2026/07/25

7/25 店日誌


7月25日、土曜日。この数日、家でよく聴いているのは、リトル・テンポ『山と海』(のB面)、222『Song For Joni』、Rick Deitrick『River Sun River Moon』、Joe Pass『Virtuoso』、Earnest Ranglin『Mr.Ernie with Soul』あたり。総じて音数が少なくて、展開も多くないから安心してダラリとできる。店では主にジャズ。ずいぶん前に買い取っていた山の中からピンときたものを選んでみると、まあまあの割合でジョー・ザヴィヌルが参加している。ザヴィヌル氏のエレピの響きには冷却効果があると思う。

ま、これなんでございますな。不条理は疲れる。不条理にテレビクルーとバーさんが入り込むと、この世の終わりのような平穏な不条理が現れまして、いっそ疲労に拍車をかけますものですから、ムル三が養老院へ参りましておっ母さんの葬式に立ち会いますお話は、後日のこととさせていただきます。(橋本治)

あ〜面白え! 文藝別冊の追悼総特集『橋本治』に入っている遺稿「異邦人・落語世界全集」(口演:橋本治/速記:若林肝臓)にびっくり。最後の最後まで、こんなに愉快なものを書いていたとは。しちめんどくさいカミュの作品はスルスルと滑らかに、笑いと一緒に吸収できるなんて……これは大発明なんじゃなかろうか。

*
ここのところ、いい買取が続いていて、店での反応も上々。映画と漫画の棚に大きく入れ替えがあって、コツコツ手を入れ続けている東京本コーナーにも厚みが出てきたような。この暑い(あっっっづい!)なか、店まで足を運んでくれて、本を売ったり買ったりする方々がいて、助かってます。

今週末も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にも入荷あり。

2026/07/24

7/24 店日誌


7月24日、金曜日。いやあ、涼しい。早朝の草刈にも集中できて、バサバサ進めてシャワーを浴びる。巡回ラジオ体操は山梨県で、子どもたちは元気いっぱい。身体もよく動く。酷暑から解放されただけでこんなにも気持ちが軽くなるとは。自分が子どもだった1980~90年代の夏、午前中はこんな感じの日が多かったような気がするけど、どうだったかな。朝9時からはアニメの再放送。タッチ、ウォーリーを探せを観ていたのを覚えてる(ルンパパとかいう5分くらいの短いアニメもあったよね? たぶん8チャン)。

大人がやるようなことを機械が代行してくれて、わりと簡単に処理できるようになっちゃったから、子供が大人を畏れる理由がないんです。しかも大人はそんなにカネを使ってくれないけど、若い少年少女はバカみたいに平気でカネ使っちゃうというのがあるから、そこに合わせて、ケータイの基本料金も安くしましょうと。(橋本治)

おととい、きのうに続いて、橋本治を読んでいる。手元にあるのは2019年に逝去した橋本治を追悼する文藝別冊『橋本治』。奥付によれば2024年3刷、こつこつ増刷されている! うーん、これはいいことなんじゃなかろうか。ロング・インタビュー「どこまでみんなバカになるのか」(取材・構成/「熱風」編集部)はもうちょっとだけでも多くの人に読まれてほしい。

橋本さんはこの「流される速度」に少しだけ手を加えた。加速したのである。数行のうちに一年が経ち、頁をめくると十年が経っている。「だって、普通の人の人生なんて、そんな感じのもんでしょ」と言わんばかりに。(内田樹)

上記の一節に触れて、頭を打たれたような感覚をおぼえる。そう、あっという間に時間は過ぎる。人生は流れていく。ここでの「加速」は橋本治の小説内での話なのだけど、実際の時間にもあてはまる。「自分の頭で考えろと言ってもね、他人の頭が考えたことをなぞるのが精一杯、というのが普通の人間です」って言葉を伝えるのは松家仁之。ここもガーンとなりますね。

さあ、今日も開店します! いろいろ入荷がありますよー!

2026/07/23

7/23 店日誌


7月23日、木曜日。先週末はそれなりの来客があり、帰宅するとヘトヘト。シャワーを浴びて、夕飯のちにビールを飲むとすぐにウトウトしはじめて、本を読む余力なし。かろうじてレコードに針をおろしても、片面を聴き終える間もなく寝てしまう。歯磨きもせず、数十分、重たい夢のとちゅうで目が覚める。ハッとして歯ブラシを加えて、ムニュウと粉をひねり出して、しばしゴシゴシ。そのまま布団に入ると即就寝。ああ、慌ただしいっていうか、この状態はなんなのか……。

もう無理!って直観に任せてきのうは休み。午前中の歯医者を済ませて、昼食、買い物をしてから帰宅して「やりきった!」って感じでビールを飲みだすと眠くなる。本を読みつつラジオ、ユーチューブを拾い聴きして、泥のように眠る。思いのほか、疲れてたのを実感する。

*
くだらない努力っていうよりも、「つまんない言葉」っていうふうに俺は思っちゃうの。なにか、つまんない言葉で一生懸命言おうとしてる。だから、いつも何かが足りない。(橋本治)

ダラダラしながら読んでいたのは、橋本治・中野翠『ふたりの平成』。1989(昭和64)年の天皇崩御にはじまる対談は、軽いようで、端々で「ん?」と立ち止まらざるを得ない言葉が飛びだすから油断がならない。「橋本治」という不定型かつ巨大な知性におののきながら、読んでいく。

弱い子供でいるよりも、試練という通過儀礼を通して強い子供になったほうがいいと思うんだ。だから、べつに俺は、大人になる必要なんかないと思うんだ。「強くなれた子供」を大人と言えばいいんだからさ。

うーむ、これはかなり重要な定義なのでは。橋本治の本を読み、橋本治の言葉に触れていると、規定の物差を手放す必要性をつよく感じる。あれがこう、これがこう、だから世界はこうなってる。そんな把握をいったんゼロにしないとついていけない。

今日からしばらくは通常営業です。お暇があればお出かけください。

2026/07/22

7/22 雑記

午前中、歯医者と雑務を済ませたのち、自宅休養。読んでいたのは、川本三郎『日本映画を歩く』と橋本治・中野翠『ふたりの平成』。聴いたのは大友良英「ジャズ・トゥナイト」の再放送、古今亭志ん朝の落語など。

2026/07/21

7/21・22 連休

今日は定休日。明日、22日(水)も休みます。

2026/07/20

7/20 店日誌


7月20日、月曜日。早朝の草刈りからのシャワー(めちゃくちゃ気持ちいい!)、コーヒー抽出、朝食をとったのちラジオ体操。全国巡回がはじまって、初日は東京都中央区からの中継。これがはじまると夏休みだなーと感じるのは、子どもの頃からの刷り込みか。近年での習慣化がそうさせるのか。どっちでもいいけど、集まった人たちのばらばらな歌声、かけ声を聞きながらの体操はいつも以上に楽しいのだ。

フォーニー(ニセ)を嫌って、ひたすらホンモノを追求するって、ジャズの感化だ。スクエアな学校教育に比べると、ストリートで学ぶのは、とんでもなくヒップだった。/カッコワルイのは、最低。カッコイイのが、最高の価値。おかげで、ずいぶん生きにくくなった。(佐伯誠)

佐伯誠さんの言葉に導かれるように、ナット・ヘントフ/木島始(訳)『ジャズ・カントリー』を読みだすと、序盤から引き込まれる。こりゃいい本だ。「ぼくはトランペットに首ったけ。ジャズ・ミュージシャンになりたいんだ! 魂をゆさぶるあの響きがたまらない───」、もっとずっと若い頃に読みたかった気もするけど、今でもじゅうぶん楽しめる。瑞々しくって、爽やか! 音楽って最高だよねえ。

そういえば、編集者/ライターの坂崎麻結さんもこの本を薦めてくれていた。坂崎さんは横浜の石川町に住んでいて、会うたびに、町のいろいろを伝えてくれる。晶文社の「ダウンタウン・ブックス」の持つ軽やかさ、爽やかさについて話し合えたのも嬉しかった。

うーん、暑くなったなあ! 3連休最終日も通常営業です!

2026/07/19

7/19 店日誌


7月19日、日曜日。朝食後に聴いたのは『Best Of Roland Alpahnso』と『On The Beach ~The Fabulous PALAGONS Sings Rock Steady Beat』。どちらも絶品なのだけど、書いておきたいのは前者ローランド・アルフォンソの曲名の秀逸さ。「Jazz Steady」にはじまり「Stop The Music」でおわるアルバムが悪いわけがない。根拠なしにそう断言させてくれるセンス、朗らかにユルいジャケット写真にジャマイカ音楽のよい部分がつまってる。ちょいと涼しい風の吹く、今朝の空気にぴったりだった。

この数日で読んだ本は、吉田仁『葉山日記 1992~2001』、佐伯誠/松本祥孝『街の灯』、小林信彦『にっちもさっちも』。パラパラめくって面白かったのは、常盤新平・川本三郎・青山南(共同編集)『ヘビー・ピープル 123』。その流れで、続編『現代アメリカ人物カタログ』も読み出すと発見多数。けっこう驚く。

*
きのう、届いたのはダブ平&ニューシャネル+JUKE/19.『DAB-HEI & NEW CHANELL+JUKE/19. Live rec. at TAD 2023. 9.18』の3枚組アナログ盤。パッケージを開けずとも、ただ事でないのが伝わる超強力なブツです。その他、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』も久しぶりに再入荷しています。

つい先ほど、「ピープルブックストア日報(2024.11/15~12/13)も届きました。店頭もしくはオンライン・ストア〈平凡〉で何かしらを買ってくれれば、お付けします。これで通算24号目? 25号目? サクライさーん、教えてください。

さあ、連休2日目。陽が出てきたら一気に暑くなりました〜。