2022/10/01

『Isophonic Boogie Woogie』(LP)


「アフロのスティーヴ・ライヒ」と評されたローランド P. ヤングの1980年ソロ・デビュー・アルバム。70年代末期のサンフランシスコで自主制作された特異なアンビエント・フリージャズ作品であり、怒りと祈りの果てに生まれたスピリチュアル・メディテーション・ミュージック。

Roland P. Young『Isophonic Boogie Woogie』が届きました。
実験音楽であり室内楽、静かなる瞑想であり強烈な演奏でもある……。上記の惹句にもある通り「アフロのスティーブ・ライヒ」という表現以外にしっくりくるものがない、ローランド P. ヤングのソロ・デビュー作(1980年)。ジャケット含め、圧倒的な独創性に驚かされます。部分的にではなく、作品全体を体験してほしい。

販売価格は2530円(税込)。リリース元は〈EM records〉、2022年リプレス盤。

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ネイティブ・インディアンとアフリカン・アメリカンとユダヤ系の血を持つローランド P. ヤングは、70年代バークレーのアンダーグラウンドFM局でDJをつとめ、一時、ブラックパンサー党も支持した極左ミュージシャンで、スピリチュアル・ジャズ・トリオ《インフィニート・サウンド》のリーダーとして活動してLPも発表。ラジオでの革命煽動的な言動が問題となりFM局から解雇されたことを期に、制作に打ち込んで発表したのがこの1stソロ・アルバム『アイソフォニック・ブギ・ウギ』(1980年)である。彼の言によれば、本作は彼がミュージシャンとして目覚めて以来の、エレクトロニック/アコースティック、アンビエンス、ジャズとの道のり、室内楽、ミニマリズム、ワールド・ミュージック、それらの出会いの総合体であり、トリップを促す冥想の作品として今も説得力を持って迫る。

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