2016/02/02

『一五〇〇〇〇〇〇〇』


“出版所のみなさん! 
もしもあなた方が、この本は
あなた方の見地からすれば理解不可能であり、
出版の価値なしと判断するなら、
原稿を返していただきたい。”

-マヤコフスキー

7冊目のマヤコフスキー叢書『一五〇〇〇〇〇〇〇』が入荷しました。
このシリーズが入荷する度に書いている気がしますが、今回も格好良い風体です。内容ともリンクした革命の雰囲気をたたえるデザインがお見事。前作『ミステリヤ・ブッフ』に次ぐ大作とされる本書を開けば、「インスピレーションの車輪」を高速で回したような言葉の嵐に引きずり込まれます。マヤコフスキーの熱量にあてられたのなら、訳者、小笠原豊樹氏による“訳者のメモ”を読んでみてください。常人とは言い難い才能、行動力を持つ作者の実像を感じることができるはずです。

販売価格は1028円(税込)。そろそろ、マヤコフスキーに気触れる若者が出てきてくれてもいいんじゃないかと思ってみたり。

***

“このたぐいの作品は十に一つも出版すればよいので、それも図書館と変人どものために最高一五〇〇部で沢山だ。”
―レーニン(革命家)


“障害と取り組んでいるのは革命ではなく、言葉の競技場で力技を演じるマヤコフスキーであって、時としては真の奇蹟をやってのけるが、しばしば英雄的な努力でもってひどく空虚なものを持ちあげる……。”
―トロツキー(革命家)


1920年冬、27歳の詩人は革命後二つ目の大作を書き上げる。ロシアの総人口数を表題とし、人々すべてが作者であるかのように詩人は印税を放棄し無署名での出版を企てるも、あろうことか《わるい雑誌を出す筈がない、国立出版所が》と後にうたうことになる政府出版局のサボタージュにあい、3通の抗議の手紙のやりとりの後、ようやく初版5000部が世に出る。アメリカはウィルソン、ロシアはイワン。両大国の間で戦われる20世紀のトロイ戦争を描く。

http://www.doyosha.com/31-%E4%B8%80%E4%BA%94%E3%80%87%E3%80%87%E3%80%87%E3%80%87%E3%80%87%E3%80%87%E3%80%87/

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