2021/08/31

『骨折映画館〈死闘編〉〈平成頂上作戦〉』

高い評価を下すより、「いい物語だった」としばしその世界の余韻にひたることの方が絶対に重要だと私は考えます。–田口フミヒト

『骨折映画館 〈死闘編〉〈平成頂上作戦〉』が届きました。
高円寺で〈円盤(現・黒猫)〉を営んでいた田口史人(フミヒト)さんがある日のライブで骨折、しばらくの活動期間を経て約一ヶ月の完全休養期間に試みた「風呂→映画→接骨院→映画→昼寝→風呂→映画&映画」の日々で観た映画の感想を小林ヤスタカさんに投げ、それに対する返答とで構成される〈骨折映画館〉とその続編の〈死闘編〉。さらに平成映画を鑑賞し、今野オサムさんとのやり取りを収録した〈平成頂上作戦〉の三部構成。読みごたえ、あります。

販売価格は2200円(税込)。三村京子さんの絵が載った、特製ポストカード付き。

8/31 店日誌

追い求めていたものは「有名な店」ではなく「面白い店」だったはずだ。

8月31日、火曜日。先週何となく手に取った、堀部篤史『90年代のこと 僕の修行時代』(夏葉社)に感じ入った。そのうち多くは共感、もう少しは驚嘆–その冷徹な筆致に–だ。同じ書店主として仰ぎみる存在ではあれ、そういった目線を好まない堀部さんのたたずまい方、〈誠光社〉にかいま見える確かな意思に触れると、自分も「これでいいのだ」と安心してしまう。

昔は良かったなどと言うつもりはないが、もうこれ以上はいらないとは強く思う。これ以上美味いビールも、(略)さらに画素数の高いカメラ付きスマートフォンも、(略)土地や時間に縛られない新しい働き方も、(略)より多くの「いいね」もフォロワーも、これまでになかった新しい本屋もいらない。

以上の吐露のあとにつづく、「せめて〜」とはじまる文章にこそ、堀部さんの意思を感じる。ただ、この本『90年代のこと』は版元品切れ。当店にも入荷予定はなし。〈誠光社〉のオンライン・ストアで購入可能。気になったのなら是非読んでみてほしい。

明日から9月。いくつか臨時休業日があるので、追ってお知らせします。

2021/08/30

8/30 雑記

今日、買ったレコード。折坂悠太『たむけ』には「鳥」という曲が入っている。北浦和にあった酒場〈クークーバード〉へのおもいを歌にしたものだと、ずいぶん前にナツナさんが教えてくれた。いまは〈居酒屋ちどり〉として営業している北浦和のちいさな店。いろんな人が出入りしてライブをやったり映画を観たり、フリーマーケットなんかも催していたと聞く(ちなみに今、現在も同じようなことが行われている)。

「鳥」はもちろん、『たむけ』は全体の空気感、曲の配置、言葉選びが絶妙なので繰り返して3回聴いた。しみじみと良い。味わい深い。

本当にね、クークーバード始めて、あの店に立ってる時にシラフだったこと、ほとんどないですよ。/ 俺らはただ、飲んでただけ、店を開けてただけ(笑)。面白い人がどんどん来てくれたから良かった。

そう言えば、と思い、オオクマシュウさんがつくったZINE『TAPE–ECHO』vol.1を読み返す。クークーバードを営んでいたコーヘー君夫妻への聞き書きで構成したこの本、とにかく面白い。読むと、ついビールを開けてしまう。単に、いい人、いい場所みたいな言葉ではくくりきれない、店の面白味を感じさせてくれる。マーケティングなんかじゃ計り得ない場の力。ある年齢、環境、状況でないと起きなかったであろう様々なこと。それに対して、てきとうな見解を述べる店主。しっかりと下調べをした上で、その記憶に輪郭を与えていく聞き手。硬すぎず、柔らかすぎず、ちょうど良い按配でのやり取りがこころよい。

販売・配布はせず、オオクマさんと繋がりのある店に置いて、その場で読んでもらうことを前提に制作された店頭設置型ZINE『TAPE–ECHO』vol.1。当店にもありますので、興味があればお声がけください。

2021/08/29

『BEACON』vol.1

『BEACON』vol.1が届きました。
狼煙や灯台のように書き手と読者をつなぐ、生存報告誌。静岡、大阪、土浦、ブカレスト、ジュネーブ等々から集まった文章、写真、漫画を誌面に並べる興味深い試みです。テーマもスタンスもバラバラのようでいて、通底するものがあるようにも思える25ページ。書き手はほぼ90年代以降に生まれた人たち。ああ、こうして自分の関知し得ないところで新しい場や媒体が生まれるんだな。店をやっていると、こういう出会いがあるから面白い。

販売価格は500円(税込)。冒頭置かれた「夜八時過ぎの東京」からグッとつかまれた。

8/29 店日誌

8月29日、日曜日。やはり店を開けるのって面白い。昨日の閉店間際、生存報告誌『BEACON』vol.1を直接納品しに来てくれたのは、同誌に寄稿している上田由至さんと秦良介さん。初めて会ったお二人だけれど、自然と話せた。隣町の土浦にこんな人たちがいるのか! と驚いた。自分よりもずっと若い人の考えること、試していることの断片を知れるのは、こうして場を持っているから。店ってのは、社会との接点なんだよなあと再確認した。

今日は13時から19時まで開けています。通販等のお問い合わせは、お気軽に。

2021/08/28

Today’s YouTube #393

https://twitter.com/sokabekeiichi/status/1431076997401247746

『トラべシア』vol.6–完売しました!−

まるごと1冊つかって、とくに知名度もなにもない一般人を徹底的に特集してみたい。そのひとがどこで生まれ、どうやって育ち、どんなふうに暮らし、いまなにを考えているのかを、本人とまわりのひとたちとで解き明かしてみたい。うまくいけば、というか、普通にやれば、そのひとが生きてきた時代や文化や風俗も見えてくるに違いない。–鈴木並木(「ミドル・エイジ・ライオット」)

『トラべシア』vol.6が届きました。
創刊号から販売している「普通に読める日本語の雑誌」の最新号の特集は「いしあいひでひこのやさしい人生」。埼玉県在住の一般人・いしあいひでひこさん(1963年生まれ)でまるまる一冊、構成しています。まず間違いなく、他の雑誌や媒体では取り上げない方ではありますが、飾り気のなさゆえかものごとの本質にせまる記事が多いように感じます。ここでしか読めないものばかり。

販売価格は700円(税込)。鼎談「女も男も生きやすい社会をつくるには」がすごく、面白かった。

8/28 店日誌

8月28日、土曜日。店をはじめて8年とちょっと、ようやく、しっかり夏休みがとれた気がする。合間にちょこっと店に来て作業をしたけれど、月曜から金曜までの5日間で店との距離感を再調整できたと思う。何よりの収穫はしっかり酒を抜いたこと。まとまって本を読めたこと。自由の裁量が多い(と思われがちの)自営業であっても、自分の時間は意識的に作らねばいけないと気がついた。

今日、明日は13時開店! 暑いので、無理なく、ご都合に合わせてご来店ください!

2021/08/27

8/27 雑記

猛烈に暑い夏が進行している七月、ふらふらになりつつ生きている。いろんな仕事やトラブルが重なって疲れはて、でも歩いている。渋谷で電車を降りると何もかもいやになって、人の波に吐きそうになりながら夕方をぼんやり歩いている。会社を辞めたい、旅行にゆきたい、音楽が必要だ、すきまが欲しい、地平線や水平線を見たい、おばけが住む森にゆきたい、泥水の川に浸りたい、誰とも話をしたくない、話をしなくてすむならよろこんで日本語を忘れたい、ボルネオ、ハイチ、ニュー・メキシコ、タヒチ、遠い、遠い、遠い、遠い。(「11」)

噴出する言葉、異郷の景色、とめどない想念。次々に場面が変わっていく。それら一つ一つを丁寧に拾っていくのは難しい。言葉の勢いに乗って、読み飛ばしていくしかない。管啓次郎はジャック・ケルアックのようだと思う。

店にいると、ケルアックの『路上』が読めない、という声をよく聞かされる。その時は、あれは読み飛ばす本だと応える。ガンガン、ガンガン、ページをめくって、スピードに乗っていく。読み終えて、頭に残ったイメージがそのときの『路上』だ。再読するたびに何となく断片が積み重なっていって、細かな部分が掴めてくる。あれは身体で体験するもの。頭で一つ一つ考えていると、面白味がごそっと抜けてしまう。

エッセーが「試み」を意味するのであれば、それは文と文がどんな風につながりうるのかを探りつづけなくてはならない。文や、思考や、情感や、自分の日常生活や、自分とふれあう世界の断片が、これからどんな風に並び、どんな新しい規則を開発することができるのか。それはいつだって火急の課題だ。(「39」)

管啓次郎『ホノルル、ブラジル 熱帯作文集』を読み出して気がつく。これ、前に読んでいるな。きっと同じように読み飛ばしたのだ。

それにしても、今日は暑い。どうにもならない。

2021/08/26

8/26 雑記

ワクチンを打ってきた。通っていた中学校の近くにある、小さな診療所。年季のはいった引き戸を開けると、案内係のおじさんが適当な按配で対応してくれて、緊張がやわらぐ。ほどなく案内された病室もなんとなく懐かしい。担当の女医さんの雰囲気も独特。流れに乗せられたまま話していると、いつの間にか終わっていた。次回接種の日程を確認して、あっという間に解放された。

接種後、数時間。いまは左腕が若干、重いかなという感じ。

2021/08/25

8/25 雑記



朝風呂。河合邸。古陶里。未完成。

2021/08/24

8/24 雑記

 県北。温泉。読書。

2021/08/23

8/23 雑記

朝、起きると雲行きがあやしい。ラジオの天気予報でも急な豪雨に要注意と話している。少し迷うが、カッパを着ればどうにかなるだろ! っと勢いのまま、自転車に乗り家を出る。しばし店で作業をしたのち、約5分の距離にある〈ベッカライ・ブロートツァイト〉に向かう。先々週から手をつけていなかった、常設の本棚を総入れ替えするためだ。空が暗く、不穏になっていくなか到着。すぐに作業をはじめる。店主Sさん家族とお喋りをしながらもパパッと手を動かして、作業終了。そのときには午前中とは思えない空の色……でも、ぎりぎりセーフ! とつぶやき自転車に飛び乗る。

その直後、猛烈な勢いで雨が降り出す! こりゃ、もろアウト! 視界を遮るほどの雨量。たった5分ほどの移動でびしょ濡れになる。どうにか走りきって、店の隣の〈千年一日珈琲焙煎所・カフェ〉に飛び込む。仕込みをしていた店長とお手伝いのTさんを驚かせ、笑われる。その後、濡れ鼠になった自分にあたたかい珈琲を出してくれる。この一杯で助かった。ああ、今日もどうにかやっていける。連休初日のすべり出しは上々だ。

***

夕方、店に行ってポストをのぞくと河野友花さんからの封書が届いている。前号到着から間が空いていた小冊子『respelatrol』の最新号。帰宅後、封を開けて紙ペラを開くと、過去にない揺れ幅の感情が綴られていて、驚きながら一気に読む。7月16日から飛び石的になっている日記の最終日は8月10日。末尾の一節を引用する。

夕日が燃えるように赤い。死んだ蝉が地に転がる。自分を歪に変えてまで、心から好きでない何かに尽くす時は、終わった。

五連休

 8月23日(月)、24日(火)、25日(水)、26日(木)、27日(金)は五連休です。

2021/08/22

『そこにすべてがあった バッファロー・クリーク洪水と集合的トラウマの社会学』

カイ・T・エリクソン『そこにすべてがあった』が届きました。
つくばの出版社、夕書房(せきしょぼう)の最新刊は、1972年に米国ウエストヴァージニア州の炭鉱町バッファロー・クリークで発生した大洪水による被害の実情、その後の集合的トラウマを被災者へのインタビュー、綿密なフィールドワークとで描き出したもの。邦訳を手がけたのは、大阪大学大学院で災害学を学んだ、当時20代の研究者たち(宮前良平・大門大朗・高原耕平)。

販売価格は2640円(税込)。夕書房の既刊もいくつか在庫しています。

8/22 店日誌

8月22日、日曜日。なんだかんだでフジロックの配信に気を取られている。暇があれば、YouTubeのチャンネルを開いて各ステージの様子を観察してしまう。昨日の驚きは、サニーデイ・サービス! 圧倒的にカッコ良かった。

明日23日(月)から27日(金)まで、休みます。ああ、夏休み。

2021/08/21

『新・ぼくの鹿児島案内。』

岡本仁『新・ぼくの鹿児島案内。』が届きました。
車の運転をしない岡本夫妻が徒歩もしくは市電を使っていける店、つまりは日々の暮らしに近いところを紹介する小冊子。岡本さんの言葉を借りれば「毎日のように顔を出しても飽きないような、鹿児島生活の中での普段のお気に入り」の9店舗、写真家・石川直樹へのインタビュー、鹿児島人による地元紹介を収録しています。

販売価格は990円(税込)。当店をともに立ち上げた、中村友貴(現・aview Cafe&Flowes店長)も登場しています。

8/21 店日誌

8月21日、土曜日。当店近所の憩いの場〈古着屋may〉は週明け、23日(月)と24日(火)は連休とのこと。そもそも明確な定休日は設けていない上、急な休みも少ないお店。行けばだいたい開いているのって、客としてはすごく助かる。なんせ気軽だし、親しみを感じやすい。無理せず、このままのペースでのんびり、ながく続けていってほしい。自分は、声高でない人、店が好きなのだ。

今日、明日は13時開店! ご都合に合わせてご来店ください!

2021/08/20

『散歩の達人』2021年9月号

交通新聞社発行の雑誌『散歩の達人』2021年9月号の第2特集「つくば・土浦さんぽ」のなかで当店も紹介されています。お隣〈千年一日珈琲焙煎所・カフェ〉や〈ベッカライ・ブロートツァイト〉といった馴染みのお店をはじめいくつかの店舗、施設が載っています。どこかで見つけたら手に取ってみてください。

8/20 店日誌

8月20日、金曜日。明々後日、23日(月)から25日(水)までは三連休とお知らせしていましたが、もう少しだけ長く休むこともあり得ます(2,3日程度)。体調不良ではなく、先週末までの展示、その後の営業をしているなかで疲れを感じることが増えてきました。店を開ける以上は人に来てほしい。人が来てほしくないなら、店は閉めるべき。……この両端に振れながら、迷いながら、営業するのはけっこう大変。今ごろになってそう気がつきました。

とは言え、あくまで木曜日からの営業予定は現状未定。いつも通りに開けているかもしれません。休みながら考えて、出来るだけ早く来週の営業予定を告知します。

現在の社会状況があってか、通販依頼、在庫確認のお問い合わせが増えています。当店、オンラインショップこそありませんが、メールにてお問い合わせくだされば、ほとんどの商品の通販が可能です。このブログ、ツイッターなどで気になる書籍、音源がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

とりあえず、今日も通常営業! 20時まで開けています。

8/20 雑記

この国の“民主的”な国民は、号令がなければ動かない。彼らは号令に反応し、権威に反応する。(第二章「学生闘争・熊楠・オキナワ」)

一昨日、水曜日に古本屋で手に取った、陣野俊史『テロルの伝説 桐山襲列伝』を読んでいてドキリとした。上記した一節は、日本社会の性質を言い当てているように思える。

自分たちは、今、明確な号令が出されないことに困惑し疲弊しているのか。だとすれば、みずから考え、行動することを放棄してしまったのは、いつからなのだろうか。この国には、本質的な主体性(自由?)なんてものは、そもそも存在していなかったのではないだろうか。

自分は日々、迷い、恐れている。正解はどこにもない。

※「この国の“民主的”な国民は、号令がなければ動かない。彼らは号令に反応し、権威に反応する。それは〈権威主義的性格〉というよりは、〈感応性精神病〉と呼ばれているものに近いものであるが、情義的な共同体に限りなく同調しようとするその心性は自分たちの外部に敵をつくり出したときにこそ、きわめて大きなエネルギーを噴出させるのである」–桐山襲「脅迫状に書かれている幾つかのこと」

2021/08/19

8/19 店日誌

8月19日、木曜日。すれ違いざまに自分が落とした手ぬぐいを拾ってくれる人がいて、近所のコンビニでコーヒーを買うとき「おつかれさま」と声をかけてくれる人もいる。放っておけば心身ともにギュッとこわばってしまう時期にあって、少しだけ、力を抜いていいんじゃないかと感じることもある。未知の感染症に相対して、恐れるのがあたりまえ。しっかりと怖がりつつ、人にやさしくあれたらいい。

また暑くなってきて、身体の負担が増した人も多いのでは。無理のないよう、お過ごしください。

2021/08/18

8/18 店日誌

8月18日、水曜日。今年の(も?)フジロック・フェスティバルの開催があやぶまれている、らしい。その可否に関して、自分に明確な考えはない。主催者、開催地となる越後湯沢の住民、チケット購入者、出演者とで意思統一が出来ているのなら開催してもいいのでは、と第三者以上にとおい距離で考えている。

出来るのなら、今後も続いてほしいと思う。若き自分はあのフィールド全体から大きな影響、刺激を受けた。感性を育ててもらった。内側の事情を察することはできないけれど、来年以降、フジロックが開催できるような世の中であってほしい。

昨日、入荷を伝えた『エリオット・スミスのあれか、これか、それか』をはじめ、書籍には日々入荷あり。オヤと感じるものがあれば、気軽にのぞきにきてください。かなり風がつよいので、徒歩や自転車での移動はお気をつけて。

2021/08/17

Today’s YouTube #392


『エリオット・スミスのあれか、これか、それか』

Caffeine House『エリオット・スミスのあれか、これか、それか』が届きました。
今もファンの多いミュージシャン、エリオット・スミスがソロ活動をはじめた1994年のオレゴン州ポートランドを舞台にして描かれた小さなお話。登場する人、店がどれも身の丈で、自分のままであろうとするのが印象的。悩みや希望、好き嫌いも普通にあってカッコつけずに暮らしている。作者もまた、彼らを自然なまま捉えて、表現する。そのバランス感覚が絶妙です。

販売価格は500円(税込)。読んで、気に入ったならエリオット・スミスの音楽にも触れてほしい。

8/17 店日誌

8月17日、火曜日。出先の書店でみつけたZINE、MPC『SHUTTER』issue1のセンスに共感する。数少ないテキスト、収録された写真から察するに、舞台は富山県魚津市のシャッター商店街。そこにあるスケートショップ〈MCR〉に集まる客、友人たちを被写体にしたものなのだろう。お世辞にもにぎやかとは言えない風景にあって、写されるもの、ひとに嘘がない。装飾過多になりがちな風潮の世にあって、この姿勢はこころよいし、たのもしい。

今週は出来るだけ静かに、いつも通りに開けるつもり。気楽に遊びに来てください。

2021/08/15

『アルテリ』十二号

アルテリ十二号、まだ、白黒つきません。

『アルテリ』十二号が届きました。
前号と同じ坂口恭平、されど大きく作風の異なる表紙画が印象的。熊本の文芸誌『アルテリ』の最新号は、石牟礼道子(1967年頃)、渡辺京二(1970年頃)の日記連載に加えて、池澤夏樹、伊藤比呂美、黒田征太郎、吉本由美、土方正志等々の原稿を収録。毎号、ずっしり、しっかりした内容ですが、今号もまたみっちり中身がつまっています。

販売価格は1100円(税込)。三号(あと一冊!)から十一号までのバックナンバーも在庫しています。

8/15 店日誌

8月15日、日曜日。いやはや涼しい。それどころか、ちょっと寒い。今朝方に目が覚めてパーカーを着ても暑くなかった。いきなり温度が下がって身体が戸惑っている気がして、昼食前に風呂を沸かしてゆっくり浸かった。昨日のかけそばと同じ効果だろうか。汗をかくと、身体が軽くなってスッキリした。

うがい、手洗い、マスクの着用。手指の消毒。引き続き、これらの作業を怠らず、できるだけ元気に過ごしたい。自分の体調変化に敏感に。店に、たくさんのお客さんが来ないで欲しい、とは思いたくはない。だけど、その気持ちを消しきれないのが悩ましい。はぁ、この状況はいったいいつまで続くのか。

今日は「DWES GOLD」展の最終日。18時以降、搬出作業をはじめる予定です。

2021/08/14

8/14 店日誌

8月14日、土曜日。昼食になじみの蕎麦屋でかけそばを食べると、蕎麦をすするうちから汗が止まらない。食べ終わってしばらくしても、身体中から吹き出す勢いはおさまらない。そうして気がついた。この二、三日しっかり汗をかいていなかったゆえ、身体が熱を欲していたのだろう。今は、少しばかり軽くなった気分である。

今日は13時から20時まで開けています。無理なく、ご都合に合わせてご来店ください。

 • マスクを着用の上、ご来店ください。
 • 3名様以上でのご来店はご遠慮ください。状況によって、入店を断ることもございます。
 • 長時間の滞在はご遠慮願います。飲食は隣接する店舗をご利用ください。

2021/08/13

8/13 店日誌

8月13日、金曜日。お盆の連休、まっただなか。昨夜からの雨で一気に涼しくなって、部屋で本を読むのにちょうど良い環境、温度になった。そんな時に手にした、山田稔『コーマルタン界隈』が驚くほどにスイスイと読めてしまった。今、身体がこの本を求めていた。そう感じられる読書はそう多くない。その喜びのまま、〈日本の古本屋〉で見つけた選集も買ってしまう。これは、再来週の連休でゆっくり読むつもり。

8月23日(月)・24日(火)・25日(水)は三連休。それ以外は通常どおり営業します。

2021/08/12

8/12 店日誌

8月12日、木曜日。天気予報によると今日の夕方頃から天気が崩れて、週明け火曜日まではぐずついた空模様が続くとのこと。それに伴い、暑さもやわらぐようなので、少しばかり安心する。ただ、夏が終わる気配を感じはじめて、なんとなく寂しさを感じてもいる。はあ、人ってのはヨクバリでワガママだよなぁ。

今日は15時から20時まで開けています。ご都合に合わせて、無理なくお運びください。

2021/08/11

マメイケダ展「エッグ」

マメイケダ展「エッグ」
会期 2021年8月9日(月)〜22日(日) ※月〜土14時–23時半/日・祝14時–21時
会場 月光荘サロン 月のはなれ(東京都中央区銀座8–7–18月光荘ビル5階)

8/11 店日誌

8月11日、水曜日。今日がお盆の連休初日って人もいるのだろうか。街の祝日濃度は高くないけれど、平日とはことなる雰囲気を少し感じる。五輪閉会に合わせた連休があったせいか曜日感覚もつかみづらい。当店で開催中の「DWES GOLD展」の会期は15日(日)まで。引き続き、感染症対策にご理解・ご協力の上、無理のないようご来店ください。

今日も20時まで開けています。通販等のお問い合わせはお気軽に。

 • マスクを着用の上、ご来店ください。
 • 3名様以上でのご来店はご遠慮ください。状況によって、入店を断ることもございます。
 • 長時間の滞在はご遠慮願います。飲食は隣接する店舗をご利用ください。

2021/08/10

『DAWN』

世界中が混乱しているように見えて、なにか過渡的なものも感じて、これから新しいスタンダードが生まれるという期待も入り混じったアルバムです。そのためタイトルに『DAWN(夜明け)』と付けました。とても気に入っています。–イサヤー・ウッダ

イサヤー・ウッダ『DAWN』が届きました。
当店にもファンの多い音楽家、イサヤー・ウッダの3作目。トリッキーなビートに乗る日本語、英語がまざり合ったような言葉えらび。時おり聴かせる特徴的なギタープレイ。……もう、これは彼にしか鳴らせないもの。匿名性が高いようでいてつよく個性の刻まれた表現が、聴くほどにクセになる。不思議な魅力を持った作品です。個人的には「SUMMIT」から「RIPPLE」への流れがとても好き。

販売価格は2200円(税込)。7インチ『I Shit ill/Every little things』も在庫しています。

『MOMENT』issue3

創刊3号の特集は「City as a home」。自宅と近隣にとどまって過ごす日々のなかで、急速にしぼんでいく街への想像力をいかにして新たな形で取り戻すのか。香港、アムステルダム、埼玉県小川町などを巡って、ホームとしての都市のあり方について考えます。

『MOMENT』issue3が届きました。
あらゆる地域、分野を横断しながら都市を探索し、少し先の暮らしや仕事の形を描き出す人のためのトランス・ローカルマガジン。「CITY AS HOME」と銘打った第3号は、奄美大島〈金井工芸〉のグラビアページにはじまり、香港、アムステルダム、小川町を取り上げて、それぞれの都市の息づかいを伝えてくれます。この時代状況に対する編集部の意思を感じさせる誌面構成。時間をかけて読み込んでほしい。

販売価格は1980円(税込)。表紙画はロンドン在住の、Manshen Loによるもの。

『心がなければ幸いだ』-完売しました!-

結婚も離婚も、その時々で自分が納得する選択をしたと思っているので後悔はない。しかし、十二年間も一緒に居て、あんなに好きだった相手が、実はあまりにも自分と相容れない人生を望む人だったという事実に最終的に直面し、それを認めなければいけなかったのが一番辛かったことだったかもしれない。–「落日」

離婚アンソロジー『心がなければ幸いだ』が届きました。
とある呑み屋での「ゼクシィってうれてんのかね」「離婚の雑誌があってもいいよね」というやり取りをきっかけに構想がはじまり制作された同人誌。収録された11本(+1本)の原稿はすべて匿名、それぞれの離婚にまつわる話を記しています。表紙画、挿絵、全体のトーンのつくり方が絶妙で、独特の手ざわりです。

販売価格は1500円(税込)。文庫本サイズではあれ、力のある同人誌。

8/10 店日誌


 8月10日、火曜日。開催中の「DWES GOLD」展で見逃してほしくないのが、DWES君のブラック・ブック。このノートをひもとけば、グラフィティ・ライター特有の文化、技術、それらが生み出す層の厚みを感じてもらえると思う。こんな風に描く人がいて、こうやって色を塗っているのかと面白がってもらえるだけで、じゅうぶん。この機会にぜひ、手に取ってほしい(ただし、他にない一冊なので、取り扱いは丁寧に)。

新刊、新譜に入荷予定あり。届き次第、紹介していきます。

2021/08/09

河合浩個展「SOMETHING/ANYTHING」

河合浩個展「SOMETHING/ANYTHING」
会期 2021年8月19日(木)〜9月5日(日)
会場 blackbird books(大阪府豊中市寺内2-12-1 緑地ハッピーハイツ1F)

8/9 店日誌

8月9日、月曜日。今日が振替休日(なんの?)だと気がついたのは、昨日の夕方。どちらにせよ店は開けるつもりだったのだけれど、どうも腑に落ちない。急ごしらえの祝日に右往左往させられているのは、自分のような商店主なのか。それとも休みに合わせて動き出す、お客さんたちなのか。こんな休日のあり方は、国の号令(動け? 動くな? どっちなんだ!)という感じがして、気味が悪い。

今日は13時から19時まで開けています。ご都合に合わせて、ご来店ください。

2021/08/08

『OVERTONES FOR THE OMNIVERSE』(LP)

MOCKY『OVERTONES FOR THE OMNIVERSE』(LP)が届きました。
2020年1月にロサンゼルス、ハイランドパークに移り住んだモッキーがパンデミックによるロックダウン直前に録音した8曲を収録。音楽家16人が集い、実際の演奏は36時間で撮り終えたという本作、抑制の効いたモッキーらしい色どりの楽曲が並びます。本盤は45回転なので、再生するときはご注意を。

販売価格は3000円(税込)。国内盤CD、旧譜LPも在庫しています。

8/8 店日誌

8月8日、日曜日。今日からBy the Yellow Asian DWES GOLD展」が始まります。会期は15日(日)までの一週間。蓄光塗料をつかったキャンバス作品をはじめ小さな立体物やTシャツ、エコバッグなどなど多様な物がならぶ風景は異様であり、ほかにない魅力があるように感じます。会期中はやすまず営業予定。ご都合に合わせて、ご来店ください。

マスクの着用など、感染症対策へのご理解・ご協力をお願い致します。

2021/08/07

「By the Yellow Asian DWES GOLD 展」

「By the Yellow Asian DWES GOLD展」
会期 2021年8月8日(日)−15日(日)  
会場 PEOPLE BOOKSTORE (茨城県つくば市天久保3-21-3星谷ビル1-E)

 • マスクを着用の上、ご来店ください。
 • 3名様以上でのご来店はご遠慮ください。状況によって、入店を断ることもございます。
 • 長時間の滞在はご遠慮願います。飲食は隣接する店舗をご利用ください。

8/7 店日誌

8月7日、土曜日。週末に雨。数ヶ月前であれば「あいにくの天気」となったかもしれないけど、今となっちゃあ「待望の雨」である。火照りきったアスファルトが濡らされて、少しでも涼しくなったらいい。風が吹いて、あちこちの熱をさましてほしい。このまま静かに、オリンピックが終わればいい。汗も涙もさーっと洗い流してくれたらいいのに。

今日、明日は13時開店。明後日の月曜日も営業予定。

2021/08/06

8/6 店日誌

8月6日、金曜日。すこし前にまとめて買い取った、いましろたかしの諸作品をすべて読み終え、店の本棚に並べた。『ハードコア』、『タコポン』といった狩撫麻礼・原作の大作の読みごたえ、規模の大きさは言うまでもないのだけれど、今回通読してみて印象に残ったのは『トコトコ節』、『引き潮』といった小品である。大きな展開のない私小説的な作品に心のすきまを埋めてもらったような気になった。

週末、台風が来るのか、どうなりますか。状況によっては休むこともあり得ます。

2021/08/05

Today’s YouTube #391


8/5 店日誌

8月5日、木曜日。暑い、暑いと言っても何も変わらないのだけど、知人と顔を合わせると「いやー暑いね!」と話してしまう。そうするうちに、また、アロハシャツが欲しくなる。もうここまで来たら、おもいっきりアロハ柄のものを買いたい。パイナップルやハイスビスカス、南国由来の柄をまといたい。明日にでもまた〈古着屋may〉に行ってこよう。

今日は20時まで開けています。お暇があれば、お運びください。

2021/08/04

8/4 店日誌


8月4日、水曜日。KAWS、レゲエ特集の『relax』は2000年9月号。表紙右上には「終わらないでくれーっ、夏ーっ!」とある。21年前の夏はここまで暴力的な暑さではなかった。2021年の今、夏が終わってほしい! とは、強くは思わない。だけど、もう少し暑さが落ち着いてくれたら、すごく嬉しい。今の気分でさけぶなら「もうちょっと手加減してくれーっ、夏ーっ!」という感じだろうか。

店内には日々、なにかしらの動きあり! 無理のないようご来店ください!

2021/08/03

『KAWS TOKYO FIRST』

展示図録『KAWS TOKYO FIRST』が届きました。
〈森アーツセンター・ギャラリー〉で開催中! 「KAWS TOKYO FIRST」の展示図録は約500ページ、フルカラーの豪華仕様。1993年のブラック・ブックから始まるのが、まず嬉しい。そこから約28年間、2021年現在の大型作品まで、路上から国営美術館に至る、KAWSの表現の場の変遷を味わえます。今やポップアート界の大御所というイメージですが、グラフィティ・カルチャーを体現、拡張してきた人なのだと再確認。

販売価格は7700円(税込)。五木田智央『WORKS COPYRIGHT』と並べられるのが嬉しい。

『Whatever/世界を止めて』


曽我部恵一と井の頭レンジャーズ『Whatever/世界を止めて』が届きました。
各方面で話題になった『Born Slippy/Groove Tube』(店頭在庫あり)の組み合わせでまたやってくれた!今度はなんとOasisとザ・コレクターズの超名曲を軽やかなレゲエ・チューンに書き換えて、7インチ化。同時に、ソフィア真奈里と井の頭レンジャーズ『悲しみが止まらない/Sunday Morning』も届いています。カップリング曲はヴェルヴェッツの、あの曲です。

販売価格は1650円(税込)。ダウンロードコードも付いています。

Today’s YouTube #390


8/3 店日誌

8月3日、火曜日。昨日も今日も、暴力的な暑さである。刺すような日差しがキツい。湿度も高い。夏はまったく終わっていない。そんな中、屋外作業に従事する方々が扇風機付きの服を身に付けているのをよく見かける。この状況下で着るほどだから、実際かなり涼しいのだろう。作業員の方々の負担が軽減するような開発、工夫がどんどん増えていけばいい。

今日も新入荷多数! 通販等のお問い合わせはお気軽に!

2021/08/01

『季刊 黒猫』夏号(2021)

『季刊 黒猫』夏号(2021)が届きました。
長野県伊那市の〈黒猫〉で編まれる雑誌『季刊 黒猫』の最新号。ミャンマー当地の情勢、現場に近い声を伝えてくれる「村上巨樹のミャンマー音楽探訪録」、佐藤幸雄「わたしたちはなぜつたわったと思ってしまうのか」は形態が変わり文章量も増しています。さっそく自分でも購入して封を開けたものの……どこから読もうか、本格的に迷ってしまった! ご購入後、しばし途方に暮れるのもよし。気になったものから順番に読んでいくのも、よし。好きなように楽しんでほしい。

販売価格は1100円(税込)。バックナンバー・秋号を一冊在庫しています。

8/1 店日誌

8月1日、日曜日。MOCKY、NOOLIOの新譜への反応に触れて、嬉しくなる。過剰な告知をせずとも、どこかしらでリリースを知って近しい人、少し距離のある人たちが店に来て、当たり前に買っていく。そのうちの多くの人が、遠くにいるミュージシャン、アーティストという捉え方ではなく、とおからぬ知り合いという感じで彼らに共感してくれている。もちろん金銭は介在する。だけれど、これが無機質なやり取りだとは感じない。

今月、お盆の連休付近の週は休まずに営業する予定です。