2025/06/29

6/29 店日誌

6月29日、日曜日。RICO『MAN FROM WAREIKA』にじっくり耳を傾ける。のどかなようで、ときに緊張感のある独特の体感。ルーツ・レゲエなのは間違いないのだが、米国ではブルーノートからリリースされていたのは何でだろう? トロンボーン主導のインストゥルメンタル、複数の管楽器アレンジがジャズマンの琴線に触れたってことなのか。ミステリアスな音の鳴りに興味をもった人がいて、幹部を口説き落とした人がいたとしたら……と想像をめぐらすのも面白い。

トロンボーンという物言わぬ楽器が、時には他の何よりも雄弁に聞く者の琴線にストレートに何かを語りかけてくる事を教えてくれたリコの76年1st。(備前貢)(*1)

インストゥルメンタルのアルバムのなかで、オーガスタス・パブロやリコ、タン・タンのアルバムが優れているのは、彼らがバック・トラックを選び、演奏し録音したあとも、アルバム全体をこまかいところまでプロデュースしていく力を持っているからではないかと考える。ただのもの吹きではなく、インストゥルメンタルであっても言葉を用いない歌として、強い意志を持って自らの歌を聴かせてくれる。(小玉和文)(*2)

この作品のなにが特別なのか、考えるほど味が増していく。どこか呑気なトロンボーンの音色、ゆったりとした流れに身を任せてりゃいいのだけれど、それだけじゃもったいない。なんで? どうして? と探求しても、簡単な答えがでないからレゲエは魅力的なのだ。

(*1)石井志津男(編)『レゲエディスクガイド』より (*2)小玉和文『ノート・その日 その日』所収「レゲエの”もの吹き”の話」より

それにして買取りが止まらない! 値付けが追いつかず、どんどん店に積まれていく。金額表示がなくても気になれば気軽に値段を聞いてほしい。大体の本は売れるので。

今日明日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

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