2026/07/04

7/4 店日誌

もし、この訳者あとがきを先に読んでいる人がいれば、教訓や思想はないかもしれないが、この小説がとにかく心底面白いということをまずはお伝えしたい。(桑田光平)

7月4日、土曜日。国書刊行会が手がける「アフリカ文学の愉楽」がとてもいい。在庫しているのは、アラン・マバンク/桑田光平(訳)『割れたグラス』とミア・コウト/伊藤秋仁(訳)『夢遊の大地』なのだけど、全6巻構想のようなので、このあとに4冊の刊行が控えてる。アフリカ文学ってだけで特殊だし、値段も安くないから手を出しづらいかもしれないけれど、この叢書はなかなか気が利いているのだ。まず見た目がカッコいいし、本好きを刺激する工夫も散りばめられている(装幀の羽毛田顕吾さんは谷中〈ブーサンゴ〉の方らしい)。

これら「アフリカ文学の愉楽」を仕入れるきっかけをつくってくれたのは、常連のイシガミさん。国書刊行会の本が読みたい! と伝えてくれなければ、たぶん遠巻きに眺めていただけだった。ワールドカップでのアフリカ勢の奮闘もあり、どうも他人事じゃない気がしたのも要因ではあるのだけれど。

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朝、携帯電話に届いた母親からのメールに「カーボルデ凄すぎ! 2-2の同点!」「凄い試合だったよ」と書かれていて、ちょっと悔しい。できれば、その試合は生中継で、フルで観たかったなァ……。ともあれ、これでようやくベスト16が出そろったのか。

ではでは、開店! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/07/03

7/3 店日誌

7月3日、金曜日。小山市〈円盤ペニンシュラ〉で買ったもう1枚は、DENNIS BOVELL『THE DuBMASTER The Essential Anthology』と題されたトロージャン企画の編集盤。Disc1には「Dennis Matumbi」「Dennis Bovell &The Dub Band」や「African Stone」名義のルーツ・レゲエ/ダブが選曲されていて、Disc2には「Janet Kay」「Errol Dunkey」「Marie Pierre」「I Roy」といったアーティストに提供(楽曲プロデュース)した曲が入ってる。こちらはラヴァーズ、ダブを中心にした柔らかめの12曲。

デニス・ボヴェルさんがやっぱりすごい重要な動きをしていた。70年代後半になってからマトゥンビでアルバム出したり、リントン・クウェシ・ジョンソンと一緒にレコード作ったり、あとスリッツとかポップ・グループのプロデュースしたり。(石田昌隆)

個人的にはデニス・ボヴェルといえば石田昌隆さん、ハーポ部長が編んだ『本のコミューン』。この本がでた去年の春頃、ラヴァーズ・ロックのレコードを多く扱いはじめて、デニス・ボヴェルの作品を意識的に聴き始めた。いまだ分からないことは多いけど、ラヴァーズ特有の質感は、掴めてきた気がしてる。

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きのうは長雨になるかと思ったら、意外にもパタリとやんだ。夕方前からお客さんもチラホラ来はじめて、最後は常連にして友人のイケちゃんも現れる。お約束のビールにはじまり、まあまあの量のCD、本を売ってくれる。その上で、支払分と同額(+α)の買い物もしてくれるから、ありがたい。次回も期待してますよ。

ではでは開店! 今日は12時〜13時でちょいと外出する予定です。

2026/07/02

7/2 店日誌

7月2日、木曜日。ポパイウェブでのミニコラム連載「Town Talk」4話目のテーマは「ぼくの天久保散歩地図」。歩いて回れる距離に小さな店が集まってるのが天久保地区の特色で、天気がよければ公園で寝そべれる(←かなり重要なポイント)。カフェ、古着屋、パン屋、美容室、定食屋、バー、ギャラリー、レコード店が点在してるエリアはつくば市内では珍しい。他よりもいい! とか、自慢の町! ってわけじゃなく、車がなくてもこんな感じで楽しめる地区なんですよーってことが書きたかった。

先月から今月、雑誌掲載がいくつかあり、いま載っているのは「散歩の達人」と「&premium」。どちらもコンビニ、新刊書店に置いてあるので、気になれば手に取ってみてください(小声でいいますが、立ち読みでいいと思います)。

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ワールドカップはオランダ、ドイツ、エクアドル、コートジボワール、コンゴ、スウェーデン、南アフリカに加えて日本も敗退。だいぶ長くやってるなーと思うけど、ここまできて、ベスト16。決勝までいくチームは大変だろうなあ。

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朝から雨。こんな日はオンライン・ストア〈平凡〉をご利用ください。届きたての新譜は、ANJI『わたしのすき』。ニューエイジとくくるのは違うと思うけど、アンビエントってわけでもない。コンピューマ氏のプロデュースが効いてます。

今日も通常営業。本を読みつつ、ご来店をお待ちしています。

2026/07/01

7/1 店日誌


7月1日、水曜日。きのう〈円盤ペニンシュラ〉で買ってきた、DUB SPECIALIST『ROOTS DUB』は妙である。印刷されているのは両面とも「STUDIO 1 DISCO」「THE ORIGINAL」「RIGHT AROUND THE WORLD」「TODAY’S SOUND TODAY」「PRODUCED BY C.S.DODD」「MADE IN JAMAICA」の文字のみ。パッと見では12インチ・シングルみたいな簡素なスリーブ。レーベル面に曲の記載があったからLPだと認識できたけど、なんとも奇妙な佇まいなのである。そもそも、DUB SPECIALISTとは何者なのか。

ダブ・スペシャリストとは、おそらくコクソンが自らミックスを行っていた名義(シルヴァン・モリスという説もあるが1972年前後にはコクソンと袂を分かっている)。

河村祐介(監修)『DUB入門』には上記のように書かれていて、インターネット上ではコクソン・ドッドとシルヴァン・モリス両者の名前を並置しているものもある。なんとなく有力かなと思うのは〈STUDIO 1〉内でダブ・ミックスされた音源に被せる名義なのでは、という説。さて、これは簡単に解ける疑問なのだろうか。

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NOOLIO『SIDE.C Classics』vol.9が到着! 当店の夏の大定番、人気シリーズの最新作。ボレロにはじまり、ロックステディ〜レゲエでタメをつくって、ラテン〜スパニッシュからダブへと流れる。この展開に宿る厚みはかなりのもの。単に曲を繋げて「どうでしょう?」てなノリとは大きく異なる。

月が変わって気分一新! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく〜!

2026/06/30

6/30 雑記

定休日。はじめて訪ねた小山市〈円盤ペニンシュラ〉で感じたのは、店主オカくんの書く字がいいってことで本人にそのまま伝えると「字を書くの好きなんですよー」と応えてくれて納得。値札に添えられた数行の解説であっても、彼の文字があるかどうかで、客側の印象はだいぶ異なる。買ったのは、デニス・ボヴェルとダブ・スペシャリスト。どちらもこの夏に愛聴するだろう。

(メモ:小山市の図書館、雰囲気よし。静かで棚が低くて、蔵書も気が利いていた。)

2026/06/29

6/29 店日誌


6月29日、月曜日。朝いちばんで聴いたのは、DETERMINATIONS『I’ve Got You Under My Skin/LONE GAZER』。なんと優雅で、美しいのか。ラジオで流れるクラシックや黄金時代のポップスのような空気をはらむスカ・チューン。聴いている数分間、梅雨空の曇天、重たい湿度が吹っ飛んでいった。次の『Ska Champion/Love Me Do』はもう、混じり気なしのダンスミュージック。太陽よ、はやく出てきておくれー! って感じでウズウズしてくる。ああ、こんなの聴きながらビールが飲みてえよなあ。

予想外の軌道に身体がのけぞったのは、小山市の〈円盤 ペニンシュラ〉店主オカくんが編んだミックス作品。インスタグラムの紹介文にある「遅回しダンスホールダブセレクト」って言葉からダンスホール・レゲエのスクリューを基盤にしていると思われる。たまたま居合わせたオザワさんが「ユンキーっぽくもある」と言っていたのも納得のローファイ感もあり、繰り返し再生してしまった。

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近所のよしみで最速入荷! 「場づくりのヒント」特集の『スペクテイター』56号は、店頭とオンライン・ストアで販売開始。過去に同誌で取り上げた「つげ義春」と「北山耕平」の追悼記事もあり。これまでの読者からどんな反応があるんだろう……ちょいとドキドキしながら売ってます。

今日も通常営業。本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2026/06/28

6/28 店日誌


6月28日、日曜日。友人に頼んで買ってきてもらったのは、Keith Hudson『Pick A Dub』。これはまずジャケットが良すぎる。ヤシの木によりそってジョイントをふかすラスタマン、軽い笑みをたたえた彼の表情がいい。ふわっと浮かぶ煙のなかで「PICK A DUB」の文字が揺れている───いざ、手にすると2LPじゃん! 喜んで調べてみると、2016年のVP Records再発は拡張盤と題されて、ヴォーカル・ヴァージョンが追加収録されているらしい。

裏ジャケットで参加メンバーを確認。リズム隊はアストン&カールトンのバレット兄弟、ギターはチナスミス、メロディカはオーガスタス・パブロ。録音スタジオは〈ハリーJ〉、アレンジはキース・ハドソンとアストン・バレットと記載されている。要するに、キース・ハドソンのダブ・アレンジ作品と思えばいいんだよね? (「キング・タビーによるミックス」って書いてるお店もあったけど、それはきっと誤りだよね……)

河村祐介(監修)『DUB入門』をひもとくと「シンガーのジュニア・ウォーカー、彼がジャマイカで売れ始めていたダブ・アルバムに目を付け、制作を持ちかけて生み出されたダブ・アルバム。/その名の通り、キースのプロダクションのなかからウォーカーがダブ・ミックスする楽曲をピックアップしたからとか」と書かれていて、混乱する。ドーユーコト??? けっきょく誰の作品なのだろうか。指揮者キース・ハドソンのもと、協力はアストン・バレット、制作補助にジュニア・ウォーカーって把握でいいんだろうか。

今朝の曇天、小雨の天気と低空飛行のダブが合いすぎて、音はうまく捉えられず。めちゃくちゃいい! って言えないのはちょっと残念ではあるけれど、手にできてよかった。いろんな条件で鳴らしてみなけりゃレコードの真価は問えないのだ(その後で聴いた、タッパ・ズーキー『イン・ダブ』にゃ痺れたゼ……)。

梅雨っぽい空模様。いまいち気分も冴えないけれど、いつも通りに開けてます。