2026/04/09

4/9 店日誌


異なる意見に出会ったときに、自分の心理を制御して相手の言い分にも耳を傾ける「技術」は、家族以外の大人から叱られた子供時代の経験を土台にして出来上がるものだろう。その点で、昨今の若者(私ももはやこんな言葉を書くような年になったか)はある種の社会性欠落症だと言える。(佐藤允彦)

4月9日、木曜日。常連さんが貸してくれた、佐藤允彦『すっかり丸くおなりになって…』をなんとなく読み出して、膝を打つ。そうだよな、そうなんだよな〜、家族以外の大人に叱られる経験って大事なんだよな。それはなにも「子供時代」に限らない話で、20代いっぱいまで通用すると思うんだ。じっさい自分も20〜30代で他者にビシッと怒られたこと、注意されたことはよく覚えてるし、同じことを繰り返さないように今も意識している。それらしく言い返すよりも、まずは受け止めることが必要。

僕はムーヴィンにやって来たいろんな他者と関わることで大きな流れに飲み込まれ、まったく抗う術なく、ドンドン思わぬ方向へ押し流されていった。多くの雑多な人間との間の関係性の中で、僕の甘ちゃん精神は鍛えられることになった。(和田博巳)

今週あたまに訪れた西荻窪の〈音羽館〉で買ったのは、和田博巳『楽しい音の鳴るほうへ はちみつぱい●和田博巳の青春放浪記 1967-1975』。とっても軽やかで、エネルギーに溢れていて、流されるように一気に読んだ。和田さんが高円寺でロック喫茶〈ムーヴィン〉をはじめるのは21歳のときなんだからビックリする。はちみつぱいにベーシストとして本格加入するまでの3年足らずとはいえ、ムーヴィンの店主経験がかなりの濃いものだったことがよくわかった。

詩というのはどんなマス状況になっても一人一人に向かう。詩は一種の直撃力ですから、受け取る人がいるか、いないかということです。詩というものはわずかな人に向けるメッセージであるわけです。同時に、やはり一般大衆、マスに向けられている。そういう矛盾した二面性をもっているのが詩です。(北村太郎)

数年ぶりで再読したのは、北村太郎『センチメンタルジャーニー ある詩人の生涯』。この本は第二部の語りおろしが面白かった。矛盾、苦渋を語りながら、不思議と重たくないのは、北村太郎の人柄ゆえか。「犬の日々」が聞きたくなった。

今日も本を読みつつやってます。お暇があればお出かけください。

2026/04/08

4/8 店日誌


4月8日、水曜日。パラゴンズからジャッキー・オペル、タン・タンの『THEME FROM A SUMMER PLACE』へと流れる贅沢なレコード・リレー。タン・タンのシングルはラフトレードから出てんのか! レーベル面もシャレてんな〜と感じつつ、針をおろすと極楽だ。今朝のかわいた空気にぴったりの爽やかさ(メモ:スクリューってわけじゃないのだが、A面は33回転でもじゅうぶんに聴けた。ちょっと奇妙なインスト・レゲエって感じ)。

話題にしたばかりのバニー・ウェイラー『BLACKHEART MAN』を数種(サブスク版も交えて)、聴き比べられるようになって驚く。音のバランスがかなり異なるのだ。例えば、最終曲の「ディス・トレイン」。リマスター後と思われる近年盤は途中で入るギターが艶やか、音が立っているのだけど、1976年盤だとだいぶ奥に引っ込んでて、全体に平らになっている。その分、バニーの歌が自然になじむような印象あり。

詳しいことは書かないが、この数年、意識的に続けているジャマイカ音楽探求に大きな変化あり。テメーこれから頑張れよ! って感じの手荒くもやさしいお祝いだと思ってこの状況を受け入れる。センス不足を嘆いていても意味がない。小さなことでも意識的にここに綴っていく。

では、2日ぶりに開店! 今週もよろしくお願いします!

2026/04/07

4/6~7 雑記

カリーキッチン・エチオピア〜穂高〜ディスクユニオン〜JUHA〜音羽館〜ディスクユニオン〜ココナッツディスク〜闇太郎〜福郎〜中華街。お茶の水から西荻窪へ、吉祥寺の底力に触れた気がした(4/6)。朝は荻窪。久我山の寺町から和楽で昼食、武蔵野グリーンタウン。17時過ぎのバスに乗って吉祥寺、中央~総武線で秋葉原、TXつくば駅着は20時過ぎ。快速に乗らず、普通で帰ればさほど混んでない(4/7)。

2026/04/06

4/6・7 連休

今日、明日は連休です。

2026/04/05

4/5 店日誌


4月5日、日曜日。ご近所の古着屋〈may〉店主のホソヤさんに、原島"ど真ん中"宙芳『DOMANNAKA OIL MIX』を薦めるとすぐに買いにきてくれる。その足で開店、店内でもかけてくれていたようで、そう時間をおかずにメイの常連さんも同音源を目当てにご来店。いくつかの中古CD、古本といっしょに買っていく。うーん、これは嬉しい! いい流れ! レーベル広報誌を刷ってきたヒデさん、雑誌を売ってくれたオザワさん、イベント関連の話を持ってきたノグチさん、サクライさん&カキヌマちゃん。昨日はいいペースでお客さんが繋がった。

閉店間際にきた学生シーギは、〈つくば写真美術館〉の図録をみつけて即購入。決して安くはないのに嬉しいぞ! せっかくなのでビールで乾杯。そのうちツチダも混ざって小宴会。春の週末は慌ただしい。

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「渋さ知らズオーケストラ」って名前をみると即効的に鼻白らむのは何故なのか。若かりし頃にフジロックでの演奏に衝撃を受けたのは間違い事実なのだが……。「本多工務店のテーマ」にともなう大団円前の怒涛のインプロ、フリー合戦をいまこそ味わってみたい気持ちもあるし、そんな軽いもんじゃないはずって思いもある。今こそ再検証が必要だ。

今日も通常営業! 明日、明後日(6日、7日)は連休です。

2026/04/04

4/4 店日誌

4月4日、土曜日。グレイトフル・デッドが身体に入ってきたのは20代後半、しばらく勤めていたCDショップを辞めて、野外フェス/パーティの制作を手伝っていたころ。なんの技術も知識もない自分に目をかけてくれたHさんがあちこちに連れていってくれる。「これる?」って声をかけられれば「いけます!」と応えて、山形、静岡、山梨、宮城、たまに東京にも行った。指定席は助手席(役割どおり!)でバカ話にゲラゲラ笑って、むせたりしながら、ジャムバンドの音楽を浴びていた。フィッシュが主でデッド、テデスキ・トラックスなんかも流れてた。

あれは山形蔵王での「龍岩祭」。超インディーズ・ステージのみちくさ堂でのサウンドチェック。3日間の会期中、朝いちばんでデッドやフィッシュが大爆音で流される。それが毎回、毎日、繰り返されるうち、あるときバチっとハマってしまった。ああ〜気持ちいいなあ……一瞬、我を忘れて、こりゃ特別だと理解した。

あと、2009年のメタモルフォーゼ。ど深夜から朝方にかけてのロータスのライブもめちゃくちゃ印象に残ってる。彼らのエレクトロ・ジャムを浴びながら、朝陽が昇ってきたときに、これか! こういうことか! 無条件に納得。伊豆のサイクルスポーツセンター、いい会場だったなァ。

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神戸拠点の出版社〈和久田書房〉の第2作、慈憲一『レジスタンスのまちづくり』が新着入荷。「嫌いな言葉は“まちづくり”」ってところにめちゃ共感する。人も街も、上から誰かが操れるもんじゃない。どこそこを盛り上げたい! とか言うやつ、すぐにあきらめちゃうのは何でだろう。短くても10年は関わらないとダメだと思うのだが。

今日は悪天候予報なので、18時までの短縮営業。6日(月)・7日(火)は連休です。

2026/04/03

4/3 店日誌

マレーシアに生まれ、大阪を拠点に日本、中国、香港、バルカン半島などで映画を製作し、“シネマ・ドリフター”を自称する映画監督リム・カーワイ(林家威)。50ページを超えるリム監督のロングインタビューと、豪華執筆陣による批評・エッセイからその作品世界に迫る大特集。

4月3日、金曜日。爆音上映と映画配給にはじまり、書籍刊行や音源リリースも手がける〈boid〉が手かげる不定期刊雑誌『boid paper』vol.3の特集は「リム・カーワイ 今とここの間へ」。京都のリソスタジオ〈hand saw press Kyoto〉が印刷から製本までを手がけていて、判型は小さめながら文字はギッシリ、記事もヴァラエティ豊かで読み応えあり。リム・カーワイ? 誰ですか? って人でも楽しめるはず。

入荷以来、好評つづくvol.1の特集は「そこから先の湯浅湾」、vol.2は「空族の見た台湾」。必ずしも今っぽい人選ってわけじゃないのだけど、読み手を引き込むパワーがある。目配せ上手な雑誌ばかりで辟易している自分にとっては『boid paper』は頼もしい存在なのである。

分厚いし、高いねェ〜と驚かれつつ、いいペースで売れているのはジョン・ルーリー『骨の記憶』。上記した『boid paper』や『NEW FAST SPEED PUNK』とあわせて買ってくれる人がいるのは嬉しかった。この本は、早ければ週末中に補充予定。

では、今日も開店! 週明け6日(月)・7日(火)は連休です。