2022/10/19

老練で自由な逃亡者

“1980年、スペシャルズのメンバーとしてリコが初来日した時に、サインをいただけますか、とこの英盤を差し出したら、彼は、その金文字の下の小さな「余白」に、律儀で、綺麗な、誰でも読める、スターっぽく書き崩したりなどしない筆跡で「Peace&Love」と記すのであった。「キミの名前を入れておこうか?」などと言いながら。”(*)

ここでの「英盤」は、リコ・ロドリゲス『マン・フロム・ワレイカ』のイギリス盤LPで、裏ジャケットにはLesなる人物の詩が印刷されていて(CDでは判読不能)、「Veteran free refugee(老練で自由な逃亡者)」という言葉が書かれているらしい。

この「老練で自由な逃亡者」という言葉に触れると、なぜか山名昇さんのイメージが頭に浮かぶ。あちこちでテキストには触れているものの、また一度も会えていない、山名さん。ご本人は老練で、自由な、逃亡者か、否か。11月5日(土)のイベントで探ってみようと思っている。

トークイベント「伝説の書、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』を著者と紐解く午後」のご予約、引き続き受付中! お問い合わせはお気軽に。

(*)リコ『ワレイカ・ダブ』日本盤CDライナーノーツより

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