き上がるような“このグループの意思”が強く感じられるのです。(田口史人)

5月20日、水曜日。今朝いちばんで針をおろしたのは、篠田正巳『COMPOSTELA』。きのうの『1の知らせ』の解説にもあったけど、この時点でのコンポステラってのは表題で、アーティスト名は篠田正巳ユニットであると知る。川村恭子さんによる公式解説、田口史人さんの手製ライナーノーツを読んで、ジャケットをしげしげと眺めつつ耳を傾けていると、いわく表現しがたい厚みを感じる。A面6曲目「カディンカ」における今井次郎の「ヒドイ、ドイ、ド、ドイ!/ド、ドイ、ド、ドイ!」の節まわしは実にお見事。独創的と言うほかない。

ふと思ったのは、今月末30日(土)の「パスカルズ つくば公演」、来月13日(土)の「NRQ祭り」に参加するならば、この2枚はうちの店で売るべきじゃないか……ってこと。時流に乗るようでなんとなく腰が引けていたのだけど、勢いづいたままレーベルに連絡。在庫があれば、今週中にも売りはじめられる。

*
「Revisited ───NRQつくば再訪」というコピーが付くと、新たな見え方がある。天久保1丁目の地下スペース〈aNTENA〉で、6月13日(土)に開催される「NRQ祭り」に向けて企画者・猿田なつ奈(natunatuna)さんへのインタビュー記事を制作中。パッと打ち上げて、消えていくだけの催事にしたくないよねーっていう共通認識を基にして言葉を交わしているところ。

では、今週もよろしくお願いします。5月24日(日)は諸事情により終日休業です。