2026/10/16

10/16 店日誌


10月16日、金曜日。空気が冷たくなると、オクノ修の歌が聞きたくなる。久しぶりで『オクノ修70歳、拾得ライブ』に針をおろすと、湯船につかったように、じわっと温度が伝わってくる。北風、3マイル、サヨナラ ハッピネス、くれてゆく街角で、さよならをした夜、第5氷河期、追放の歌。A面はシブい選曲。川の流れに沿って、電車が出てゆく、唄う人、日々の泡が続けて歌われるB面には、無言で耳を傾けるのみ。最後の曲、木漏れ日は短い分だけ、言葉がよく聞こえる。

この中に、人生がある。聴いているひとの、すべての。そんな思いにさせるレコードに出会えるだけで、しあわせだと思う。(豊田道倫)

豊田道倫のライナーノーツもやはり素晴らしい。こんな風に聴いて、書く人がいるなら、まだまだ捨てたもんじゃない。しばらく仕入れていなかったけど、久々に注文してみようかな。LPがないならCDでもいい。まだまだ届けるべき人はいるはずだ。

歌う人、書く人がいて、つくる人もいる。各人が工夫を重ねて、練られ、物として生まれたものが人の手に届く。当たり前のようで特別なこと。簡単そうで難しい。自分でも小さな本をつくってみて、しみじみと感じている。

*
山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』、安田謙一『好きで好きで大好きで』がそろって再入荷しました。音源では、CINEMA dub MONKS『TRES』と『永遠と一日(new edit)』が新入荷。すべて、オンライン・ストア〈平凡〉で購入できます。

では、今日も開店。今週末18日(日)は北茨城に出店、19日(月)・20日(火)は連休です。

2026/10/15

10/15 店日誌

私は殿山泰司の根っこにあるのは、このインディペンデントの精神だと思っている。(…)それは一言で言えば、自分の頭で考えるって事だ。当たり前じゃないかって言われそうだけど、その当たり前のことをするのはそうそう楽じゃない。大抵は権威によっかかったり、自分の所属している国家や社会によっかかりながら、自分を支えてたりするものだ。(大友良英)

10月15日、木曜日。月〜水の連休中は、焼物工房、美術館、そば屋、居酒屋、パン屋、カフェバーを渡り歩いた。規模はそれぞれであっても、みんな、自分の頭で考えながら営業や活動を続けてる。よくもまあこんな場所で……って店もある。テレビがつけっぱなしでも良いこともある。音楽と場所が溶けあっていてウットリしたときもあった。

東京は個人店がたくさんあって面白い。つくばでは触れがたい趣や発想にぶつかって、スゲエ……と感心したり、自分にもまだまだやれることがあるのかなーと思ったり。刺激の多い3日間だった(毎日、ヘトヘトになるまで歩き回った)。

*

電車、喫茶店、宿のベッドで読みつないだのは、殿山泰司『JAMJAM日記』。今回もまた、大友良英の文庫版解説「INDEPENDENT」にウーン! と唸ってしまった。「殿山泰司はあらゆる権威というモノから独立するために、あの文体を選んだとすら私は思っている」という指摘はメチャ鋭い。

今日13時から営業再開。数日開けて、週末18日(日)は北茨城で出店します。

2026/10/14

10/14 東京滞在記③


10月14日。変えてもらった部屋が快適で、すっきり目覚める。7時過ぎに江戸川沿いを歩いてみると、最高に気持ちいい。ぐんぐん進んで、海っぽい匂いがしてきたなーってところまでくると目の前は葛西臨海公園。遠くの海ではたくさんの鳥が舞っている。葛西臨海公園駅を越えて、歩行者道を選んだところで雨がポツリ。幸いにも本降りにはならないまま歩き続けて、ホテル着が8時半過ぎ。なんでこんなに遠くまで……すでにヘトヘトだ。部屋で休憩したのち10時直前にチェックアウト。

大衆食堂〈関甚〉でいつものドライカレーに目玉焼きを食べると、疲れがピークに。眠くて歩くのもままならない。もう帰ろうかな〜と思うも、ぐっとくらえて地下鉄乗車、空いてる車内でぐっすり眠る。大手町周辺をさまよい、またしても帰りたくなるも、土俵際ギリギリに足を残して、再度地下鉄に乗車(24時間フリー切符があった)、代々木上原で小田急に乗り換えて、梅ヶ丘で下車。東京に来たなら行かねばならない店がある。

住宅街のなか、こんなところに? ヨッちゃんのパン屋〈hnn〉(んんん、と読むらしい)を見つける。外観はおよそそれっぽくなく、小窓を通してのやりとりは昔のたばこ屋のようでもあり、不思議。だけれど店主のキャラと相まって、街に馴染んでるのが面白い。パンを買い、挨拶をして「じゃーまた!」と別れて、次は駅の反対側にある〈botany〉を目指す。連休初日に遭遇した夏の大△のメンバーでもある川口さんが営むカフェ/バー。ちょいと歩いて静かな立地にたたずむ店を発見、店主に挨拶をしてホッとひと息。音楽のことを中心に話を聞かせてもらう。手製ZINEをいただき、テープを購入。チラシとステッカーを交換して、街に出る。

小田急線、東京メトロ、つくばエクスプレス、関鉄バスと乗り継いで、帰宅したのが16時半過ぎ。シャワーを浴びて、パンを食べ、18時半には眠っていた。こんなにも歩き回った東京滞在はこれまでにあったかな。

2026/10/13

10/13 東京滞在記②


10月13日。あてがわれた部屋がひどい……夜中に何度か目が覚めるし、起きてもいろいろ気になるわでフロントにかけあって別の部屋に移る。そのまま江戸川沿いから緑道あたりを歩く。通勤、通学、トレーニング。公園ではなにかの撮影も行われてる。西葛西は朝がいい。歩行者にやさしい。コーヒーとレタスドッグの朝食を済ませて、快適な部屋でしばし休憩。10時過ぎに地下鉄に乗り、大手町で下車。皇居周辺からお茶の水、湯島、神保町と歩くとさすがに疲れる。午後に〈穂高〉と〈まつや〉でながめの休憩をとり、16時前に表にでると雨がザーッと降って、止む。顔をあげると大きな虹がかかってる。

今回の目的のひとつ、神楽坂〈トキオカ〉に入店したのは18時ちょうど。キタバヤシさん、トキオカさんに迎え入れられ、まずはビール。レモンサワー。ウーロンハイ。食事はおまかせ。音楽はウェイラーズ、ダウがかかる(最高)。店に流れる空気がいい。会計を終えて、時計をみると20時半。ゆっくり過ごさせてもらった。

神楽坂をくだって飯田橋、九段下、竹橋でメトロに乗って西葛西。祝日だったきのうの夜とは異なる雰囲気にちょっと安心。部屋に帰ってシャワーを浴びて、即就寝。

2026/10/12

10/12 東京滞在記①


10月12日。益子出張を終えて、久々に東京に向かう。関鉄バスとTXを乗り継いで、南千住で下車。大林の前を通り過ぎ、バッハなどを横目にのんびり歩き、今戸地区に入る。そこでひとつ用事を済ませて、本所吾妻橋から西葛西へ移動、定宿にチェックイン。シャワーを浴びて、東西線の木場駅から〈東京都現代美術館〉に向かって歩く。夕方の空気が気持ちいい。現美っていい場所にあるんだなあ。

館内をぶらつき、曽我大穂さんを見つけて話しだすと「植田さん?」って声がかかる。顔を向けるとチャーハンさんとご友人たち。なんと、こんなところで。みなさん「夏の大△」のパフォーマンスが目的とのことで、ミュージアムショップ隣接のスペースに向かう。ガタン、ビリ、バリバリ、ギュイーン、たまにガシャン。この人たち、何してるんだろーっと考えるよりも、作業を見ているのが楽しい。まったく飽きない。奇妙な快適さに浸っているうちに終演。ぱらぱらとした拍手もいい感じ。

隣にいた大穂さんと感想を伝え合い、仕立て屋のサーカスの現況なども教えてもらって、約束していたCDを受け取る。チャーハンさん、夏の大△のメンバーの方々に挨拶をして、外に出る。清澄白河から門前仲町までぶらぶら歩いて、数ヶ月ぶりの〈ほどほど〉に入店。ここでも知人に遭遇、いろんな話を聞かせてもらっていい心地。お隣に座っていた男性がフィッシュ(PHISH)のTシャツを着ていて、ひと盛り上がり。しっぽり飲んでホテルに帰る。

10/12・13・14 連休

10月12日(月)・13日(火)・14日(水)は連休です。

2026/10/11

10/10・11 益子出張記(短縮版)

10月10日(土):快晴。今日、明日で益子「Beet Trail Mashiko」に出店する。サクライさんと8時に店で待ち合わせ、荷物を積み込む。のどかな道をのんびり進んで9時半前に〈Mingel〉に到着。店主キクチさんに挨拶をして、すぐに搬入。出店準備を整える。これはこっち? いや、こっちの方がいいんじゃない? うん、ハマった。よしよし。なんて感じで作業を終えると10時50分。ぎりぎり開場に間に合った。自分で言うのもなんだけど、ミンゲルとピープルの相性はバッチリ。並べた本たちもいい表情で嬉しくなる。

*

洒落たミンゲル、さぞかしカッコいい人が来るんだろうな〜と思ってたけど、嬉しい誤算というか高齢男女のグループが多い。バリバリの栃木弁が飛び交っていて、聞いているのも面白い。いい場所。いい時間。今回はここに店を出せてよかったなあ、しみじみ感じ入る。イワキさん、マキタさん、知り合いたちとの話も弾む。

──────────────────────────────

10月11日(日):快晴。8時半にピープルに待ち合わせ、サクライさんの車に荷物を積み込み出発。農道を主にのんびり走る。益子郵便局〜かましんを経由してミンゲルに10時前に到着。すぐさま準備を始めると15分ほど設営できる。さすが2日目。慣れたもんだな〜と自賛したのち、レコードをかける。1枚目ははっぴいえんど『風街ろまん』、その後はジャズを主にした選曲でサクライさんのDJタイム。たまたま居合わせたお客さんに声をかけると、ヨロッコビールの追っかけなのだと話しくれて、びっくり。

*

夕方頃にカワイさんと〈Starnet ZONE〉まで上がり、戻ってくると、縁もたけなわ。アフターパーティーに向けての温度が高まってくる。ギリギリまで粘って17時ちょい過ぎ、サクライさん、カワイさんと一緒に搬出をはじめるとあっという間に作業完了。最後に、ミンゲル店主・キクチさんに声をかけて売上精算、出店料を収めて出店を終える。

──────────────────────────────

上記した出張記は短縮版。全編は11月末刊行予定の『GO ON』vol.13に閉店後日記(10/3~10)ともに掲載されます。