90年代まではあったものの多くが、ひとつずつ、しらみつぶしに消されていくような大波が、01年以降、幾度か世を洗っていったようにも思える。それでもなんとか、持ち堪えている文化も、街もまだある。なによりも、人がいる。滅多なことでは「へこたれない」人々が。(川崎大助)
5月16日、金曜日。届きたての新刊、川崎大助『夢のかなたの街』をひと息に読み切る。「いろんな街の記憶、あるいは感興が、虚実ないまぜになったまま、僕のなかにある」と書き出される「はじめに」にややたじろぐも、2000年代の渋谷に始まる本編を読み出すと、勢いがついて止まらない。ロンドン、大阪、ホノルル、ボストン、ユジノサハリンスク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、下北沢、ニューヨークと舞台を移し、それぞれの地で会った人、遭遇した出来事が綴られていく。
この本は著者の随想? 世界各地の街のカルチャーガイド? フィクションの混ざった短篇小説? 複数の要素をはらみながら、90年代から00年代初頭までの街の空気をスケッチしていく手法に触れるうち、野暮な分類は諦めた。好きに読めばいい。こんな説明でどうかと思うけど、とても面白い本なので、ぜひ手にしてほしい。
ツイッター(現エックス)が言論の場だとすると、自分はまったく使いこなせていない。他者のテキストを熟読することは多くなく、自らの意思表示も怠っている。使用意図のほぼ100%が販売促進。来店に繋がるきっかけが作れれば充分だ。
今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。
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