2025/06/13

6/13 店日誌

6月13日、金曜日。歩道をゆく彼を見つけて思わず駆け出す。高妍『隙間 sukima』を持って「これ、読んだ! 台湾のことなにも知らなかったよ」と伝えるとニコリと微笑んで「嬉しいです。この作者は若い人ですよ」と教えてくれる。彼以外にも台湾から留学していた友人はいたし、中国との関係について書いているのを目にしたこともあったけど、積極的に興味は持たず「大変だなー」と受け流していた。その点、『隙間』の大きな要素は台湾と沖縄、中国と日本の絡み合うさまを描いていること。やさしい絵なのだが、全体に漂う哀しみは強く、確かなものだった。

彼、と書いてて、彼の名前も知らないと気がつく。よく顔を合わせるから、次に会ったときに聞いてみよう。しっかり覚えて、その次からは名前で呼びかけられるようにできたらいい。

文章は読者を威圧することがあってはならない。だかこれはむずかしい。文章を書くよりむずかしいことかもしれない。それには何も書かないのが一番だとすら思う。書かなければ威圧にも荷物にもならない。(荒川洋治)*

図書館で借りてきた荒川洋治『ぼくの文章読本』を読み出して、考えさせられる。こんな風に毎日ここに書く必要などないのである。なにかを書くために他人を上げたり下げたりするのはおかしい。黙っている方がよほど良い。それをわかった上で書き続けるなら、よく考えて、よく観察しなくちゃいけない。うーむ、なかなか難しい。(*荒川洋治『ぼくの文章読本』所収「おかのうえの波」より)

今日も通常営業。通信販売や在庫確認など、お問い合わせはお気軽に。

2025/06/12

6/12 店日誌

阿房と云うのは、人の思わくに調子を合わせてそう云うだけの話で、自分で勿論阿房だなどと考えてはいない。用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。(内田百閒)

6月12日、木曜日。なんと素晴らしい書き出しだろうか。内田百閒『阿房列車』(ちくま文庫版・内田百閒集成1)の冒頭、「特別阿房列車」に胸がときめく。さあ、グイグイ読むぞと意気込むと、これがなかなか難しい。テンポが合わない。切符を買うのに手こずり、同行者と問答したのち昼酒を飲み出す。ビールを飲むグループを嫌悪しながら、自分もウイスキーを飲む。なんとも狷介、偏屈な百閒なのだが、嫌ではない。むしろ面白いのだけれど、ページはなかなか進まない。

「時候がよくなって、天も地も明かるい。又阿房列車を運転しようと思う」。次なる「区間阿房列車」の書き出しも好ましくて、ワクワクする。でも、スムーズに読んでいける自信はない。約70ページ。焦らずに進もう。

ついさっきコンビニで見かけたポパイの特集は「僕らにちょうどいい古着」。自分は特別に古着が好きなわけじゃないけど、最近は〈古着屋may〉でしか服を買ってない。気取らず、気張らずに服を選べる環境があるのがありがたい。さて、「ちょうどいい古着」とは何なのか。値段? 品質? 年代? それらのバランスってことなのだろうか。

今日も通常営業。古本はもちろん、新譜や中古音源にも入荷あり。

2025/06/11

6/11 店日誌

驚異のリズム、爆発するロック。(…)ポップス史上でも、リズムに関しては最も革命的な1枚だが、全体の印象は地味。ここまでのアイランド作品がアグレッシヴだったのに対して、ちょっと引いてみせた、渋い通好みの作品とは言えまいか。(山名昇)

6月11日、水曜日。数日前に天久保1丁目〈Good Near Records〉で購入したボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『ラスタマン・ヴァイブレーション』は確かに地味なのだが、厳選された音数もあってタイトな体感がある。耳に入ってくるのはアイ・スリーズの伸びやかなコーラス、チナ・スミスの手数の少ないギター・フレーズ、タイロン・ダウニーの機械的なキーボード。バレット兄弟のリズムの上で、隙間をつくって泳がせてみたって感じなのだろうか。霊性のあるヴォーカルは書くまでもなく、特別だ。

上に引いた山名昇の解説は、アンチョコ的に活用してる石井’EC’志津男(編)『レゲエ・ディスク・ガイド』の当該ページから。短くも的確、意外性もふくむテキストは「実はジャケットもこれが一番好きだ」と閉められる。

朝から本降り。こうなると店は暇だろうなあ。いい本たくさん買い取ってるんだけどなあ。ジメジメしてないだけ、よしとするべきか。オンライン・ストア〈平凡〉にどんどん古本をあげていくので、気が向いたら覗いてほしい。

今日明日、明後日は15時開店。些細なことでも、お問い合わせはお気軽に。

2025/06/10

6/10 雑記

ぼくは広告が嫌いだ。まだみんなが何も知らない時に、むりやりみんなに押しつけるようなやり方は好きじゃないんだ。いいレコードなら、自然といつのまにかみんなが聞くようになると思う。世に送り出し、時にまかせて、どうなるか成り行きを見守るのさ。(ウィリス・アラン・ラムゼイ)

あれはいつだったか。矢吹純から突然、レコードが送られてきた。ウィリス・アラン・ラムゼイという人が吹き込んだもので、緑地のジャケットにはニヤリとした本人と思われる写真のみ。いささか地味な印象をもったが、針を落として「いいじゃん」と思い、矢吹くんに感謝を伝えた。そのまま2〜3年は経っただろうか。今朝になって急に目に入ったレコードを聴いてみて、驚く。すごくいい。裏面記載の中川五郎の解説にも味わいがある。

ウィリス・アラン・ラムゼイのこうしたやり方は、確かに歌を大切にしたものだし、永続きするかも知れない。しかし一方、贅沢すぎる、あまりにもプロ意識に欠けているという批判も甘受しなければならないだろう。(…)早く新しい作品を聞かせてほしいものだ。(中川五郎)

けっきょく、この人──ウィリス・アラン・ラムゼイはこの1枚しかレコードを作らなかったらしい。小西康陽の連作エッセイ「レナード・コーエンの偽日記から。」にも似たような人物が描かれていた気がする。

2025/06/09

6/9 店日誌

私たちはどうしても、すべての行動を目標に向かう時間に置き換えてしまいます。大切なのは、この思考から脱却することです。つまりは「輸送(Transport)」から「徒歩旅行(Wayfarning)」への変化。

美しい夕陽を見かけると、すぐにスマートフォンを取り出して、写真を撮ってしまう。時間をかけて眺めたり、誰かに話したりすることもなく、ただ写真を撮ってそれで終わり。まるで、過去をゴミ箱に捨ててしまっているようです。(ティム・インゴルド)

6月9日、月曜日。3年前のある日、突然届いた大きな段ボール。入っていたのは『AFTER2025』という無料冊子だった。「AFTER2025は「ぶっちゃけ万博どうなん?」と「どうせやるんやったら……」のあいだを、今を生きる人たちの声をたよりに、うろうろしながら、あれこれやってみる試みです」。へええ、なるほど! こりゃ面白そうと読み出して、見つけたのが上記したティム・インゴルドへのインタビュー。なぜか今、思い出した。

東京五輪、大阪万博はなんだかんだで開催されて、おおむね成功みたいな風に片づけられていく。経済効果? 観光誘致? なんてスローガンだけが叫ばれて、国家的催事が行われていくのは好きじゃないけど、大きな声で反対するほどの興味もない。ああ、なんだかなあ。

6日から8日までの3日間、筑波大学で開催されていた「文化人類学会」に参加した人が何組か店に来てくれて、それぞれに手ごたえのあるやり取りができた気がする。ああした催しと営業が連動するのは初めてじゃないかな。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/06/08

6/8 店日誌

6月8日、日曜日。店にきて値付け、品出し、オンライン・ストア用の写真を撮りながらラジオで「のど自慢」を聴いていたら12時51分。今日は青森県からの中継で、ゲストの王林が「踊るりんご」を歌っていて、次は山本譲二。やはりいい声。吉幾三がつくった「妻よありがとう」を熱唱している。ゲスト2人の参加者へのコメントには優しさがあり、みんな嬉しそうに話していた。さて、審査発表。特別賞は15番、「君は薔薇より美しい」を歌った人だ! よかったもんな〜!

ここ、前からありました? なんて聞かれることが増えている。もう12年、13年目になります……と応えると「え! 気づいてなかったー!」と反応される。そうやって話す人は大体いいお客さん。またお願いしますと声をかけて、送り出す。

今日明日の営業は13時から19時まで。古本入荷、めちゃ増えてます。

2025/06/07

6/7 店日誌

6月7日、土曜日。いい天気。気分よく自転車を走らせてると、前方を歩く長髪、ジーパン、ジャケットの男性が目に入る。オシャレな人だなーと追い抜くと、なんと! ベーヤマくんじゃん! フランス留学の合間をぬって、ビザ申請と文化人類学会参加のために一時帰国中とのこと。近しい間柄じゃないし、とくだん心配していたわけじゃないけど、なんとなく元気そうで安心した。いい雰囲気をまとっていた。

大学を抜けたのち、〈古着屋may〉で立ち話。夏に向けて、プリントTやポケットTシャツの種類が増えていて、店内の抜けがいい。最近、店にいて楽しいですか? なんて唐突かつ率直な問いかけにホソヤさんは丁寧に応えてくれる。そのうちにお客さんがきて、店を出てきた。

NOOLIO『SIDE.C Classics』の過去作を気まぐれに聴いている。どれも本当によく出来てる。曲と曲とが繋がって生まれる空気、相互に作用するヴァイブレーション、全体のイメージ作りにブレがないから流していて気持ちがいいんだな。

今日明日、明後日は通常営業! お暇があればお出かけください。

2025/06/06

6/6 店日誌

ヴァイオリン、クラリネットなど、アフリカから連れてこられた黒人奴隷に全く縁のない楽器が、カリプソ創世記の十八世紀末にトリニダッドやジャマイカで使われたのは、そこにある楽器を使う、という極く当たり前な発想からだった。(…)これと同じ事が、戦後の河内の盆踊りで起きたのだ。(鷲巣功)

6月6日、金曜日。鷲巣功『河内音頭』に触発されて、『Port of Spain Shuffle』に針を降ろす。副題に「Black Music n Britain in the early 1950’s」とある通り、トリニダッドやジャマイカで録音されたものじゃないのだけれど、カリプソが沢山入ってる。この盤は、山名昇『Blue Beat Bop!』の序章で紹介されていたので知って、買ったはず──「イギリスに渡ってきていたカリプソニアンたちが録音したものだ。もちろん、ここで聞かれる音楽も、ブルー・ビートと呼ばれるスタイルの先駆けである」(「山名昇「トゥイスト、ボール、ジャム、スカ!」)

そのままパラパラと『BBB!』のページをめくっていると、知った写真のコラージュを発見。クランシー・エックルズだ。なるほど、だからリユース店で見つけた『ROCK STEADY INTENSIFIED!』のジャケットにピンときたのか。この人が「68年には、リー・ペリーの巨大ヒット’People Funny Bou’をアレンジで手助け」していたと知る。

さてインターネット環境が行き渡ったとは言え、河内音頭の世界はそれが全てではない。(…)わたしには、音と灯りを頼りに「あ、あそこだよ、あそこで演ってる」と、ようやく辿り着いた経験が生々しく残っている。(鷲巣功)

音楽に関することほどインターネットだけじゃ調べきれない。サブスクで耳には入れられても、体験としての厚みは感じづらい。ライナーノーツや書籍、雑誌をひもといて時間をかけて知っていく作業を経ないと、身体に残るものは多くない。年始にヒデさんが書いてくれたことを思い出す。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を〜!

2025/06/05

6/5 店日誌

6月5日、木曜日。今の時期、朝7時台に聴くレゲエが気持ちいい。先月に入荷、紹介した『DREAD IN SESSION』『REGGAE FOR LOVERS』を流すと、心身がぐーんと伸びるようで気分がいい。風に肌を撫でられたみたいな心地良さ。夏でもなく梅雨とも言えない、微妙な季節特有のほのかな脱力感にぴったり寄り添ってくれる。売らんかな! ってノリの営業目的ではなく、率直な実感である。どっちもいいレコードなんだよなあ。

ブルース・バスターズを知らない人たちのために簡単に言っておくと、ブルース・バスターズは、ジャマイカのサム・アンド・デイヴだと思ってもらえればいい。(渡辺浩司)*

じゃあ、次に針を降ろすのは……ブルース・バスターズ『フィリップ&ロイド』である。メロウでソフトな演奏に乗るスウィートなコーラスワーク、これぞロックステディ。本作のことは去年の5月にも書いている。(*『BLUE BEAT BOP!』所収「ブルース・バスターズ」より)

じわじわと暑くなってきて蚊も増えた。いかんせん目の前が林(実際は大学だけど)だから、虫の発生は避けられない。そろそろ梅雨になるのかな。とかなんとか言ってるうちに猛暑がきちゃう気もするぞ。

今日も通常営業。古本の入荷多数、またまた店が本だらけ。

2025/06/04

6/4 店日誌

僕は、色川さんのどの文章からも、「ぐにゃっと柔らかい、しかしごりごりした存在感の塊」を感じる。作家だなあ、とつくづく思う。(佐伯一麦)

6月4日、水曜日。この数日で紐解いた本では、田畑書店編集部(編)『色川武大という生き方』がいちばんだった。33人の追悼文をまとめたものなのだが、読むうちに色川武大の姿がぬらっと立ち上がるようで、穏やかながら迫力がある。上に引いた、佐伯一麦「『狂人日記』と私」はすらすら読めて、アクもある名文。「お互い何もしていない。何をしたらいいか分からない。でも──。と感じ、思いつつ曖昧に生きている」と始まる、山際素男「色川武大という男」も味わい深い。

何も求めず散歩に出かけてみると、どういう訳かその瞬間から、ゆっくりと時間が流れ始めます。おのずと気持ちが豊かになり、忘れてしまった懐かしいものを見つけたり、雲の流れに心地良さを感じられたりもするでしょう。(谷口ジロー)

谷口ジロー『歩くひと』もいい。ページを眺めるだけで心が広がり、満たされるのは、散歩でしか味わえない時間の流れが描かれているから。街の空気、風の感触までを感じさせる漫画はそんなに多くないだろう。

いま、読んでいるのは鷲巣功『河内音頭』で、たぶん5年ぶりの再読。「日本の音楽文化論に一石を投じる快著」という惹句に偽りなし。五木田智央の装画も含めて、スゲー本。

今日明日、明後日は15時開店。お暇があれば、ご来店ください。

2025/06/03

6/3 雑記

朝いちばんで近所の保険センターで健康診断。ひと通りの検査を終えると10時ちょい過ぎ。帰り道に〈つるばみコーヒー〉で一服、店主と話してじゃあ、またね! と歩き出すと赤いフォルクスワーゲンが走ってくる。最近よく見る車だなーと思ってると「うえださーん」と声がかかる。なんとまあ、友人たちが乗る、よく見る車そのものだった。その場で拾われ、再度〈つるばみコーヒー〉に。同行2人がコーヒー豆を購入したのち、流れのまま北条の〈栄楽〉に向かう。

何年も噂だけ聞いていたラーメン屋。こんな店がつくば市内にあったのか……驚きつつ、ラーメンをすする。ひとかけらも予期してしてなかった展開に、静かに唸る。偶然を引き寄せるのは、ちょっとしたタイミング。なかなか面白い休日だった。

2025/06/02

6/2 店日誌

6月2日、月曜日。つくづくポケットライブラリ『趣味のほとりで』発売記念、編集人・金井タオルの即売会は盛況のもと無事終了! 遠方から足を運んでくれた人、たまたま通りがかった人、いつものお客さんなど、いろんな人と話ができた。突発的な企画だったのだけど、滞りなく進められたのは金井さんとの信頼関係あってこそ。当日限定のオマケを付けてくれたり、いろいろな配慮、工夫にも感謝している(お約束の飲み会も楽しかった……かな)。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2025/06/01

6/1 店日誌

ずっとプライムでいたいと言いたいところですが、リアルに30歳くらいかな。ちゃんと人としてもかっこよくなったときに、同時にかっこいいスケーターでいたいです。(鎧碧斗)

それぞれの仕事や家庭を抱えて、それぞれの環境で経験値を積み重ねて、ここまで右往左往スケートボードをしながら生きてきました。その経験値に勝るものはありません。スキル云々じゃなくて、半世紀スケートボードと一緒に人生を生き抜いてきたソルジャーだからこそ見える景色。(EIJI MORITA)

6月1日、日曜日。届きたての『Sb』4-44号を読んでいて、元気が出た。清々しい。好きなら好きでいいじゃんか。対象との距離が変わっても、好きなままなら続けていける。毎日じゃなくていい、週に数回、年に数回になるかもしれないけど、気持ちを残せていればいい。めちゃくちゃ当たり前のこと過ぎて、誰も言わないことが書いてある。ローカルでインディペンデントなんて普通のこと。カッコつけの道具じゃないのだ。

年を重ねていくのに恐怖がないとは言い切れない。いや、正直に吐露すれば、けっこう怖い。現実が迫ってくるのは目に見えてるし、刺激に対して鈍感になっていく気もする。つまらない大人になるには嫌だな〜と思うほど、老け込んでいくのかな。したり顔して生きたきゃないよな。

『Sb』が読み物として優れてるとか、鋭いなんて言うつもりはないけれど、スケーターたちを取り上げて商業誌として成立しているのが好ましい。金は大事だ。だけど、金じゃ買えないものがあると体感するのは、もっと大事だ。(……じゃあ、オレも! がんばらなきゃダメじゃんか!)

てなわけで、今日は金井タオルの即売会! ぜひお出かけください。

2025/05/31

5/31 店日誌


5月31日、土曜日。今月は長かった。ゴールデンウィークなんて遥か昔のことのようだし、暑くなったり寒かったりで季節感もどうもおかしい(雨と肌寒さで終わるとは月頭は想像してなかったヨ……)。前のめりに時間を捉えて、区切りたい人が「今年も残すところあと半分」なんて言い出すのは目に見えているけど、まだまだ半分。ようやく前半が終わったところ。やれることは沢山ある。欲張りすぎず、関わりすぎず、目の前のことを片付けていけたらいい。ちょい長めの展望が持てたら、もっといい。

あなたの趣味は何ですか? 私の趣味は、小冊子を作ること。また、そこに掲載するために友人・知人と雑談を交わし、収録した音声を文字に起こして再構成すること。あとは、日々のなかで考えた事柄を雑文として書き散らすこと。(金井タオル)

明日は雑誌『つくづく』編集人・金井タオルが終日在店、最新号となる『趣味のほとりで』(つくづくポケットライブラリ)の即売会を開催。ライター、ポストカードのオマケと、金井さんの解説付きの直販企画。イベントっていうノリじゃなく、ちょっと賑やかな通常営業というイメージですので、お気軽にお出かけください。

入荷ホヤホヤの、DJ PIN『SWEET LEAF at Colors』への反応が多くて、励みになる。心地よいわけじゃなく、刺激と実験、即興と挑発が入り乱れたライブ録音。すっっっっっげー! としか言えないのだけど、面白いのだ。

今日明日、明後日は13時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/30

5/30 店日誌

5月30日、金曜日。配布中の「ピープルブックストア日報」は15号目、2024年2月24日(土)から3月17日(日)までが記録されている。3月末に予定していた鹿児島出張が迫ってきてウズウズしつつ、準備をしていた頃。これといって特別なことは書かれてないし、生産的とも言い切れず、感動の場面などあるわけがない。部分的にでも共感してくれる人がいれば嬉しいのだけど、どうだろうか。

中年になるとあっという間に時が経つ。たぶん記憶力の低下も関係している。すぐ忘れるから、十年くらい前がわりと最近のことのようにおもえるのかもしれない。(荻原魚雷)

高松市在住の福田賢治さんが編む『些末事研究』は刊行されて10年、10号目。特集は「中年の十年」。若者の十年とはまったく異なる時間の流れ。前向きでも後向きでもなく、無理矢理に明るく見せるわけでなく、それぞれの実感を伝えてくれる。

この数日、新刊と新譜の入荷が多い。その分、古本買取の数が減ったけれど、ちょうどいいバランス。安い、高いの判断は人それぞれ。共有される情報よりも個人の感性、言語化できない閃きを優先するのもいいのでは。

今週末は通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/29

5/29 店日誌

5月29日、木曜日。作詞家・松本隆が手がけた楽曲のカバー集『でもしあわせなんて何を持ってるかじゃなくて何を欲しがるかだぜ』がとてもいい。池間由布子が歌う1曲目「かくれんぼ」は長尺のサイケデリック・ヴァージョン! 低くうねるギターフレーズ、途中でコラージュされるサウンドもめちゃくちゃカッコいい。その後も吉田省念、ベーブルース、ohhki、長谷川健一、AUX、ふちがみとふなと、山本精一、テニスコーツ、mmmと一筋縄ではいかないメンツが揃っている。

ジャケット画は林静一、歌詞カード印刷は小田晶房(hand saw press Kyoto)、企画は山下賢二(ホホホ座浄土寺店)。「喫茶店で松本隆さんから聞いた秘話」と題されたミニインタビューも収録されていて、端々まで抜けのない力作。大充実の内容と言っていい。

このほか、NOOLIO氏が手がけたDJ PIN『SWEET LEAF at Colors』(これが凄い! 宇宙的厚みを持つスーパーミックス!)や広島〈STEREO RECORDS〉からリリースされたHiroshi Morikawa『untitled 65.7』も到着。

てなわけで、今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2025/05/28

5/28 店日誌

5月28日、水曜日。先週は暑かった。歩けば汗だく。なじみの飲食店では冷房をつけていたし、扇風機を出している店もあった。レゲエ、ロックステディはモワッとした空気のなかで聴くのがいちばんだね〜と居合わせた友人と話していた状況から一転、今週は涼しい。少なくとも、暑くない。1週間でこんなにも気温、湿度がちがうってことに驚かされる。最近は気候に翻弄されっぱなしなのである。

(上段を書いたのは午前中。今は14時5分。日差しが強くてけっこう暑い。湿度が高くなくて歩くのにはちょうどいい。なんとなくゴールデンウィークっぽい。今日は扇風機を出そうかな。)

1969年5月15日に愛宕警察署の留置場から、東京・巣鴨(当時)の東京拘置所に移された永山則夫は、7月2日に大学ノートへの筆記が許可され、『無知の涙』の執筆を始める。それから28年間にわたって、膨大な量の「ノート」を書き残したのである。それを支えたのは、想像を絶する大量の読書だった。(佐木隆三)

仕入れたばかりの永山則夫『文章学ノート』をぱらぱらとめくって言葉を失う。なんという読書量だろうか。トルストイ、野田知佑、柴田錬三郎、渋谷陽一、椎名誠、開高健、神津カンナ、吉本ばなな、宗田理、サルトル、ドストエフスキー……と書き出すとキリがない。永山則夫は戦後社会を象徴する人物の1人なのだと思う。

今日明日、明後日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/27

5/27 雑記

注文していた自転車を受け取り、ドラッグストアに走る途中で蕎麦屋を発見、ものは試しと入ってみる。昼のみの営業でメニューは4種。酒なし。潔くさっぱりした店に好印象を得る。金宮を1本持って〈古着屋may〉で借りていた自転車を返却。店主ホソヤさんと軽く話して、店から家までサッと走る。オンライン・ストアに本をあげる準備をしてから、レコード、コーヒー。庭の草刈り。近所の〈つるばみコーヒー〉で談笑したのち、公園でちょいとビールを飲む。気楽な休日。

2025/05/26

5/26 店日誌

5月26日、月曜日。平野公子さんが載っていると知って、店にくる途中に『暮しの手帖』を買ってきた。「公子さんのいわと寄席」と題された7ページの記事はとてもいい内容で、読んでいてちょびっと泣きそうなる。「それじゃあ会社員じゃん。つまんないな、そうじゃないんだよな、と(笑)」「寄席をやるって、やっぱり、ものすごく楽しい。なんであんなに楽しいのかしら」「二度と『同じこと』はないんです」とか、公子さんらしい言葉が散らばっていて、嬉しくなる。

読後に頭に浮かんだのは、『就職しないで生きるには』。つい最近、再刊されたレイモンド・マンゴーの著作なのだが、新装なった書影を見てもまったくときめかない。「働き方・ライフスタイル本の原点」「仕事と生き方に悩むすべての人に」なんて惹句に興ざめする。そういう本じゃないんだよなあ、真面目に考えるもんじゃないんだよなあ、どうも違うんだよなあ……モヤモヤしている。

それこそ「つまんないな、そうじゃないんだよな」って感覚をたよりに動き続ける公子さんのインタビューを読む方が参考になる。「街を歩きながら、どこかいい場所はないか、私だって今も探してます」って感じで、面白いことを探せばいい。ノウハウやハウ・トゥーに収めきれない生き方に、自分はつよく惹かれている。

※5/27追記:なんだかんだと書いたけれど、不当なまでに高くなっていた旧版が買いやすくなるのなら再刊も喜ばしい。でも、できるのなら新訳で出してほしかったなァ……。

今日も通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/25

5/25 店日誌

5月25日、日曜日。クレム・ブシェイとカール・バートが手がけた「史上初のラヴァーズ・アルバム」とも言われる『Reggae For Lovers』に針を降ろすと、甘いヴォーカル、暖かなリディムが流れ出す。なるほど、こりゃ良いぞ……と聴き出すと何かおかしい。裏面記載の曲順とレコードに刻まれている曲がかなり違う。「Living In The Footstes」で、あれ? と感じて「Let’s Get It On」が始まって確信する。これじゃまるでシャッフル。素晴らしい内容だけにもったいない。じっくり耳を傾けて、正式な曲順に並びかえようと思い立つ。

A面1曲目は「Oh Girl」(クレジットではA3:以下、カッコ内表記が裏ジャケの曲順)。ボブ・デイヴィス、カール・バート、ジャッキー・パリスのコーラスはとろとろに溶けそうなほど甘い。名曲「Living In The Footsteps」(B4)でリズムが弾み、「Tears Falling In My Sleep」(A4)はドゥーワップ~ソウル。シマロンズをバックにカール・バートが歌い上げる、大ネタ「Let’s Get It On」(A1)はメロウ・レゲエ。やんわりとダブ感のある「Something Gotten Hold Of My Heart」(A5)は記載通りの曲順で、「A Simple Lover Of A Woman」(B5)は軽やかなロックステディ。

B面冒頭はジュニア・イングリッシュ歌唱の「Loving Girl」(B1)、『DREAD IN SESSION』ではブシェイが歌っていたキュートなロックステディ。続く「After The Storm」(B3)でジャッキー・パリスが再登場、タメの効いた渋いレゲエを聴かせてくれる。「Slipping Into Darkness」(B2)はキラー・リディムにコーラスが重なる名曲、うねるベースがカッコいい。これまたキュートな「Sha La La La Lee」(A2)がようやく登場。「Foot Steps Dub」(A6)は「Living In Footsteps」のダブ・インスト、反復するリディムに奇妙な味がある「Who Told You」(B6)で幕引き。

整理すると、A面は「Oh Girl」→「Living In The Footsteps」→「Tears Falling In My Sleep」→「Let’s Get It On」→「Something Gotten Hold On My Heart」→「A Simple Lover Of A Woman」という流れで、B面は「Loving Girl」→「After The Storm」→「Slipping Into Darkness」→「Sha La La La Lee」→「Foot Steps Dub」→「Who Told You」となる。

何度か聴くうちに確信したのは、本作はジャンルとしての「ラヴァーズ・ロック」をまとめたのではなく、言葉通りの「レゲエ・フォー・ラヴァーズ(恋人たちのレゲエ・ソングス)」なのだということ。甘いコーラスとダンスを誘う軽やかなリディム、メロウでスウィートなレゲエ&ロックステディがつまった12曲。悪いわけがないのである。

てなわけで、今日もレゲエを聴きつつ営業中! 暑くなるのかな……。

2025/05/24

5/24 店日誌

5月24日、土曜日。ボニー・‘プリンス’・ビリーを聴いている。今朝はまず『master and everyone』に針を降ろした。平坦だけれどいい曲が多くて、聴いていると、ゆっくり時間が流れていく。次に聴いたのはThree Queens in Mourningというバンドとの2枚組スプリット。回転数の記載がなく、はじめて聴いたときは心底たまげた(33回転で)。これが新曲か……と動揺したのだが、正しい速度にすると、穏やかでまっすぐ。普通にいい曲。久しぶりに聴いてもウットリさせられた。『Hello Joy』と題された4曲入りE.P。

流れのまま、Three Queens in Mourningの盤を聴いていて、気がつく。Bonnie ‘prince’ BillyことWill Oldhamの楽曲だけが歌われている。「I See A Darkness」からはじまるB面の展開は特に素晴らしく、なぜ気がつかなったのか不思議に思う。こちらは『Hello Follow』と題されている。

遅い時間から演奏が始まり、お客は思い思いに楽しむ。夜が深い時間になってくるとDJがいい音楽を流し始める。こういう場所で私も演奏したいと思った。こういう場所を求めていた。自分の居場所を見つけたと思った。(見汐麻衣)

引き続き、見汐麻衣『寿司日乗 2020▶︎2022 東京』を読む。「2021年12月31日(木)」内の2000年11月にロンドンで観たTeenage Funclubのギグの描写がとてもいい。「場所も、人も、時間も上書きしたくない」って気持ち、分かる気がするんだよなあ。

今日も新刊入荷の予定あり。13時から20時まで開けてます。

2025/05/23

5/23 店日誌

5月23日、金曜日。涼しい。天気予報によれば平年並みかちょっと低め、4月下旬程度の気温とのこと。急激に暑くなり冷房をつけたと思ったら、ちょっとした上着が必要になる。こんなにも激しく温度が上下することあったかな……と考えても仕方ない。身体は軽く、歩くのにもちょうどいいのだ。気分よく過ごすための工夫を重ねていけばいい。人にやさしく。情熱の薔薇。なぜか、ブルーハーツが頭で流れる。

10時半起床。珈琲を淹れ、そのまま作業。14時、昼飯。後15時〜19時半まで再び作業。今日はあっという間に時間が経つ感覚があったけれど、充足感はない。19時半過ぎ、適当に晩飯をすませて横になる。前進しているのか停滞しているのかもよくわからない1日。(見汐麻衣)

見汐麻衣『寿司日乗 2020▶︎2022 東京』を読んでいる。上記したのは「2021年3月9日(火) 曇」の冒頭部分。この後に引用される中川一政の書「我は駄目だと思うときもある やってゆかうという時もある」って言葉が何度か出てくる。見汐さんは向田邦子の随筆で知ったらしい。「前進しているのか停滞しているのかもよくわからない」状態を繰り返しながら、みんな生きてるんだな。

レコードの片面が終わらないうちはインターネットにアクセスしない。そう決めるだけで、本が読める。音楽が聴ける。たかが15分ちょいであっても、意識しないと自由になれない。やはり歩くのがいちばんなのだ(スマートフォンを持ってないから)。

今日も通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/22

5/22 店日誌

5月22日、木曜日。各地から荷物が届く。朝、ポストに入っていたのが、小栗誠史『一色海岸書店』。昼過ぎにはずぼっと刺さったレターパックライトを見つける。中身はTINY STEP “SOUTHSIDE”TRIO『10:02pm/Ain’t No Sunshine』の7インチ・シングル。開店準備中に届いた箱には「ビール2杯分のアテ」を標榜する『ATHE』(サンプル)が入っていて、ちょっと間をおいて見汐麻衣『寿司日乗 2020▶︎2022 東京』も受け取る。その最中にイラストレーターのTact Satoがやってきてカパッとビールを飲み始める。

暑いけどいい天気。冷房はつけずにレゲエ、ロックステディを流して扇風機をスイッチオン。お客さんが暑そうにしてたら対応すればいい。……が、しばらく誰も来ないまま、店内にはタクトくんだけ。そのうちに友人カトウくんも来て、話に合流。もう、今日はこれでいいかな〜とか思ってると、お客さん。JJJのTシャツを着た若者が本を買っていく。

19時過ぎに顔を出した〈古着屋may〉のホソヤさん、カトウくん、タクトくん、それぞれの会計を済まして、閉店。最近の水曜日はこんな感じで終わっていく。今日はどんな日になるだろうか。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/21

5/21 店日誌

5月21日、水曜日。暑い。歩くと汗がとまらない。ジワジワ、ダラダラ、ベタベタだ。できるだけ余裕をもって移動したいのだが、こうなるとたまらない。早く目的地に着いて一息入れたい。着替えたい。なんならシャワーを浴びて、昼寝がしたい。梅雨前だってのに、なんでこんなに暑いのか。ほんとに気持ちのいい時期は一瞬。あっという間に通り過ぎちゃうんだよなあ。

カフェに仕込みにきたサトちゃんにキャベツをひと玉渡す。郵便受けには〈元・ウサギノフクシュウ〉の小栗さんからの嬉しい小包。ラジカセからはロックステディ。アヂーだのなんだの言っても、ちょっとの出来事で気分はよくなる。単純な人間なのである。

オンライン・ストア〈平凡〉はもちろん、メール経由での直通販も大歓迎。在庫確認などのお問い合わせはお気軽に(ただ、レコードの普通郵便での発送は遠方だとけっこう時間がかかるので、ご注意を)。

今日明日、明後日は15時開店。今週もどうぞよろしく。

2025/05/20

5/20 雑記

近所の〈つるばみコーヒー〉で豆を買って、店主とおしゃべり。布団を干して、庭の草を刈り、陽の高いうちに風呂に入った。気楽な休日。

2025/05/19

5/19 店日誌

5月19日、月曜日。涼しい。半袖で出歩くのは心もとない気温である。ちょろっと雨も舞ったりするのだが、傘を持つのは面倒くさい。どんな装備で出かけるか逡巡するも、ままよ! と手ぶらで歩き出す。5分、10分と歩を進めると身体があたたまり、リズムが出てくる。15分も経てばいい気分。ちょうど昼休みだったのか、筑波大は人がたくさん。留学生の多くは軽装で、日本人の学生たちはシャツやなんやら、しっかり服を着ている印象を持った。

*

昨夜、天久保1丁目〈Club OctBaSS/Bar DISOS〉で行われた「Good Nears」は大充実のグッドパーティー。チヨリ&ヤマーン、東金バイパス、アイワビーツ、イースタン・ピーのライブを近所で観られるってのは幸運だ。……特に、アイワビーツのDJは近年屈指の衝撃。プレイ中、自分は石化されたように身動きが取れなくなる。ルーツ・レゲエ、ロックステディの名曲をスクリューにすると、ああなるのか。まるでジャー・シャカのようだった。

東金バイパスもカッコいい! あの2人には理屈じゃなく共感できる。輪郭の定まったヒップホップ。90年代〜00年代を通過してるからかな、なにか「わかる!」って感じがあるのだ。

*

今日も通常営業。お暇があればお出かけください。

2025/05/18

5/18 店日誌

5月18日、日曜日。いやあ、蒸し暑い。10分も歩けば汗がにじみ、喉がかわく。建物に入ると冷房が効いてて気持ちがいい。梅雨の準備期間みたいな湿度で、これからもっともっと暑くなって、雨も降るんだぞ〜と脅されている気分になる。ジメジメ、ネトネトの気候がやってくると思うと今から憂鬱だ。……なんて言ってても仕方ない! こうなりゃ、それなりにやっていくしかないのである。元気に、とは言わずとも、どんよりせずに過ごしていこう。

今日明日の営業は13時から19時まで。本の買取など、お問い合わせはお気軽に。

2025/05/17

5/17 店日誌

5月17日、土曜日。雨よ、もうちょい加減してくれないか。道路のあちこちに大きな水たまりができていて、車が通るとバシャッと水が撥ねてヒヤヒヤするんだ。風よ、こんな日は少しだけ静かにしてほしい。横殴りの雨で傘の役目が奪われる。歩いているとTシャツ、ジーパン、スニーカーまでびしょ濡れだ。自転車に乗る若者よ、傘差し運転とヘッドフォンの組み合わせはやめようじゃないか。周りの動きを観察しながら走るのが、自転車と車のマナーだと思うんだ。

いやあ、まったく。こんな天気で来てくれる人はいるのだろうか。週末の催事、個人店泣かせの空模様。雨風を嘆いても仕方がないのだが、黙ってるのもやりきれない。ああ、まったく。こればっかりはどうしようもない。静かに本を読んでいようか。

店内、古本の入荷多数。100円~300円~500円の均一価格のもの、ちょっと珍しいもの、最近出たばかりの雑誌などがあり。オンライン・ストア〈平凡〉で買える本もあるので、気が向いたら覗いてみてほしい。

今日明日、明後日は13時開店。通信販売、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2025/05/16

5/16 店日誌

90年代まではあったものの多くが、ひとつずつ、しらみつぶしに消されていくような大波が、01年以降、幾度か世を洗っていったようにも思える。それでもなんとか、持ち堪えている文化も、街もまだある。なによりも、人がいる。滅多なことでは「へこたれない」人々が。(川崎大助)

5月16日、金曜日。届きたての新刊、川崎大助『夢のかなたの街』をひと息に読み切る。「いろんな街の記憶、あるいは感興が、虚実ないまぜになったまま、僕のなかにある」と書き出される「はじめに」にややたじろぐも、2000年代の渋谷に始まる本編を読み出すと、勢いがついて止まらない。ロンドン、大阪、ホノルル、ボストン、ユジノサハリンスク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、下北沢、ニューヨークと舞台を移し、それぞれの地で会った人、遭遇した出来事が綴られていく。

この本は著者の随想? 世界各地の街のカルチャーガイド? フィクションの混ざった短篇小説? 複数の要素をはらみながら、90年代から00年代初頭までの街の空気をスケッチしていく手法に触れるうち、野暮な分類は諦めた。好きに読めばいい。こんな説明でどうかと思うけど、とても面白い本なので、ぜひ手にしてほしい。

ツイッター(現エックス)が言論の場だとすると、自分はまったく使いこなせていない。他者のテキストを熟読することは多くなく、自らの意思表示も怠っている。使用意図のほぼ100%が販売促進。来店に繋がるきっかけが作れれば充分だ。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/15

5/15 店日誌

5月15日、木曜日。ロボ宙『You&I』がすばらしい! 耳馴染みのある口笛に導かれて始まるラップ、トラックは穏やかで、聴くうちじーんと沁みてくる。〈バックパックブックス〉と〈omiyage〉が軒を連ねる代田橋駅前の風景が頭に浮かぶ───店前に椅子を出して通り眺めるロボさん、本を読むユウト。ああ、いいなあ。また遊びに行きたい。まずはビールを飲んで、レコードやカセット、CDを見てから本を買う。あの場の時間を追体験させてくれる名曲だ。

「You&I」を収録したCDRにomiyageステッカーとオマケが付いて、ぴったり1000円。再生すれば3分18秒なのだけど、暖かな体感はずーっと残る。小さいけど贅沢な音源だと思う。ピープル・ブックストアとオンライン・ストア〈平凡〉で購入可能(平凡には夜にアップできるかな……。

今日も通常営業。在庫確認、本の買取などのお問い合わせはお気軽に。

2025/05/14

5/14 店日誌

5月14日、水曜日。ようやく自転車の買い替えの目星が付いた。直販店まで赴き、カラーとサイズを確認した上で試乗させてもらう。たかだか5分ちょっとだったのだけど、小さな街区の坂道、路地をシャーっと走り抜けると想像以上に気持ちがいい。その場で購入! とはいかずとも、欲しいものは確定した。ネット購入でも近所の店まで送ってくれるらしい。店員さんが親切だったし、あの店で買えればよかったのだけど。

じわりと暑くなったからか、レゲエ~ジャマイカ音楽関連の入荷が増えている(ほとんどが中古盤CD)。おかげさまで、『Breakout』や『Dread In Session』などの輸入盤新譜はほぼ完売。遠からず補充するつもりなので、気長に待っていてほしい。

しばらくは催事なし! ああ、すっきり。のんびり店を開けるだけでいい。

2025/05/13

5/13 雑記

 日記を書くということ。ある日の出来事を、その日付のもとに記録すること。そのいいところも、よくないところもあると思う。  一日の出来事のなかには、日記にしか書けない事柄がたくさんある。日記に書かなければ、もう書きとめられることはない事柄を、日記は言葉で留め置くことができる。 

 一方で、日記には書けない事柄もある。時間が経って、多くの出来事が消え失せたあとで、その日をどうにか取り戻そうと願うように記される言葉は、日記とは別のかたちで出来事を記録する。そして小説は、そういう言葉で書かれるものだと思う。(滝口悠生)

滝口悠生『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』の「あとがき 2019年11月13日(水)」がとても良かった。やがて忘れる過程の途中。記憶の脆さ、時流の儚さをはらんだ秀逸な題名だと思う。

2025/05/12

5/12 店日誌

5月12日、月曜日。歩くのは楽しい。郵便局でレコードの発送、スーパーで買い物をしたのち、友人がはじめた〈つるばみコーヒー〉に顔を出したり、たっぷり30分。水たまりを避けつつ歩く。せまい道でも無遠慮にビュンと通りすぎる車がいれば、そろっと走ってくれる人もいる。いろんな人がいるもんだな〜とぼんやり考えながら、いったん帰宅。グレープフルーツジュースを飲んで、店まで歩く。雨があがって空気が澄んでる。2匹の猫が同じポーズで丸まってる。筑波大学にはたくさんの人がいた。

今日は通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/11

5/11 店日誌

5月11日、日曜日。ラバーズロック関連のレコードと一緒に仕入れた『Bugs On The Wire』に針を降ろす。イギリスのBBCで1984年に始まったラジオ番組「On The Wire」40周年に際しての再発盤(オリジナルは1987年リリース)。司会者のスティーヴ・ベイカーによる選曲はずばり、ポスト・パンク。冒頭のダブ・シンジケートこそニュールーツ的だけれど、以降は鋭いギター・リフとベース・ライン、扇状的なヴォーカル曲が多くなる。リー・ペリーの曲もいわゆるレゲエじゃなく、ニューウェイブ風味である。

ペリーに続く2曲、ザ・リバーサイド・トリオとロンダなるバンドはアメリカン・ルーツ・ミュージックみたいで、これはこれでカッコいい。面が変わると、レゲエ~パンク的重力を拒否するかのような鍵盤重視の楽曲が続いていく。80年代っぽいリズム、手ごたえを得づらいヴォーカルが続くのだが、嫌じゃない。むしろ、興味がわくのはなぜだろうか。

ことに英国におけるダブ解釈は、ポスト・パンクの母国として、その影響が多層的に、越境的に広がり、独自なものへと発展していったがゆえに興味深い論を生み出している。(野田努)

河村祐介(監修)『DUB入門』所収、野田努「レゲエとパンクは似たもの同士ではない──UKでのDUB論の展開」には『Bugs On The Wire』を紐解くためのヒントがある。重要な「論」に関してここで触れる余裕はないけど、ビビッとくる感触だけでも伝えたい。ジャマイカとイギリス、レゲエ~ダブとパンクの関連性を知るにはうってつけのテキストなのだ。

スリッツ、ポップ・グループ、パブリック・イメージ・リミテッド等々のバンドとデニス・ボヴェル、エイドリアン・シャーウッド周辺の関わり方を知っていくには、まだまだ、多くの時間が必要なのは間違いない……。

今日は17時までの短縮営業! お時間あればご来店ください。

2025/05/10

5/10 店日誌

今はキングジョーのテキストが救いである。上手くいってることなんか多くない。それどころか、小さな失敗を積み上げるばかりの日々にあって、ジョーさんの言葉から漏れでている何かが、オレの魂を震わせる。(2/15店日誌)

5月10日、土曜日。なんと、このタイミングでキングジョー/松本亀吉『PEACE Piece』が届いてしまった! ジョーさんと遭遇したのは2月13日、大阪市東淀川区のサイクルショップ〈タラウマラ〉だ。その場でZINEを買いサインを入れてもらって、よかったらお店でも! ってお誘いを迷わず了承。そこから約3ヶ月、ついに送られてきた。遅いと言いたいわけじゃない。ちょうどKEN2D SPECIALのミックステープも届くはずだし、いい波がきているのだと思う。

この冊子はキングジョーと松本亀吉の両A面。加齢と格闘しながらも若々しさを失わないキングジョー、淡々と年を重ねながら老け込まない松本亀吉。個性がまったく異なる2人なのだが、不思議と相性がいい。お互いへの信頼感が本全体に漂っている。

気流舎は、空間に付けられた名前であり、資本主義ゲームの中では”店”という役割を担った。しかし僕には、それが長い歳月をかけて多くの人が積み上げてきた文化的な構築物、あるいは意識の集合体だという想いが強くあり、その不可視なものをどうにかしてつかみ取って一冊の本にまとめてみたかった。(ハーポ部長)

ハーポ部長(編著)『本のコミューン』が再入荷。下北沢にあったブックカフェ〈気流舎〉でのイベントを採録、書籍化した約330ページ。レゲエ、ヒッピー、コミューンといった面があり、文学、哲学、人類学に関する論考もある。書物は空間、容れ物として豊かなのだと再認識。

今日も通常営業! 在庫確認、通信販売などのお問い合わせはお気軽に。

2025/05/09

5/9 店日誌

5月9日、金曜日。予約していた『KENANG KENANGAN』という10インチ・レコードを受け取り、針を降ろして仰天した。めちゃくちゃ良いじゃないか。選曲・監修は馬場正道。DJでありスナック、レコード店の店主。さらに、只事じゃないレベルの蒐集家であることはなんとなく知っていたのだが、いやいや参った! こりゃすごい! インドネシアで1950年代制作されたSP盤で編み上げたコンピとのことなのだけど、耳触りは上品。洒脱。異国感を漂わせつつも、濁りのないグッド・ミュージックだけが入ってる。

馬場正道さんには一度だけ遭遇して、言葉を交わしたことがある。長身、長髪で垢抜けた着こなし。フロアに立つだけで目に入る。友人に紹介してもらったのだけれど、いまいち噛み合わず。悪印象だと言いたいわけじゃない。こういうカッコいい人がいるのだな……と驚き、萎縮してしまったのだ。気の利いたことも言えなかったし。

今月に入って本の買取りが続いていて、ドキドキしている。おお! とか、ああ……とか、うわ〜なんて感じで心中穏やかではないのだが、古本屋としてはありがたい。本の買取りに関するお問い合わせ、お声がけはお気軽に。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

2025/05/08

5/8 店日誌

5月8日、木曜日。クレム・ブシェイが手がけた楽曲を収録した『DREAD IN SESSION』に針を降ろすと「Rock Your Baby」が流れ出す! この曲はアップルミュージックには未収録。レコードを買った立場からすれば「やったぜ!」という感じ。歌うのはAnne&Annis Peters(アン&アニス・ピータースって読み方で正しい?)って姉妹デュオだろうか、ガールズ・ヴォイスが軽やかな曲にぴったりだ。続く「Summertime」はドミノ・ジョンソン。溜めの効いたルーツ・レゲエ、声がハスキー。イントロのドラム・インにちょっと驚く。

ボブ・デイヴィス「World In Arms」はいわゆるロック・ステディ。甘く暖かな声とメロディが空気をやわらげる。ブシェイのインストを挟んでのデルロイ・ワシントン「Have You Ever Loved Someone」はタイトルからして直球のメロウ・チューン(オルガンが隠し味)。カール・バートの連曲は上向きのレゲエ、なんとなくジェイコブ・ミラーっぽくもある。

B面のボブ・デイヴィスもやっぱり甘い、暖かい。「Come On Back To Me」「Loving Girl」と続く流れではオルガンとファルセットが気持ちいい。極上のロック・ステディ。ユージン・ポール、カール・バートもゆったりテンポを繋いでいって、ラストのジーン・ロンドはルーツ・レゲエ。マイナー調の渋い曲。

裏面クレジットを紐解いても録音年代の表記なく、詳細はわからないのだけど、おそらく1967年から1974年頃なのだと思う。ロック・ステディからルーツ・レゲエへ変遷していく過程の真っ只中。さらに、この楽曲のいくつかはリー・ペリーの〈ブラック・アーク・スタジオ〉で制作されている。どの曲をペリーが手がけたのか……と想像するのも聴きどころ。

今日明日は15時開店! 古本、音源にいろいろと入荷あり!

2025/05/07

5/7 雑記

さて、肝心のパティ・スミスはどうだったのか。そりゃ尊い。ロバート・メイプルソープ、アレン・ギンズバーグ、ルー・リード、サム・シェパード、トム・ヴァーライン、ハリー・スミス、ウィリアム・バロウズ、ロバート・フランク、ボブ・ディラン、等々。60年代から現代にかけてニューヨークの街に散らばった点を線にできる数少ない人。文化と芸術の結晶みたいな人が目に前にいるってだけで特別なのである。

ただ、自分に書けるのはパティ・スミスを目撃したってことだけだ。賛辞の数々はSNSを検索すれば山ほど見つかる。詩的な賞賛、音楽的な興奮なんかも書いてあると思う。感受性が足りてないのかと不安にもなるが、それ以上も以下もないってのは正直なところ。

2025/05/06

5/6 店日誌

5月6日、火曜日。代田橋駅に着いて階段を上がると、まずユウト、続いてロボさんの姿が目に入る。2人そろって笑顔で迎えてくれる。荷物を下ろしてまずビール! コンビニで3缶買って、乾杯だ。互いの近況などを話しつつ〈omiyage〉を覗くとデニス・ボーヴェルのCDを発見。お目当てだったロボ宙さんの最新音源と旧譜デッドストックを併せて購入。ATMで金をおろして〈バックパックブックス〉の棚に目を移すと、森永博志『あの路地をうろついているときに夢見たことは、ほぼ叶えている』がある! ちょうど読みたかったんだ。

椅子に腰を沈めて、ビールを飲んで話しつづける。居心地がいい。自分の店より落ち着く気がする。店や町の状況に耳をかたむけ、自分も話して、ぼけーっとしたり。気がつけば17時過ぎ。じゃあ、そろそろ行きますわーと眼前の駅から電車に乗って、初台へ。この日の大目的、パティ・スミスのパフォーマンスに立ち会うために〈国立劇場〉に向かう。

カネは使わなければ貯まるが、時間は使おうが使うまいが、どんどん消えていく。命と同じ。カネは人に貸したり、あげたり、預けたりできるが、時間はそうはいかない。(森永博志)

ゴールデンウィーク真っ只中の高円寺、代田橋の店主たちはそれぞれのペースを保っていた。大繁盛って感じでなくとも、自然体で健やか、小さくとも創造的。カネだけを物差しにせず世界と相対する人たちを頼もしく思う。

雨降りの連休最終日。13時から18時まで開けてます。

2025/05/05

5/5 店日誌

5月5日、月曜日。一昨日の東京探訪記、高円寺編の続き。ロスアプソン店内の膨大な量の音源、流動的な陳列にクラクラしながらレコード棚をちょこちょこと追っていく。まずはレゲエ~ダブ、次にブルース、フォーク、ジャズ……ダメだ! 全然入ってこない。この日はミックスCDに集中することにして、ぐっと目を凝らす。既知3割、未知が7割くらいの割合だろうか、手描きポップがなければジャケット以外に手がかりなし。ピンときたものを3枚選び、会計時に店主の山辺さんにご挨拶。軽く話して、数枚のチラシを受け取り、退店。心中で再訪をちかって町に出る。

高円寺といえば、松本哉さん! 〈素人の乱・5号店〉を目指して歩いていく。中通り商店街を進んでいくと古着屋、古本屋、よくわからん個人店がちらほら目に入り、雰囲気出てきたな〜と思ったところで発見! 大型家電が並ぶ店に入るも誰もいない。目の前の小さな古物が置かれた店舗も無人。こんちは〜っと声をかけても無反応。少々困ったところに松本さんが帰ってくる。「どもども〜」「また飲みましょ〜」とか話して、ササっと帰る(素面だと妙に気恥ずかしくて)。

さて、駅に向かおう! 来た道を戻る途中でカメラ屋を見つける。むむ、もしかして。引き返して、店内に入ると「あ!」と店主が反応してくれる。フォトグラファーの児玉浩宣さんに初対面。オンライン・ストア〈平凡〉で買い物をしてくれたり、幾人かの知人とも交流があるから、親しい気持ちを持っていた。無骨だけれど芯のある人。交わした言葉は少ないけれど、繋がる部分が見出せた気がする。

次は代田橋に行こうかなーっと電車に乗って新宿へ。京王線に乗り換えて、何本かの電車を見送り、各停を待つ(てなところで、止めておく。また明日に続くかも)。

今日明日も13開店! 気が向いたら、ご来店を!

2025/05/04

5/4 店日誌

5月4日、日曜日。昨日は店を休んで東京へ。最初の目的地は高円寺、未踏の密林的音盤店〈Los Apson?〉を目指して歩く。ざっくりした地図だけを頼りに進んでいくも、手がかりなく、こりゃ方向が違うんじゃないか? と疑念に捉われたあたりで居酒屋〈カヤ〉を見つける。おお!ここなんだ〜! 喜ぶも営業時間前。駅に戻る途中の商店街で目に入った小さなお店は、なんと〈アムレトロン〉だ。店主の方と何度かお会いしたことがあり、知人からも評判を聞いていて、気になっていた。

ドアを開けると「あら、どうも!」って感じでご挨拶。たまたま見つけました〜なんて話しつつ、店内をぐるりと一周。本とレコード、雑貨、コーヒー豆などがある小さな店なのだけど、配置に深みがある。限られた空間で立体的に表現されるのは、店主の美意識、文学観。びしびしと刺激を受ける。ずっと欲しかった詩集を購入。

実はロスアプソンに行きたくて……と切り出すと、それならここをまっすぐ行って、あそこの角を曲がって、ちょっといけばありますよ。道順を教えてもらって町に出る。たぶんこの辺なんだけどな〜って通りを行きつ戻りつして、ようやく発見。坂本慎太郎の壁画が静かに佇んでいる。そっとドアを開けると、そこは異世界。まさしく密林。これは入店ではなく潜入だ。おそるおそる足を踏み入れる。

店内奥にはXreensaver/NAT000ことソニックさんのコラージュ作品が展示されている。馴染みのある色彩の作品たち、画像でしか見てこなかったけど、実物もすごくいい。奇妙だけど愛嬌あり。さあ、次はレコードか? Tシャツか? CDか? なにから見ていこうか(と、書き出すと終わらないので、今日はここまで)。

今日明日、明後日は13時から19時まで開けてます! お暇ならばご来店を〜!

2025/05/03

5/3 休業

今日、5月3日(土)は休みます。

2025/05/02

5/2 店日誌

5月2日、金曜日。届いたばかりのレコードを自分で購入、シュリンクにハサミをいれて盤を取り出し、そっと針を降ろす。ズンとした低温が響く。思ってたより音がいいぞ……と喜びながら裏面記載の英文を読んでいく。ブッシュレンジャーことクレム・ブシェイのキャリアは彼自身のバンドを率いて歌うことで始まっていて、その後はトロージャンのプロデューサー、A&Rの仕事をこなす。1977年に自身のレーベル、ブシェイを立ち上げ、数々のレコードを制作した。中学レベルの英文読解だとこんな感じ。

ひとまず4種仕入れたうちの1枚、The Bushrangers『STUNTMAN』は良質のルーツ・レゲエが10曲入った良盤だ。おそらくブシェイ自身と思われるファルセット・ボイスが効いていて、スウィート・ソウル指数も高い。特にA面ラストの「Never Win’ Never Loose」は絶品。デュエットするのはジャネット・ケイ? いずれにせよ極上のソウル・チューン。

本盤のみ3500円前後の値付けで、それ以外は4500円前後。近年、レゲエ〜ロックステディの良盤は中古でもこぞって高値がついているので、これでも良心的と言えるのでは。すべて輸入盤の新品、シュリンク付き。しかし、オレはどうしてこんなにレゲエ・ミュージックに惹かれているのか。売りながら考えてみる。

今日も通常営業で、明日3日(土)は休業。4日(日)から6日(火)までは休まず営業します。

2025/05/01

5/1 店日誌

5月1日、木曜日。最近、面白かった本を思いつくまま上げてみる。梅崎春生『ウスバカ談義』、豊田道倫『キッチンにて』、小西康陽『わたくしのビートルズ 小西康陽のコラム 1992-2019』、永井宏『カフェジェネレーション TOKYO』、panpanya『グヤバノ・ホリデー』、スズキナオ『大阪環状線 降りて 歩いて 飲んでみた』、施川ユウキ『鬱ごはん』①~③、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』。軽く読めるものばかりだが発見も多かった。特に施川ユウキによる巻末解説は、低温なのに引き込まれる、他にない魅力をもつものだった。

日記は大事だな。未来の自分を助けるためにも今後も日記を書いていかなければという気持ちが強まる。(panpanya)

なんとなく読みだした、panpanya『グヤバノ・ホリデー』には脱帽。こんなにも懐の深い作品をつくる作家とは知らなかった。記憶のゆがみ、時間のながれに対しての鋭敏な感性。それを表現する柔らかな線。「知らない夏」には短篇小説のような味がある。

上記した本から受けた印象はオンライン・ストア〈平凡〉内の読書日記にメモしてあるので、気が向いたらご一読を。なにを、どこで、どんな風に読んでたのか。それを忘れないために記録している。

今日明日は通常営業で、明後日3日(土)は終日休業。ご来店の際はご注意を。

2025/04/30

4/30 店日誌

4月30日、水曜日。いやあ、長かった。今年の4月は色々あった。土浦市〈がばんクリエイティブルーム〉での「2週間/nishukan」内でのトークイベント、翌日朝の野菜売り、だらだらと過ごした部室のような時間の流れは忘れがたい。古着屋〈wearcrab〉の開店2周年パーティーから、その後の打ち上げ。落ち着く間もなく自主企画「PEOPLE’S PARK」の開催準備になだれ込む……。3月中盤からイベント続きで、かなり疲れた。たくさん話して、たくさん飲んだ。若い友人が増えた気がする。

13年目にはいった当店、ピープル・ブックストアはようやく本屋っぽくなった(遅え!)。古本市に本を送ったことで店内が撹拌されて空気が入れ替わった。本棚も整理されて見やすくなった。他者の働きかけがあって、店に動きが出る。手を動かさねば新鮮な状態は保てないのだ。

忙しくもなく暇でもない。安価な本をよく見て買う人が多くて、手応えあり。たまたま通りがかったような人がきて、本に反応してくれて嬉しかった。開けててよかった、昭和の日。今日からもよろしくどうぞ。

5月2日(金)までは通常営業。3日(土)は休んで、4日(日)から6日(火)まで営業します。

2025/04/29

4/29 店日誌

4月29日、火曜日。こりゃ、なかなかヒドい。 何がって「ピープルブックストア日報」だ。基になるブログは勢いのまま、大した推敲もせずに書いている上、印刷前の厳密な直しもしてないから全体にギクシャクしている。IさんKさんなど人名が頻出してわかりづらい。自分で読んでも、これ誰かな? いつの話だ? と困惑する箇所がいくつもある。まあ、いさぎよく印刷して、配ってるだけ良しとしよう。次号はもうちょっとマシに、せめて普通に読める程度にしたい。

たまたま昨日、店に居合わせたイケダくんとミヨシくんは過去にも一度遭遇していて、そのときのことが今号に記されていたのには驚いた。なんでも書いときゃいいとは思わないのだが、書いとけば面白いことが、まれにある。いや、この日誌を正当化したいわけじゃなく、小さな出来事の報告である。

爽やかな祝日。並びの店はどこも閉まってるけど、当店は営業中。日々届く新刊、買い取った古本や音源で、店の表情はわるくない。足を運んでくれれば何かしらが見つかるかも。お暇があれば、ぜひどうぞ。

てなわけで、開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

2025/04/28

4/28 店日誌

4月28日、月曜日。朝、店にきて段ボールに本を詰める。ゆうパック100サイズ、びっちり3箱を台車に乗せて筑波大学内の郵便局に向かう。途中、段差に乗り上げる際に持ち手がボキッと折れるもめげずに前進、いつもの局員さんに発送をお願いする。宛先は滋賀県彦根市〈山の湯〉。5月2日(金)からはじまる「春の山の湯 古本&レコード市」に当店も参加するのだ。参加店舗は25店!  全国から古本とレコードがたくさん集まる。6日(木)までの会期中、たくさんのイベントも行われるので、近隣の方はぜひ出かけてほしい。

ひと仕事終えて帰宅、近所を散歩。開店したばかりの〈つるばみコーヒー〉にあいさつをして、豆を2種購入(インドネシアとコスタリカ)。コンビニでコーヒーを買ったのち、お気に入りの公園でサンドイッチ、スコーンの昼食をとる。陽射しが弱くて過ごしやすい。人は少ないが、気持ちのいい場所。

店を整え、ブログを書いている今、13時15分。全然間に合っていないのだが、まあオーケー。連休はざまの月曜日、たしか今日はイケちゃんがくるはずだ。

5月2日(金)までは休まず営業! お暇があればお出かけください。

2025/04/27

4/27 店日誌

4月27日、日曜日。天気がいい。空気もさわやか。初夏というには暑くなく、晩春というほどの深みは感じられない。とにかく気分が軽い。そりゃ、どこかに出かけたくもなるよなあ。自分には店があり、来客の期待もあるから、遠出はしない。特別な催事もない。いつも通りに仕事をするだけだ。滋賀県彦根市〈山の湯〉での古本市に送る本の選定、梱包を終えてしまえば、差し迫った用事なし。しばらくは予定を組まずに気ままに過ごしたい。

連休初日の昨日、開店直後から来客が絶えず面食らった。店内ギュウギュウの激混み状態にはならなかったが、店内あちこちが片付かないまま、時間が過ぎていった(いつも通りと言われれば、それまでなのだけど)。ともあれ、来店と購入に感謝! ふらっときて本を買う人がいて、嬉しかった。

夏葉社の新刊、チェ・スミン(編)『私の小さな日本文学』と山本善行(編)『上林曉の本 海と旅と文と』が到着。どちらもオンライン・ストア〈平凡〉に並べているので、ご注目を。古本やレコード、CDなどもあり。

今日明日、明後日は13時から19時までの営業。お暇があればご来店を。

2025/04/26

4/26 店日誌

実際、読んでいただくとわかる通り、私はただただ気ままに散策し、お酒を飲み、最後はほろ酔いで帰路につくというのを繰り返しているばかりである。(スズキナオ)

4月26日、土曜日。スズキナオ『大阪環状線 降りて 歩いて 飲んでみる』に特別なことは書いてない。普段着のまま、大阪環状線19駅で降り、街を歩いた印象が綴られているだけ。スズキナオは前情報ゼロに近い状態で、知らない店に入り、人と言葉を交わす。すると、思いもよらなかったドアが開き、未知の場所に導かれる。これは何かに似ているけど、なんだろう。しばし考えて、思いつく。

街をさ迷っていると、その迷路のような道すじで、ある時突然、まさに路上の賢者といえそうな人(物)に出会い、彼らの手招きによって、気がつくと、自分の目指していた以上の場所にいる。(…)地図やマニュアルは、アクションを起こすきっかけにはなっても、それだけでは路上に賢者には出会えない。(坪内祐三)

ここで何度となく引用してきた、坪内祐三『ストリートワイズ』の一節だ。スズキナオは期せずしてストリートワイズを実践し、路上の賢者と遭遇している。行き当たりばったりの散策に効率は望めない。期待はずれも少なくない。それでも、都度の状況を受け入れ、歩行を止めなければ、ドアが開く可能性はある。店や人、街全体に謙虚でさえあれば、きっかけは掴めるってことだろう。

昨日届いたのは、上記した『大阪環状線〜』と『IN/SECTS』18号、『世界と私をつなぐ、料理の旅路』。すべてオンライン・ストア〈平凡〉でも購入可能。連休中にちょうどいい本、見つけてほしい。

今日からしばらくは休まず営業。お暇があれば、お出かけください。

2025/04/25

4/25 店日誌

4月25日、金曜日。忽然と消えた自転車。なくなったあとの虚しさ、あっけなさに呆然としている。まったく落ち込まないというと嘘になるけど、過剰に落胆していない。ひとまず、友人から自転車を借りられたし、これまで以上に徒歩の割合を増やせばいいのだ。ぼんやり考えごとをしながら30分から40分、自分の時間を得られるってのも悪くない。慌ただしかった先月、今月を顧みたり、これから向き合うべき点が見出せればいい。まあ焦らず、ゆっくり。歩行の速度で進んでいきたい。

信頼のレーベル〈オクラ印〉が刊行したZINE、Roberto Ernesto Gyemant『LA OTRA SALSA』が到着! 40ページの小冊子とは言え、内容はたっぷり。DJベトことロベルト・エルネスト・ジェイモントによる魂に関わる音楽巡礼。

明日から連休って人も多いのでしょうか。当店はしばらく休ます開けてます。

2025/04/24

4/24 店日誌

4月24日、木曜日。ようやっと本屋の日常が戻ってきた。でも、人がこなくちゃ意味がない。昨日はシラーっとしたまま時間だけが過ぎていった。売上どころか来客もゼロ(遅い時間に友人たちがきてくれたが、彼らには別の用があり、客にあらず)。自分もしばらく慌ただしかったし、世間は連休前だし、色々なタイミングが合わないときもある。不用意には落ち込まず、状況を受け入れるのみ。

ロックステディを聴いている。リユース店で目をつけていたCDを買ってきて、試してみる。わかったのは曲数よりも録音年代が重要ってこと。1967年から72年頃につくられた曲にはなんとも言えない魅力がある。レゲエが生まれる直前のジャマイカ音楽界の熱気。盤を通して感じとりたい。

好天につられて開店前に〈古着屋may〉でTシャツ物色。いくつか試してみるが、珍しくピンとくるものがなく手ぶらで帰ると、ガビーン! 自転車が見当たらない。今朝まで確かにあったはずなのだが……。

今日明日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/04/23

4/23 店日誌

4月23日、水曜日。気がつけば、晩春〜初夏の連休が近づいている。当店は今日から4月中は休まずに営業。月が変わって5月3日(土)が休業、6日(火)は営業するか思案中(6日を開けて7日で休むか、6日7日と連休にするかどうか)。まあ、とりあえずは今月を駆け抜けてみてから、決めることになる。先月からはじまった試練の連続催事をどうにか終えて、今はしばしの休息期間。ようやく息がつける。ようやっと、本屋の日々が戻ってくる。

疲れた、参った、そんなことばかり書いてるからか、けっこう心配もされる。だけど大丈夫。絶好調でなくても歩けるし、本も読める。音楽もたくさん聴いている(昨日も突発的にレコードを買ってしまった……)。さすがに酒はガバガバ飲めないけど、チョロチョロならば付き合える。

頼れるご近所さん、スペクテイター編集部による『パソコンとヒッピー』が到着。店では今日から、オンライン・ストア〈平凡〉では昨日から販売している。この他、連休向けの新刊もいくつか入荷予定。

今日明日、明後日は15時開店! お暇があればご来店を!

2025/04/22

4/22 雑記

ああ、疲れた。心身ともにクタクタになった。でも、それ以上に嬉しかった。見知らぬ人、古くからの友人、店のお客さん、演者の知人、いろんな種類の人が集まってそれぞれに楽しんでいた。音楽に集中するもいい、おしゃべりに夢中になるのもいい。他者に過剰な迷惑をかけなければ、自由にしてほしい。そもそも、“エンジョイ・ユアセルフ”を具現したくて、ピープルズ・パークをはじめたのだ。

大きなフェス、マーケットを楽しむのもいい。小さなイベントだから尊いなんて今は言えない。大小問わず、各々苦労を重ねて準備して、ギリギリまで心配しながら当日を迎えている。どの場に加わるか、足を向けるかも自由。安心して楽しめる催事をえらべばいい。ここまできて、文化をつくるなんて大げさに意識もしていないし、公言もしない。そんなの勝手に育っていくものだから。

自分には店がある。その上で関わるイベント、パーティーがある。それらは異なるレールを走っていて、基本は併走で合流することは多くないのだけど、今回はちがった。告知がうまく出来なくても、店があったから、開催を知る人がいた。店で買った音源を気に入って、足を運ぶ人もいた。思わぬ助けを得ることもあるし、勝手なことを言われたりもする。場があるって重要なのだ。

思いのほか、ピープル・ブックストアは育ってる。弱りきった自分を店が支えて、動かしてくれた。はじめてそう感じた。

2025/04/21

4/21 店日誌

4月21日、月曜日。いい天気! 気分がいい! チャリに乗って店にくると、隣の店ではチヨリさん、ポットマンが働いてる。ちょっと時間を置いてタクトくんも現れる。ああだこうだと喋ってると、ジョージマも顔を出す。みんな決まったように「昨日は楽しかった!」と話してくれて、とても嬉しい。おかげさまで、当店企画のパーティー「PEOPLE’S PARK」は盛況のもと無事終了。とにかく今はホッとしている。また来年、何かやれたらいいなあと思ってるけど、どうなるだろう。

というわけで、今日も通常営業。明日火曜は定休日。

2025/04/20

4/20 休業

今日、4月20日(日)はイベント開催のため、終日休業。

2025/04/19

4/19 店日誌

4月19日、土曜日。いい天気! 午前中、理髪店〈Bespoke〉で散髪したのち帰宅、レコードを聴いてから店にきた。こうなると聴きたくなるのはロックステディ、ゆるめのスカ(もしくは西海岸ジャズ!)。ああ、今年も暑くなるんだろうなァ……ゲンナリしているだけじゃなく、みじかい初夏が楽しみでもある。4月末から5月初旬の連休中も雨が少なけりゃいいけど、どうなるだろう。今のところ当店は4月29日(火)は営業で、5月3日(日)が休業予定。

今月の中盤以降、若いお客さんが増えた。新入生から、2年生くらいの男性、女性。今年大学院に入学したらしき人もいる。毎年のことのようだけど、最近の店の雰囲気はいつになくフレッシュ。音楽好きの若者たちも多くて、話すのが楽しい。

今日は通常営業! 明日はイベント開催のため、終日休業です。

2025/04/18

4/18 店日誌

4月18日、金曜日。先週末、なじみのお客さんから買い取った施川ユウキ『鬱ごはん』にハマった。主人公の鬱野たけしは22歳。就職浪人中のフリーター、バイト先はネットカフェ。彼女はおろか友達も極少、たぶん東京と神奈川のはざまあたりのアパートに住んでいる。冷凍食品、チェーン系外食、簡単な自炊が主な食事なのだが鬱野特有の警戒心と完璧主義とが相まって、食後にはだいたい虚しさが残る。それだけの話が延々と、淡々と描かれるのだが、実に味わい深いのだ。

僕は鬱野の毎日を、どこか「若き日の思い出」のように捉えてしまっているフシがある。それは鬱野がひと回り年下だからなのだろうけど、そのせいか彼の失敗談や不運話がそれほど可哀想に思えないのだ。過ぎ去りし日のいち場面として、むしろたっぷりとした詩情を感じている。(施川ユウキ)

鬱野は3巻の途中で30歳になる。無駄な時間を重ねて大人になっていく、その姿がやけに尊く、好ましい。戦略的就活だの、クラファン起業だの、いまどきの発想とは無縁のまま、彼個人のものさしを投げ出さずに暮らしている。作者によれば「鬱野の毎日は冴えない。(…)鬱々としながら、それを含めて人生を楽しんでいる」。うん、こんな漫画があっていい。なんと今日! 最新刊の6巻が発売になるらしい。

最近は新入生なのかな、若いお客さんが増えている。たまたま通りすがって、店の前で立ち止まる、しばらく様子を伺って入ってきたり、こなかったり。数日後に入店、安価な本を買っていく。古本屋として、とても嬉しい。

今日も通常営業! 明後日20日(日)はイベント開催のため、終日休業。

2025/04/17

4/17 店日誌

4月17日、木曜日。歩く分には半袖でじゅうぶん。店内にいると、やや涼しい。草花も元気になってきて、春の訪れを実感する。こんな日は、芝生でごろんと寝っ転がるか、家の布団で寝ていたい。だけど自分は店にいて、ブログを書いている。花粉の影響か? それとも、二日酔いが原因か? ずーんと頭が重たい。鼻が詰まっていて、息がしづらい。とりあえず、もう少し眠ろうか。いやいや、寝てたら店を開けられないぞ。

ふーーーーっと身体を起こして椅子に座ったところで常連Iさんがきて、〈Mingel〉のビールとRai Tateishi『Presence』を受け取る。前者は“Shade Of Jae”って名前の黒ビール、後者はなんと尺八演奏のCDで、めちゃくちゃカッコいい。こんな感じで、お客さんに教わり、救われている。いつもありがとうございます。

話のなかで益子にあらたに〈Hum〉という書店兼古着屋ができたことを知る。店主の方はうちにも何度かきてくれたことがあるらしく、宇都宮在住とのこと。誰だろ? ってしばし考えて、顔が浮かぶ。あの人、店をはじめたんだ! よかったなァ。

書籍、音源に入荷あり! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。