8月20日、木曜日。先日の「軽妙百賀店」から毎朝、ジョセフ・スペンス『グローリー』を聴いている。簡素なカセットテープ再生機にぴったりの音で、スペンスのペナペナしたギターの音、ほがらかな歌、周囲にいる人たちとのおしゃべりが臨場感たっぷりに再現される。カラッと乾いていて、暗さは皆無。曲間でもガハガハ笑うし、ジャケット写真も笑顔だから、この人は天性の楽天家だろう。そう早合点して、居間で寝転んで聴いていた。
────でも、待てよ。バハマはどんな国で、どういった歴史があるのだろう? キューバ、ジャマイカあたりに浮かぶ島で、おおむね気楽な国民性なんて、テキトーな印象で片づけてちゃいかん。思い立って、ノンサッチ民族音楽シリーズ『バハマ音楽の真髄 第1集』のライナーノーツを読んでみる。書き手は、中村とうよう。
西インド諸島の中で、バハマ諸島はつねにもっとも貧しい島々だった。なにしろ農耕に適しないので、ほかの島々が砂糖景気に沸き立ったときもこの島々だけは取り残されていた。うまい金もうけと言えば、海賊の基地とか、米国の禁酒法時代には密造酒の製造とか、そんないかがわしい仕事しかなかった。
ほら、やっぱり! なんて得心するのは筋違いなのだけど、島国の明るさってだけで納得してちゃいけない歴史があるわけだ。でも、大国からの収奪、奴隷制といった事象を通してのみ、ジョセフ・スペンスとバハマについて理解してちゃいけない。キリスト教への深い信仰とアメリカ大陸との距離を鑑みないと、大きく誤ることになる。
頼りになるのは、中村とうよう『大衆音楽の真実』。本書の索引は比類なき充実ぶりで、双方向から調べられる……のだが、なんと! バハマもジョセフ・スペンスも見つけられず。こうなったら、実地調査。レコードやカセット、CDを集めていくしかないってことだ。
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ながながと書いてしまったけど、気楽にジョセフ・スペンスやリトル・フィートなど聴きながら、通常営業です(4日ぶり!)。古本と音源、もしかしたら新刊にも入荷があるので、お暇があればお出かけください。
ではでは、開店! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を〜!
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