画:河合浩
“ビートルズほどあらゆる国であらゆる時代にレコードが出続けたアーティストはいないと思います。同じアルバムでも、国ごとに時代ごとに音は驚くほどに変わります。それを聞き比べることで、レコードとは何か、盤のこと、オーディオのことも分かります。そして何より、ビートルズ・メンバー、スタッフたちが作った最初の英国盤はあまりにその他のレコードと音が違うのが聞きどころ。海を越え、時代を越えてさまざまな解釈をされ、ビートルズは牙を抜かれ、オリジナルとは似つかないものになってしまったのです。”
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画:河合浩
“ビートルズほどあらゆる国であらゆる時代にレコードが出続けたアーティストはいないと思います。同じアルバムでも、国ごとに時代ごとに音は驚くほどに変わります。それを聞き比べることで、レコードとは何か、盤のこと、オーディオのことも分かります。そして何より、ビートルズ・メンバー、スタッフたちが作った最初の英国盤はあまりにその他のレコードと音が違うのが聞きどころ。海を越え、時代を越えてさまざまな解釈をされ、ビートルズは牙を抜かれ、オリジナルとは似つかないものになってしまったのです。”
小沢昭一:仲間のやっている仕事から刺激を得て、それを自分の中でバーッとエネルギーに変えていくという、そういう感じでしたね。とくに、批評眼は鋭い人でしたね。
小林信彦:見巧者(みごうしゃ)ですね。それに、人の話をとてもよく聞く人でした。
(対談「渥美清と僕たち 小沢昭一/小林信彦」)
11月17日、金曜日。小林信彦が渥美清を指していう、“見巧者”という言葉につよく惹かれる。この場合は芝居、映画の場が中心になるわけだけど、いま、自分たちはもっともっと見る眼を養わなければいけないだろう。一足飛びに作り手(売り手)になろうとせずに、よく見る。たくさんのものに触れる。考える。なぜ、これが良くて、こっちはそうでもないのか。時間をかけて思いを巡らせる。そうするうちに、自分が好きなものがだんだん判ってくる。
ずっとずっと、しつこく考えても消えない違和感。これを解消しようせず、曖昧なままでも、抱えながら生きていく。当然、負荷はかかるが、ながく考えるための絶好のネタでもある。俺は今後もやさしく滑らかな見識には辿り着けそうもない。
今日は15時、明日明後日は13時開店。週明け20(月)と21日(火)は連休です。
それは脱落ではなかった。退行した、遅れているばかりと思っていた子供たちは、誰よりも自分らしい独特のスピードで人生を生きているのだった。
長生きも繁昌しているし、交通事故も繁昌だし、旅行も繁昌、海も繁昌、山も繁昌、弱いものいじめも繁昌、色事も繁昌(…)、宗教も繁昌、右も繁昌、左も繁昌、こうなると家にすっこんでおるより仕方がない。繁昌しとらんのは家の中だけだ。(「竹林に藁屋あり」)
11月16日、木曜日。週はじめに新刊書店で買ってきた富士正晴/荻原魚雷(編)『不参加ぐらし』に夢中である。手に取ってすぐ上記した短文にぶつかって、ワオ富士正晴、サイコー! とぐいぐい読んでいる。身近で置き換えれば、筑波山の繁昌っぷりがすごい。この時期、駅から山に向かうバスはギュウギュウ、すし詰め。山頂付近も商売用のスポットが増えているらしい。そんな状況を見聞きするほど、行きたくなくなる。
絵や写真の題材に、山を選ぶ人が増えている。文句を付ける立場でないのは分かっているが、ちょっと多過ぎじゃないだろうか。あちこちで山、山、山。コーヒーと本との相性もいい。なんなら音楽的ですらある。こう考えると、山はすごいな。実際、山の本は魅力的だ。独特の静けさがあって、詩的でもあり、哲学を語れなくもない。うーん、すごい。
話をもどして、不参加ぐらし。現代にあってこの表題がはらむ意味を考えると、面白い。誰でも参加、誰でも焼き菓子、珈琲焙煎、誰でも本屋(俺もだ)。なんでもかんでも参加するのが良しとする風潮を素直に受容できない自分は意地が悪いのか。
今日も書籍に入荷あり! お暇があれば、ご来店を。
※ちなみに、この本『不参加ぐらし』は当店では売っていません。近隣にある新刊書店でお求めを。中公文庫の新刊コーナーを見れば、置いてあるのがみつかるはず。
天久保一丁目の印刷工房〈えんすい舎〉謹製、「ピープルブックストア日報」(8/10〜31)が出来ました! ブログに書いている日誌を基にして全体をデザイン、レイアウト。毎号、味のあるイラストまで担当してくれているのは坂尾裕幸くん(今号はロゴ多め? ……理由は謎ですw)。
内容を詰めすぎて読みづらくなってしまった前号の反省を踏まえて、今号は要素は少なく、だいぶスッキリ。だいぶ読みやすくなったと思います。
店頭購入はもちろん、メール通販、オンライン・ストア〈平凡〉ご利用の方にもお付けします!
11月15日、水曜日。蔵書票のコレクション展を見にいったついでに本を数冊選んで、値段を聞く。合計〜円と教えてもらって、そのまま買う。ふと思い立って、このお店はいつからですか? と聞くと、万博の前かな。ここにあった新刊本屋のあとを引き継いで、名前もそのまま、什器もそのままなんですよ。そう聞いて「え〜」と驚く。つくば以前の東京での変遷も話してくれて、また驚いた。昨日の〈ブックセンター・キャンパス〉での話である。
開発が進む一方のつくば市。古い建物は壊されて、現実味のない家、マンションなんかが増えていく。他所から持ってきたアイデアだけで作られた店、催事が目に入ると虚しくなる。金が動けばそれでいいのか。そう突っ込んでみても「それでいい」と応えられたら、俺はどう返すのだろう。
店にものが増えて、あたふたとSNSを使って告知をする。気分をうまく反映できればいいのだけど、それもなかなか難しい。じたばた。むがむが。言葉にならない煩悶をかかえる日々。
今日明日、明後日は15時開店。来週21日(火)は休みます。