2023/02/04
『エコロジカル・プラントロン』(CD/LP)
『天使と昆虫』(CD)
2/4 店日誌
この本はエッセイであるが、文学である。その一点がわからなくては、色川武大は浮かばれない。−小林信彦(「命をかけたサブ・カルチャーエッセイ」より)
2月4日、土曜日。ちょっと前に読み終えた、小林信彦『日本人は笑わない』所収「命をかけたサブ・カルチャーエッセイ」内での一節に触れて、色川武大『唄えば天国 ジャズソング』を手に取った。昨年末に買ったまま、読むきっかけがなかった本。読み始めたら止まらず、夜になる頃に読み終えた(その文庫巻末の解説として、小林信彦のテキストが収録されている)。
私にとって愛しい曲というのは、普段着で居る、というか、その普段着が一張羅で、着たきり雀でいるような曲だ。野に咲く花なのだけれど、やっぱり独特のいいものを持っていて、普段着でもなんだか目立ってしまうような。(「コケット」)
上記のような感慨をはじめ「ジャズメンはいい。楽器を持ってきて騒いで送れるから。小説書きの葬式に、同業が集まっても、沈痛なるだけでなんにもできない」(「アム・アイ・ブルー?」)なんて呟きが、とてもいい。その後、店の棚から手に取ったのは、田村隆一『半七捕物帳を歩く ぼくの東京遊覧』。ページを開くと、いきなり永井荷風の言葉が引かれていて、驚く。
家に帰って読み始めたのは、森まゆみ『千駄木の漱石』。小林信彦『うらなり』から流れていくのに、ちょうど良い。読むべき本はひとつひとつ繋がっている。てなわけで、ここ数日の読書メモとして記しておく。
今日明日は13時開店! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。
2023/02/03
2/3 店日誌
2月3日、金曜日。数ヶ月ぶりに店に来た、同世代の建築士・Sさんが本をしっかり買っていく。数少ない、言葉がしっかり伝わる人。話ができて嬉しい。小林信彦『コラムは誘う』を終えて、同著者の『うらなり』を棚から取り出し読み始める。夏目漱石の名作『坊っちゃん』を、脇役のうらなりを主役に据えて書き直した、創作小説。あっという間に引き込まれて、一気読み。
かなり前に読んだ『坊っちゃん』は古典らしからぬ、軽い手触り。そんな印象だけが残っていた話が地味な男、古賀の眼線で語られると、かつての主人公、坊ちゃんこと五分刈りの異物感が際立つ。これは、年末に観た映画『SLUM DUNK』と同じ作用だと気が付いたのは、本編読後の「創作ノート」を読んでいるとき。文学って面白い。
今日は15時、明日明後日は13時開店。お暇なときにご来店あれ。
2023/02/02
2/2 店日誌
2月2日、木曜日。外気はやや暖かめでも、店にいると、どうにも寒い。とくに足先が冷えてじっとしていられない。昨日はレジ周辺とストーブの前を行ったり来たり、佐田稲子『私の東京地図』はやっぱり読み出せず、店にあった小林信彦『コラムは誘う』を手に取る。ぐいぐい読むうち、外は暗くなる。気がつけば、序盤に来てくれた大学生Uさん以降、誰も来てない。これは大丈夫か。
と、まあ後半は諦め調子で本を読んでいたら、まず友人の太郎くん。その後に若い男女。馴染みの大学院生。急に、来客が増えて落ち着かないが、太郎くんと話し続けて誤魔化した。結果3組中2組が購入。ギリギリ・セーフ。ここ最近また、薄氷を踏むような展開が続いている。
(会計時に太郎くんから、目黒考二さんの訃報を伝えられ、動揺する。月曜日には渡辺京二さんが逝去されたと知り、驚いたのだった……。)
オンライン・ストア〈平凡〉が面白くなってきた。気が向いたら覗いてほしい。
2023/02/01
『ロックのしっぽを引きずって』
“私はこの、ひとりごとで形成された本を、銃とギムレットが出てこないハードボイルド小説として読んだ。”−安田謙一(ロック漫筆)
2/1 店日誌
2月1日、水曜日。開店してしばらく来店なし。友人とほぼ同時に来た人はレコードをバサバサと触って、スマートフォンで相場を検索して帰っていく。その後、学生さんらしき方が立ち読み。先に来た友人が自転車の整備をするなか、みんな、静かに店を出ていく。気がつけば、ひとり。小林信彦『日本人は笑わない』を耽読する。最長常連Oくんが来て、閉店。長いようで短かった1月が終わった。
昨日紹介したフリーマガジン『dee’s magazine』vol.7をはじめ、リトルマガジンに入荷あり。品切れている『つくば集』第二号も近日中に再入荷予定。
今日明日、明後日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。