2016/07/16

『街から』


“われわれのような権力から遠い者は、一人ひとり無力かもしれない。しかし野球にたとえれば、せめて良き外野席の客になることはできるだろう。歴史をしっかり見よう。世の中には少数派ではあるが、常に弱者への視点を失わないで闘っている勇気の人がいる。彼らを孤独にさせてはならない。外野席からでも拍手を送ろう。『街から』のようなミニコミ誌ならそれができるはずだ。”
-マルセ太郎(『本間健彦インタビュー集『人間屋の話』より)

画家、詩人であり脳味噌製造所・成田商店の主人である成田ヒロシさんが店に来てくれた。
3年ほど前に一度だけお会いしたことのある成田さん。年はずっと離れているけれど、きっと感じていることはかなり近い。相当におこがましい言い方になるけれど、ボクにとっては同志である。そんな方から手渡されたのが、『街から』だ。“インディペンデント・リトルマガジン”と謳う気骨あるミニコミ誌。その誌面には、いま、これだけは言っておかなくては! という強い意志から発せられる言葉ばかりが印字されている。ここで声を発しているのは大先輩ばかり。でも、成田さんと同じようなハートを持ったひとばかりなのだろう。インターネット(やっかいな網目だ!)での監視下では言いづらいことも綴られている。はっきりと偏っている。でも、それだから面白い。そもそも、ボクは血が通っていない言葉に興味はないのだ。

上に引いたマルセ太郎氏による言葉の最後の部分「『街から』のようなミニコミ誌なら」を「PEOPLE BOOKSTOREのような小さな店なら」と言い換えてしまえば、そのまま自分の気持ちを表現できる。長いものに巻かれるな。大きな声には気をつけろ。店をはじめるずっと前から、そう思っている。だから、ボクはこの小さな自立メディア『街から』を応援しないわけにはいかないのだ。この冊子が気になった方は是非、定期購読の申し込みをしてほしい。

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