2025/06/30

6/30 店日誌

“このアルバムが示しているのは、ラテンアメリカのクンビアは、統一された物語を持つどころか、簡単には一括りにできないということです。他の音楽スタイルとは異なり、クンビアはひとつの国やひとつの伝統に属するものではありません。その伝統は大陸をまたいで、多様なアクセントと系譜を持っているのです。”(マリオ・ガレアーノ)

6月30日、月曜日。信頼のレーベル! オクラ印の新譜、フレンテ・クンビエロ『インコンクレート&アソシアードス』が到着。「「高山地帯のトロピカニバリスモ」というバンドのコンセプトを軸に……」なんてコピペは簡単だけど、コンセプトに込められた意味を理解するのは容易くない。2025年の現在も進化、変化を続けるクンビア(=コロンビア発祥のダンス・ミュージック。晩年のジョー・ストラマーも愛した音楽で、色気と頽廃、サビついた音色などをはらむ)を代表するバンドの新作(しかも日本盤で!)を聴けるのは、やっぱり貴重だ。当たり前だと思ってちゃいけない。

このレコードを直に、つくばの店まで持ってきてくれたのは、オクラ印を営むヒデ・モリモト氏。ヒデさんとは音楽はもちろん、本や映画、イベント開催の苦労話などなどを話せるから時間がいくらあっても足りなくなる。いつ会っても刺激をくれる、大事な人である。

フレンテの前には、大阪は西成在住のDJ DOVEによる極上メロウセレクション『大阪産/revel dove music sound』GRINGOOSE『COAST Ⅱ COAST』も到着! どちらもヴィンテージ・ソウル/レゲエ多めのミックス作品。自分の店は古本屋? 音楽店? たまに分からなくなるけど、やっぱり楽しいんだよなァ。

今日も通常営業! お暇があれば、お出かけください!

2025/06/29

6/29 店日誌

6月29日、日曜日。RICO『MAN FROM WAREIKA』にじっくり耳を傾ける。のどかなようで、ときに緊張感のある独特の体感。ルーツ・レゲエなのは間違いないのだが、米国ではブルーノートからリリースされていたのは何でだろう? トロンボーン主導のインストゥルメンタル、複数の管楽器アレンジがジャズマンの琴線に触れたってことなのか。ミステリアスな音の鳴りに興味をもった人がいて、幹部を口説き落とした人がいたとしたら……と想像をめぐらすのも面白い。

トロンボーンという物言わぬ楽器が、時には他の何よりも雄弁に聞く者の琴線にストレートに何かを語りかけてくる事を教えてくれたリコの76年1st。(備前貢)(*1)

インストゥルメンタルのアルバムのなかで、オーガスタス・パブロやリコ、タン・タンのアルバムが優れているのは、彼らがバック・トラックを選び、演奏し録音したあとも、アルバム全体をこまかいところまでプロデュースしていく力を持っているからではないかと考える。ただのもの吹きではなく、インストゥルメンタルであっても言葉を用いない歌として、強い意志を持って自らの歌を聴かせてくれる。(小玉和文)(*2)

この作品のなにが特別なのか、考えるほど味が増していく。どこか呑気なトロンボーンの音色、ゆったりとした流れに身を任せてりゃいいのだけれど、それだけじゃもったいない。なんで? どうして? と探求しても、簡単な答えがでないからレゲエは魅力的なのだ。

(*1)石井志津男(編)『レゲエディスクガイド』より (*2)小玉和文『ノート・その日 その日』所収「レゲエの”もの吹き”の話」より

それにして買取りが止まらない! 値付けが追いつかず、どんどん店に積まれていく。金額表示がなくても気になれば気軽に値段を聞いてほしい。大体の本は売れるので。

今日明日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

2025/06/28

6/28 店日誌

6月28日、土曜日。THE COVENTRY AUTOMATICS『DRAWING OF A NEW ERA』に針を降ろすと、そりゃまあ最高で、2周続けて聴いてしまった。ユルめのスカ・チューン「WAKE UP」で始まるA面、「NITE KLUB/RAQUEL」「LOOK BUT DON’T TOUCH」のエモーショナルかつソウルっぽいイントロにハートが熱くなる(後者にはギター・ソロがある!)。後の代表曲「CONCRETE JUNGLE」も、この時期は荒々しくて味が異なる。

結局、スペシャルズというのは、私の考えでは決して単純なスカのバンドではなく、これはリーダーだったジェリー・ダマーズとイクォールでもあるのだが、もっとパラノイア的な、フリーキーなグループだったのだ。(石川サチ子)(*)

「後の代表曲」とか「この時期は荒々しく」なんて書いてるのは、このバンドがそのままザ・スペシャルズになるからだ。知ってる人も少なくないだろうけど、ここで初めてコヴェントリー・オートマティクス=スペシャルズと出会う人もいるはず。タイミングを大事にして、思いっきり楽しんでほしい。

(*)『BLUE BEAT BOP!』所収「職場のタイピストに今も人気のスペシャルズについて」より

 軽やかなスカ〜熱いソウル、パンクを縦断するような「STUPID MARRIAGE」で幕を開けるB面もいい。沈み込むような「TOO MUCH TOO YOUNG」やワン、ツー!のかけ声がクールな「LITTLE BITCH」、燃え上がる「(DRAWING OF A)NEW ERA」など聴きどころたくさん。気軽なバーあたりで適当に流してくれたら嬉しいんだけどなァ(そんなお店が、あったらいいなァ……)。

今日明日、明後日は13時開店! ご都合に合わせてお出かけください!

2025/06/27

6/27 店日誌

6月27日、金曜日。輸入盤の新譜レコードが到着! RICO『MAN FROM WAREIKA』・『WAREIKA DUB(GHETTO ROCKERS)』とTHE COVENTRY AUTOMATICS『DAWING OF A NEW ERA』、TAPPER ZUKIE『IN DUB』なのだけど、スゲーでしょ。こんな作品たちを扱えるとは思ってなかった。レゲエ、ダブ、パンクの要素を併せ持つレコード。夏に向けて、しっかり紹介していくつもり。

暑いのと軽めの二日酔いが相まって余裕がない。頭の中がとっ散らかってて、思考に集中できず、メールの返信もできないまま。拓人くん、矢吹くん、もうちょって待っていてくれ! 今夜までには何らかの意向を伝えますので。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/06/26

6/26 店日誌

6月26日、木曜日。いやあ、今日は暑い! 湿度が高くて日差しが強い。こうなるとちょろっと雨でも降ってほしいなあと思っちゃうけど、まあ我慢。シトシト、ジメジメ、ベタベタ状態よりも気分はいい。必要なのはクーラー、手拭い、缶ビール。さらに、NOOLIO 『SIDE.C Classics』vol.8HAPPFAT『MELT 6』があれば、快適だ。クーラーの温度設定は25℃〜27℃。かたわらに扇風機を置いておけば、だいぶ涼しい。

15時半過ぎにアメリカからのお客さん? に加えて、雑誌の納品もある予定。夕方には鹿児島の友人、〈食堂湯湯〉の中村くんも来るとか、来ないとか。どんな状態になるのか読みきれないけど、心の準備だけはしておこう。

今日明日は15時開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2025/06/25

6/25 店日誌

6月25日、水曜日。蒸し暑いな〜やる気が出ねえ〜、ボヤきながら自転車で走り出すと、突然の雨。まあ、すぐ止むだろ〜なんて調子でかまわず進むと、雨足は強くなる。豪雨か驟雨か、どっちでもいいけど、とにかくビショビショ。木陰で休止、リュックから取り出したポンチョをかぶって、ソロソロとペダルを漕ぐ。周りの学生たちもカッパを着てたり、無防備だったり、傘を差して歩いてたりと大変そうだ。そこを車がビュン! と走る。やはり速度は暴力だ。石油エネルギーあってのスピードってことを忘れるなよ〜。

いろいろグチりつつ、あちこちを濡らしながら店に到着。ラジオをつけると今日はサザン・オールスターズのデビュー記念日らしく萩原健太さんが話してる。聞き手は伍代夏子とアナウンサー、「ふんわり」という帯番組はタイミングが合うのでチョイチョイ聴いてしまう。

直に持ってきてくれる方、遠方から送ってくれる方、方法や分量、種類もバラバラの古本がどんどん集まってくる。査定をして買取り、値段をつけて店に並べていっても、なかなか追いつかない! どこか別な場所にも並べたい! 店の一角に古本を置きたいって方がいれば気軽に声をかけてほしい。

水曜から金曜までは15時、土曜から月曜は13時開店。今週もよろしくどうぞ。

2025/06/24

6/24 雑記

午前中、店で少しだけ仕事をして、昼食のため帰宅。はやばやと戻って作業を続けるつもりだったのだが、寝て起きたら14時過ぎ。頭はぼんやり、身体も重い。こりゃ今日は無理だわいと観念して、嵐山光三郎『東京旅行記』を読み出すと、まあ面白い! じわじわ、ぐいぐい引き込まれて、17時頃まで耽読。

じゃあ、そろそろって頃合いで家を出て、歩く。10分ほどで着く蕎麦屋〈T〉で瓶ビール、厚焼き玉子、日本酒、二八蕎麦。陽が落ち切らないうちに店を出て、いい気分で帰路につく。悪くない休日。

2025/06/23

6/23 店日誌

6月23日、月曜日。朝いちばんに予約した〈Bespoke〉で散髪、店主羽山さんとあれやこれや話してるうち、12時前! あらら時間がない! びゅーんと自転車を走らせ一旦帰宅、シャワーを浴びたのちメールの返信。昼食の素麺が茹であがり待ちの今、ブログを書くべくiPadの画面を叩いている。目の前には扇風機。首には手拭い。冷たいビールを飲みたいところだけど、グッとこらえてスペースを埋めている。このままだと定時の13時には間に合わなそうだけど、15分までには開店したい。ただいま12時38分。

店に着いて13時2分! 汗だくだけれどギリギリセーフ。ラジカセに入ったままのCDを再生するとメロウなソウルが流れはじめる。NOOLIO『SIDE.C Classics』vol.8は今日から本格的に販売開始。いやあ、今作もめちゃくちゃ気持ちいいですよ。

今日も通常営業! 通販、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に!

2025/06/22

6/22 店日誌

6月22日、日曜日。不調の原因は週はじめに食べた鳥刺だった可能性が高い。要因は、トリ肉などに棲みつくカンピロバクターという菌が引き起こす症例に酷似していること、ともに食した家人も同じ状態になっていること。いきなりの夏バテ? って可能性もゼロではないし、他の原因も考えられるから闇雲な断定は控えたいのだが、そろそろ疲れてきた(主に肛門が……)。発症から3日〜5日程度で回復するらしいので、持ち直すのは今日か明日だろうか。期待しながら復調を待っている。

来ないものを待つことと、かならず来るものを待つこととに差異があるとしたら、器の小さいのはあきらかに後者だろう。待っても詮無いものを待つことにこそ意義があるのだから。(堀江敏幸)(*1)

堀江敏幸の小説を読みはじめると驚くほど、波長が合う。『いつか王子駅で』の6章目は「待つ」ことの考察が主軸になっていて、徳田秋声『あらくれ』を例にあげつつ「私」の黙考がつづく。「なすべきことを持たずに一日を迎え、目の前にたちふさがる不可視の塊である時間をつぶすために必要な熱量は、具体的ななにかを片づける場合よりはるかに大きい」(*2)という箇所につよく共感。

(*1)『いつか王子駅で』(新潮文庫)p.96 (*2)同p.85

なじみの人、あらたに知る人、ここ最近は1人でしずかに本を選ぶ人が少なくない。3〜4人での来店はできるだけ遠慮してほしい。そもそも狭い店だし、動きづらくなるだけだから。

今日明日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

2025/06/21

6/21 店日誌

6月21日、土曜日。胃腸の不調にともなう身体のダルさは回復傾向。就寝中の排便数もグッと減り、起床後の気分はスッキリ。コーヒーを淹れたのちラジオを流しながら草刈り、シャワーを浴びる。朝の習慣を一つずつ取り戻していく。たぶん明日にはもっと早く起きられる。体操もできるだろう。小さな希望、楽観が集まって大きなエネルギーになる。歩く、走る、食べる、飲む。読む、聴く。些細な行為が積み重なって、つくられるものって何だろう。人柄? じゃなくて、もっと柔らかいことのような……。時間をかけて考えてみよう。

しかし、私は、日常生活ではきわめて保守的な人間で、一日を殆ど同じくり返し、同じペースで過ごさないと、身体の具合が悪くなってしまうのである。(小林信彦)(*1)

小林信彦『東京のロビンソン・クルーソー』の表題章を再読、この人、やっぱり変わってる。昭和39年以降の好景気にわく日本にあって「(これで、なんとか不況になるだろう……)」と念じていた人はどの程度いたのだろう。「やっぱり、大部分が体制順応派だと思う。ただ少数の、どうしても秩序の中に入っていけない」(*2)と書く人に居場所はあったのだろうか。

(*1)「東京のロビンソン・クルーソー」p.162 (*2)「私の早大事件」p.144

天久保1丁目〈Good Near Records〉ではセール開催中。買い物3000円で10%、5000円で20%割引になるらしい。目をつけてる盤は安くはないし、地味だから誰にも買われないとは思うのだけど、購める時機が来たのかも。

今日明日、明後日は13時開店。オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2025/06/20

6/20 店日誌

6月20日、金曜日。胃腸の調子が悪い。就寝後も1時間に1回はトイレに立ち、ジャーっと用を足す。起きてても寝不足なのか、単に疲れてるだけのか、身体に力が入らない。仕事はできても強く踏み込めないもどかしさ。早朝の草刈、体操、コーヒーのローテーションもこなせずストレスが溜まる。これは夏バテ? 疲労の蓄積? 夜中のトイレで子供のころに寝冷えした記憶がよみがえった。向こう数日は酒を飲まず、遊びにも出かけず、最低限の業務をこなしていく。

今日も通常営業。お暇があればお出かけください。

2025/06/19

6/19 店日誌

6月19日、木曜日。6時半の体操を終えて、コーヒーを淹れる準備を始める。5年以上は買い続けている〈音楽と珈琲〉の豆が常時4種あり、最近では〈つるばみコーヒー〉のタンザニアがあるので、気分にまかせて電動ミルで挽いていく。お湯が沸くまでにレコード棚から1枚抜き出すのだが、ここが重要。今、これ聴いとかないと……など考えずに、直感を信じて針を降ろす。気分が一番、気候が二番、配置が三番。いくつかの要素が絡み合ってインスピレーションを生んでいる。

今朝はまず『Reggae For Lovers』、その次に『CUBA,que linda es CUBA』、『Puka Shells』って流れで聴いていって、気分よし。欲を出さずに選ぶのが大事なのだと思う。

定休の火曜日にインドネシアを中心にしたアジア広域に関する本をたくさん買い取った。芸術、舞踊、祭礼、映画、生物、植物など幅広いテーマの本があり、簡単にはまとめきれない。人類学や民族学にも触れる本も多いので、興味があれば見にきてほしい。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり!

2025/06/18

6/18 店日誌

6月18日、水曜日。この数日は4時過ぎに目が覚めている。インターネットの世界を遊泳しつつ、ラジオでNHK第一を流したり、ぼんやりしたのち5時半前に庭の草をチョキチョキと伐りだす。目を覚ました蚊を追っぱらいつつ、草をバサバサ払っていく。集中して15分から20分、ジワリと汗をかいたところでハサミに付いた草を手ぬぐいで拭って、早足で退散。蚊が集まってくる前に家に入ってシャワーを浴びる。サッと着替えてふーっとひと息。読みかけの本をぱらぱらめくる。

天気予報によれば、梅雨前線が消えてしまったらしく、今後しばらくは35度前後の気温が続くとのこと。去年はどうだったか? ブログを遡ってみると雨模様、一昨年は謎、先一昨年は代官山蔦屋書店で展示の搬入作業していた。なんと、あれから3年か。もっと、ずっと前のことのように感じられる。

なにかいい仕事をしたい。そういう気はどうしてもする。(…)金にならなくても、世に認められなくても、それどころではない。たとえ、損をしても世の嘲罵を浴びても、それでも尚したい、してしまう、しずにいられないというような、そういう全く自律的な仕事を指しているのである。(高田博厚)

代田橋〈バックパックブックス〉で買った、濱川博『現代のアウトサイダー』が面白い。まったく知らなかった高田博厚、名前だけ知っていた高橋新吉やバーナード・リーチの生き方に心が動く。偉人伝とは異なる描かれ方に共感して、興味が生まれる。名前だけでも記憶の片隅に留めておければ、あらたな出会いがあるはずだ。

今日明日、明後日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/06/17

6/17 雑記

それにしても暑い! まだ6月だってのに……。

2025/06/16

6/16 店日誌

という訳で、“とりとめもなく現在は流れる”というのは、別にとりとめもないという訳ではなく、流れないと思っていたものが気がつくと流れているから、その流れの方向性が見極められないというだけなのです。(橋本治)

6月16日、月曜日。橋本治『革命的半ズボン主義宣言』を読んでいてアチャーと思う。本書の第一部で「とりとめもなく現在は流れる」ってのはそれらしいだけのコピー言葉として例に挙げられていて、ダサくズルいものとして扱われているのだけど、いや待て自分は? テキトーに言葉を置いてごまかしてない? ……やってるのだ。例えば、昨日の日誌で、榎本空『音盤の来歴』に触れて「深く、しなやかに音楽愛が綴られている」と書いている。え、しなやか? どういうこと? ええっと、なんか柔らかくて権威主義的じゃなくて、身近に感じさせる……とかゴニョゴニョと応えることになる。

また例えば、11日(水)の日誌では「霊性のあるヴォーカルは書くまでもなく、特別だ」と書いてる。なんじゃそりゃ。書くまでもないなら書かなきゃいい。もしくは「ボブ・マーリーの声は特別だ」か「めちゃカッコいい」と書いときゃいいのだ。さも何かを言ってる風に振る舞おうとするから、ダサいのである。ああ、恥ずかしい。

先週から面白い本をつづけて読んでいる。上記した2冊のほかには荒川洋治『ぼくの文章読本』、西村賢太『下手に居丈高』、原武史『最終列車』。高妍『隙間 sukima』もよかったなァ。

さあさあ、真夏日。店内、できるだけ涼しくしておきます。

2025/06/15

6/15 店日誌

もし音楽に形があるなら、こんな形をしているのかもしれない。規則正しくまわり続ける黒いレコードの丸々としたフォルムを見ながら、そう思った。(榎本空)

6月15日、日曜日。できれば両面、せめて片面。レコードを聴いているうちはiPadを手に取らずに本を読みたい。組み合わせさえ上手くいけば時間が静かに流れていく。今朝はオクノ修『唄う人』を小さな音で流しながら、榎本空『音盤の来歴 針を落とす日々』を読んだのが正解で、ちょうどよく集中できた。後者を友人たちに薦められていたのが納得。深く、しなやかに音楽愛が綴られている。

アラン・トゥーサン、ライ・クーダー、レオン・レッドボーン、アレサ・フランクリンのこと、彼・彼女たちのレコードとどこで出会い、どんな風に針を落としてきたのか──著者の音盤の来歴を紐解くうちにウズウズしてくる。レコード屋に行きたい。それも、チェーン店でなく個人店。できれば歩道に面した路面店がいい。ジャンルはなんでもいいので、ちょうど良く落ち着いた音楽が流れている小さな店に出かけたい。

一昨日、13日は店を閉めてから東京、幡ヶ谷に出かけた。目的地〈Forest Limit〉のドアを開けるとNOOLIOさん! マサキ、ヨシダ、ニッタにチャーハンさん! 次から次に友人たちに顔を合わせる。ビールを買うために並んでいると、すぐそばにはエマーソン北村さん。今月中の再会を約束して姿勢を正す。わかっちゃいたけど「スーパーぽんぽこ山」は特別なパーティーだった。

今日明日も通常営業。引き続き、どうぞよろしく。

2025/06/14

6/14 店日誌

6月14日、土曜日。開けてます。

2025/06/13

6/13 店日誌

6月13日、金曜日。歩道をゆく彼を見つけて思わず駆け出す。高妍『隙間 sukima』を持って「これ、読んだ! 台湾のことなにも知らなかったよ」と伝えるとニコリと微笑んで「嬉しいです。この作者は若い人ですよ」と教えてくれる。彼以外にも台湾から留学していた友人はいたし、中国との関係について書いているのを目にしたこともあったけど、積極的に興味は持たず「大変だなー」と受け流していた。その点、『隙間』の大きな要素は台湾と沖縄、中国と日本の絡み合うさまを描いていること。やさしい絵なのだが、全体に漂う哀しみは強く、確かなものだった。

彼、と書いてて、彼の名前も知らないと気がつく。よく顔を合わせるから、次に会ったときに聞いてみよう。しっかり覚えて、その次からは名前で呼びかけられるようにできたらいい。

文章は読者を威圧することがあってはならない。だかこれはむずかしい。文章を書くよりむずかしいことかもしれない。それには何も書かないのが一番だとすら思う。書かなければ威圧にも荷物にもならない。(荒川洋治)*

図書館で借りてきた荒川洋治『ぼくの文章読本』を読み出して、考えさせられる。こんな風に毎日ここに書く必要などないのである。なにかを書くために他人を上げたり下げたりするのはおかしい。黙っている方がよほど良い。それをわかった上で書き続けるなら、よく考えて、よく観察しなくちゃいけない。うーむ、なかなか難しい。(*荒川洋治『ぼくの文章読本』所収「おかのうえの波」より)

今日も通常営業。通信販売や在庫確認など、お問い合わせはお気軽に。

2025/06/12

6/12 店日誌

阿房と云うのは、人の思わくに調子を合わせてそう云うだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考えてはいない。用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。(内田百閒)

6月12日、木曜日。なんと素晴らしい書き出しだろうか。内田百閒『阿房列車』(ちくま文庫版・内田百閒集成1)の冒頭、「特別阿房列車」に胸がときめく。さあ、グイグイ読むぞと意気込むと、これがなかなか難しい。テンポが合わない。切符を買うのに手こずり、同行者と問答したのち昼酒を飲み出す。ビールを飲むグループを嫌悪しながら、自分もウイスキーを飲む。なんとも狷介、偏屈な百閒なのだが、嫌ではない。むしろ面白いのだけれど、ページはなかなか進まない。

「時候がよくなって、天も地も明かるい。又阿房列車を運転しようと思う」。次なる「区間阿房列車」の書き出しも好ましくて、ワクワクする。でも、スムーズに読んでいける自信はない。約70ページ。焦らずに進もう。

ついさっきコンビニで見かけたポパイの特集は「僕らにちょうどいい古着」。自分は特別に古着が好きなわけじゃないけど、最近は〈古着屋may〉でしか服を買ってない。気取らず、気張らずに服を選べる環境があるのがありがたい。さて、「ちょうどいい古着」とは何なのか。値段? 品質? 年代? それらのバランスってことなのだろうか。

今日も通常営業。古本はもちろん、新譜や中古音源にも入荷あり。

2025/06/11

6/11 店日誌

驚異のリズム、爆発するロック。(…)ポップス史上でも、リズムに関しては最も革命的な1枚だが、全体の印象は地味。ここまでのアイランド作品がアグレッシヴだったのに対して、ちょっと引いてみせた、渋い通好みの作品とは言えまいか。(山名昇)

6月11日、水曜日。数日前に天久保1丁目〈Good Near Records〉で購入したボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『ラスタマン・ヴァイブレーション』は確かに地味なのだが、厳選された音数もあってタイトな体感がある。耳に入ってくるのはアイ・スリーズの伸びやかなコーラス、チナ・スミスの手数の少ないギター・フレーズ、タイロン・ダウニーの機械的なキーボード。バレット兄弟のリズムの上で、隙間をつくって泳がせてみたって感じなのだろうか。霊性のあるヴォーカルは書くまでもなく、特別だ。

上に引いた山名昇の解説は、アンチョコ的に活用してる石井’EC’志津男(編)『レゲエ・ディスク・ガイド』の当該ページから。短くも的確、意外性もふくむテキストは「実はジャケットもこれが一番好きだ」と閉められる。

朝から本降り。こうなると店は暇だろうなあ。いい本たくさん買い取ってるんだけどなあ。ジメジメしてないだけ、よしとするべきか。オンライン・ストア〈平凡〉にどんどん古本をあげていくので、気が向いたら覗いてほしい。

今日明日、明後日は15時開店。些細なことでも、お問い合わせはお気軽に。

2025/06/10

6/10 雑記

ぼくは広告が嫌いだ。まだみんなが何も知らない時に、むりやりみんなに押しつけるようなやり方は好きじゃないんだ。いいレコードなら、自然といつのまにかみんなが聞くようになると思う。世に送り出し、時にまかせて、どうなるか成り行きを見守るのさ。(ウィリス・アラン・ラムゼイ)

あれはいつだったか。矢吹純から突然、レコードが送られてきた。ウィリス・アラン・ラムゼイという人が吹き込んだもので、緑地のジャケットにはニヤリとした本人と思われる写真のみ。いささか地味な印象をもったが、針を落として「いいじゃん」と思い、矢吹くんに感謝を伝えた。そのまま2〜3年は経っただろうか。今朝になって急に目に入ったレコードを聴いてみて、驚く。すごくいい。裏面記載の中川五郎の解説にも味わいがある。

ウィリス・アラン・ラムゼイのこうしたやり方は、確かに歌を大切にしたものだし、永続きするかも知れない。しかし一方、贅沢すぎる、あまりにもプロ意識に欠けているという批判も甘受しなければならないだろう。(…)早く新しい作品を聞かせてほしいものだ。(中川五郎)

けっきょく、この人──ウィリス・アラン・ラムゼイはこの1枚しかレコードを作らなかったらしい。小西康陽の連作エッセイ「レナード・コーエンの偽日記から。」にも似たような人物が描かれていた気がする。

2025/06/09

6/9 店日誌

私たちはどうしても、すべての行動を目標に向かう時間に置き換えてしまいます。大切なのは、この思考から脱却することです。つまりは「輸送(Transport)」から「徒歩旅行(Wayfarning)」への変化。

美しい夕陽を見かけると、すぐにスマートフォンを取り出して、写真を撮ってしまう。時間をかけて眺めたり、誰かに話したりすることもなく、ただ写真を撮ってそれで終わり。まるで、過去をゴミ箱に捨ててしまっているようです。(ティム・インゴルド)

6月9日、月曜日。3年前のある日、突然届いた大きな段ボール。入っていたのは『AFTER2025』という無料冊子だった。「AFTER2025は「ぶっちゃけ万博どうなん?」と「どうせやるんやったら……」のあいだを、今を生きる人たちの声をたよりに、うろうろしながら、あれこれやってみる試みです」。へええ、なるほど! こりゃ面白そうと読み出して、見つけたのが上記したティム・インゴルドへのインタビュー。なぜか今、思い出した。

東京五輪、大阪万博はなんだかんだで開催されて、おおむね成功みたいな風に片づけられていく。経済効果? 観光誘致? なんてスローガンだけが叫ばれて、国家的催事が行われていくのは好きじゃないけど、大きな声で反対するほどの興味もない。ああ、なんだかなあ。

6日から8日までの3日間、筑波大学で開催されていた「文化人類学会」に参加した人が何組か店に来てくれて、それぞれに手ごたえのあるやり取りができた気がする。ああした催しと営業が連動するのは初めてじゃないかな。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/06/08

6/8 店日誌

6月8日、日曜日。店にきて値付け、品出し、オンライン・ストア用の写真を撮りながらラジオで「のど自慢」を聴いていたら12時51分。今日は青森県からの中継で、ゲストの王林が「踊るりんご」を歌っていて、次は山本譲二。やはりいい声。吉幾三がつくった「妻よありがとう」を熱唱している。ゲスト2人の参加者へのコメントには優しさがあり、みんな嬉しそうに話していた。さて、審査発表。特別賞は15番、「君は薔薇より美しい」を歌った人だ! よかったもんな〜!

ここ、前からありました? なんて聞かれることが増えている。もう12年、13年目になります……と応えると「え! 気づいてなかったー!」と反応される。そうやって話す人は大体いいお客さん。またお願いしますと声をかけて、送り出す。

今日明日の営業は13時から19時まで。古本入荷、めちゃ増えてます。

2025/06/07

6/7 店日誌

6月7日、土曜日。いい天気。気分よく自転車を走らせてると、前方を歩く長髪、ジーパン、ジャケットの男性が目に入る。オシャレな人だなーと追い抜くと、なんと! ベーヤマくんじゃん! フランス留学の合間をぬって、ビザ申請と文化人類学会参加のために一時帰国中とのこと。近しい間柄じゃないし、とくだん心配していたわけじゃないけど、なんとなく元気そうで安心した。いい雰囲気をまとっていた。

大学を抜けたのち、〈古着屋may〉で立ち話。夏に向けて、プリントTやポケットTシャツの種類が増えていて、店内の抜けがいい。最近、店にいて楽しいですか? なんて唐突かつ率直な問いかけにホソヤさんは丁寧に応えてくれる。そのうちにお客さんがきて、店を出てきた。

NOOLIO『SIDE.C Classics』の過去作を気まぐれに聴いている。どれも本当によく出来てる。曲と曲とが繋がって生まれる空気、相互に作用するヴァイブレーション、全体のイメージ作りにブレがないから流していて気持ちがいいんだな。

今日明日、明後日は通常営業! お暇があればお出かけください。

2025/06/06

6/6 店日誌

ヴァイオリン、クラリネットなど、アフリカから連れてこられた黒人奴隷に全く縁のない楽器が、カリプソ創世記の十八世紀末にトリニダッドやジャマイカで使われたのは、そこにある楽器を使う、という極く当たり前な発想からだった。(…)これと同じ事が、戦後の河内の盆踊りで起きたのだ。(鷲巣功)

6月6日、金曜日。鷲巣功『河内音頭』に触発されて、『Port of Spain Shuffle』に針を降ろす。副題に「Black Music n Britain in the early 1950’s」とある通り、トリニダッドやジャマイカで録音されたものじゃないのだけれど、カリプソが沢山入ってる。この盤は、山名昇『Blue Beat Bop!』の序章で紹介されていたので知って、買ったはず──「イギリスに渡ってきていたカリプソニアンたちが録音したものだ。もちろん、ここで聞かれる音楽も、ブルー・ビートと呼ばれるスタイルの先駆けである」(「山名昇「トゥイスト、ボール、ジャム、スカ!」)

そのままパラパラと『BBB!』のページをめくっていると、知った写真のコラージュを発見。クランシー・エックルズだ。なるほど、だからリユース店で見つけた『ROCK STEADY INTENSIFIED!』のジャケットにピンときたのか。この人が「68年には、リー・ペリーの巨大ヒット’People Funny Bou’をアレンジで手助け」していたと知る。

さてインターネット環境が行き渡ったとは言え、河内音頭の世界はそれが全てではない。(…)わたしには、音と灯りを頼りに「あ、あそこだよ、あそこで演ってる」と、ようやく辿り着いた経験が生々しく残っている。(鷲巣功)

音楽に関することほどインターネットだけじゃ調べきれない。サブスクで耳には入れられても、体験としての厚みは感じづらい。ライナーノーツや書籍、雑誌をひもといて時間をかけて知っていく作業を経ないと、身体に残るものは多くない。年始にヒデさんが書いてくれたことを思い出す。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を〜!

2025/06/05

6/5 店日誌

6月5日、木曜日。今の時期、朝7時台に聴くレゲエが気持ちいい。先月に入荷、紹介した『DREAD IN SESSION』『REGGAE FOR LOVERS』を流すと、心身がぐーんと伸びるようで気分がいい。風に肌を撫でられたみたいな心地良さ。夏でもなく梅雨とも言えない、微妙な季節特有のほのかな脱力感にぴったり寄り添ってくれる。売らんかな! ってノリの営業目的ではなく、率直な実感である。どっちもいいレコードなんだよなあ。

ブルース・バスターズを知らない人たちのために簡単に言っておくと、ブルース・バスターズは、ジャマイカのサム・アンド・デイヴだと思ってもらえればいい。(渡辺浩司)*

じゃあ、次に針を降ろすのは……ブルース・バスターズ『フィリップ&ロイド』である。メロウでソフトな演奏に乗るスウィートなコーラスワーク、これぞロックステディ。本作のことは去年の5月にも書いている。(*『BLUE BEAT BOP!』所収「ブルース・バスターズ」より)

じわじわと暑くなってきて蚊も増えた。いかんせん目の前が林(実際は大学だけど)だから、虫の発生は避けられない。そろそろ梅雨になるのかな。とかなんとか言ってるうちに猛暑がきちゃう気もするぞ。

今日も通常営業。古本の入荷多数、またまた店が本だらけ。

2025/06/04

6/4 店日誌

僕は、色川さんのどの文章からも、「ぐにゃっと柔らかい、しかしごりごりした存在感の塊」を感じる。作家だなあ、とつくづく思う。(佐伯一麦)

6月4日、水曜日。この数日で紐解いた本では、田畑書店編集部(編)『色川武大という生き方』がいちばんだった。33人の追悼文をまとめたものなのだが、読むうちに色川武大の姿がぬらっと立ち上がるようで、穏やかながら迫力がある。上に引いた、佐伯一麦「『狂人日記』と私」はすらすら読めて、アクもある名文。「お互い何もしていない。何をしたらいいか分からない。でも──。と感じ、思いつつ曖昧に生きている」と始まる、山際素男「色川武大という男」も味わい深い。

何も求めず散歩に出かけてみると、どういう訳かその瞬間から、ゆっくりと時間が流れ始めます。おのずと気持ちが豊かになり、忘れてしまった懐かしいものを見つけたり、雲の流れに心地良さを感じられたりもするでしょう。(谷口ジロー)

谷口ジロー『歩くひと』もいい。ページを眺めるだけで心が広がり、満たされるのは、散歩でしか味わえない時間の流れが描かれているから。街の空気、風の感触までを感じさせる漫画はそんなに多くないだろう。

いま、読んでいるのは鷲巣功『河内音頭』で、たぶん5年ぶりの再読。「日本の音楽文化論に一石を投じる快著」という惹句に偽りなし。五木田智央の装画も含めて、スゲー本。

今日明日、明後日は15時開店。お暇があれば、ご来店ください。

2025/06/03

6/3 雑記

朝いちばんで近所の保険センターで健康診断。ひと通りの検査を終えると10時ちょい過ぎ。帰り道に〈つるばみコーヒー〉で一服、店主と話してじゃあ、またね! と歩き出すと赤いフォルクスワーゲンが走ってくる。最近よく見る車だなーと思ってると「うえださーん」と声がかかる。なんとまあ、友人たちが乗る、よく見る車そのものだった。その場で拾われ、再度〈つるばみコーヒー〉に。同行2人がコーヒー豆を購入したのち、流れのまま北条の〈栄楽〉に向かう。

何年も噂だけ聞いていたラーメン屋。こんな店がつくば市内にあったのか……驚きつつ、ラーメンをすする。ひとかけらも予期してしてなかった展開に、静かに唸る。偶然を引き寄せるのは、ちょっとしたタイミング。なかなか面白い休日だった。

2025/06/02

6/2 店日誌

6月2日、月曜日。つくづくポケットライブラリ『趣味のほとりで』発売記念、編集人・金井タオルの即売会は盛況のもと無事終了! 遠方から足を運んでくれた人、たまたま通りがかった人、いつものお客さんなど、いろんな人と話ができた。突発的な企画だったのだけど、滞りなく進められたのは金井さんとの信頼関係あってこそ。当日限定のオマケを付けてくれたり、いろいろな配慮、工夫にも感謝している(お約束の飲み会も楽しかった……かな)。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2025/06/01

6/1 店日誌

ずっとプライムでいたいと言いたいところですが、リアルに30歳くらいかな。ちゃんと人としてもかっこよくなったときに、同時にかっこいいスケーターでいたいです。(鎧碧斗)

それぞれの仕事や家庭を抱えて、それぞれの環境で経験値を積み重ねて、ここまで右往左往スケートボードをしながら生きてきました。その経験値に勝るものはありません。スキル云々じゃなくて、半世紀スケートボードと一緒に人生を生き抜いてきたソルジャーだからこそ見える景色。(EIJI MORITA)

6月1日、日曜日。届きたての『Sb』4-44号を読んでいて、元気が出た。清々しい。好きなら好きでいいじゃんか。対象との距離が変わっても、好きなままなら続けていける。毎日じゃなくていい、週に数回、年に数回になるかもしれないけど、気持ちを残せていればいい。めちゃくちゃ当たり前のこと過ぎて、誰も言わないことが書いてある。ローカルでインディペンデントなんて普通のこと。カッコつけの道具じゃないのだ。

年を重ねていくのに恐怖がないとは言い切れない。いや、正直に吐露すれば、けっこう怖い。現実が迫ってくるのは目に見えてるし、刺激に対して鈍感になっていく気もする。つまらない大人になるには嫌だな〜と思うほど、老け込んでいくのかな。したり顔して生きたきゃないよな。

『Sb』が読み物として優れてるとか、鋭いなんて言うつもりはないけれど、スケーターたちを取り上げて商業誌として成立しているのが好ましい。金は大事だ。だけど、金じゃ買えないものがあると体感するのは、もっと大事だ。(……じゃあ、オレも! がんばらなきゃダメじゃんか!)

てなわけで、今日は金井タオルの即売会! ぜひお出かけください。