2026/05/27

5/27 店日誌


音楽と言葉の結びつきについて語れる時、ビートニクにスポットが当たる。/つまり、彼等の多くが退屈しきった白人青年たちであり、最後の世界大戦(今のところは、だが)後のアメリカ社会の古臭く偽善的な習慣やモラルにその内部から反抗した時、ジャズが彼等にとって一つの実践目標だった。(荏開津広)

ヴェトナム戦争が落とした暗い影はキッズたちを憂鬱にさせ、街全体が暗い空気に包まれていた。/その中で、とにかくたくさんの人間が自分の存在を証明したがっていた。それでマーカーやスプレイペイントを手にし、自分の名前を壁に描いて『僕はここにいる』ってことを証明しようとした。(ラメルジー)

5月27日、水曜日。荏開津広『人々の音楽について』を数年ぶりに読み返して、ブルース~ジャズにはじまり、スカ~レゲエ~ダブへと展開し、ヒップホップ~アシッドジャズ~テクノに接続する音楽文化の変遷を再提案された気がした。パブリック・エネミー、じゃがたら、プリンス・バスター、スカ・フレイムス、松岡徹、藤井悟、TOKYO NO.1 SOULSET、ギル・スコット・ヘロン、ラスト・ポエッツ、ジャミロクアイ、ラメルジー……って並びがヤケに新鮮。90年代の再評価も完了しつつある2026年に、こんな感覚が得られるってのはちょっとした驚きでもある。

第二次大戦の戦勝国としての経済的繁栄に対してのカウンターとして現れたビートニク。その後の東西冷戦、ヴェトナム戦争による悲観的情況を反映して生まれたヒッピー・カルチャー。そこまでは認識していたつもりだけれど、「ザ・ラメルジー」を読むまでは、そこにヒップホップを接続する発想を持てていなかった。

まあ、つまり自分はニブイのだ。その手の本を読み漁っても、系統立った知識は獲得できないまま。ばらばらに煮込まれ、ときに発酵した情報たちが混ざっていくと、何かが生み出されることもあるんだろうか。

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今週末のつくば市内は催事いろいろ。あちこちが賑わうみたいです。当店は30日(土)が短縮営業で、翌31日(日)は終日休業。それぞれ「パスカルズ つくば公演」と「棕櫚 開店4周年記念パーティー」に出店します。

今日明日、明後日は通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2026/05/26

5/26 雑記

午前中、市内の実家に移動する。道中、かつて通った小学校の古びた体育館が目に入って、複雑な気分。ケンカがあって、鼻血を出した友達がいた。カメムシの匂い。くさったソフト麺。いい思い出が浮かばないまま、家に着く。庭で昼食、日陰の風が気持ちいい。ドジャースとロッキーズの中継が流れてた。

午後はのんびり、何枚かのレコードに針をおろす。スリム・スミス、プリンス・バスター、リー・ペリーなど。夕方に散歩にでて〈つるばみコーヒー〉を覗いてみると、友人がいる。ホーマック、カワチを経由してマイセンに。数ヶ月ぶりのAコース、デカジョッキの生ビール。いい心地で帰宅、そのまま就寝。

2026/05/25

5/25 店日誌


5月25日、月曜日。眼がさめると、なんとも爽やか。いい天気。朝イチで針をおろしたのは、『It’s Rockin’ Time / Duke Reid’s Rock Steady 1967-1968』。ロックステディの黄金期につくられた16曲をまとめた本作には、Justin Hinds&The Dominos,Tommy McCook&The SuperSonics,Phyllis Dillonなどが収録されていて、どれもが絶品なのだけど、今朝グッときたのはThe TechniquesとThe Three Topsの2組。わりに目にする前者はともかく、後者は初見。いったいどんな人たちなんだろうか。伸びやかなサウンド、コーラスがめちゃくちゃ気持ちいい。

スカ期に登場した偉大なシンガーであるスリム・スミスは、類い稀なハイトーン・ヴォイスと歌唱力を持っていた。そのため彼が在籍したヴォーカル・グループであるユニークス、テクニークス、センセーションズでは、いずれもリード・ヴォーカリストとして優れた作品を残したほか、ソロ・シンガーとしても活躍した。

前者、Techniquesについて『The ROCKSTEDY BOOK』で調べてみると、「SLIM SMITH,THE UNIQUES」の項でヒントを得る。なるほど、スリム・スミスがいたグループなのか。おりよく手元に数作、彼のレコードがある。『Just A Dream』。の裏ジャケで、カーティス・メイフィールドやサム・クック、ジミー・クリフなどの曲を歌っていると確認できた。

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二日酔いが抜けぬまま、電車を乗り換えて吉祥寺。気候のよい日曜日、当然ながら街には人がたくさん。逃げ込むように足を向けた井の頭公園には横になれる芝生がない! 参った! ここまで追い込まれて、つくば市は公園には恵まれてるんだな〜と気がつく。いい環境で暮らせてるんだよなァ……(ベンチで寝て、どうにか回復)。

今週末30日(土)は11時~15時の短縮営業、31日(日)は終日休業。今日は通常営業です。

2026/05/24

5/24 休業

 今日は所用のため、終日休業です。

2026/05/23

5/23 店日誌


5月23日、土曜日。ちょうど1週間後、30日(土)開催! 「パスカルズ つくば公演」の当店分チケットは完売! と言ってもまあ、パスカルズだし、これくらい動いてくれなきゃ困るんだけど、手応えはある。公演を主宰する「Warming up」の公式HP、会場の〈つくばカピオホール〉では今もチケット販売中。まだまだ席はあるようなので、気になる方はぜひ! 前売券をお求めの上、ご来場ください(当日ギリギリまで都合がわからん……って方もご安心を。ほぼ間違いなく当日券の販売もあるはず)。

雨のおととい、キーンと寒くなったきのう、そりゃ店は暇になる。パスカルズ公演の主催者、野口さん。天久保1丁目の地下スペース〈aNTENA〉の中山さん。それぞれとじっくり話して、現状と今後の展望を伝えあう。お互いに落ち着かないし、まだまだ楽はできないねーっと話せる先輩がいて、助かる。率直に励まされるし、元気が出てくる。

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暇な時間をつかって、オンライン・ストア〈平凡〉に新譜、古本を足しました。今日の注目はエム・レコーズの定番作、ムスタファ・スカンドラニ『イスティクバルと即興』。新装丁になった2026年仕様。アラビア版「ゴルトベルク変奏曲」とも評されるスカンドラニの1965年のピアノ独奏をご堪能ください。

今日は通常営業! 明日24日(日)は所用のため、終日休業です。

2026/05/22

5/22 店日誌

6点や7点のような、当たり障りのない点数を付けても、人は誰も憶えてくれはしない。だが、0点やマイナス10点なら、人はその作品に興味を抱き、また採点者のことも忘れられなくなる。音楽に対して強い好奇心を抱かせることこそ、音楽評論家の仕事だと考えるなら、当然のことではないか。(小西康陽)

5月22日、金曜日。小西康陽『わたくしのビートルズ 小西康陽のコラム 1992-2019』を読み返して、192~248ページで展開される「軽い読み物など。」で膝を打ち、ときに唸った。なるほど、そんな見方と聞き方があったとはと驚き、まったく同意! と頷いたり。とにかく読みどころばかり。上記引用は中村とうようの逝去を受けて書かれたブログからの一説で、「彼がクロスレヴューで誰のアルバムに0点を付けた、とか、マイナス10点を付けたとか、そんなことを面白おかしく、あるいは苦々しく書いたのを読んだ」につづくところ。

感動した! って言葉を使わず、音楽のいいところを伝えたい。あの曲のあそこ、ちょっと間が空くところでグッとくるんだ。腹の底に響いてくるよね。そういった抽象的な情動にうまく言葉を与えたい。べつに自分は評論家でも批評家でもないのだけれど。

若い人にはたぶん理解してはもらえないだろう。けれどある日、海苔が旨い、海苔こそはラーメンにおける最も重要な具だ、と知る日があなたにもやってくる。そのとき、自分は伏し目がちに黙って頷くはずだ。

この「眼鏡の弦。」って文章も格別だ。眼鏡の弦の内側、イグジット・スルー・ギフトショツプ、加齢による味覚の変化と話題が移って、ラーメンの中の海苔の旨さを語って閉じられる短文。技巧に長けてて、ユーモアもある。されどエモーションには頼らない。この按配が実にお見事。

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オンライン・ストア〈平凡〉に入荷あり。篠田正巳ユニット『COMPOSTELA』Compostela『1の知らせ』の新譜に加えて、木村二郎、ヨーゼフ・ボイスなどの古本も。気が向いたら覗いてほしい。Pottmann『ふるさと』津村記久子『ふつうの人が小説家として生活していくには』など、再入荷もあり。

って感じで、今日も開店! 明日は通常営業、明後日24日(日)は終日休業です。

2026/05/21

5/21 店日誌

ジャケットのアートディレクションは、『relax』誌のアートディレクターでもある小野英作。使う写真は、小野英作が100本ほどあるベタ焼きを見てセレクトした。/ラヴァーズ・ロックのアルバムにロマンチックな世界観を表わすハートのマークや花のイラストといったヴィジュアルではなく、ルードボーイとかサウンド・システムという要素が強調された写真を使うことが的確なメッセージになっていた。(*1)

5月21日、木曜日。先週入荷した、石田昌隆『Struggle Reggae meets Punk in the UK』を読んではっきりと認識。今も続く人気シリーズ『Relaxin’ with Lovers』は藪下晃正さんと小野英作さん、石田昌隆さんによる三位一体の発明なのだ。2001年にはじまった同シリーズが25年後も続いているのは、この3者の力が大きいはずなのだが、小野さん不在の今後はどうなるのだろうか。

製作陣にケチをつけたいわけじゃない。石田さんの写真はCDもいいが、アナログ盤でこそ映えるのはわかってる。どうもうまく言葉にできないのは、自分も、レコードが好きだからだ(プレス後の即プレミア化はどうも辛いところもあり……)。

音楽を聴くということは、音楽に込められているメッセージを受け取って、自分の中にあるおぼろげな世界地図に具体的なデティールが描き加えられて、少しずつ世界が見えてくることにほかならない。(*2)

ピーター・バラカンさんのラジオ番組やイベント開催、映画上映なども、上記した石田さんと同一の見識の上で行われているのだろう。ピーターさんの活動すべてを追っているわけじゃないし、熱心なファンでもないのだけど、はっきりとそう思う。

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朝から雨。空気もひんやり。きのうまでの暑さ、湿度はどこいった! なんて言ってもどうしよいもない。このくらいの温度が過ごしやすいし、店には居やすい。18時の短縮営業にして様子を見てみます。

今日も通常営業。新譜レコード、2タイトルの入荷があります。

(*1)p.96 (*2)p.314