2024/03/31

鹿児島出張記②

3月30日。目がさめて、外から聞こえるのはカエルの声。鳥の鳴き声。大きな窓からのぞめるのは田んぼ、山、大きな空。となりの部屋のラジオから坂本龍一の「エナジーフロウ」が流れてくる。自家焙煎のコーヒーをいただきながら泰尊くんの話を聞く。先ごろ終わった四国、中国地方へのツアー(いわゆる唄旅)で出会った人、知った店のこと。ライブでの手ごたえ、ときにある失敗など、温度のある声で話してくれる。いいねえ。そうだねえ。と相槌を打つうち時間が経っていく(この間に、上荒磯家の末っ子ささちゃんが、ダニー・ササウェイに変身した!)。ゆっくり準備をして、鹿児島市内に向けて出発! いや待て、まずは朝イチで温泉だ! 昨日とおなじ湯元の〈ゆわく温泉〉の入湯料は120円。湯温は高い。つよい硫黄泉に身体がじーんとしびれる感覚。でも、これが気持ちいい。ながく浸かっていなくても身体がしっかりあたたまる。外に出て風にあたると、ああ最高。もう充分だ。やっぱり、鹿児島まで来てよかった。

小1時間、車を走らせ鹿児島市内に入ると、店がたくさん。いわゆるロードサイドの風景になる。路面電車が走るあたりまでくると、小さな店も目に入る。コーヒースタンド〈Common Coffee Stand〉を通りすぎて、少し走って〈食堂湯湯〉に到着。ちょうど外に広島のシンちゃん、中村くんがいて、おお〜! と声を交わす。パーティーのための機材を店内にはこびいれる。ようやく来れた、食堂湯湯。時間は12時ちょっと前、ちょうど腹が減ってきた。看板メニューの汁かけ飯を頼んで、ひと息にたいらげる。ほどよく小さい店内は妙に落ち着く。しばらくしゃべって、それぞれ街に出る。

中村くんに案内されて市電に乗車、ちょっと走って降りたところに〈Common Coffee Stand〉がある。開店2周年とのことで店内で小さなフリーマーケットを開催中。地元の若者たちでにぎわっている。コーヒーを頼んで、フリマを物色。レコードとTシャツを買う。気のいい店主と少し話して、また! と挨拶、店を出て少し歩くと〈OWL〉に着く。まずは1階、つぎに2階と見せてもらって色々と話を聞かせてもらう。じゃあ次、と言って連れていかれたのが〈ELPURP〉。めちゃくちゃカッコいい雰囲気で、流れる音楽もシブい。テカテ、タコスが抜群に美味い。ここはいい店だ。メスカルソーダをもう一杯……と後ろ髪を引かれながらも、また街をゆく。歩いてすぐに名山町。小さな店がたくさんある。古着屋、雑貨店、居酒屋、ラーメン屋、書店などをながめつつ歩く。いい区画に店を出したねえ、と話しながら食堂湯湯に。さあ、今日は本を売るのだ! 本番はこれからなのだ。

段ボール3箱を開封、設営するうちからポツポツと人がくる。一冊、一冊、たしかに売れていく。しずかにしっかり本を買っていく人が来て、小さく話をしてくれる。とてもいいペース。たしかな手ごたえがある。近くのカレー屋で働く方、美術作家の方、近所で古着屋をいとなむ方などが足を運んでくれてジワジワと嬉しい。送り過ぎたかもと思った本が、みるみる減っていく。その後も来店が途切れず、あっという間に閉店の19時。片付けをしながら湯湯で買い物、会計を済ませて、おだやかに作業を終える。今日、明日と泊まる部屋にチェックイン、荷物を置いて街にくり出す。天文館まで歩くと、さすがの賑わい。居酒屋〈分家 無邪気〉に入って、いったん別れたシンちゃんと合流。OWL店主の馬場さんも来てくれる。しっぽりと飲み、話して、もう一軒。大人っぽく落ち着いた〈NEJI〉で一杯。馬場さんの話、面白かったなあ。

中村くんに湯湯まで送ってもらって、また明日。部屋に戻ってすぐに寝る。

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