2021/08/30

8/30 雑記

今日、買ったレコード。折坂悠太『たむけ』には「鳥」という曲が入っている。北浦和にあった酒場〈クークーバード〉へのおもいを歌にしたものだと、ずいぶん前にナツナさんが教えてくれた。いまは〈居酒屋ちどり〉として営業している北浦和のちいさな店。いろんな人が出入りしてライブをやったり映画を観たり、フリーマーケットなんかも催していたと聞く(ちなみに今、現在も同じようなことが行われている)。

「鳥」はもちろん、『たむけ』は全体の空気感、曲の配置、言葉選びが絶妙なので繰り返して3回聴いた。しみじみと良い。味わい深い。

本当にね、クークーバード始めて、あの店に立ってる時にシラフだったこと、ほとんどないですよ。/ 俺らはただ、飲んでただけ、店を開けてただけ(笑)。面白い人がどんどん来てくれたから良かった。

そう言えば、と思い、オオクマシュウさんがつくったZINE『TAPE–ECHO』vol.1を読み返す。クークーバードを営んでいたコーヘー君夫妻への聞き書きで構成したこの本、とにかく面白い。読むと、ついビールを開けてしまう。単に、いい人、いい場所みたいな言葉ではくくりきれない、店の面白味を感じさせてくれる。マーケティングなんかじゃ計り得ない場の力。ある年齢、環境、状況でないと起きなかったであろう様々なこと。それに対して、てきとうな見解を述べる店主。しっかりと下調べをした上で、その記憶に輪郭を与えていく聞き手。硬すぎず、柔らかすぎず、ちょうど良い按配でのやり取りがこころよい。

販売・配布はせず、オオクマさんと繋がりのある店に置いて、その場で読んでもらうことを前提に制作された店頭設置型ZINE『TAPE–ECHO』vol.1。当店にもありますので、興味があればお声がけください。

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