2026/05/13

5/13 店日誌


5月13日、水曜日。今朝のレコードは、Sol Hoopii『Master of the Hawaiian Guitar』。何年か前に魅惑のオンライショップ〈パライソレコード〉で買っていたのをなんとなく気が向いて取り出して、針をおろしてみると、これがまぁ! すばらしいじゃないか。A面冒頭はジャンゴ・ラインハルトみたいなジプシー・スウィング、続く曲はエキゾチックかつストレンジな気配が漂うハワイアン、歌が入ると軍歌っぽく聴こえたりして面白い。

パライソレコードの紹介ページをひもとくと「ジャズ〜ラグタイム〜ブルーズなど米国本土でも演奏活動した彼による幅広い選曲からなる超絶プレイはジャンゴラ・インハルトなどのオールドタイムスウィングとして聴くこともできます」とあって、納得。こんなにも丁寧で適切な紹介文、しっかり読んでいなかったのか……。

急に駆け足になったり、そうかと思えば道草をしたり、近道を選んだつもりが行き止まりで、もと来た道へ戻らなければならなかったり、振り返って見れば、私の人生はそんなことの繰り返しであった。(永井龍男)

出先で目に入って買っていた永井龍男『東京の横丁』を読み出すと、不思議と心が安らぐ。東京神田駿河台での少年時代、文学との出会い、文藝春秋の会社員時代、鎌倉で迎えた終戦、作家として独立。大袈裟な表現を用いずに綴られるから、読むうち親しげな気持ちが増してくる。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/05/12

5/12 雑記


定休日。どこに出かけるわけでなく、午前中は店でトートバッグの到着を待つ。午前中指定にしたものの、なかなか届かず、その間にいくつかの連絡ごと。電話、メール、ダイレクトメッセージを使って声を交わす。おおむね順調。ちょっと先の約束があれば、しばらくはやり取りが続くであろう話もある。できるかぎり丁寧に。小さなことも誤魔化さずに進めていく。

11時55分に荷物を受け取り、車を走らせる。今年はじめての〈かつ善〉でも大リーグ中継が流れていた。ロースA(130g)を食す。付き出しの漬物とお茶、味噌汁がちょうどいい。次は夜にきて酒が飲みたい。

2026/05/11

5/11 店日誌


5月11日、月曜日。う〜〜〜ん、やっぱりスゲエ! 来週18日(月)発売のEXODELIC『Kind a Little Stupid/Life On the Planet』に針をおろして、唸ってしまう。カセットテープでリリースされた『ROCK ‘EXODELIC’ STEADY』からのシングルカットのわけだから曲は知っていた……のだが、体感が大きく異なる。7インチ用のアレンジが加わっているのもあるけど、これは何だろう。より宇宙的に、曲線状に曲のスケールが大きくなったと書くと伝わるだろうか。もはやロックステディとか、そういう括りでは説明できなくなっている。

くだんのカセット『ROCK ‘EXODELIC’ STEADY』は今週中には再入荷予定。こういう作品がリリースされてるってのは大きなこと。自主製作で当たり前。大きな広告、キャンペーンがなくても、届くべきところには着地するのだ。

*
それにしても、きのうはヒマだったなァ。隣のカフェ、近所のメイも同じだったようで、「まあ、こんな日もあるっすね〜」と慰め合い、にこやかに帰路についた。ぶうぶう、あちこちに悪態をついてる場合じゃないだろ! とツッコミが入りそうだけど、本音なのだから仕方ない。

さあ、今日はどうなりますか。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/05/10

5/10 店日誌


5月10日、日曜日。埼玉、千葉、伊勢、あとはどこだっけ……そんなに沢山ではないんだけど、わりに遠方から足を運んでくれる人が増えている。お会計時に「お近くですか?」と聞いてみると「いや、まあ×××です」「⚪︎⚪︎⚪︎からきました! 遠かった〜!」とか色んなふうに応えてくれる。驚きつつ、お礼を伝えて、求めがあればお薦めの場所を教えたりもするのだけど、当方には選択肢なし。食事は大成軒。古着ならメイ。レコードならばグッドニアーレコーズ。ぜんぶ天久保地区である。

とある雑誌からの依頼は、旅にぴったりの本。当店ならば茨城県、もしくはつくば市で。なんなら行くべき場所も挙げてほしい。って、そんなの無理でしょ! 行くべき場所は各自が勝手に見つけるべし。迷って、落胆してもなお訪れたい街があるならば粘って、歩いて、ピンときた店に入ってみたらいい。

とか言いつつ、なんとか1冊紹介したのだけれど採用されるか不安はある。掲載無しならばそれでよし。この10年くらいで広がってる「個人的街案内」が苦手だし、「行くべき」「回るべき」だのってのは正直わずらわしい。スタンプラリーじゃないんだから。

今日も通常営業! 在庫確認、予約、通販などのお問い合わせはお気軽に。

2026/05/09

5/9 店日誌


「ビッグウェンズデイ」の文庫本がある。デニス・アーバーグとジョン・ミリアスによる映画が有名だが、自分は文章になった「ビッグウェンズデイ」を愛読している。大好きで何度も読んだ冒頭のシーン。酔いどれマット・ジョンソンが海辺でまるで浮浪者のように倒れている。金髪に古びたハワイアンシャツ、あちこちが破れたリーバイスに裸足だった。(松浦弥太郎)

5月9日、土曜日。松浦弥太郎『くちぶえカタログ』のブルース・インターアクションズ版が刊行されたのは2005年2月。横長版系の随筆集で衣食住に加えて職、本、旅がテーマになっている。扉ページにサインが入っていて、カバーはボロボロ。若い自分なりに読み込んだのは間違いない。このなかの「本」で紹介される「ビッグウェンズデイ」を読みたいと思ったまま、約21年。安く見つけたいなーと、あちこちの文庫棚で目を皿にしても見つからず、探していたことすら忘れかけていた数日前、ネット書店で見つけて注文した。

読みだすとすぐマット・ジョンソンのシーンになるのだけど、松浦さんのテキストを基に、自分なりにイメージしていたのとはちょっと異なるものだった。マットは酔いどれ爺かと思っていたけど、まだまだ若くて無茶のきくサーファー。両脇にはジャックとリロイ───この本は彼らを中心にした青春小説で、とても面白い。「うまくいってないんだな。そうだろう。子供から大人になるってのは、やってみるとけっこうたいへんだろう」って台詞が、腹に応える。

端端で、ジャック・ケルアック『路上』を思い出して、久しぶりに読みたくなる。青山南訳の『オン・ザ・ロード』じゃなくて福田実が訳した、河出文庫版『路上』を手に取りたい。あの本をはじめて読んだのも20年前だった。

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きのう、顔をだしてくれたのは草加に住んでるダイキくん、絵描きのナツナさん。ぱらぱらとひやかし客。「ここは何屋さんですかー?」と聞かれたら、そのままシャッターを閉めたくなる。高望みしてるわけじゃないのだけれど……。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2026/05/08

5/8 店日誌


ボブ・ディランは革新者になったが、高田渡は取捨選択のセンスのあるイミテイターもしくはインタープリターである。だがぼくはディランよりも高田渡を愛している。(*1)

高田渡という人は昔から稀代のスタイリストだったのだ。その音楽も、仕事を選ぶのも、酔って人にからむのも、もしかすると何もかも計算しつくした果てのように見えてくる。/ギターはギルド。暮らすのは吉祥寺。飲むのは「いせや」。服の着こなしも、映画を観ていればかなりの洒落者だったことが判る。(*2)

5月8日、金曜日。小西康陽『ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム 1993−2008』を読んでいる。序盤で好きなのはミッシェル・ガン・エレファント、チャック・レイニー、モータウンから山名昇に繋げるところ。これぞ、テキストでのDJ! なんともグルーヴィ! かつ、モッドなのが最高に洒落てる。「モーツァルトは天才だが、『モオツァルト』を書いた小林秀雄はおそらくモッド。ここは短く笑いを取るところだ」(*1)なんて書ける人、他にいないでしょ。

高田渡に触れた部分を繋いでみれば、酔いどれの好々爺みたいなイメージとは異なる姿がくっきり浮かび上がる。「とりわけ詩に対して、言葉に対しては、まさしく目利きだった」(*2)と始まる節を継ぎ足せば、よりはっきりと輪郭が立つと思う。

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何曜日だろうが休みの日の過ごし方は大体似ていて、昼前までに用事を済ませて、夕方にはビールを飲みだし、だらだらレコードを聴いている。きのうの昼食は牛久の〈大勝軒〉。ご夫婦の働きぶりが気持ちよく、普通の中華が、普通の量で出てくるから安心できる。数年ぶりに行ったけど、なにも変わっていなかった。

ロゴ・ステッカーのプレゼント、連休中のサービスと書きましたが、好評なので続けます。オンライン・ストア〈平凡〉との共同企画。都合のいい方法でお買い物してくれたら嬉しいです。

今日もちょっと蒸していて、身体が重たい。無理せずお出かけください。

(*1)「身だしなみに無頓着であることが許されるのは」
(*2)「ある日、音楽が大嫌いになっている自分に気付くこと。」

2026/05/07

5/7 休業

今日は休みます。