2015/11/30

『北野ファンクラブ』




開店当初からうちの店の本棚に鎮座している『ビートたけし写真集』(ジュノン別冊であることに驚くなかれ)。
ほとんどの人が興味をしめしてくれないまま過ぎた時間は2年半じゃおさまらない。自分でも手に取ることは少なかったから、それは仕方がないのだけれど。

そんな本をこのタイミングで取り上げるのは、ここ最近、動画サイトで『北野ファンクラブ』のアーカイブを懸命に掘りさげているからだ。wikipediaによると、この番組はフジテレビの深夜枠で1991年2月13日から1996年3月22日まで放送されていたらしい。それは、ちょうど自分の幼少期にあたる時期だから、何の疑いももたずテレビを眺めていた頃である。とは言え、早寝早起きが生来の性質であるが故、この番組への思い入れはまったくない。夜中につけてしまったテレビのなかで「ビートたけしが変な話をしていた」という印象が「子どもは見ちゃいけない」という警戒心にすり替えられ、そのまま自主規制の対象としたからだろう。

それが、だ。数日前にとあるきっかけで再生した『北野ファンクラブ』にボクは完全にまいってしまった。
ビートたけしと高田文夫のやり取り、カメラには写らないスタッフの笑い声、確たる理由もなく後ろに立っているハイレグ姿の女性たち、チョークアートの元祖のような黒板に書かれたメッセージ・・・ボクは、そのすべての虜になったのだ。店が暇なら営業中に。もしくは閉店後の一人の時間に。ノート・パソコンを開いて動画を貪るのが何よりも楽しい。悪友たちとの酒宴の場でも、自分がビートたけし役か高田文夫役かを演じているような気分になっている。「えっくすびでお」や「えふしーつー」より、今は「北野ファンクラブ」だ。とにかく全部が面白いので、ゆっくり楽しんでほしいのだけれど、ぱっと選んだ3本を貼付けて、この長々しい話を締めることにする。





2015/11/29

踏み台がやってきた


PEOPLE BOOKSTOREに踏み台がやってきた。
この上に立ってもらえば、これまで見づらかった最上段の本棚にも簡単に手が届く。座れば本を読むのにちょうどいい高さである。「こういうのがあったらいいなあ」と夢想していたものが実際に店にある。それがとても嬉しい。是非、ご来店くださるみなさんにもこの踏み台を活かしてほしい。立ったり座ったり、枕にしたり。使い方は自由だから。

これをつくったのは「家具kotoo」という屋号で家具製作をしている高木克幸くん。はじめて会ったのは彼が二十歳そこそこの頃だったと記憶しているので、ずいぶんと長い知り合いになる。だけれど、家具や木工、古道具なんかにとんと興味を持たない自分であるから彼に仕事を発注できるとは考えてこなかった。だからこそ、今このやり取りが出来て本当に嬉しい。いつの間にか本屋になっていた自分が、粘り強く修業をつづけて家具職人になった高木くんにつくってもらった踏み台だ。どうにかして、長い時間をかけて踏みつづけてやろうと思っている。

※補足※
高木くんは、「antiques tamiser」のオリジナル・スツール“無名の椅子  復刻シリーズ1”の制作を手がけています。
もし興味を持ったのなら、この椅子が生まれるきっかけになった経緯が綴られている、吉田昌太郎さんのブログを読んでほしいです。そう、彼(高木くん)は本当に夢中なんですよ(笑)。本人に会ったら、高木くんがいかにこの踏み台を愛しているかの話を聞いてやってください。

2015/11/28

『winter』




「HeHe press」から写真集が届きました。
仙台出身の写真家、藤田はるかさんの『winter』。雪のような真っ白なカバーに包まれています。
白、黒、青。言葉には出来ないもっとたくさんの色、しずかな時間がここにあります。口をつぐんで、ひとりきりで味わいたい作品です。
実物は上に貼付けた写真よりもずっとずっとうつくしい。この端正なたたずまいにボクはひと目で惚れました。

「主張ばかりの喧噪であふれた世界から逃げ出て、閉ざされた世界の広がりを感じる」とは、藤田さん自身のあとがきから。
ひとりの写真家がそっと切り抜いた冬の世界をご堪能ください。販売価格は4536円(税込)です。

***

喧騒のなかで忘れ去られた、それぞれの時間。その場所に立てば、冷たい足元の下に固く埋もれる、幾層にも重なり合って眠っている歴史の残骸を感じる。
2013年に故郷・東北を撮影した写真集『いくつもの音のない川』を発表した藤田はるかが、その以前から10余年もの間、場所を特定せずに、ただ、雪に魅せられ、撮り続けてきた景色。ここは誰のものでもなく、同時に私だけのものでもある、そんな新しい繋がりを呼び起こします。
田中義久のブックデザインにより、まるで雪のなかを迷いながら、すべてに包み込まれるような読書感覚を持つ、真っ白で美しい写真集となりました。
藤田はるか
1972年宮城県仙台市生まれ。1998年、渡英。現在、東京を拠点に活動中。主な展示に、個展「いくつもの音のない川」(2013 年/東京・AL)、東日本大震災のチャリティー・グループ展「sowing seeds」(2013年/ノルウェー、オスロ)、1998 年仙台私立現代美術館での個展など。写真集に『いくつもの音のない川』(2013年/私家版)。
www.fujitaharukaphoto.com/
イベント
写真集『winter』発売記念 百年と冬
藤田はるか『winter』スライドショー と 高橋久美子(ex.チャットモンチー)による「冬」の朗読

2015年12月6日(日)19:00− 20:30
チケット代:1000円
会場/予約・問い合わせ:百年東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10 村田ビル2F/TEL:0422-27-6885)
電話・店頭・メール(HP右上の「お問い合わせ」もしくはmail@100hyakunen.com)
www.100hyakunen.com
写真展
会期:2015 年11月28日(土)− 12月26日(土)
会場:YKG gallery(東京都港区六本木6-6-9 2F)
12:00—19:00 日月火祝休み
オープニング・レセプション:11月28日(土)18:00− 20:00
www.ykggallery.com
発売記念展示
会期:2016 年1月20日(水)− 2月13日(土)
会場:stock books & coffee(宮城県仙台市青葉区一番町1-12-7 中川ビル201/TEL・FAX:022-342-1082)
13:00—19:00 日月火休み
◎オープニング・トークセッション「いま写真集を届けるということ」
1月20日(水)19:00-20:00 (参加無料)
写真家 藤田はるか、出版社・HeHe 中村水絵と、stock店主・吉岡英夫で、写真家、出版社、書店それぞれの視点から「いま写真集を届けるということ」をテーマにトークセッションを開催。参加者(=お客様)からの質問にも答えながら、写真というアートピースを取り巻く全ての立場から、これからの写真やアートについて考えてみたいと思います。
www.stock-web.com

2015/11/27

11月27日の入荷


“本当の話だがディズがバーテンダーに水を一杯頼みに来たとき、ぼくはビールを片手にカウンターによりかかっていた。ぼくの真後ろからぼくの頭をはさむように両腕をのばしてグラスを受け取ると、踊るような足取りで彼は去って行った、いつかぼくが彼のことを書くこと、また彼の編曲の一つにいつかある風変わりな取り巻きの手でぼくの名前がつけられることを知っているかのように。
-ジャック・ケルアック(『ユリイカ』1999年11月号 “至福:ビート・ジェネレーションの起源”より)

11月27日の入荷です。
粒ぞろいの『ユリイカ』や細川護煕元首相の『不東庵日常』、『メディアとしての電話』が面白そうだなと思います。
本日は隣の千年一日珈琲焙煎所で「PWRFL Power Japan Tour 2015」が開催されます。漏れてくる音を聴きながら、本を読めるのっては嬉しいですね。
当店は通常どおりに営業しますので、気軽に遊びにきてください。

※※※あなたの本、買い取ります!※※※
PEOPLE BOOKSTOREでは本の買取を行っています。
ご不要になった本、大切だけれど置き場所がない・・・という蔵書がありましたら、お気軽にお声かけください。
お声がけはメールでも直接ご来店頂いても構いません。預かった本は出来るかぎり早く査定します。

2015/11/26

新装版『荒唐無稽音楽事典』


ようやくお知らせできます。
当店でも人気の「CAT BOYS」の鍵盤担当であり、謎のバンド「井の頭レンジャーズ」の事情に詳しい人として知られる高木壮太氏の奇書『荒唐無稽音楽事典』が入荷しました。なんと本書はこれが第五版。増補改訂、表紙の仕様変更等を経て、いまの形にたどり着いたとのこと。なるほど圧倒的な情報量。それらはほとんど無用の長物なのだけれど、これで笑える人とは友だちになれそうな気もする、不思議な本です。

【マイルス・デイヴィス】Miles Dewey Davis Ⅲ(1926-1991) [人物]
ビル・グラハムがマイルスに出演オファーをしたところ、ダライラマに謁見するより難しかったそうだ。(中略)熱烈に説得したところ、マイルスはひとこと「ファック!」と言い放って奥の部屋に消えた。マネージャーの説明によると「ファック」はマイルス語で「OK」の意味なのだそうだ。(以下略)

上に引いたのは、「マイルス・デイヴィス」の項の一部。ここでボクは大いに笑いました。
こういう笑いのセンスもあって良し。これは、読むと背徳感すら感じる毒書(ナイス・ネーミング!)です。
販売価格は1080円(税込)。クリスマスや年末年始の贈答用にもおすすめします。

2015/11/25

『日本のポータブル・レコード・プレイヤー CATALOG』


“こんな風にポータブル・レコード・プレイヤーに注目するようになったのは、ぺらぺらのソノシートを本格的なステレオ・セットで聞くのがどうもしっくりこないなと感じたことがきっかけでした。これらのレコードは、そもそもポータブル・プレイヤーで聞いていたのではないか。その方が体感的にとてもしっくりくるのです。”
-田口史人 (“みんなこいつで聞いていた!” より』)

“ポータブルで音楽を聴くと、ダブでも第九でもみんな同じになってしまう部分があるじゃない? その中で、差異を比べていこうということになるから、すごく民主的な装置なんだと思う。リー・ペリーでもカラヤンでも、同じ土俵に乗ることになるからね。これで聴くと、特別なものが無くなるっていうか。”
-湯浅学(“日本のポータブル・レコード・プレイヤーは、オーディオではない”より)

高円寺・円盤の店主、田口史人さんの新著『日本のポータブル・レコード・プレイヤー CATALOG』が入荷しました。
これはズバリ、タイトル通りの本。ページを開くと黎明期、全盛期、番外編と3つの括りに分けられたポータブル・プレイヤーが粛々と紹介されています。そこに機種によって分量は異なりますが、田口さんによる最小限のコメントが添えられる構成です。察するにこの本は質を「読む」というよりも、量を「見て」、なにかを感じられるように作られているのだと思います。なので、まずはとにかく手に取って本を開いてみてください。

「この本は、こうした「過去」と「物」との付き合い方をハード(プレイヤー)の面から試みたもので、ソフト(レコード)側からの話を『レコードと暮らし』(夏葉社)という本で書いていますので、合わせて読んでいただけたら幸いです」と、田口さんもあとがきで書いているとおりに『レコードと暮らし』や『三ツ沢通信』と一緒に楽しんでほしいです。本書の販売価格は2700円(税込)。総天然色でお楽しみ頂けます。

2015/11/24

from fire waltz.




先週末の土曜日に挙行した"Live at cox!"は、大きな事故もなく無事に終了致しました。
忙しいであろう連休初日にお運びいただいたお客様、coxの皆様、CINEMA dub MONKSのお二人に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。手や足、知恵を貸してくれた友人たちにも同じ思いです。今後も楽しくやっていきましょう。そして、懲りずに杯を交わしていきましょう。

写真は三好祐介さんのフォト・ブログから拝借しました! カッコ良い写真ばかり!