2023/02/04

『エコロジカル・プラントロン』(CD/LP)


「植物からみた生きものたちのインターフェイス」。植物の視点から我々の身体を包み込む生態系の連鎖を音によって体感させるインスタレーション、『エコロジカル・プラントロン』(1994年)を再検証復刻。

銅金裕司/藤枝守『エコロジカル・プラントロン』が届きました。
植物学者の銅金裕司が1987年から研究開発した装置・プラントロンは「植物が話し、植物から話しかけてくる」ような効果を目的にしてつくられたもの。公式解説によれば「植物から電位変化を取り出して人間の知覚できる音や映像にかえるこの装置は、ソフト面でもハード面でもかつて遭遇したことのない世界を提出する」。本作は作曲家・藤枝守のサポートで構築したインスタレーションを記録している。

販売価格は3520円(2CD)、2860円(LP)。ともに税込価格。

『天使と昆虫』(CD)


デヴィッド・ダンのCDデビュー作『天使と昆虫』(1992)は、超自然的な天界の天使の名前と、自然界の水中に棲む昆虫という、二つの極端な世界とのコミュニケーションに焦点を当てた驚くべき包括的なアルバムである。

デヴィッド・ダン『天使と昆虫』(CD)が届きました。
本作の作曲・制作・録音を手がけたデヴィッド・ダンはポスト・ジョン・ケージ世代のアメリカの作曲家/サウンド・アーティストで音響生態学、生物音響学の第一人者とのこと(ほぼ公式解説のまま)。ともに1991年制作の「49の善き天使の表」(28分28秒)、「混沌と池の創発的な精神」(24分31秒)の2作を収録。

販売価格は2970円(税込)。デヴィッド自身による解説を収めた24ページのブックレット付き。

2/4 店日誌

この本はエッセイであるが、文学である。その一点がわからなくては、色川武大は浮かばれない。−小林信彦(「命をかけたサブ・カルチャーエッセイ」より)

2月4日、土曜日。ちょっと前に読み終えた、小林信彦『日本人は笑わない』所収「命をかけたサブ・カルチャーエッセイ」内での一節に触れて、色川武大『唄えば天国 ジャズソング』を手に取った。昨年末に買ったまま、読むきっかけがなかった本。読み始めたら止まらず、夜になる頃に読み終えた(その文庫巻末の解説として、小林信彦のテキストが収録されている)。

私にとって愛しい曲というのは、普段着で居る、というか、その普段着が一張羅で、着たきり雀でいるような曲だ。野に咲く花なのだけれど、やっぱり独特のいいものを持っていて、普段着でもなんだか目立ってしまうような。(「コケット」)

上記のような感慨をはじめ「ジャズメンはいい。楽器を持ってきて騒いで送れるから。小説書きの葬式に、同業が集まっても、沈痛なるだけでなんにもできない」(「アム・アイ・ブルー?」)なんて呟きが、とてもいい。その後、店の棚から手に取ったのは、田村隆一『半七捕物帳を歩く ぼくの東京遊覧』。ページを開くと、いきなり永井荷風の言葉が引かれていて、驚く。

家に帰って読み始めたのは、森まゆみ『千駄木の漱石』。小林信彦『うらなり』から流れていくのに、ちょうど良い。読むべき本はひとつひとつ繋がっている。てなわけで、ここ数日の読書メモとして記しておく。

今日明日は13時開店! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2023/02/03

2/3 店日誌

2月3日、金曜日。数ヶ月ぶりに店に来た、同世代の建築士・Sさんが本をしっかり買っていく。数少ない、言葉がしっかり伝わる人。話ができて嬉しい。小林信彦『コラムは誘う』を終えて、同著者の『うらなり』を棚から取り出し読み始める。夏目漱石の名作『坊っちゃん』を、脇役のうらなりを主役に据えて書き直した、創作小説。あっという間に引き込まれて、一気読み。

かなり前に読んだ『坊っちゃん』は古典らしからぬ、軽い手触り。そんな印象だけが残っていた話が地味な男、古賀の眼線で語られると、かつての主人公、坊ちゃんこと五分刈りの異物感が際立つ。これは、年末に観た映画『SLUM DUNK』と同じ作用だと気が付いたのは、本編読後の「創作ノート」を読んでいるとき。文学って面白い。

今日は15時、明日明後日は13時開店。お暇なときにご来店あれ。

2023/02/02

2/2 店日誌

2月2日、木曜日。外気はやや暖かめでも、店にいると、どうにも寒い。とくに足先が冷えてじっとしていられない。昨日はレジ周辺とストーブの前を行ったり来たり、佐田稲子『私の東京地図』はやっぱり読み出せず、店にあった小林信彦『コラムは誘う』を手に取る。ぐいぐい読むうち、外は暗くなる。気がつけば、序盤に来てくれた大学生Uさん以降、誰も来てない。これは大丈夫か。

と、まあ後半は諦め調子で本を読んでいたら、まず友人の太郎くん。その後に若い男女。馴染みの大学院生。急に、来客が増えて落ち着かないが、太郎くんと話し続けて誤魔化した。結果3組中2組が購入。ギリギリ・セーフ。ここ最近また、薄氷を踏むような展開が続いている。

(会計時に太郎くんから、目黒考二さんの訃報を伝えられ、動揺する。月曜日には渡辺京二さんが逝去されたと知り、驚いたのだった……。)

オンライン・ストア〈平凡〉が面白くなってきた。気が向いたら覗いてほしい。

2023/02/01

『ロックのしっぽを引きずって』

“私はこの、ひとりごとで形成された本を、銃とギムレットが出てこないハードボイルド小説として読んだ。”−安田謙一(ロック漫筆)

いしあいひでひこ『ロックのしっぽを引きずって』が届きました。
2021年8月刊行『トラべシア』vol.6で特集された、埼玉県在住の一般人・いしあいひでひこ、初の単著は上記の安田謙一氏のコメントにある通り、ひとりごと。いしあい氏の音楽的述懐で構成された全4章に植村正美の巻末特別寄稿「イメージの本」を加えた90ページ超。先入観なく紐解けば、語りに引き込まれていくはず。

公式解説を引用すれば「1970 年代からのロッキング・オン誌読者であった著者が、ポピュラー音楽にまつわる半世紀弱の記憶と体験を、古き良き「ロック文芸」のスタイルで綴る体験的長篇エッセイ」。

販売価格は1100円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

2/1 店日誌

2月1日、水曜日。開店してしばらく来店なし。友人とほぼ同時に来た人はレコードをバサバサと触って、スマートフォンで相場を検索して帰っていく。その後、学生さんらしき方が立ち読み。先に来た友人が自転車の整備をするなか、みんな、静かに店を出ていく。気がつけば、ひとり。小林信彦『日本人は笑わない』を耽読する。最長常連Oくんが来て、閉店。長いようで短かった1月が終わった。

昨日紹介したフリーマガジン『dee’s magazine』vol.7をはじめ、リトルマガジンに入荷あり。品切れている『つくば集』第二号も近日中に再入荷予定。

今日明日、明後日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。