2025/05/31

5/31 店日誌


5月31日、土曜日。今月は長かった。ゴールデンウィークなんて遥か昔のことのようだし、暑くなったり寒かったりで季節感もどうもおかしい(雨と肌寒さで終わるとは月頭は想像してなかったヨ……)。前のめりに時間を捉えて、区切りたい人が「今年も残すところあと半分」なんて言い出すのは目に見えているけど、まだまだ半分。ようやく前半が終わったところ。やれることは沢山ある。欲張りすぎず、関わりすぎず、目の前のことを片付けていけたらいい。ちょい長めの展望が持てたら、もっといい。

あなたの趣味は何ですか? 私の趣味は、小冊子を作ること。また、そこに掲載するために友人・知人と雑談を交わし、収録した音声を文字に起こして再構成すること。あとは、日々のなかで考えた事柄を雑文として書き散らすこと。(金井タオル)

明日は雑誌『つくづく』編集人・金井タオルが終日在店、最新号となる『趣味のほとりで』(つくづくポケットライブラリ)の即売会を開催。ライター、ポストカードのオマケと、金井さんの解説付きの直販企画。イベントっていうノリじゃなく、ちょっと賑やかな通常営業というイメージですので、お気軽にお出かけください。

入荷ホヤホヤの、DJ PIN『SWEET LEAF at Colors』への反応が多くて、励みになる。心地よいわけじゃなく、刺激と実験、即興と挑発が入り乱れたライブ録音。すっっっっっげー! としか言えないのだけど、面白いのだ。

今日明日、明後日は13時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/30

5/30 店日誌

5月30日、金曜日。配布中の「ピープルブックストア日報」は15号目、2024年2月24日(土)から3月17日(日)までが記録されている。3月末に予定していた鹿児島出張が迫ってきてウズウズしつつ、準備をしていた頃。これといって特別なことは書かれてないし、生産的とも言い切れず、感動の場面などあるわけがない。部分的にでも共感してくれる人がいれば嬉しいのだけど、どうだろうか。

中年になるとあっという間に時が経つ。たぶん記憶力の低下も関係している。すぐ忘れるから、十年くらい前がわりと最近のことのようにおもえるのかもしれない。(荻原魚雷)

高松市在住の福田賢治さんが編む『些末事研究』は刊行されて10年、10号目。特集は「中年の十年」。若者の十年とはまったく異なる時間の流れ。前向きでも後向きでもなく、無理矢理に明るく見せるわけでなく、それぞれの実感を伝えてくれる。

この数日、新刊と新譜の入荷が多い。その分、古本買取の数が減ったけれど、ちょうどいいバランス。安い、高いの判断は人それぞれ。共有される情報よりも個人の感性、言語化できない閃きを優先するのもいいのでは。

今週末は通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/29

5/29 店日誌

5月29日、木曜日。作詞家・松本隆が手がけた楽曲のカバー集『でもしあわせなんて何を持ってるかじゃなくて何を欲しがるかだぜ』がとてもいい。池間由布子が歌う1曲目「かくれんぼ」は長尺のサイケデリック・ヴァージョン! 低くうねるギターフレーズ、途中でコラージュされるサウンドもめちゃくちゃカッコいい。その後も吉田省念、ベーブルース、ohhki、長谷川健一、AUX、ふちがみとふなと、山本精一、テニスコーツ、mmmと一筋縄ではいかないメンツが揃っている。

ジャケット画は林静一、歌詞カード印刷は小田晶房(hand saw press Kyoto)、企画は山下賢二(ホホホ座浄土寺店)。「喫茶店で松本隆さんから聞いた秘話」と題されたミニインタビューも収録されていて、端々まで抜けのない力作。大充実の内容と言っていい。

このほか、NOOLIO氏が手がけたDJ PIN『SWEET LEAF at Colors』(これが凄い! 宇宙的厚みを持つスーパーミックス!)や広島〈STEREO RECORDS〉からリリースされたHiroshi Morikawa『untitled 65.7』も到着。

てなわけで、今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2025/05/28

5/28 店日誌

5月28日、水曜日。先週は暑かった。歩けば汗だく。なじみの飲食店では冷房をつけていたし、扇風機を出している店もあった。レゲエ、ロックステディはモワッとした空気のなかで聴くのがいちばんだね〜と居合わせた友人と話していた状況から一転、今週は涼しい。少なくとも、暑くない。1週間でこんなにも気温、湿度がちがうってことに驚かされる。最近は気候に翻弄されっぱなしなのである。

(上段を書いたのは午前中。今は14時5分。日差しが強くてけっこう暑い。湿度が高くなくて歩くのにはちょうどいい。なんとなくゴールデンウィークっぽい。今日は扇風機を出そうかな。)

1969年5月15日に愛宕警察署の留置場から、東京・巣鴨(当時)の東京拘置所に移された永山則夫は、7月2日に大学ノートへの筆記が許可され、『無知の涙』の執筆を始める。それから28年間にわたって、膨大な量の「ノート」を書き残したのである。それを支えたのは、想像を絶する大量の読書だった。(佐木隆三)

仕入れたばかりの永山則夫『文章学ノート』をぱらぱらとめくって言葉を失う。なんという読書量だろうか。トルストイ、野田知佑、柴田錬三郎、渋谷陽一、椎名誠、開高健、神津カンナ、吉本ばなな、宗田理、サルトル、ドストエフスキー……と書き出すとキリがない。永山則夫は戦後社会を象徴する人物の1人なのだと思う。

今日明日、明後日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/27

5/27 雑記

注文していた自転車を受け取り、ドラッグストアに走る途中で蕎麦屋を発見、ものは試しと入ってみる。昼のみの営業でメニューは4種。酒なし。潔くさっぱりした店に好印象を得る。金宮を1本持って〈古着屋may〉で借りていた自転車を返却。店主ホソヤさんと軽く話して、店から家までサッと走る。オンライン・ストアに本をあげる準備をしてから、レコード、コーヒー。庭の草刈り。近所の〈つるばみコーヒー〉で談笑したのち、公園でちょいとビールを飲む。気楽な休日。

2025/05/26

5/26 店日誌

5月26日、月曜日。平野公子さんが載っていると知って、店にくる途中に『暮しの手帖』を買ってきた。「公子さんのいわと寄席」と題された7ページの記事はとてもいい内容で、読んでいてちょびっと泣きそうなる。「それじゃあ会社員じゃん。つまんないな、そうじゃないんだよな、と(笑)」「寄席をやるって、やっぱり、ものすごく楽しい。なんであんなに楽しいのかしら」「二度と『同じこと』はないんです」とか、公子さんらしい言葉が散らばっていて、嬉しくなる。

読後に頭に浮かんだのは、『就職しないで生きるには』。つい最近、再刊されたレイモンド・マンゴーの著作なのだが、新装なった書影を見てもまったくときめかない。「働き方・ライフスタイル本の原点」「仕事と生き方に悩むすべての人に」なんて惹句に興ざめする。そういう本じゃないんだよなあ、真面目に考えるもんじゃないんだよなあ、どうも違うんだよなあ……モヤモヤしている。

それこそ「つまんないな、そうじゃないんだよな」って感覚をたよりに動き続ける公子さんのインタビューを読む方が参考になる。「街を歩きながら、どこかいい場所はないか、私だって今も探してます」って感じで、面白いことを探せばいい。ノウハウやハウ・トゥーに収めきれない生き方に、自分はつよく惹かれている。

※5/27追記:なんだかんだと書いたけれど、不当なまでに高くなっていた旧版が買いやすくなるのなら再刊も喜ばしい。でも、できるのなら新訳で出してほしかったなァ……。

今日も通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/25

5/25 店日誌

5月25日、日曜日。クレム・ブシェイとカール・バートが手がけた「史上初のラヴァーズ・アルバム」とも言われる『Reggae For Lovers』に針を降ろすと、甘いヴォーカル、暖かなリディムが流れ出す。なるほど、こりゃ良いぞ……と聴き出すと何かおかしい。裏面記載の曲順とレコードに刻まれている曲がかなり違う。「Living In The Footstes」で、あれ? と感じて「Let’s Get It On」が始まって確信する。これじゃまるでシャッフル。素晴らしい内容だけにもったいない。じっくり耳を傾けて、正式な曲順に並びかえようと思い立つ。

A面1曲目は「Oh Girl」(クレジットではA3:以下、カッコ内表記が裏ジャケの曲順)。ボブ・デイヴィス、カール・バート、ジャッキー・パリスのコーラスはとろとろに溶けそうなほど甘い。名曲「Living In The Footsteps」(B4)でリズムが弾み、「Tears Falling In My Sleep」(A4)はドゥーワップ~ソウル。シマロンズをバックにカール・バートが歌い上げる、大ネタ「Let’s Get It On」(A1)はメロウ・レゲエ。やんわりとダブ感のある「Something Gotten Hold Of My Heart」(A5)は記載通りの曲順で、「A Simple Lover Of A Woman」(B5)は軽やかなロックステディ。

B面冒頭はジュニア・イングリッシュ歌唱の「Loving Girl」(B1)、『DREAD IN SESSION』ではブシェイが歌っていたキュートなロックステディ。続く「After The Storm」(B3)でジャッキー・パリスが再登場、タメの効いた渋いレゲエを聴かせてくれる。「Slipping Into Darkness」(B2)はキラー・リディムにコーラスが重なる名曲、うねるベースがカッコいい。これまたキュートな「Sha La La La Lee」(A2)がようやく登場。「Foot Steps Dub」(A6)は「Living In Footsteps」のダブ・インスト、反復するリディムに奇妙な味がある「Who Told You」(B6)で幕引き。

整理すると、A面は「Oh Girl」→「Living In The Footsteps」→「Tears Falling In My Sleep」→「Let’s Get It On」→「Something Gotten Hold On My Heart」→「A Simple Lover Of A Woman」という流れで、B面は「Loving Girl」→「After The Storm」→「Slipping Into Darkness」→「Sha La La La Lee」→「Foot Steps Dub」→「Who Told You」となる。

何度か聴くうちに確信したのは、本作はジャンルとしての「ラヴァーズ・ロック」をまとめたのではなく、言葉通りの「レゲエ・フォー・ラヴァーズ(恋人たちのレゲエ・ソングス)」なのだということ。甘いコーラスとダンスを誘う軽やかなリディム、メロウでスウィートなレゲエ&ロックステディがつまった12曲。悪いわけがないのである。

てなわけで、今日もレゲエを聴きつつ営業中! 暑くなるのかな……。

2025/05/24

5/24 店日誌

5月24日、土曜日。ボニー・‘プリンス’・ビリーを聴いている。今朝はまず『master and everyone』に針を降ろした。平坦だけれどいい曲が多くて、聴いていると、ゆっくり時間が流れていく。次に聴いたのはThree Queens in Mourningというバンドとの2枚組スプリット。回転数の記載がなく、はじめて聴いたときは心底たまげた(33回転で)。これが新曲か……と動揺したのだが、正しい速度にすると、穏やかでまっすぐ。普通にいい曲。久しぶりに聴いてもウットリさせられた。『Hello Joy』と題された4曲入りE.P。

流れのまま、Three Queens in Mourningの盤を聴いていて、気がつく。Bonnie ‘prince’ BillyことWill Oldhamの楽曲だけが歌われている。「I See A Darkness」からはじまるB面の展開は特に素晴らしく、なぜ気がつかなったのか不思議に思う。こちらは『Hello Follow』と題されている。

遅い時間から演奏が始まり、お客は思い思いに楽しむ。夜が深い時間になってくるとDJがいい音楽を流し始める。こういう場所で私も演奏したいと思った。こういう場所を求めていた。自分の居場所を見つけたと思った。(見汐麻衣)

引き続き、見汐麻衣『寿司日乗 2020▶︎2022 東京』を読む。「2021年12月31日(木)」内の2000年11月にロンドンで観たTeenage Funclubのギグの描写がとてもいい。「場所も、人も、時間も上書きしたくない」って気持ち、分かる気がするんだよなあ。

今日も新刊入荷の予定あり。13時から20時まで開けてます。

2025/05/23

5/23 店日誌

5月23日、金曜日。涼しい。天気予報によれば平年並みかちょっと低め、4月下旬程度の気温とのこと。急激に暑くなり冷房をつけたと思ったら、ちょっとした上着が必要になる。こんなにも激しく温度が上下することあったかな……と考えても仕方ない。身体は軽く、歩くのにもちょうどいいのだ。気分よく過ごすための工夫を重ねていけばいい。人にやさしく。情熱の薔薇。なぜか、ブルーハーツが頭で流れる。

10時半起床。珈琲を淹れ、そのまま作業。14時、昼飯。後15時〜19時半まで再び作業。今日はあっという間に時間が経つ感覚があったけれど、充足感はない。19時半過ぎ、適当に晩飯をすませて横になる。前進しているのか停滞しているのかもよくわからない1日。(見汐麻衣)

見汐麻衣『寿司日乗 2020▶︎2022 東京』を読んでいる。上記したのは「2021年3月9日(火) 曇」の冒頭部分。この後に引用される中川一政の書「我は駄目だと思うときもある やってゆかうという時もある」って言葉が何度か出てくる。見汐さんは向田邦子の随筆で知ったらしい。「前進しているのか停滞しているのかもよくわからない」状態を繰り返しながら、みんな生きてるんだな。

レコードの片面が終わらないうちはインターネットにアクセスしない。そう決めるだけで、本が読める。音楽が聴ける。たかが15分ちょいであっても、意識しないと自由になれない。やはり歩くのがいちばんなのだ(スマートフォンを持ってないから)。

今日も通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/22

5/22 店日誌

5月22日、木曜日。各地から荷物が届く。朝、ポストに入っていたのが、小栗誠史『一色海岸書店』。昼過ぎにはずぼっと刺さったレターパックライトを見つける。中身はTINY STEP “SOUTHSIDE”TRIO『10:02pm/Ain’t No Sunshine』の7インチ・シングル。開店準備中に届いた箱には「ビール2杯分のアテ」を標榜する『ATHE』(サンプル)が入っていて、ちょっと間をおいて見汐麻衣『寿司日乗 2020▶︎2022 東京』も受け取る。その最中にイラストレーターのTact Satoがやってきてカパッとビールを飲み始める。

暑いけどいい天気。冷房はつけずにレゲエ、ロックステディを流して扇風機をスイッチオン。お客さんが暑そうにしてたら対応すればいい。……が、しばらく誰も来ないまま、店内にはタクトくんだけ。そのうちに友人カトウくんも来て、話に合流。もう、今日はこれでいいかな〜とか思ってると、お客さん。JJJのTシャツを着た若者が本を買っていく。

19時過ぎに顔を出した〈古着屋may〉のホソヤさん、カトウくん、タクトくん、それぞれの会計を済まして、閉店。最近の水曜日はこんな感じで終わっていく。今日はどんな日になるだろうか。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/21

5/21 店日誌

5月21日、水曜日。暑い。歩くと汗がとまらない。ジワジワ、ダラダラ、ベタベタだ。できるだけ余裕をもって移動したいのだが、こうなるとたまらない。早く目的地に着いて一息入れたい。着替えたい。なんならシャワーを浴びて、昼寝がしたい。梅雨前だってのに、なんでこんなに暑いのか。ほんとに気持ちのいい時期は一瞬。あっという間に通り過ぎちゃうんだよなあ。

カフェに仕込みにきたサトちゃんにキャベツをひと玉渡す。郵便受けには〈元・ウサギノフクシュウ〉の小栗さんからの嬉しい小包。ラジカセからはロックステディ。アヂーだのなんだの言っても、ちょっとの出来事で気分はよくなる。単純な人間なのである。

オンライン・ストア〈平凡〉はもちろん、メール経由での直通販も大歓迎。在庫確認などのお問い合わせはお気軽に(ただ、レコードの普通郵便での発送は遠方だとけっこう時間がかかるので、ご注意を)。

今日明日、明後日は15時開店。今週もどうぞよろしく。

2025/05/20

5/20 雑記

近所の〈つるばみコーヒー〉で豆を買って、店主とおしゃべり。布団を干して、庭の草を刈り、陽の高いうちに風呂に入った。気楽な休日。

2025/05/19

5/19 店日誌

5月19日、月曜日。涼しい。半袖で出歩くのは心もとない気温である。ちょろっと雨も舞ったりするのだが、傘を持つのは面倒くさい。どんな装備で出かけるか逡巡するも、ままよ! と手ぶらで歩き出す。5分、10分と歩を進めると身体があたたまり、リズムが出てくる。15分も経てばいい気分。ちょうど昼休みだったのか、筑波大は人がたくさん。留学生の多くは軽装で、日本人の学生たちはシャツやなんやら、しっかり服を着ている印象を持った。

*

昨夜、天久保1丁目〈Club OctBaSS/Bar DISOS〉で行われた「Good Nears」は大充実のグッドパーティー。チヨリ&ヤマーン、東金バイパス、アイワビーツ、イースタン・ピーのライブを近所で観られるってのは幸運だ。……特に、アイワビーツのDJは近年屈指の衝撃。プレイ中、自分は石化されたように身動きが取れなくなる。ルーツ・レゲエ、ロックステディの名曲をスクリューにすると、ああなるのか。まるでジャー・シャカのようだった。

東金バイパスもカッコいい! あの2人には理屈じゃなく共感できる。輪郭の定まったヒップホップ。90年代〜00年代を通過してるからかな、なにか「わかる!」って感じがあるのだ。

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今日も通常営業。お暇があればお出かけください。

2025/05/18

5/18 店日誌

5月18日、日曜日。いやあ、蒸し暑い。10分も歩けば汗がにじみ、喉がかわく。建物に入ると冷房が効いてて気持ちがいい。梅雨の準備期間みたいな湿度で、これからもっともっと暑くなって、雨も降るんだぞ〜と脅されている気分になる。ジメジメ、ネトネトの気候がやってくると思うと今から憂鬱だ。……なんて言ってても仕方ない! こうなりゃ、それなりにやっていくしかないのである。元気に、とは言わずとも、どんよりせずに過ごしていこう。

今日明日の営業は13時から19時まで。本の買取など、お問い合わせはお気軽に。

2025/05/17

5/17 店日誌

5月17日、土曜日。雨よ、もうちょい加減してくれないか。道路のあちこちに大きな水たまりができていて、車が通るとバシャッと水が撥ねてヒヤヒヤするんだ。風よ、こんな日は少しだけ静かにしてほしい。横殴りの雨で傘の役目が奪われる。歩いているとTシャツ、ジーパン、スニーカーまでびしょ濡れだ。自転車に乗る若者よ、傘差し運転とヘッドフォンの組み合わせはやめようじゃないか。周りの動きを観察しながら走るのが、自転車と車のマナーだと思うんだ。

いやあ、まったく。こんな天気で来てくれる人はいるのだろうか。週末の催事、個人店泣かせの空模様。雨風を嘆いても仕方がないのだが、黙ってるのもやりきれない。ああ、まったく。こればっかりはどうしようもない。静かに本を読んでいようか。

店内、古本の入荷多数。100円~300円~500円の均一価格のもの、ちょっと珍しいもの、最近出たばかりの雑誌などがあり。オンライン・ストア〈平凡〉で買える本もあるので、気が向いたら覗いてみてほしい。

今日明日、明後日は13時開店。通信販売、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2025/05/16

5/16 店日誌

90年代まではあったものの多くが、ひとつずつ、しらみつぶしに消されていくような大波が、01年以降、幾度か世を洗っていったようにも思える。それでもなんとか、持ち堪えている文化も、街もまだある。なによりも、人がいる。滅多なことでは「へこたれない」人々が。(川崎大助)

5月16日、金曜日。届きたての新刊、川崎大助『夢のかなたの街』をひと息に読み切る。「いろんな街の記憶、あるいは感興が、虚実ないまぜになったまま、僕のなかにある」と書き出される「はじめに」にややたじろぐも、2000年代の渋谷に始まる本編を読み出すと、勢いがついて止まらない。ロンドン、大阪、ホノルル、ボストン、ユジノサハリンスク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、下北沢、ニューヨークと舞台を移し、それぞれの地で会った人、遭遇した出来事が綴られていく。

この本は著者の随想? 世界各地の街のカルチャーガイド? フィクションの混ざった短篇小説? 複数の要素をはらみながら、90年代から00年代初頭までの街の空気をスケッチしていく手法に触れるうち、野暮な分類は諦めた。好きに読めばいい。こんな説明でどうかと思うけど、とても面白い本なので、ぜひ手にしてほしい。

ツイッター(現エックス)が言論の場だとすると、自分はまったく使いこなせていない。他者のテキストを熟読することは多くなく、自らの意思表示も怠っている。使用意図のほぼ100%が販売促進。来店に繋がるきっかけが作れれば充分だ。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/15

5/15 店日誌

5月15日、木曜日。ロボ宙『You&I』がすばらしい! 耳馴染みのある口笛に導かれて始まるラップ、トラックは穏やかで、聴くうちじーんと沁みてくる。〈バックパックブックス〉と〈omiyage〉が軒を連ねる代田橋駅前の風景が頭に浮かぶ───店前に椅子を出して通り眺めるロボさん、本を読むユウト。ああ、いいなあ。また遊びに行きたい。まずはビールを飲んで、レコードやカセット、CDを見てから本を買う。あの場の時間を追体験させてくれる名曲だ。

「You&I」を収録したCDRにomiyageステッカーとオマケが付いて、ぴったり1000円。再生すれば3分18秒なのだけど、暖かな体感はずーっと残る。小さいけど贅沢な音源だと思う。ピープル・ブックストアとオンライン・ストア〈平凡〉で購入可能(平凡には夜にアップできるかな……。

今日も通常営業。在庫確認、本の買取などのお問い合わせはお気軽に。

2025/05/14

5/14 店日誌

5月14日、水曜日。ようやく自転車の買い替えの目星が付いた。直販店まで赴き、カラーとサイズを確認した上で試乗させてもらう。たかだか5分ちょっとだったのだけど、小さな街区の坂道、路地をシャーっと走り抜けると想像以上に気持ちがいい。その場で購入! とはいかずとも、欲しいものは確定した。ネット購入でも近所の店まで送ってくれるらしい。店員さんが親切だったし、あの店で買えればよかったのだけど。

じわりと暑くなったからか、レゲエ~ジャマイカ音楽関連の入荷が増えている(ほとんどが中古盤CD)。おかげさまで、『Breakout』や『Dread In Session』などの輸入盤新譜はほぼ完売。遠からず補充するつもりなので、気長に待っていてほしい。

しばらくは催事なし! ああ、すっきり。のんびり店を開けるだけでいい。

2025/05/13

5/13 雑記

 日記を書くということ。ある日の出来事を、その日付のもとに記録すること。そのいいところも、よくないところもあると思う。  一日の出来事のなかには、日記にしか書けない事柄がたくさんある。日記に書かなければ、もう書きとめられることはない事柄を、日記は言葉で留め置くことができる。 

 一方で、日記には書けない事柄もある。時間が経って、多くの出来事が消え失せたあとで、その日をどうにか取り戻そうと願うように記される言葉は、日記とは別のかたちで出来事を記録する。そして小説は、そういう言葉で書かれるものだと思う。(滝口悠生)

滝口悠生『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』の「あとがき 2019年11月13日(水)」がとても良かった。やがて忘れる過程の途中。記憶の脆さ、時流の儚さをはらんだ秀逸な題名だと思う。

2025/05/12

5/12 店日誌

5月12日、月曜日。歩くのは楽しい。郵便局でレコードの発送、スーパーで買い物をしたのち、友人がはじめた〈つるばみコーヒー〉に顔を出したり、たっぷり30分。水たまりを避けつつ歩く。せまい道でも無遠慮にビュンと通りすぎる車がいれば、そろっと走ってくれる人もいる。いろんな人がいるもんだな〜とぼんやり考えながら、いったん帰宅。グレープフルーツジュースを飲んで、店まで歩く。雨があがって空気が澄んでる。2匹の猫が同じポーズで丸まってる。筑波大学にはたくさんの人がいた。

今日は通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/11

5/11 店日誌

5月11日、日曜日。ラバーズロック関連のレコードと一緒に仕入れた『Bugs On The Wire』に針を降ろす。イギリスのBBCで1984年に始まったラジオ番組「On The Wire」40周年に際しての再発盤(オリジナルは1987年リリース)。司会者のスティーヴ・ベイカーによる選曲はずばり、ポスト・パンク。冒頭のダブ・シンジケートこそニュールーツ的だけれど、以降は鋭いギター・リフとベース・ライン、扇状的なヴォーカル曲が多くなる。リー・ペリーの曲もいわゆるレゲエじゃなく、ニューウェイブ風味である。

ペリーに続く2曲、ザ・リバーサイド・トリオとロンダなるバンドはアメリカン・ルーツ・ミュージックみたいで、これはこれでカッコいい。面が変わると、レゲエ~パンク的重力を拒否するかのような鍵盤重視の楽曲が続いていく。80年代っぽいリズム、手ごたえを得づらいヴォーカルが続くのだが、嫌じゃない。むしろ、興味がわくのはなぜだろうか。

ことに英国におけるダブ解釈は、ポスト・パンクの母国として、その影響が多層的に、越境的に広がり、独自なものへと発展していったがゆえに興味深い論を生み出している。(野田努)

河村祐介(監修)『DUB入門』所収、野田努「レゲエとパンクは似たもの同士ではない──UKでのDUB論の展開」には『Bugs On The Wire』を紐解くためのヒントがある。重要な「論」に関してここで触れる余裕はないけど、ビビッとくる感触だけでも伝えたい。ジャマイカとイギリス、レゲエ~ダブとパンクの関連性を知るにはうってつけのテキストなのだ。

スリッツ、ポップ・グループ、パブリック・イメージ・リミテッド等々のバンドとデニス・ボヴェル、エイドリアン・シャーウッド周辺の関わり方を知っていくには、まだまだ、多くの時間が必要なのは間違いない……。

今日は17時までの短縮営業! お時間あればご来店ください。

2025/05/10

5/10 店日誌

今はキングジョーのテキストが救いである。上手くいってることなんか多くない。それどころか、小さな失敗を積み上げるばかりの日々にあって、ジョーさんの言葉から漏れでている何かが、オレの魂を震わせる。(2/15店日誌)

5月10日、土曜日。なんと、このタイミングでキングジョー/松本亀吉『PEACE Piece』が届いてしまった! ジョーさんと遭遇したのは2月13日、大阪市東淀川区のサイクルショップ〈タラウマラ〉だ。その場でZINEを買いサインを入れてもらって、よかったらお店でも! ってお誘いを迷わず了承。そこから約3ヶ月、ついに送られてきた。遅いと言いたいわけじゃない。ちょうどKEN2D SPECIALのミックステープも届くはずだし、いい波がきているのだと思う。

この冊子はキングジョーと松本亀吉の両A面。加齢と格闘しながらも若々しさを失わないキングジョー、淡々と年を重ねながら老け込まない松本亀吉。個性がまったく異なる2人なのだが、不思議と相性がいい。お互いへの信頼感が本全体に漂っている。

気流舎は、空間に付けられた名前であり、資本主義ゲームの中では”店”という役割を担った。しかし僕には、それが長い歳月をかけて多くの人が積み上げてきた文化的な構築物、あるいは意識の集合体だという想いが強くあり、その不可視なものをどうにかしてつかみ取って一冊の本にまとめてみたかった。(ハーポ部長)

ハーポ部長(編著)『本のコミューン』が再入荷。下北沢にあったブックカフェ〈気流舎〉でのイベントを採録、書籍化した約330ページ。レゲエ、ヒッピー、コミューンといった面があり、文学、哲学、人類学に関する論考もある。書物は空間、容れ物として豊かなのだと再認識。

今日も通常営業! 在庫確認、通信販売などのお問い合わせはお気軽に。

2025/05/09

5/9 店日誌

5月9日、金曜日。予約していた『KENANG KENANGAN』という10インチ・レコードを受け取り、針を降ろして仰天した。めちゃくちゃ良いじゃないか。選曲・監修は馬場正道。DJでありスナック、レコード店の店主。さらに、只事じゃないレベルの蒐集家であることはなんとなく知っていたのだが、いやいや参った! こりゃすごい! インドネシアで1950年代制作されたSP盤で編み上げたコンピとのことなのだけど、耳触りは上品。洒脱。異国感を漂わせつつも、濁りのないグッド・ミュージックだけが入ってる。

馬場正道さんには一度だけ遭遇して、言葉を交わしたことがある。長身、長髪で垢抜けた着こなし。フロアに立つだけで目に入る。友人に紹介してもらったのだけれど、いまいち噛み合わず。悪印象だと言いたいわけじゃない。こういうカッコいい人がいるのだな……と驚き、萎縮してしまったのだ。気の利いたことも言えなかったし。

今月に入って本の買取りが続いていて、ドキドキしている。おお! とか、ああ……とか、うわ〜なんて感じで心中穏やかではないのだが、古本屋としてはありがたい。本の買取りに関するお問い合わせ、お声がけはお気軽に。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

2025/05/08

5/8 店日誌

5月8日、木曜日。クレム・ブシェイが手がけた楽曲を収録した『DREAD IN SESSION』に針を降ろすと「Rock Your Baby」が流れ出す! この曲はアップルミュージックには未収録。レコードを買った立場からすれば「やったぜ!」という感じ。歌うのはAnne&Annis Peters(アン&アニス・ピータースって読み方で正しい?)って姉妹デュオだろうか、ガールズ・ヴォイスが軽やかな曲にぴったりだ。続く「Summertime」はドミノ・ジョンソン。溜めの効いたルーツ・レゲエ、声がハスキー。イントロのドラム・インにちょっと驚く。

ボブ・デイヴィス「World In Arms」はいわゆるロック・ステディ。甘く暖かな声とメロディが空気をやわらげる。ブシェイのインストを挟んでのデルロイ・ワシントン「Have You Ever Loved Someone」はタイトルからして直球のメロウ・チューン(オルガンが隠し味)。カール・バートの連曲は上向きのレゲエ、なんとなくジェイコブ・ミラーっぽくもある。

B面のボブ・デイヴィスもやっぱり甘い、暖かい。「Come On Back To Me」「Loving Girl」と続く流れではオルガンとファルセットが気持ちいい。極上のロック・ステディ。ユージン・ポール、カール・バートもゆったりテンポを繋いでいって、ラストのジーン・ロンドはルーツ・レゲエ。マイナー調の渋い曲。

裏面クレジットを紐解いても録音年代の表記なく、詳細はわからないのだけど、おそらく1967年から1974年頃なのだと思う。ロック・ステディからルーツ・レゲエへ変遷していく過程の真っ只中。さらに、この楽曲のいくつかはリー・ペリーの〈ブラック・アーク・スタジオ〉で制作されている。どの曲をペリーが手がけたのか……と想像するのも聴きどころ。

今日明日は15時開店! 古本、音源にいろいろと入荷あり!

2025/05/07

5/7 雑記

さて、肝心のパティ・スミスはどうだったのか。そりゃ尊い。ロバート・メイプルソープ、アレン・ギンズバーグ、ルー・リード、サム・シェパード、トム・ヴァーライン、ハリー・スミス、ウィリアム・バロウズ、ロバート・フランク、ボブ・ディラン、等々。60年代から現代にかけてニューヨークの街に散らばった点を線にできる数少ない人。文化と芸術の結晶みたいな人が目に前にいるってだけで特別なのである。

ただ、自分に書けるのはパティ・スミスを目撃したってことだけだ。賛辞の数々はSNSを検索すれば山ほど見つかる。詩的な賞賛、音楽的な興奮なんかも書いてあると思う。感受性が足りてないのかと不安にもなるが、それ以上も以下もないってのは正直なところ。

2025/05/06

5/6 店日誌

5月6日、火曜日。代田橋駅に着いて階段を上がると、まずユウト、続いてロボさんの姿が目に入る。2人そろって笑顔で迎えてくれる。荷物を下ろしてまずビール! コンビニで3缶買って、乾杯だ。互いの近況などを話しつつ〈omiyage〉を覗くとデニス・ボーヴェルのCDを発見。お目当てだったロボ宙さんの最新音源と旧譜デッドストックを併せて購入。ATMで金をおろして〈バックパックブックス〉の棚に目を移すと、森永博志『あの路地をうろついているときに夢見たことは、ほぼ叶えている』がある! ちょうど読みたかったんだ。

椅子に腰を沈めて、ビールを飲んで話しつづける。居心地がいい。自分の店より落ち着く気がする。店や町の状況に耳をかたむけ、自分も話して、ぼけーっとしたり。気がつけば17時過ぎ。じゃあ、そろそろ行きますわーと眼前の駅から電車に乗って、初台へ。この日の大目的、パティ・スミスのパフォーマンスに立ち会うために〈国立劇場〉に向かう。

カネは使わなければ貯まるが、時間は使おうが使うまいが、どんどん消えていく。命と同じ。カネは人に貸したり、あげたり、預けたりできるが、時間はそうはいかない。(森永博志)

ゴールデンウィーク真っ只中の高円寺、代田橋の店主たちはそれぞれのペースを保っていた。大繁盛って感じでなくとも、自然体で健やか、小さくとも創造的。カネだけを物差しにせず世界と相対する人たちを頼もしく思う。

雨降りの連休最終日。13時から18時まで開けてます。

2025/05/05

5/5 店日誌

5月5日、月曜日。一昨日の東京探訪記、高円寺編の続き。ロスアプソン店内の膨大な量の音源、流動的な陳列にクラクラしながらレコード棚をちょこちょこと追っていく。まずはレゲエ~ダブ、次にブルース、フォーク、ジャズ……ダメだ! 全然入ってこない。この日はミックスCDに集中することにして、ぐっと目を凝らす。既知3割、未知が7割くらいの割合だろうか、手描きポップがなければジャケット以外に手がかりなし。ピンときたものを3枚選び、会計時に店主の山辺さんにご挨拶。軽く話して、数枚のチラシを受け取り、退店。心中で再訪をちかって町に出る。

高円寺といえば、松本哉さん! 〈素人の乱・5号店〉を目指して歩いていく。中通り商店街を進んでいくと古着屋、古本屋、よくわからん個人店がちらほら目に入り、雰囲気出てきたな〜と思ったところで発見! 大型家電が並ぶ店に入るも誰もいない。目の前の小さな古物が置かれた店舗も無人。こんちは〜っと声をかけても無反応。少々困ったところに松本さんが帰ってくる。「どもども〜」「また飲みましょ〜」とか話して、ササっと帰る(素面だと妙に気恥ずかしくて)。

さて、駅に向かおう! 来た道を戻る途中でカメラ屋を見つける。むむ、もしかして。引き返して、店内に入ると「あ!」と店主が反応してくれる。フォトグラファーの児玉浩宣さんに初対面。オンライン・ストア〈平凡〉で買い物をしてくれたり、幾人かの知人とも交流があるから、親しい気持ちを持っていた。無骨だけれど芯のある人。交わした言葉は少ないけれど、繋がる部分が見出せた気がする。

次は代田橋に行こうかなーっと電車に乗って新宿へ。京王線に乗り換えて、何本かの電車を見送り、各停を待つ(てなところで、止めておく。また明日に続くかも)。

今日明日も13開店! 気が向いたら、ご来店を!

2025/05/04

5/4 店日誌

5月4日、日曜日。昨日は店を休んで東京へ。最初の目的地は高円寺、未踏の密林的音盤店〈Los Apson?〉を目指して歩く。ざっくりした地図だけを頼りに進んでいくも、手がかりなく、こりゃ方向が違うんじゃないか? と疑念に捉われたあたりで居酒屋〈カヤ〉を見つける。おお!ここなんだ〜! 喜ぶも営業時間前。駅に戻る途中の商店街で目に入った小さなお店は、なんと〈アムレトロン〉だ。店主の方と何度かお会いしたことがあり、知人からも評判を聞いていて、気になっていた。

ドアを開けると「あら、どうも!」って感じでご挨拶。たまたま見つけました〜なんて話しつつ、店内をぐるりと一周。本とレコード、雑貨、コーヒー豆などがある小さな店なのだけど、配置に深みがある。限られた空間で立体的に表現されるのは、店主の美意識、文学観。びしびしと刺激を受ける。ずっと欲しかった詩集を購入。

実はロスアプソンに行きたくて……と切り出すと、それならここをまっすぐ行って、あそこの角を曲がって、ちょっといけばありますよ。道順を教えてもらって町に出る。たぶんこの辺なんだけどな〜って通りを行きつ戻りつして、ようやく発見。坂本慎太郎の壁画が静かに佇んでいる。そっとドアを開けると、そこは異世界。まさしく密林。これは入店ではなく潜入だ。おそるおそる足を踏み入れる。

店内奥にはXreensaver/NAT000ことソニックさんのコラージュ作品が展示されている。馴染みのある色彩の作品たち、画像でしか見てこなかったけど、実物もすごくいい。奇妙だけど愛嬌あり。さあ、次はレコードか? Tシャツか? CDか? なにから見ていこうか(と、書き出すと終わらないので、今日はここまで)。

今日明日、明後日は13時から19時まで開けてます! お暇ならばご来店を〜!

2025/05/03

5/3 休業

今日、5月3日(土)は休みます。

2025/05/02

5/2 店日誌

5月2日、金曜日。届いたばかりのレコードを自分で購入、シュリンクにハサミをいれて盤を取り出し、そっと針を降ろす。ズンとした低温が響く。思ってたより音がいいぞ……と喜びながら裏面記載の英文を読んでいく。ブッシュレンジャーことクレム・ブシェイのキャリアは彼自身のバンドを率いて歌うことで始まっていて、その後はトロージャンのプロデューサー、A&Rの仕事をこなす。1977年に自身のレーベル、ブシェイを立ち上げ、数々のレコードを制作した。中学レベルの英文読解だとこんな感じ。

ひとまず4種仕入れたうちの1枚、The Bushrangers『STUNTMAN』は良質のルーツ・レゲエが10曲入った良盤だ。おそらくブシェイ自身と思われるファルセット・ボイスが効いていて、スウィート・ソウル指数も高い。特にA面ラストの「Never Win’ Never Loose」は絶品。デュエットするのはジャネット・ケイ? いずれにせよ極上のソウル・チューン。

本盤のみ3500円前後の値付けで、それ以外は4500円前後。近年、レゲエ〜ロックステディの良盤は中古でもこぞって高値がついているので、これでも良心的と言えるのでは。すべて輸入盤の新品、シュリンク付き。しかし、オレはどうしてこんなにレゲエ・ミュージックに惹かれているのか。売りながら考えてみる。

今日も通常営業で、明日3日(土)は休業。4日(日)から6日(火)までは休まず営業します。

2025/05/01

5/1 店日誌

5月1日、木曜日。最近、面白かった本を思いつくまま上げてみる。梅崎春生『ウスバカ談義』、豊田道倫『キッチンにて』、小西康陽『わたくしのビートルズ 小西康陽のコラム 1992-2019』、永井宏『カフェジェネレーション TOKYO』、panpanya『グヤバノ・ホリデー』、スズキナオ『大阪環状線 降りて 歩いて 飲んでみた』、施川ユウキ『鬱ごはん』①~③、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』。軽く読めるものばかりだが発見も多かった。特に施川ユウキによる巻末解説は、低温なのに引き込まれる、他にない魅力をもつものだった。

日記は大事だな。未来の自分を助けるためにも今後も日記を書いていかなければという気持ちが強まる。(panpanya)

なんとなく読みだした、panpanya『グヤバノ・ホリデー』には脱帽。こんなにも懐の深い作品をつくる作家とは知らなかった。記憶のゆがみ、時間のながれに対しての鋭敏な感性。それを表現する柔らかな線。「知らない夏」には短篇小説のような味がある。

上記した本から受けた印象はオンライン・ストア〈平凡〉内の読書日記にメモしてあるので、気が向いたらご一読を。なにを、どこで、どんな風に読んでたのか。それを忘れないために記録している。

今日明日は通常営業で、明後日3日(土)は終日休業。ご来店の際はご注意を。