2022/05/14

『理解フノー』

政治に限らない、「世のためひとのため」を笠に、何かの中心に立ちたい、注目されたい、自分の名や生きた証を残したいなんていう野心は、ろくでもないことを残す。(「クサイ話」)

遠藤哲夫(著)/田口順二(絵)『理解フノー』が届きました。
エンテツこと遠藤哲夫、2016年発表のエッセイ集。清浄と清潔の違いをするどく考察する「ウマソ〜」で幕を開け、新宿駅西口〈つるかめ食堂〉や中野〈やどやゲストハウス〉にまつわる話(後者の「ダンゴムシ論」最高!)。転々としてきた仕事、家庭。幼少期の記憶から、老いていく自分や肉親、友人たち。それらを淡々と、されど力強い筆致で綴っていく。独特の重力をもった本。

販売価格は1320円(税込)。関連本、田口史人『あんころごはん』もおすすめです。

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