2025/03/07

3/7 店日誌

3月7日、金曜日。相変わらず、オクノ修を聴いている。ピースを埋めるように少しずつ、レコードとCDを買っていく。封入のライナーノーツ、インタビューが掲載された本をいっしょに読んでいき、当時の京都の雰囲気、キーになった場所や人を知っていくと手ごたえが増す。今日もまた3枚、オフノートに注文。サブスクにない音楽、人物にはこうして時間をかけて出会うしかない。人それぞれに見合う速度、乗り物、表現方法があるってことが重要だ。

タウンズ・ヴァン・ザントからはめっちゃ影響受けています。不思議なひとなんですけど。少年時代とかに鬱病かなんかで電気ショックを受けて過去の記憶を消されているんです、そのころアメリカで流行ってたみたいで。(オクノ修)

現状、当店で在庫しているのは最新作『オクノ修70歳、拾得ライブ』と『帰ろう』の2作品(ともにレコード)。後者はのこり1枚。瑞々しい歌と言葉が録音されている。

明日は古里おさむと風呂敷き『en』リリース記念のライブに出店するため、17時までの短縮営業。会場は天久保1丁目地下にある〈aNTENA〉。ご予約不要で入場できるので、気が向いたらぜひ足を運んでほしい。軽食もあるはず。

今日は15時、明日明後日は13時開店。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2025/03/06

3/6 店日誌

3月6日、木曜日。休業の予定をキャンセル、臨時通常営業(なんじゃそりゃ)! 終わってない事務作業、くたびれた身体をおもんぱかって、普通に店を開けることにした。行けない場所があるのは残念だけど、今日しか来られないお客さんもいるのだ……なんて真剣に考えていたわけじゃないけど、開けたらすぐご来店。隣のカフェでの展示に関わる野口さん、いつも気持ちよく笑うから話すのが楽しい。嬉しい。

今日も書籍、音源に入荷あり! お暇があればご来店を!

2025/03/05

3/5 店日誌

3月5日、水曜日。昨夜、針を落としたのは『フリーホイーリン』、『タイムズ・ゼイ・アー・チェンジン』。今の気分には後者が合う。録音された時期はそう変わらないのに前者に漂う青っぽさが消えて、陰影が濃くなった気がするのはジャケットのせいだけか。浪曲みたいに聴こえる曲もある。声はつよいが美声ではない。映画のなかで聴衆が「タイムズ・ゼイ・アー・チェンジン」を合唱するシーンは、不気味に思えた。状況を変えられるような気分、雰囲気に酔いしれる大勢の人。そりゃあ気持ちは良いだろうけど……。

A面は「ワン・トゥー・メニー・モーニング」、B面では「ブーツ・オブ・スパニッシュ・レザー」「ホエン・ザ・シップス・カムズ・イン」の流れが好きだ。『タイムズ・ゼイ・アー・チェンジン』は色味が少なく、シブいアルバムだ。

再入荷以来、大好評。『ECDPOPO』は近日中の補充予定あり。当店の定番、梶谷いこ『細部に宿る』やオオヤミノル『珈琲の建設』『喫茶店のディスクール』も同じく入荷待機中。その他、古本と中古音源にも動きあり。ご注目を。

今日は通常営業。明日は臨時休業なので、ご来店予定の方はご注意ください。

2025/03/04

3/4 雑記

ジェームズ・マンゴールド監督作品『コンプリート・アンノウン(名もなき者)』を観た。予告編をイヤってほど観せられていたから、事前情報はできるだけシャットアウト。友人たちの感想も耳目にいれないまま劇場に向かう。いつものシネコン、シアター5。前より真ん中に席を取る。それにしてもさみしい集客! 平日昼間とはいえ、観客は自分を入れて5人未満……。

主役のティモシー・シャラメがいい。若きディランの尖り方と言うべきか、未成熟なんだか老成してるのか、実態不明の存在をうまく演じている。音楽、小説、映画から何を吸い上げ、養分とするのか。ボブ・ディランは自身の表現に取り入れるべきものを掴むセンスに長けている。何より、声がいいしハンサムなのだ。そりゃあ、放っておかれるわけがない。

キューバ危機、ケネディ暗殺、黒人公民権運動、激動の時代と直に交差するフォーク・ソングが作られたのは彼の感性あってこそ。運動にのめり込まない距離の取り方。乾いた眼。共感に溺れず、されど感情を殺さずに捉える言葉。そんな特別な人間だから? 生身のディランは他者とうまく関係できない。

アメリカン・ヒストリーX、ファイト・クラブ、25時なんかで好きになったエドワード・ノートンの出番も多くて嬉しかった。ノートン演じるピート・シーガーの妻、トシ役の初音映莉子も効いていた。エル・ファニングは大人になったなあ。ジョニー・キャッシュ、ボブ・ニューワースを演じた役者も好印象。

いやあ、とても良かった。映画館を出てしばらく行き場に迷ってしまった。

2025/03/03

3/3 店日誌

3月3日、月曜日。いやービショビショだ。大粒の雨につよい風、雪も混ざる。なかなかキツイ天候だけれど、歩かなければ店に来られない。風に傘が煽られて何度も立ち止まる。靴紐がほどけて、結び直すのに難儀する。バシャーッと水を跳ね上げながら、車が通り過ぎていく。スニーカーがジワジワとしめっていき、靴下が冷たい。どうにか店に着いて、ほっと一息。今日は静かにしていたい。

今日も通常営業。明日は定休日、3月6日(木)は臨時休業です。

2025/03/02

3/2 店日誌

3月2日、日曜日。午前中、松野泉『あそぼ』を聴いた。なぜだかA面ばかりを聴いてしまっていて、久しぶりでB面に針を落とす。2曲目「遺影」の途中で読んでいた本を閉じて、耳を傾ける。「人は年老いたからといって 聖人にはなれない/過ちは癒やされず ただずっとそこにある/時は何も解決せず 傷つけられた魂は/私の前に立ち止まり ただ静かに震えてる」と閉められる、小さな歌。この一節だけを抜き出したところで、何かが伝わるはずもないのだが、胸をぐっと掴まれた。

「かさぶた食う子と無口な原田さん」「奈落」は目を閉じて、しっかりと聴く。針が上がったあとの静けさも音楽のようで、しばらく動けず。今日、聴くべき音楽を聴いてしまった。そんな感覚。午後からなにを聴けばいいのか。

今回の曲とかは、例えばなんかしながら聞かれても面白くないんじゃないかなと思って。聞く人が。せめて一回くらいは、ちゃんと聞く……っていうとアレですけど……ある程度そういう風に向き合って聞いた方が面白いんじゃないかなと思って。(松野泉)

今年も花粉の季節がやってきた。自分はそこまで酷い症状でないけれど、いちどクシャミが出ると止まらない。4発、5発と身体を震わせて、フーフー言っている。ほっとけば鼻水があちこちに飛んでいく。手拭いがないとやってられない。

今日明日は13時開店。これから寒くなって雪が降る……とか、なんとか。

2025/03/01

3/1 店日誌

3月1日、土曜日。大竹聡『酒場とコロナ』に触発されたのか、2020年から2023年頃のいわゆる「コロナ禍」にあった社会、街の雰囲気を思い出している。あのときの何とも言えない空気感は何だったのか。イベントは中止、店は時短営業になり、持続化給付金に個人事業主がザワつき出す。その他、実態の知れない助成金、無利子無担保の融資などなど金の話が横行していた(今になって、その頃の詐取行為がつつかれ始めた……)。

業態を問わず、店の存在自体が揺すぶられた。営業しないほうが儲けられる。日々の売上以上の金額がドバッと口座に入金される。嘘みたいな話がたくさん耳にはいった。こりゃ危ないぞ……背筋を冷やすあの感じ。後にも先にも未体験の状況だった。

緊急事態宣言が発令された東京はゴーストタウン化し、とはいえそれは「自粛要請」というなんとも歯痒い政府からのお達しにより、人々一人一人にこの未曾有の事態への対処が「委ねられ」ました。それは経済力格差、職業格差を露わにし、そもそも治療法のまだない厄介なウィルスへの恐怖心と相まって、人々を疑心暗鬼に陥れています。(田口史人)

思い立って、2020年4月に制作された『四月の音楽 〜三ツ沢、高円寺、伊那谷、円盤、黒猫』を聴いてみる。曲順を身体が覚えている。テニスコーツ「さべつとキャベツ」の冷たい耳障り、佐藤幸雄とわたしたち「五年」の温度は今もって冷めてない。大谷氏「弱いプロレスラー」の特別さ! やっぱり、このコンピはめちゃくちゃいい。

今日明日、明後日は13時開店! 色々入荷してるので、ぜひご来店を。