2026/01/01

森本友が2025年を振り返る

 朝、青い天井、尾道。いい葱があったから、お豆腐と一緒にお味噌汁だなあ‥‥と思いながら2階に降りてお湯を沸かした。キッチンが暖まり始めた頃にお客さんが起きてきて、わたしは朝ごはんを出した。コーヒーも渡して500円を受け取ってから、客室のシーツを剥がして掃除機をかけ、便所掃除、お風呂掃除をしながら朝風呂をした。北国よりずっと明るい春がそこまで来ていた。迷路みたいな新開路地を抜け、港に出入りする船を見るともなく眺めた。2週間後、尾道を出ることにした。

 朝、シミだらけの天井、シミだらけの腕が天の川のよう。手持ち無沙汰な生活には慣れていると思っていたけれど、どんどんだめになっていった。植木鉢の外に落ちていたサボテンの頭を拾って、猫に伝えた。

 朝、白い天井。朝陽の暖かさをほっぺで感じる。わたしの顔は日に日に日焼けしているのかしら、このサボテンは生きているのかしら。外の風は草の甘い匂いがして、近くでつかまえたカエルが指の先で座り直した。

 朝、白い天井。ついさっきまで、どこかにいたような感じがすると思った。まだ胸がどきどきしていて、ぼうっとしていたら、夢の内容を思い出した。悲しい夢は本当のことよりも息が長いと思う。振り返って残っているものはしみじみとあまく、戻っていくわけでも止まったわけでもなく、永遠になったふるさとなんだろう。あたらしいふるさと。

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