2026/08/27

8/27 店日誌

8月27日、木曜日。7時35分に家を出て、まずは燃えるゴミを集積所にほいっと投げ入れる。きのうまでの猛暑に比べればだいぶ涼しい。風もある。雨さえ降らなければ歩くにはちょうどいい。まあ、降ってきてもポンチョを被ればどうになるし、とりあえず歩き出してしちゃえ! ってな勢いでぐいぐい進む。序盤ですれ違うのは散歩中のオジサン、若者ランナー、車が数台。店に着いたら、ブログを書いて、台風クラブのポスターを貼ったのち、入荷した本を撮影できればいいなーとか考えつつ。

その途中で着想する。もしかして、今月は1度も東京に出ていないのでは……それどころか、電車に乗ったのは先週の南浦和出張だけだったかも。近年でこんなことあったかな。なんにせよ暑かったし、店を開けてるだけで精一杯だったもんなあ。100点じゃなくとも、よくやってる! いいこと沢山あったよな。面白い出来事もいくつかあった。

夏季休業中の古着屋〈May〉のあたりまで差し掛かって、手ぬぐいを忘れたことに気がつく。ああ、よりによって今日、持ってこないとは。汗はポタポタ、Tシャツはビチャビチャ。店に着いたらすぐに着替えなきゃ。あとちょっと、もうちょっと、脳内行進曲に合わせて進む。到着したのは8時9分だった。

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円盤/リクロ舎の新刊、安田謙一『好きで好きで大好きで』マルーチャ/みーこ『ぱんとカマキリ』がとてもいい。つくる理由がはっきりしているからか、どちらにも確かな力が宿ってる。些細なことに眼を向けて、よく観察して考える。小さな行いを大事にする人たちの存在に勇気づけられる。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にも、入荷あり。

2026/08/26

8/26 店日誌

気が向いたら、とりあえず買ってしまえばいい。あとでぶつぶつ文句を言ったり後悔してみてもはじまらないのである。「もの」に出会って自分の生活に引き入れたら、あとはそれを育てる。(堀江敏幸)

8月26日、水曜日。この人はすごい。なんて潔いんだろうか。レコードでも本でも置物でも、何でもいいのだけれど「もの」に出会って、ぶわっと燃え上がる感覚を覚えたことがある人ならば、きっと共感してくれるだろう。電流が身体中をかけめぐって、思わず手が出る。そのものを掴んでいると、なにか満たされる。安いか高いか、逡巡していると、ちゃぶ台をばーんとひっくり返す人がいる。つべこべ言わずに買ってしまえ! ケチくさく検索などするんじゃない!

脳内の頑固オヤジに言われるまでもなく、そこまで強く惹きつけられたときは、買うようにはしているものの、ときに踏み留まることもある。きっと邪魔になるし、そもそも家には余るほどの本もレコードもある。無理して買わなくてもいいんじゃないか。耳元でささやく声は、優しく慰撫するようで、つい甘えてしまいそうになる。

いちど迷ってしまうと大変だ。店内を行ったり来たり。置いたり取ったり。挙動不審で店員さんに目をつけられる。けっきょく、えいや! と買うとすっきり。大きな山を越えたのか、どっと疲れてしまうこともあるんだけど。

………どうも話がズレてしまった。

そのおじさんのスタンドには、「物心」が満ちあふれていた。けっしてきれいではないけれど、隣り合って置かれている「もの」たちのバランスが絶妙なのだ。

なんとなく手にした、堀江敏幸『もののはずみ』にスーッと引き込まれて、あっという間に読み終えた。フランスの古道具市で出会った「もの」と「ひと」。涼やかな文体で綴られるエッセイ集で、もっともピンときたのは「空気が一変した」。この節で、著者は、ほんとに「もの」好きなのだと理解した。

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ぶりかえしの猛暑、だいぶ辛いのですが、いちおう店は開けてます。みんなが動き出すのは夕方以降? 17時過ぎても涼しいってわけじゃないし、なかなか大変。でもまあ、自分にできるのは待つことのみ。本を読みつつ待ってます。

8月中は休まず営業。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/08/25

8/25 雑記

うれしい! Mixcloud内のお気に入りユーザー、heavenless2100氏があらたなミックスを上げている。まずは「Walatta In Dub」。ブレンダ・レイの名盤をダブ化しているのだけど、アンオフィシャルなのかな。とにかく気持ちよくて、きのうからこればっかりずーーーーっと聴いている。あと「DIS YA DUB」ってのは、深すぎず、軽すぎずの塩梅が絶妙。最近作と思われる「Obscure Post Punk Dub&Funk 1979-1987」はエッジが効いてて、カッコいい。聴きながら、オレはポスト・パンクの音像が大好きなんだなあと実感する。

2026/08/24

8/24 店日誌


8月24日、月曜日。最近、週一くらいのペースで顔をだす男性がカート・ヴォネガットの文庫本を買いながら、ヴォネガットの逸話をいろいろ教えてくれる。2~3年ぶりできてくれた方は久生十蘭の本をチョイス。「この人の短篇集がさあ、メチャ面白かったんですよー」と目を丸くして話してくれるのが妙に嬉しい。おふたりとも50歳代以上。自分の知らない本や著者、時代のことを伝えてもらうのは読書に似た効用がある。

その後は、1人できた若者が文庫本を1冊、2冊と時間をかけて選んでいく。100円でいいし、もっと高いものでもいいんだけど、読みたい本をみずから選ぶってのが心強い。またよろしく、と伝えて送り出す。

夕方過ぎには古河駅前夜市のポスターをもってサクライさんとカキヌマちゃんが顔をだす。劇団「南極」の芝居をみてきたーっと話してくれるカキヌマちゃん、数週前にメンバーの1人がきてくれたんだよーと話したり。その後は、2000年代の政治状況、ガチンコファイトクラブ、フジロックでの斑点デュオのことなど。

きのうは日曜にしては客数、売上ともにさみしかったのだけど、こんなやり取りができるのなら、まあ良し。明日もまたがんばるかーと思えればいい。

というわけで、今日も開店。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/08/23

8/23 店日誌


8月23日、日曜日。近所のコンビニ3軒まわって、見つけた! サクレのレモン味。飲みすぎた翌日にこれを食べると元気が出る。酸っぱくて甘くて、冷たくて、頭をキーンとさせながら一気喰い(コンビニで買うと183円! 高くなったなァ……)。ただいま12時41分、ラジオでは「NHKのど自慢」が放送中。北海道岩内町の参加者、歌が上手い人が多い。別会場ならみんな合格なんじゃないか!? ってほどにハイ・レベル。ゲストの堀内孝雄、森口博子のトークもいい。鐘の鳴らし方にタメがあって、味がある。

さて、12時46分。SMAPの「らいおんハート」を歌った人、鐘2つ。たぶん、優勝は「冬の稲妻」を歌った2人だろう。めちゃくちゃクオリティが高くて、遊びもあって、堀内孝雄も喜んでいた。

今日も開店しています! お暇があればお出かけください!

2026/08/22

8/22 店日誌


8月22日、土曜日。朝イチで針をおろしたのは、トミー・マクック&ジ・アグロヴェイターズ『ブラス・ロッカーズ』。さて、アグロヴェイターズには誰がいるんだっけ? 裏ジャケで確認して、ちょっとびっくり。馴染みの人があんまりいない。ベースのロビー・シェイクスピア、リードギターのアール・チナ・スミス以外で分かるのは、トロンボーンのヴィン・ゴードンかな。うーん、この人はたしか……『定本 リー“スクラッチ”ペリー』のページを繰ってみると、あった! 

全編にフューチャーされたドン・ドラモンドJr.こと、ヴィン・ゴードンのトロンボーン。このトロンボーンは、リー・ペリーの手による乾きまくったリディムに乗ることで哀愁度が急旋回して聴く者の鼓膜にがっちり食い込み、強烈なアクセントを心に残す。(武田洋)

リー・ペリー&ジ・アップセッターズ『ミュージカル・ボーンズ』。このレコードを手に入れたのは6月上旬。近年で最も大きなダメージを受けていたとき、常連のオザワさんから託されたのだった。そのときの記事を引用すると「リー・ペリーのセンスとアイデア(霊感×音感×直感=創造性!)を思い知った」と書いている。

レゲエ・アンチョコのひとつ、河村祐介(監修)『DUB入門』で確認すると、『ブラス・ロッカーズ』が録音されたのは1975年(なんと『ミュージカル・ボーンズ』と同年!)。ルーツ・レゲエ期に入ったジャマイカで悠々と泳ぐようなテナー・サックスを響かせるトミー・マクック、やはり懐の深いプレーヤーなのである。

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夏休み明けの2日間、けっこう店はヒマだった。隣のカフェもそんなに忙しそうではないので、うちの店だけじゃないかーと思うと安心するけど、こんな状態が続くとなあ。オンライン・ストアからの購入などで、どうにかなってはいるのだけど。

今日も通常営業。本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2026/08/21

8/21 店日誌

歩くことは、大変だけれど、元手はそんなにかからない。別に遠くまでいかなくていい。宮本常一の父親が教えたように、急いで先へ先へと進んでゆく人たちが見逃してしまうものを見つける、見て考える。/もちろん、誰もが急いでいる時代に、ゆっくりする事は難しい。/それでも、我慢してゆっくりしていれば、誰も気がつかないものが見えてくる。(福田和也)

8月21日、金曜日。連休中に図書館で借りてきた、福田和也コレクション1『本を読む、乱世を生きる』は極厚824ページ。ただでさえハイカロリーな福田氏のテキストに窒息しかけ、いくつかの章を飛ばしてたどり着いた最終章「人間の器量」にご褒美のようなことが書いてあった。人としての器量を培うための技術として提案される5箇条の一つに「ゆっくり進む」という項があり、宮本常一を例にしながら進められる論がとてもいい。

ゆっくり進むというのは、一人で進むという事です。孤立することです。孤立した人間ほど、世間とのつきあい方を考えなければならない。冷静に自分を認識し、世間との距離を精確に見極めなければならない。

世間とおなじ速度で進まず、みずからで道を選び、歩んでいく。すごくシンプルなことなのだけど、実践する人は多くない。例えば、戦争反対! って叫ぶ前によく考える。自分なりの意見、言葉が出てくるまで時間をかけてると、孤立することもあるだろう。「そんな場合じゃないだろ!」と怒る人もいるかもしれない(補足:戦争反対に反対してるわけじゃないですし、誰かをおちょくる意図もありません)。

あと歩きがいいのは、考えごとしながら歩ける。これもアイディア練ったりするのにはいいです。オレ今、手帳持って歩いてますから。(…)歩きだと面白そうな店とかあったらすぐ入れますしね。(杉作J太郎)

なんとなく買ってみた、杉作J太郎『杉作J太郎が考えたこと』がメチャ面白くて、びっくり。杉作氏の思考、実践、結果についてが率直に書かれていて好印象。で、この本にも「歩きゃイイじゃないか!」ってところがあって、とてもいいのだ。「やっぱりね、歩いている人に太ってる人はいないですよ」って着想にはじまって……

あと、異常によく眠れるようになりましたね。目覚まし時計をかけても全然起きないぐらい。だから、どこへ行くのもひたすら歩くというのは……ものすごく反社会的な行為ではあります。

ここで、鋭い! って感じたのは先の「孤立」と「反社会的」ってのが響き合ってるから。本を読み、歩行について考察していたら、世情の本質というか、いろんな場面で孤立を避けたいって気持ちがつよく働いてるんだなーっと感じられた(自分も含めて)。それが正しいのかどうかは暮らしていくなかで確かめていくしかないとも思う。

今日も長くなりました。店はいつも通りに開けてます。