10月29日、木曜日。(きのうのこと)秋っぽくて最高の空気! とか言って、歩きまわった午前中から風はつよかった。ちょっと寒いかなーっと店を開けてみると、オイオイ、こりゃ大変だ。強風に煽られたドングリがガラス面にパチパチとぶつかる。舞った枯葉が店のなかに入ってくる。時間とともに温度はどんどん下がって、ライトダウンを着ていないと帳場に座ってもいられない。開店直後のお客さんから陽が暮れるまで入店ゼロ。そりゃそうだよな〜と17時半前に帰り支度をしていたら建築家のスガワラさんが顔を出す。何人かが目をつけていた中古盤の大物、気の利いた古本を買ってくれて、ホッとする。
百人の人に自分の言葉を添えた百枚の映像を送るという荒唐無稽な着想を思いついたのは、絵葉書とは何かという問いを考えていたときのことだった。わたしはある時から、生きるとは書物を読み、映画を見て旅行することだと考えるに至った人間であり、(…)であるとすれば、一度旅先から絵葉書を書き送るというスタイルのもとに文章を書いてみるというのはどうだろうかと、思い当たったのである。(四方田犬彦)
暇にまかせて手に取った、四方田犬彦『100 POSTCARDS』はちょうど求めていた内容で、しみじみと読み切る。上記した通りの本ではあるのだけど、四方田氏の言葉は詩のようであり、ときにハングルで綴られたりもして、飽きずにページを繰っていけた。テキストは海藤日出男に送られたもの、図版ではスルホ・シビラの「スケート場」にイメージを拡げられた(索引によれば1932年の絵画とのこと)。
では、開店。肌着に股引、厚手の靴下を着けて、乗り切ります。





