2025/02/07

2/7 店日誌

“明治という時代は、今日ほどには整備されていなかった。そのために、こまごました抜け道や袋小路や、忘れられた空地や、雑草の原の古井戸などが、そのままになっていて、こんな人たちが、どこかの片すみで生きていられた時代でもあった。”(金子光晴)

2月7日、金曜日。坪内祐三『シブい本』を読んでいて見つけた、金子光晴の『絶望の精神史』からの孫引きなのだが、ここで書かれる昭和から見る明治はそのまま令和から見る平成、平成から見る昭和と置き換えられる。それどころか「こまごました抜け道」「忘れられた空地」なんかは今や絶滅寸前だ(少なくともつくば市天久保周辺にあっては)。今後も意味を見出されず、減っていく一方だと思われる。街から空白が無くなっていく……。

と言って暗くなるわけでもなく、見方や速度を変えれば、抜け道はまだ残ってるし、見つけられる。車で通りすぎるだけだった道を歩いてみれば、発見がある。いいものとは限らなくても「あれ?」と不思議に感じることはあるはずだ。1時間歩くだけでも、小さな冒険。身体がつかれる位がちょうどいい。

店にちょこちょこ顔を出すマスヤマくんが関わる『音楽星人』創刊号が再入荷。好きなものを好き! ということ、やみくもなエネルギーを放出するって大事だし、共感もできる。整理されないまま表示される意思、主張をつづけてくれたらいい(って書くのも偉そうだナ)。

今日は15時、明日明後日と明々後日は13時開店。11日(火)〜14日(金)は連休です

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