2026/04/18

4/18 店日誌

4月18日、土曜日。明日にせまった「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」に備えて、『ロッカーズ』サントラ盤に針をおろす。インナー・サークル、メイトーンズ、ジュニア・マーヴィン、ヘプトーンズ、ピーター・トッシュ、ジェイコブ・ミラー、ジュニア・バイルズ、バニー・ウェイラー、グレゴリー・アイザックスまでは想定内。やっぱりいいなーと鼻歌交じりに聴いてて、アレッ! 耳慣れない曲が鳴ってる。ホーン隊主体のインスト曲、超カッコいいじゃん。裏ジャケを確認すると、Rockers All Stars「Man In The Streeet」の記載を発見! なるほど、そういうことか!

モッドでサバービアなジャマイカ音楽の聞き手にとっては、ホースマウスがバイク屋に向かう所で流れる、ドン・ドラムンドのスカ・クラシック、「マン・イン・ザ・ストリート」のロッカーズ・オールスターズ・ヴァージョンが何故ここに収録されていないのか、きっと訝ることだろうし(アナログLPのアメリカ盤にのみ収録されていたらしい)…(山名昇)

日本盤サントラCD(1993年)のライナーノーツによれば、これはアメリカ盤。確かにこの曲があるかないかで、全体のトーンが変わってくる。ルーツ・レゲエを主にした構成にヴィンテージ・スカの要素が混入して、ジャマイカ音楽の歴史がより強く、太く、表現される。

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古本の買取はもちろん、個人のつくる自主製作冊子も色々と届いている。店にきて写真集を売り込んでくれた竹石丈くんの『ガールイズスマイリングバック』は、2025年のタイ〜ラオス、ベトナムの旅の模様を収めた写真集。初回30部限定とのこと。

今日は通常営業! 明日はイベント開催のため、16時までの短縮営業です。

2026/04/17

4/17 店日誌


これはピュアなロック・ステディ。/20歳前でこのコク、色気、品よく燻された渋みの漢臭。完全なる、愛すべきデルロイ・ウィルスン。「Rain from the Sky」「Don’t Know」など神曲多々。(鈴木考弥)

4月17日、金曜日。朝いちばんで針をおろしたのは、デルロイ・ウィルソン『グッド・オール・オーバー』。晴れた日にぴったりのテンポ、メロディ、ジャケット……ってか、この写真どうなってるのかな。見せられないのがもどかしいけど、女性の上にデルロイ・ウィルソンが立っているように見えるけど、肝心の部分が見えないから踏み台か何かの上にいて、女性はずっと前に寝そべってて、遠近法でこう見えてるのかな。爽やかで、奇妙。これもロックステディの醍醐味のひとつ。

A面では、なるほど「Rain from the Sky」がめちゃ良し。B面は冒頭「Once Upon a Time」「Don’t Know」「Feel Good Over」「I’m not a King」「How Can I Love Someone」の流れがすごーく好きだ(ほとんど全曲!)。手元のレコードを味わいつつ、鈴木考弥『レゲエ・デフェニティヴ』などの参考書をひもとくと実感がふかまる。

いよいよ明後日、19日(日)開催! 「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」はレゲエに詳しくなくても楽しめるし、ビールなど飲みながら聞いてもらうのも大歓迎。気が向いたらふらっと遊びにきてほしい。

では、今日も開店! 新着入荷がたくさんあるので、ぜひご来店を〜!

2026/04/16

4/16 店日誌


4月16日、木曜日。今にも雨が降り出しそうな平日、定休日明けの水曜は当然ながら暇である。いくつかの入金、買出しを済ませてから開店、昼食まで、ほとんど誰とも話さず時間が過ぎていく。ラジオでは何がニュースになってたかな……中東情勢、改憲発議か? 油断してると初見のお客さんが入店。わりと時間をかけて棚を見たのち100円の文庫を2冊買っていく。ありがとうございます、お気をつけて〜と送りだすと、ちょいと間が空いて、大きめの荷物がどどん! と運ばれる。京都の〈誠光社〉からってことは、アレだ。楽しみにしてたやつが届いたぞ。

気の合うメンバーを集め、演奏会場を探し、レコードをプレスしてフライヤーを印刷、それらを知り合いの店に委託し、流通させる。何をするにもプラットフォームに規定、搾取されてしまう昨今、ささやかな自己表現やスモール・コミュニティをフィジカルな次元へと取り戻せ!

Caffeine House『Noy’s Magical Sounds』は誠光社のホームページで連載されていたコミックなのだけど、これは印刷された方がずっといい! しかも、縦組のコデックス装だからページがばーんと開いて、スケールが伸び縮みする様がよく伝わる。話自体はシンプルなのだけど、細部へのこだわりが強い上、説明も丁寧だから読み応えがある。

唐突にはじまるリソグラフ印刷の解説、レコードプレスやイベントをオーガナイズする上でのアドバイスが書いてあって、インディーで何かをはじめるためのガイドにもなっている。読んでてウズウズするのはオレだけじゃないはず。どんどん刺激されてほしい。

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いよいよ今週末、19日(日)開催のトークイベント「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」は引き続きご予約受付中! 当日ふらりと来ても入場できるので、気になればぜひお出かけを!

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目ください。

2026/04/15

4/15 店日誌


交通運賃は一方的に値上げされる。人件費の増大を理由に、あらゆる交通機関が何年かに一度必ず値上げする。値下げした、という話は聞いたことがない。/しかし、歩くことだけは、値上げされない。「歩くこと」、それは現代に残された唯一の自由で気ままな移動手段なのである。(真鍋博)

4月15日、水曜日。真鍋博『歩行文明』を友人が貸してくれたのは何年か前。歩くのが好きならたぶん気に入りますよーって感じで持ってきてくれたのだけど、全く読まず(アア、失礼!)。その後に古書店で買ったまま、放っておいたのを読み出すと、こりゃあ確かに面白い。書き出しの「チャンバラ映画や歌舞伎を見たり、講談をきいたりすると、その舞台のほとんどが屋外である」ってのにビビッときたのは『七人の侍』を観たからだ。

侍、町民、商人などなどが行き交う往来には出来事が溢れていて、無数の人生が散らばっている。人と人とがすれ違うことで喧嘩になったり、笑い合ったり、絶望が深まったりもする。街の往来には予測のつかない偶発性があり、物語を生み出すには絶好の場なのだな。

こう書いたのは、去年の11月15日。このときの感慨と「歩くから、人や季節や出来事と出会い、思考が触発された。それを歌に詠み、俳句にひねり、絵にし、詩に書き、紀行文にまとめたのである」という真鍋説はほぼ完璧に響きあっている。「健康的だという頭の理解ではなく、歩きたいから歩くのである」ってのもまったく同意。その通りなのである。

そりゃ車は便利だし、電車やバスがなかったら好きな店にも行けやしない。でも、移動範囲を徒歩中心にしてみると、それはそれで豊かでもある。公園や公衆便所のありがたさ、ふいに出会う巨木や神社のすごみ、あれこれ感じ考えながら歩くのって創造的。歩を進めるうち、頭の中が整理されていく。

そういや先週、開店13年を迎えました。引き続きよろしくお願いします。

2026/04/14

4/14 雑記

午前中、自宅に買取の本が6箱届く。店内が容量オーバーゆえの対応だったのだが、これが正解。仕分けがスムーズに進む。全体の査定まではいかずともスペースに余裕のある状況で全体の質、量を目視できるだけで気持ちは楽だ(馴染みのマスダさんからの依頼だったし不安はなかったわけだけど)。

荒川沖で用事を済ませたあと、〈きらく〉で昼食。テレビでメッツ×ドジャースの模様が静かに流れるなか、小生ビールを一杯。ああ、嬉しいなあ……と感慨にひたった後で出てきたキムチチャーハンの色、量におののく。添えられた漬物、スープまで完食する頃には腹はパンパン。大満足だけど、これじゃ今日はなにも食えないぞ。

帰宅後は、散歩特集の『ユリイカ』2024年6月号を拾い読みしつつ、ちょびっと午睡。

2026/04/13

4/13 店日誌






いいんです、これで。地元の人たちが集まって、日々の楽しみを積極的に見出して全然無理していない感じはとてもいい。内容がどうとか仕切りがどうとかもどうでもいい。だって一番大事なのはここで生きていくということだから。(田口史人)

4月13日、月曜日。滋賀県彦根市〈山の湯/円盤〉の制作物がまとまって到着。2026年2月の冬季休業中の行商旅行記『山の湯の冬休み』、おなじみ円盤のレコブック内のハードコア・シリーズ『黒ダイヤ別人帳』(テイチク篇)に加えて、当店の定番にしてロング・セラー! 『あんころごはん』『ECDPOPO』も補充しました。上記した一節は田口さんが行商先の鹿児島で得た感慨。いいなあ、うらやましいなあ、と思うのと同時に自分にできるのは店を開けることだけだなあと再確認。

円盤関連の商品が届くとすぐ頭に浮かぶのはTさんの顔。インスタグラム、ツイッター両方にポストすれば届くかな……と案じながら入荷案内をしてみると、閉店間際に来てくれた! すごく嬉しい! ツイッターを見てくれたらしい。ああ、良かった。

これらとほぼ同時に届いたのが、熊本の文芸誌『アルテリ』二十一号。創刊から10年が経って、不定期刊で再出発。派手じゃなくても、太くどっしりした言葉がある。寄稿者は高橋源一郎、石牟礼道子、池澤夏樹、伊藤比呂美、渡辺京二、磯あけみ、谷口絹枝、坂口恭平、浪床敬子、小野由起子、田尻久子など。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2026/04/12

4/12 店日誌

僕がイメージするロックステディは1967年のレコードだけ。68年はアーリー・レゲエの要素が強くて、66年はスカの要素が強い。67年でもスカっぽさは残っているけど、ギターとユニゾンでシンコペーションするベースとか、マラカスみたいなパーカッションが入っていたりすると、僕はロックステディを感じます。(森俊也)*

4月12日、日曜日。晩春から初夏みたいな爽やかな空気、こんなときにはロックステディ。ゆらゆらしたリズム、朗々としたヴォーカル、ピロピロとなる鍵盤の音なんかに身を任せて揺れていたい。可能ならばレコードで。でも、CDやカセットテープ、サブスク音源でもじゅうぶんに嬉しい。甘いだけじゃなくコシのあるビートがたまに混ざると、なおさら良い。午前中、家で聴いていたのは『CATCH THIS BEAT The Rocksteady Years 66/68』と題されたコンピレーション。

勉強ってわけじゃないけど、スカ/ロックステディ/レゲエ関連の音源を見つけたら、片っ端から聴いている。すぐに馴染むものがあれば、そうもいかないものもあるのだけど、どんどん耳に入れていく。上記した森さんのように明確な定義ができるときがくるのかどうか……。

たくさんの音楽に関する原稿が世の中にあった。活字となって紙に刷られているだけで、そこにある文字の多くはいろいろなビートを叩き出していた。(…)そのなかでも特にソリッドで柔軟でバックビートがかっこよかったのが山名昇だ。(湯浅学)**

些細なことでモヤモヤしたり、ウラウラと気分が落ち着かないときは湯浅学さんの言葉に触れたくなる。(…)としたところに大事なことが書いてある。「音楽が好き、というその“好き”と文字の関係が現在とは雲泥の差だったことに留意してほしい」から「そのなかでも〜」と続くところに意味がある。自分もそれを思考し、言語化しなくちゃダメなんだよな。

ではでは、今日も開店。些細なことでも、お問い合わせはお気軽に。

*『The ROCKSTEADY BOOK』p.117  **『音盤時代の音楽の本の本』p.303