2026/02/06

2/6 店日誌

2月6日、金曜日。買い物ついでに立ち寄ったリユース店で『CALYPSO SOUNDS OF THE CARIBBEAN ISLANDS』を発見! なんと10枚組。地獄のカリプソ天国……と意味不明なことを口走ってしまいたくなる約200曲。いま聴いているDISC3は「CALYPSO HIGHLIGHTS & RARITIES 1958/1959」と題されていて、ロード・キッチナー、マイティ・スパロウといった有名どころから、マイティ・テラー、ザ・リグラーズ、ハーバート・ポーターなども入ってる。読み方が判然としないのだけど、LORD IVANHOE & HIS CARIBBEAN KNIGHTSって人の声、めちゃくちゃ良いなあ。

大量の古本入荷に伴って、オンライン・ストア〈平凡〉にも動きが増えている。ちょこちょことアップしているので、気が向いたときに覗いてみてほしい。

てなわけで、今日もよろしくどうぞ〜! 暖かいんだか、寒いんだか、つかみづらいっス。

2026/02/05

2/5 店日誌


2月5日、木曜日。朝、なんの気なしに聴いていた寺内タケシ『エレキギターのすべて』に驚く。B面4曲目の「キャラバン」たるや、なんという解釈だろうか! 解説によれば「エコーマシーンの効果を十二分に活かした演奏」ってことだけど、エキゾ表現が極まった先にはダブがあった……なんて言葉が浮かぶ独特の揺らぎ、溶けるような深みがある。当店の推薦作『ROCK ‘EXODELIC’ STEADY』を好む人ならきっと気にいる(ってか、ビックリしますよ)。当たり前なのだが、音楽表現って底が知れない。まだまだ未知の演奏があると思うとワクワクしつつもゾッとする。

でも音楽を熱心に聴いてるときにすごい思ったんですけど、ギャンブルするやつは自分の好きなコンテンツにたどり着ける確率が、しないやつより圧倒的に高い。(津村記久子)

こんなこと書いてたら、また『ふつうの人が小説家として生活していくには』でのやりとりが頭に浮かぶ。引用しまくるのも野暮なので、短くしておくけど、ここで語られることにも共感した(注:ここでの「ギャンブル」ってのは賭博行為ではなくて、結果が確約されないことを試してみるってことです)。

ここのところ買取が爆増中! 本、雑誌はもちろん音源も混ざっていて、聴いてみてはどんどん出している。「いいなあ」「面白いなあ」と独りごとばかり言いながら、店でも音楽を聴いている。

ではでは、今日も開店! ご来店お待ちしております〜!

2026/02/04

2/4 店日誌

四十七歳のおばはんとして思うのは、大人になって好きなことを仕事にしたいと思ったら、とにかく自分のいま好きなことを掘ったほうがいいって、それだけです。他人がぜんぜん好きじゃないものを自分が好きでも臆さないこと。才能も努力もいらんから追った方がいい。ものにならなくても、その後何かにはなるんです。(津村記久子)

2月4日、水曜日。津村記久子『ふつうの人が小説家として生活していくには』を読んで、つよく共感した。実体験として積み重ねてきたものの、言語化できていなかった感覚が、こんなにも明瞭かつ簡潔に語られるとは……驚きながら、何度もつよく頷いた(「そうだァ!」と手を叩きたくなるほどに)。何事も本質をつかむには時間はかかる。失敗もする。それでも、止められない。ついつい目や耳が向いてしまうものがあるならば、大切にしたらいい。他人にとやかく言われれても手放さずにいたらいい。

ぼくはたまたま、運がよくて自分のやりたい仕事ができていますが、果たして「何者かになれる」というメッセージはほんとうだったのか、たんに騙されただけではないかとも思うわけです。ぼくはいまの時代を見ていると、なにかとても暗い気持ちになります。(島田潤一郎)

夏葉社代表であり編集者の島田潤一郎さんがぐいと前にでる最終部「夢をもつということ」「Perfumeのあとに」で話される内容はズシっと重たいけど、この本の山場だと言える。島田さんの話す「あの二〇〇〇年前後に生き方のモデルみたいなものが一回壊れて、それがそのまま再構築されることもなく今にいたる」ってのは、たぶん本当のことだろう。

あちこちで見かけてもスルーし続けてきた『君は永遠にそいつらより若い』とか『ポースケ』、次にあったら手に取ってみようと思う。『ディス・イズ・ザ・デイ』、『つまらない住宅地のすべての家』あたりも読んでみたい。

では、今週もよろしくお願いします! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2026/02/03

2/3 雑記


予定ゼロの節分、小春日和につられて近所を歩きまわる。郵便局からマクドナルド、近くの公園を経ていったん帰宅。居間で休んだのち、古着屋〈may〉を覗いたのちに自店で作業をして〈つるばみコーヒー〉まで自転車を走らせる。いったん帰宅後、すぐさま散歩に出て、大穂周辺を散策してあらたな道を発見。桜の巨木や老舗の食堂、かつての街道沿いには、まだまだ見所が残ってる。

2026/02/02

2/2 店日誌


2月2日、月曜日。朝、5時20分に玄関を出ると大きな月がぼや〜んと浮かんでる。懐中電灯を手に歩きだすと、なんとも寒い。むき出しの顔、頭はひんやりした空気に刺されてるみたいで、たまらない。それでも10分、20分と経つうちに身体が暖まってきて、ずんずん歩ける。筑波大の池はカキーンと凍ってる。暗い芝生に人が座ってる。たま〜に自転車、車も通り過ぎる。聞こえる音は多くない。考えごとに集中するうち店に到着、オンライン・ストアで売れたものを回収したのち自転車に乗って走りだす。

徒歩以上の速度になると空気がキーンと鋭くなる。 耳がちぎれそうなほど痛くて、手袋ごしでも指先が冷たくなる。シャカシャカとペダルを漕いでいるとき、雲間から覗いている月が目に入った。どうやら今日は満月らしい。

では、今日も開店! お暇があれば、ご来店ください〜!

2026/02/01

2/1 店日誌


意識が朦朧としているなか、何をとち狂ったか、新シリーズが開始された『ストレンジャー・シングス5』を一気見。悪夢がずっと目の前で繰り広げられていて、アヤワスカで一番しんどい時を思い出した。治ってもしばらく虚無状態。

2月1日、日曜日。ハーポ部長が2025年を振り返る。下北沢にあったブックカフェ〈気流舎〉の追悼アンソロジー本のコミューン 対抗文化のイヴェント記録と通り過ぎた旅人たちの風』(略して『本風』)の編集作業と書店営業、告知催事に追われた1年を濃ゆ〜い密度で綴ってくれた。「正直、編集がわからない。校正がわからない。出版社などで編集者として実務経験を積んだことがない」と書きながらも、出来上がった本の完成度はかなりのもの。当店では今年もしっかり売っていくつもりなので、ご注目を。

自分で上級者向けのラスタ本の翻訳を始めた。Horace Campbell『Rasta And Resistance: From Marcus Garvey to Walter Rodney』。英語の勉強を兼ねての試作だけど、私家版にするだけでは勿体ないんで、翻訳権のこととかよくわからないけど、来年はこれを何らかの形にしたい。

ちらっと書かれる上級者向けのラスタ本がどんな風に刊行されるかが気にかかる。おそらくは自費出版になるのだろうけど、こうした本がしっかりとした出版社から出ていいと思うんだよなァ……。

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夕方前に届いたマリヲの2作、『タクシーの黒は夜の黒』『リミックスライヴエディット』に瞬時に反応してくれる友人たちに、キミたちも「瞬間直角」な感覚を持ってるよ! なんて声をかけたくなった。意味よりも気分優先、感覚的に楽しんでくれる人がいて嬉しいし、頼もしい。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2026/01/31

1/31 店日誌


アンダーグラウンドでもインディペンデントでも、オルタナティヴでもなんでもいいが、そこがメインストリーム予備軍の溜まり場だとしたら、僕にとってこれほどつまらないことはない。

1月31日、土曜日。森本英人が2025年を振り返る。近年、「ZINE」にはじまり「アンダーグラウンド」「インディペンデント」「オルタナティヴ」なんて用語を眼にする機会がとても多いのだけど、どうにもお飾りのように思えてしまう。自己発信のメディアをとおして声を上げるのは大事なのはわかっていても、なにか違う、ピンとこないときもある。流行ってるから悪いわけじゃない。みんな同じで、別にいい。そもそも、自分にとやかく言う権利はないし、違和感があるなら距離を取ればいいだけなのだが……。

どれもとてもローカルで、ときにとてもパーソナルなテーマ、歴史のエアポケットに落ちたまま忘れ去られてしまった出来事にフォーカスしているのに、時間をかけて丁寧にホコリや泥を取りのぞいたさきに見えてくるものに、一転して親密な、現在の自分とどこかで確実につながっているという感覚を覚える。

なにが正しくて、間違ってるのか? 真贋を見極める眼がない自分には、こうして実感を伝えてもらうのがいちばん確かだ。惣田さんが書いていた「実存を確かめ合って、それから少しだけ対等でいられる」ってのを実践するには、ソーシャルネットワーク越しでなく、対面で言葉を交わす機会を増やしていくしかないのだろう。

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冷た〜い風の吹くこの数日、店はとても静か。その分、買い取ったものの仕分けや、値付け、棚出しが進んでいる。本を触って、棚を見てるときに浮かんだアイデアを試してみると見え方が変わる。それが何より面白い。

今日もいろいろ入荷あり。お暇があれば、ご来店ください。