ヴァイオリン、クラリネットなど、アフリカから連れてこられた黒人奴隷に全く縁のない楽器が、カリプソ創世記の十八世紀末にトリニダッドやジャマイカで使われたのは、そこにある楽器を使う、という極く当たり前な発想からだった。(…)これと同じ事が、戦後の河内の盆踊りで起きたのだ。(鷲巣功)
6月6日、金曜日。鷲巣功『河内音頭』に触発されて、『Port of Spain Shuffle』に針を降ろす。副題に「Black Music n Britain in the early 1950’s」とある通り、トリニダッドやジャマイカで録音されたものじゃないのだけれど、カリプソが沢山入ってる。この盤は、山名昇『Blue Beat Bop!』の序章で紹介されていたので知って、買ったはず──「イギリスに渡ってきていたカリプソニアンたちが録音したものだ。もちろん、ここで聞かれる音楽も、ブルー・ビートと呼ばれるスタイルの先駆けである」(「山名昇「トゥイスト、ボール、ジャム、スカ!」)。
そのままパラパラと『BBB!』のページをめくっていると、知った写真のコラージュを発見。クランシー・エックルズだ。なるほど、だからリユース店で見つけた『ROCK STEADY INTENSIFIED!』のジャケットにピンときたのか。この人が「68年には、リー・ペリーの巨大ヒット’People Funny Bou’をアレンジで手助け」していたと知る。
さてインターネット環境が行き渡ったとは言え、河内音頭の世界はそれが全てではない。(…)わたしには、音と灯りを頼りに「あ、あそこだよ、あそこで演ってる」と、ようやく辿り着いた経験が生々しく残っている。(鷲巣功)
音楽に関することほどインターネットだけじゃ調べきれない。サブスクで耳には入れられても、体験としての厚みは感じづらい。ライナーノーツや書籍、雑誌をひもといて時間をかけて知っていく作業を経ないと、身体に残るものは多くない。年始にヒデさんが書いてくれたことを思い出す。
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