2019/04/17
「依存」と「独立」
“「自立」というのはほんとうに他の人に頼らずにすむこと、つまり「依存」(ディペンデント)ではなく「独立」(インディペンデント)であることをいうのだろうか。ちょっと考えればわかることだが、他人にまったく依存しないで生きてゆける人は存在しない。一からすべてじぶんですることはだれにもできない。とすれば、「自立」とは、いざとなったらいつでも支えあうことのできる(インターディペント)人的ネットワークをきちんともちえていることをいうのではないのか”
−鷲田清一『パラレルな知性』(晶文社) / p170「私的なもの」をめぐって より
「自立」と「独立」
“多くの人が「自立」と「独立」を混同しているとおもう。
英語の「インディペンデンス(独立)」の「イン」は否定の意味で、「ディペンデンス(依存)」を否定することだ。しかし、人間は年をとれば誰でもインディペンデンスでは生きられなくなる。本当に必要なのは、「インターディペンデンス(支えあい=相互依存)」なのだ。ふだんはお金でそれらのサービスを賄えたとしても、いざというときに、たとえ身内が近くに存在していなくても周囲の誰かと支えあえる、そういうネットワークや仕組みをいつでも使えるようにしてゆくこと。その用意ができていることが「自立」なのである。”
−鷲田清一『パラレルな知性』(晶文社)/p279 右肩下がりの時代に より
2017/09/11
『GARCIA(COMPLIMENTS)』
「なぜパンツが見えるとうれしいのか」。
こんな書き出しのライナーノーツははじめてだ(率直に言えば、ほんの少し不安をおぼえた)。探しに探して、ようやく手にしたジェリー・ガルシアのソロアルバム『GARCIA(COMPLIMENTS)』の国内盤解説、ライナーノーツを執筆したのは湯浅学さん。これがまったく素晴らしい。読んで天晴。脳味噌のしわを伸ばされたような気分になった。
「かねがね私は、グレイトフル・デッドの魅力は、ときに思いがけず出会う女性のパンツに似ている」と説く、湯浅さんのデッド論は一読ならず二読、三読の価値があります。もし、このアルバムをどこかで見つけて、いくつかの盤を選べる状況にあるならば、1989年の日本盤をおすすめします。「それぞれのやり方で気楽にやれば、取りあえずはうまくいく、と。気楽にしていれば思いがけぬ歓びにも多く出会える、と」。湯浅さんがこう言い切るまでの、展開がボクは好きです。
この音源に、このジャケット。絶妙なライナーノーツ。国境を越えた共同作業に、感服します。
2017/03/19
〈持たない者〉
“肩の力を抜け。
酒があって、女がいる、それでいいじゃないか。
ブコウスキーは、〈持たない者〉の美学を描き出す。
気張って生きることが、どれほど価値があるのかと、問いかける。
われわれは、返す言葉もなく、ただひれ伏すしかない。
ブコウスキーよ、あんたは偉大だぜ。”
-〈持たない者〉でいこう(『ブコウスキーと町でいちばんの酔いどれ天使』より)
『ブコウスキーと町でいちばんの酔いどれ天使』って本が面白い。
一冊ぜんぶ、ではないけれどこの本の8割はブコウスキーのことで埋めつくされてる。
すごい。この「トーキングヘッズ叢書」ってのはすごいぜ。知らないことばかり載っているような気がする。作家ヘンリー・チャールズ・ブコウスキー・ジュニアが父親からスパルタ教育を受け、規律や愛国心を植え付けられただなんて。にも、かかわらず女好きで競馬好きの大酒飲みになるなんて。なかなか、いい話だと思うんだな。
こんな本やあんな本、つまりは色々と入荷しています! 是非ご来店ください!
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PEOPLE BOOKSTOREでは本の買取を行っています。
ご不要になった本、大切だけれど置き場所がない・・・という蔵書がありましたら、気軽にお声をおかけください。
お声がけはメールでも直接ご来店頂いても構いません。預かった本は出来るかぎり早く査定します。
2017/02/18
『ROCK MAGAZINE』
“現時点でロック・マガジンがパンク・ロックとして呼ぶのは、ラモーンズ、イギー・ポップ、ウェイン・カウンティ、ブロンディ、モダーン・ラヴァーズ、フレイミン・グルーヴィーズ、セックス・ピストルズ、テレヴィジョン、トーキング・ヘッズ等だ。話が元に戻るが、パンクという言葉がくせ者だ。手短かに言うなら、ラモーンズのジョーイの声、モダーン・ラヴァーズのジョナサンの声がパンクだろう。”
-“総てのエナジィはギターから生まれる それがパンク・ロックだ”(『ROCK MAGAZINE』第5号)より
1976年のパンク・ロック。
2017/02/13
こういう本
“なんだかんだ楽しそうにしてる奴が一番得だよね。だって楽しそうなんだもん。(略)みんなも意志をもって楽しんだほうが良いと思うんだよなぁ。何でも、そいつなりの楽しみ方があるからね。最近、江戸アケミ(じゃがたら)の「やっぱ自分の踊り方でおどればいいんだよ」って言葉が好きなんすよ。”
-DJ光(“無意識過剰な男”『SPECIALOOSE』vol.1より 取材・文/佐藤俊)
“自分はなにものでもないんだ、自分たちはなにものでもないんだ、という自覚みたいなものが、ぼくたちグレートフル・デッドのあいだでは、共通の基盤になっている。なにものでもないからこそ、そこからなんだってつくっていけるのだ、という考え方が出てくる。”
-ジェリー・ガルシア(“新しい生き方のなかで”『自分の生き方をさがしている人のために』より 著/チャールズ・ライク 訳/片岡義男)
“僕が最初にやった「絶対零度」っていうバンドでも、シングル曲の歌詞が、「何もない、何もない」って絶叫しながらただ延々と繰り返すだけの曲だったけど、とにかく既存のスタイルは全て否定してかかってましたね。もちろん観念的でしたが。”
-大熊亘(“対談・大熊亘・桜井大造—記憶の力”『ラフミュージック宣言』より 著/大熊ワタル)
ボクのいい本、こういう本。
2016/11/10
『Spectator』37号への手引き(1)
“テレビやインターネットの情報をもとに書く記者が増えていることを懸念する。ハイテクはジャーナリズムを殺す毒だ。記者は「歩兵」であり、自ら歩き直接、聞いた話を書くべきだ。”
-ゲイ・タリーズ(坪内祐三『文庫本宝船』より)
“また、70年代に、アメリカで勃興した「ニュー・ジャーナリズム」という新しい「声」による文芸運動をとりあげた「ニュージャーナリズムとは音楽の世界でいえば強烈なロックなのだ!」という刺激的な記事もあった。ライターは、前出・北山耕平氏。トルーマン・カポーティ、ゲイ・タリーズ、トム・ウルフ、ハンター・トンプソン、そして日本では、『新・阿房列車』における内田百閒や、前出・坂本正治氏といった、新しい意識を持った書き手の動向について、6ページで紹介していた。”
-赤田祐一(赤田祐一『証言構成「ポパイ」の時代』より)
“鍵はね、たぶん〈声〉にある。その〈声〉をどうやって伝えるかということが、すべてのいろんなジャンルにおいて、アーティストみたいな人たちの仕事なんだと思う。だからその〈声〉を持ってる人は、類は類を呼ぶじゃないけど、呼び合う〈声〉によって引っぱられるし、その〈声〉はハートからハートへ伝わっていく。”
-北山耕平(北山耕平×曽我部恵一「それでも街で自立して生きるには」『Quick Japan』vol.55より)
“〈声〉—汎人類的な、ある種の人間が共通して持っている一種の意識。その意識に目覚めた者同士が同時多発的に繋がった時、文化的にも社会的にも巨大なムーヴメントが起こる。”
-北沢夏音(同上)
北山耕平を特集した『Spectator』37号への手引き、道先案内となるようなテキストを自分なりに選び、ここで紹介していこうと思う。いま、いきなり“ニュー・ジャーナリズム”と言われても、ピンとこない人のほうが多いんじゃないだろうか。でも、上に引いたゲイ・タリーズの「歩兵」の思想や、「ニュージャーナリズムとは強烈なロックなのだ!」なんて言葉があれば、読みすすめる上でヒントになるかもしれない。
もし、これらの〈声〉に少しでも興味をもってくれたなら『Spectator』を手にとってほしい。立ち読みでも構わないので、気軽かつお気楽に。そこでもし〈声〉を感じ取ってもらえたなら、とても嬉しい。
2016/11/08
『Rangers Patrol 1977-1982 UK!』
井の頭レンジャーズ『Rangers Patrol 1977-1982 UK!』が入荷しました!
幕開けをかざる“Alison”のイントロ、一音目から胸の奥がじゅわっとなります。「これだ! これを待ってたんだ!」なんて感じでしょうか。本作は1977年から1982年までの5年間に発表された、パンク&パブロックの名曲からKiliKlilVilla・与田太郎氏が選曲、井の頭レンジャーズが演奏したコンセプト・アルバム。おまけにライナー・ノーツは大貫憲章氏が担当! と、隙がないというか往時の空気を再現しようとするその姿勢に感服します。「この井の頭レンジャーズっていう企画の後ろにはいろんな面白い話がいっぱい隠れてるよね。それをリスナーにも気がついて欲しいんだ」(与田氏・談)なんて示唆をふくむ「高木壮太ロング・インタビュー」を読んで頂ければ、この作品をより面白がれるはずです。
販売価格は2160円(税込)! カッコ良いバッヂも付いてきますよ〜!
***
50年代、ジャマイカからの移民が多かったウエスト・ロンドンから生まれたUKスカ、レゲエはその後現在にいたるまで一貫してUKユース・カルチャーのダンス・シーンに深い影響を与え続けている。デズモンド・デッカーやケン・ブース、ダンディー・リヴィングストンが活躍した60年代中旬のスカ、ロックステディーがUKのダンス・フロア席巻してから50年、その後のパンク、2トーンそしてUKガラージから現在のUKディープ・ハウスまでこのジャマイカ生まれのビートは影響を与え続けている。1967年から1969年、ロンドンのワーキング・クラスの若者がモッズからスキンヘッドになる時期にミニマルでクールななインスト・ナンバーが数多く生まれた、それが一部でスキンヘッド・レゲエと呼ばれた。井の頭レンジャーズは時代を超えてスキンヘッド・レゲエを現代に蘇らせる。まるで69年にレコーディングされたかのようなタッチのサウンドは驚愕せずにはいられない。今回制作中のアルバム『Rangers Patrol 1977~1982 UK!』ではスカ、レゲエからも影響を受けた70s UK パンク、その時期の名曲をセレクト。 ワーキング・クラスのアンセムがスカ・ナンバーとして再びフロアに響く!
http://kilikilivilla.com/post/151743962544/news-20161013-%E4%BA%95%E3%81%AE%E9%A0%AD%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BA-rangers-patrol
2016/11/07
2016/10/28
Today's YouTube #186
“昨日のDonna Leakeのセットでのコメントを見て、私達は真髄を簡単にでも伝えるべきだと思いました。
素晴らしいDJの何たるかは全ての曲同士を繋げてビートマッチングする事ではありません。何よりも先に”ミュージックラバー”である私達の目的は良い音楽をチョイスする人達をプロモートする事で、Donnaはそういった意味で沢山の素晴らしい音楽を紹介してくれました。
繋ぎ目の無いようなミックスを欲しいリスナーの皆さん、私達にはそういうったものが既に沢山あるのはご存知のはずです。
それでもフェラ・クティとロニー・リストン・スミスでビートマッチングを試みれば、私達が何故この才能溢れるセレクターを同じように応援するのか、分かってもらえるはずです。”
2016/08/27
2016/08/26
Today's YouTube #181
“人はみんな自分の人生をふるいにかけて、愛情と優しさを注ぐ先を定める。そしてそれは美しい、素敵なことなのだ。でも独りだろうと二人だろうと、わたしたちが残酷なまでに多種多様な、回りつづける万華鏡に嵌めこまれたピースであることに変わりはなく、それは最後の最後の瞬間までずっと続いていく。きっとわたしは一時間のうちに何度でもそのことを忘れ、思い出し、また忘れ、また思い出すのだろう。”
-ミランダ・ジュライ(『あなたを選んでくれるもの』より 岸本佐知子・訳)
2016/08/23
2016/08/22
Today's YouTube #179
ああ、みっともねえ。一聴して、そう思った。
だけど何度も聴いてしまう。ぼんやりとして気持ちの定まらない朝に、ただ流す。励まされるわけじゃない。勇気ももらえるはずもない。でも、欲してしまう。心の凹みにぴったりはまるわけでもなく、痛みをいやしてくれもしないのに、もう一回くりかえす。ああ、やっぱりみっともない。でも、なぜだかしっくりくる。
この人は、なんでこんな曲がつくれるのだろう。こんな感情を曲に、音楽に乗せる必要ないよ。と、凡人であるボクはそう感じる(そもそも、激しく音痴なボクは気持ちを歌に変換できもしないのだけど)。だから、なんて論理展開するのは阿保らしいけど、ボクは、この歌をうたう人をすごいと思う。この人は誰にもうたえない歌をうたったんだ。それは、本当にすごいことだよ。
***
“これで終りにしたい”
マンガ家になりたかった 野球選手はあきらめてた
ズケズケとなじられる それは今でもおんなじこと
ドブ川に落とされちまえ 真黒にされちまえ
あの頃とかわらぬドブ川 異臭をはなっている
きつい挫折を味わったというの なんか虚しいそれだけ
誰かトカレフを譲ってくれないか これで終りにしたい
喜びあい 憎しみあい 求めあい 僕は今だにわからない
一人の女さえも幸福にしてやれない甲斐性無し
本当の愛ってなんだろう 豆腐の角に頭ぶつけて
僕は誰かを愛せるのか 肉欲という名のバス
なんかやるせない思いを抱いて 恋に恋するおっさんさ
誰かトカレフを譲ってくれないか これで終りにしたい
午後5時まで働くことがとても嫌でしょうがない
僕にインドは遠すぎるの 自堕落な理想郷
酒を飲んで酔っぱらって 人生をちゃかしてみて
怖くなったりひらき直ったり ハナをかんでゴミ箱
生甲斐なんか面倒なほど なんかみじめでみじめで
誰かトカレフを譲ってくれないか これで終りにしたい
詞と曲:加地等
2016/06/15
2016/06/05
2016/06/01
ヨコチン学
“たとえば遊びに夢中になりすぎた子どもは、パンツの横からチンチンが出ていても気がつかないまま遊んでいますよね。熱中するあまり、便意や尿意も危険水域まで我慢して遊びますよね。場合によっては何かの弾みで『にょろっ』とそれが出たりすることもありますよね。俺はね、そういうものを見るのが大好きなんです。それぐらいなりふり構わず何かに没頭している姿——あるいはその夢中熱中の結果、どうしても世間の領域から『はみだし』てしまった何かにこそ、美しいものが宿っているんじゃないかって思うんです。そうであるとするなら、そうした『はみだし』は、叱ったり取り締まったりパンツの中に収めたりせずに、大いに肯定すべきなんじゃないかって。俺が『ヨコチン』と呼んでいるのは、そういうことですよ。”
-ボギー nontroppo/ヨコチンレーベル主宰(“ひとりぼっちのヨレヨレ篇”『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』より)
2016/04/13
動き出した「本屋ブルッックリン」
©本屋ブルッックリン
“本屋ブルッックリンは今年もCAP帽を作ります。
今回は受注生産。店頭販売は今のところ考えておりません。(予約分のみ可)
本日より二週間予約受付を致します。
予約受付終了は 4/25(月曜日) 24:00まで。
よろしくお願い致します!”
先輩書店「本屋ブルッックリン」が動き出しました。ハンター・チャンスをお見逃し無く。
http://bookbrooklyn.blogspot.jp/2016/04/cap.html
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