2025/01/03

前田浩彦が2024年を振り返る

「第8回あわぶっく市(2024/11/10)」撮影=andH&M

千葉県最南端の南房総市に住んでいる前田浩彦と申します。ピープルの通販利用者のひとりです。今回このような機会をいただき、恐縮しております。南房総市は房総半島の先端で、周囲は海に囲まれ、内陸部では田んぼや畑ばかりの、のんびりとした地方都市です。そんなレイドバックした田舎モンが、今年を振り返ってみました。

「1,188冊」
田舎ゆえに本屋も少なく、だったら本と出会う場を作ろうということで、毎年秋に「あわぶっく市」というブックマーケットを、市内の道の駅・ローズマリー公園で企画しています。8回目の今年は30店の本屋とフード9店が出店、例年以上の来場者で開催できました。当日は朝から雲でどんよりとしたはっきりしない天気。途中雨に降られて屋外にいた出店者を屋内に移すなどハプニングもありましが、逆に悪天候ゆえ来場者が雨宿りをかねてじっくり本を見て選んだようで、1日で総数1,188冊の本が旅立っていきました。

「ヘイヘイホー」
隣の鴨川市にある「カフェ・カルトーラ」というお店で、仲間と「夜の音楽鑑賞会」という集まりを隔月で開催しています。毎回お題を決めて、参加者がそれぞれ2曲を選曲し皆で聴くという会です。年齢層も30代~70代、ジャンルもバラバラなので、毎回聴かず嫌いだった音楽との出会いがあります。今年は「1」、「魚」、「祭り」、「地名」、「人名」というお題でした。なかでも再発見したのが北島三郎の「与作」(「人名」の回)。爆音で聴く「与作」は、エコーのかけ方やカウベルのクワ~ンという飛び道具な音の使い方など、ダブの名盤BLACK UHURUの『The Dub Factor』に通じる気持ちよさがありました。音質も、さすが昭和歌謡曲のプロダクションで、声、楽器の全てが粒立ちしていてゴージャスな1曲です。

「100回目」
9年前から毎月「非資本主義の可能性をさぐる」というテーマで読書会をしています。課題本を事前に読んで感想を述べあう会です。今年は『言語の本質』(著=今井むつみ・秋田喜美)、『整体読本 ある』(聞き手:鶴崎いづみ・話し手:川崎智子)、『怯えの時代』(著=内山節)他を読み、11月で100回目となりました。100回もやって、非資本主義の可能性がさぐれたのかぁ? なんではありますが、人が直にあってウダウダと話すこと、この非効率さこそがコスパ重視とは対極な非資本主義的であると確信しています。

「ファンク ! ダブ!! パンク!!!」
最後に今年印象に残ったライヴを。

<ファンク!> 8月、横浜寿町フリーコンサートのTEIYU CONNECTIONS。
寿町の職安前広場もきれいになり、あの街独特の「ムッとした」匂いがなくなっていてびっくり。少し寂しかったですが、缶ビールを片手にあの場所で聴くJAGATARA・江戸アケミの詞はやはり格別。特にノブ(ジャングルズ)のヴォーカルが詞を際立たせていて、ズシっときました。名曲「タンゴ」を聴きながら、ドヤ街のビルの隙間から見る夏の青空が最高でした。

<ダブ!!> 9月、渋谷O-EASTのクリエイション・レベル。
E・シャーウッドのダブミックスも凄かった(低音で鼻がゆれて、かゆくなった)ですが、ドラマーが芸達者で、スネアのふちで刻むリズムが最高。レゲエの奥深さをあらためて知ったライヴでした。友部正人の「銀座線を探して」ではないですが、降り立った渋谷駅の変貌ぶりに唖然…。あの構造は、人を迷わせるために作られた嫌がらせとしか思えないです。

「松本佳奈ホールコンサート(2024/12/1)」撮影=なぼ作

<パンク!!!> 12月、かずさアカデミアホールの松本佳奈。
松本佳奈は木更津を中心に活動するシンガーソングライターです。ピアノの弾き語りを主に、カフェやライヴハウスでライヴを行なっている彼女。今回は地域最大級の700名キャパの会場で、ソロコンサートに挑戦。そのチャレンジ精神と大きな会場を揺らした歌に、「自己規制するな、まずはDiY」のパンク・スピリットを感じました。

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