2025/04/30

4/30 店日誌

4月30日、水曜日。いやあ、長かった。今年の4月は色々あった。土浦市〈がばんクリエイティブルーム〉での「2週間/nishukan」内でのトークイベント、翌日朝の野菜売り、だらだらと過ごした部室のような時間の流れは忘れがたい。古着屋〈wearcrab〉の開店2周年パーティーから、その後の打ち上げ。落ち着く間もなく自主企画「PEOPLE’S PARK」の開催準備になだれ込む……。3月中盤からイベント続きで、かなり疲れた。たくさん話して、たくさん飲んだ。若い友人が増えた気がする。

13年目にはいった当店、ピープル・ブックストアはようやく本屋っぽくなった(遅え!)。古本市に本を送ったことで店内が撹拌されて空気が入れ替わった。本棚も整理されて見やすくなった。他者の働きかけがあって、店に動きが出る。手を動かさねば新鮮な状態は保てないのだ。

忙しくもなく暇でもない。安価な本をよく見て買う人が多くて、手応えあり。たまたま通りがかったような人がきて、本に反応してくれて嬉しかった。開けててよかった、昭和の日。今日からもよろしくどうぞ。

5月2日(金)までは通常営業。3日(土)は休んで、4日(日)から6日(火)まで営業します。

2025/04/29

4/29 店日誌

4月29日、火曜日。こりゃ、なかなかヒドい。 何がって「ピープルブックストア日報」だ。基になるブログは勢いのまま、大した推敲もせずに書いている上、印刷前の厳密な直しもしてないから全体にギクシャクしている。IさんKさんなど人名が頻出してわかりづらい。自分で読んでも、これ誰かな? いつの話だ? と困惑する箇所がいくつもある。まあ、いさぎよく印刷して、配ってるだけ良しとしよう。次号はもうちょっとマシに、せめて普通に読める程度にしたい。

たまたま昨日、店に居合わせたイケダくんとミヨシくんは過去にも一度遭遇していて、そのときのことが今号に記されていたのには驚いた。なんでも書いときゃいいとは思わないのだが、書いとけば面白いことが、まれにある。いや、この日誌を正当化したいわけじゃなく、小さな出来事の報告である。

爽やかな祝日。並びの店はどこも閉まってるけど、当店は営業中。日々届く新刊、買い取った古本や音源で、店の表情はわるくない。足を運んでくれれば何かしらが見つかるかも。お暇があれば、ぜひどうぞ。

てなわけで、開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

2025/04/28

4/28 店日誌

4月28日、月曜日。朝、店にきて段ボールに本を詰める。ゆうパック100サイズ、びっちり3箱を台車に乗せて筑波大学内の郵便局に向かう。途中、段差に乗り上げる際に持ち手がボキッと折れるもめげずに前進、いつもの局員さんに発送をお願いする。宛先は滋賀県彦根市〈山の湯〉。5月2日(金)からはじまる「春の山の湯 古本&レコード市」に当店も参加するのだ。参加店舗は25店!  全国から古本とレコードがたくさん集まる。6日(木)までの会期中、たくさんのイベントも行われるので、近隣の方はぜひ出かけてほしい。

ひと仕事終えて帰宅、近所を散歩。開店したばかりの〈つるばみコーヒー〉にあいさつをして、豆を2種購入(インドネシアとコスタリカ)。コンビニでコーヒーを買ったのち、お気に入りの公園でサンドイッチ、スコーンの昼食をとる。陽射しが弱くて過ごしやすい。人は少ないが、気持ちのいい場所。

店を整え、ブログを書いている今、13時15分。全然間に合っていないのだが、まあオーケー。連休はざまの月曜日、たしか今日はイケちゃんがくるはずだ。

5月2日(金)までは休まず営業! お暇があればお出かけください。

2025/04/27

4/27 店日誌

4月27日、日曜日。天気がいい。空気もさわやか。初夏というには暑くなく、晩春というほどの深みは感じられない。とにかく気分が軽い。そりゃ、どこかに出かけたくもなるよなあ。自分には店があり、来客の期待もあるから、遠出はしない。特別な催事もない。いつも通りに仕事をするだけだ。滋賀県彦根市〈山の湯〉での古本市に送る本の選定、梱包を終えてしまえば、差し迫った用事なし。しばらくは予定を組まずに気ままに過ごしたい。

連休初日の昨日、開店直後から来客が絶えず面食らった。店内ギュウギュウの激混み状態にはならなかったが、店内あちこちが片付かないまま、時間が過ぎていった(いつも通りと言われれば、それまでなのだけど)。ともあれ、来店と購入に感謝! ふらっときて本を買う人がいて、嬉しかった。

夏葉社の新刊、チェ・スミン(編)『私の小さな日本文学』と山本善行(編)『上林曉の本 海と旅と文と』が到着。どちらもオンライン・ストア〈平凡〉に並べているので、ご注目を。古本やレコード、CDなどもあり。

今日明日、明後日は13時から19時までの営業。お暇があればご来店を。

2025/04/26

4/26 店日誌

実際、読んでいただくとわかる通り、私はただただ気ままに散策し、お酒を飲み、最後はほろ酔いで帰路につくというのを繰り返しているばかりである。(スズキナオ)

4月26日、土曜日。スズキナオ『大阪環状線 降りて 歩いて 飲んでみる』に特別なことは書いてない。普段着のまま、大阪環状線19駅で降り、街を歩いた印象が綴られているだけ。スズキナオは前情報ゼロに近い状態で、知らない店に入り、人と言葉を交わす。すると、思いもよらなかったドアが開き、未知の場所に導かれる。これは何かに似ているけど、なんだろう。しばし考えて、思いつく。

街をさ迷っていると、その迷路のような道すじで、ある時突然、まさに路上の賢者といえそうな人(物)に出会い、彼らの手招きによって、気がつくと、自分の目指していた以上の場所にいる。(…)地図やマニュアルは、アクションを起こすきっかけにはなっても、それだけでは路上に賢者には出会えない。(坪内祐三)

ここで何度となく引用してきた、坪内祐三『ストリートワイズ』の一節だ。スズキナオは期せずしてストリートワイズを実践し、路上の賢者と遭遇している。行き当たりばったりの散策に効率は望めない。期待はずれも少なくない。それでも、都度の状況を受け入れ、歩行を止めなければ、ドアが開く可能性はある。店や人、街全体に謙虚でさえあれば、きっかけは掴めるってことだろう。

昨日届いたのは、上記した『大阪環状線〜』と『IN/SECTS』18号、『世界と私をつなぐ、料理の旅路』。すべてオンライン・ストア〈平凡〉でも購入可能。連休中にちょうどいい本、見つけてほしい。

今日からしばらくは休まず営業。お暇があれば、お出かけください。

2025/04/25

4/25 店日誌

4月25日、金曜日。忽然と消えた自転車。なくなったあとの虚しさ、あっけなさに呆然としている。まったく落ち込まないというと嘘になるけど、過剰に落胆していない。ひとまず、友人から自転車を借りられたし、これまで以上に徒歩の割合を増やせばいいのだ。ぼんやり考えごとをしながら30分から40分、自分の時間を得られるってのも悪くない。慌ただしかった先月、今月を顧みたり、これから向き合うべき点が見出せればいい。まあ焦らず、ゆっくり。歩行の速度で進んでいきたい。

信頼のレーベル〈オクラ印〉が刊行したZINE、Roberto Ernesto Gyemant『LA OTRA SALSA』が到着! 40ページの小冊子とは言え、内容はたっぷり。DJベトことロベルト・エルネスト・ジェイモントによる魂に関わる音楽巡礼。

明日から連休って人も多いのでしょうか。当店はしばらく休ます開けてます。

2025/04/24

4/24 店日誌

4月24日、木曜日。ようやっと本屋の日常が戻ってきた。でも、人がこなくちゃ意味がない。昨日はシラーっとしたまま時間だけが過ぎていった。売上どころか来客もゼロ(遅い時間に友人たちがきてくれたが、彼らには別の用があり、客にあらず)。自分もしばらく慌ただしかったし、世間は連休前だし、色々なタイミングが合わないときもある。不用意には落ち込まず、状況を受け入れるのみ。

ロックステディを聴いている。リユース店で目をつけていたCDを買ってきて、試してみる。わかったのは曲数よりも録音年代が重要ってこと。1967年から72年頃につくられた曲にはなんとも言えない魅力がある。レゲエが生まれる直前のジャマイカ音楽界の熱気。盤を通して感じとりたい。

好天につられて開店前に〈古着屋may〉でTシャツ物色。いくつか試してみるが、珍しくピンとくるものがなく手ぶらで帰ると、ガビーン! 自転車が見当たらない。今朝まで確かにあったはずなのだが……。

今日明日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/04/23

4/23 店日誌

4月23日、水曜日。気がつけば、晩春〜初夏の連休が近づいている。当店は今日から4月中は休まずに営業。月が変わって5月3日(土)が休業、6日(火)は営業するか思案中(6日を開けて7日で休むか、6日7日と連休にするかどうか)。まあ、とりあえずは今月を駆け抜けてみてから、決めることになる。先月からはじまった試練の連続催事をどうにか終えて、今はしばしの休息期間。ようやく息がつける。ようやっと、本屋の日々が戻ってくる。

疲れた、参った、そんなことばかり書いてるからか、けっこう心配もされる。だけど大丈夫。絶好調でなくても歩けるし、本も読める。音楽もたくさん聴いている(昨日も突発的にレコードを買ってしまった……)。さすがに酒はガバガバ飲めないけど、チョロチョロならば付き合える。

頼れるご近所さん、スペクテイター編集部による『パソコンとヒッピー』が到着。店では今日から、オンライン・ストア〈平凡〉では昨日から販売している。この他、連休向けの新刊もいくつか入荷予定。

今日明日、明後日は15時開店! お暇があればご来店を!

2025/04/22

4/22 雑記

ああ、疲れた。心身ともにクタクタになった。でも、それ以上に嬉しかった。見知らぬ人、古くからの友人、店のお客さん、演者の知人、いろんな種類の人が集まってそれぞれに楽しんでいた。音楽に集中するもいい、おしゃべりに夢中になるのもいい。他者に過剰な迷惑をかけなければ、自由にしてほしい。そもそも、“エンジョイ・ユアセルフ”を具現したくて、ピープルズ・パークをはじめたのだ。

大きなフェス、マーケットを楽しむのもいい。小さなイベントだから尊いなんて今は言えない。大小問わず、各々苦労を重ねて準備して、ギリギリまで心配しながら当日を迎えている。どの場に加わるか、足を向けるかも自由。安心して楽しめる催事をえらべばいい。ここまできて、文化をつくるなんて大げさに意識もしていないし、公言もしない。そんなの勝手に育っていくものだから。

自分には店がある。その上で関わるイベント、パーティーがある。それらは異なるレールを走っていて、基本は併走で合流することは多くないのだけど、今回はちがった。告知がうまく出来なくても、店があったから、開催を知る人がいた。店で買った音源を気に入って、足を運ぶ人もいた。思わぬ助けを得ることもあるし、勝手なことを言われたりもする。場があるって重要なのだ。

思いのほか、ピープル・ブックストアは育ってる。弱りきった自分を店が支えて、動かしてくれた。はじめてそう感じた。

2025/04/21

4/21 店日誌

4月21日、月曜日。いい天気! 気分がいい! チャリに乗って店にくると、隣の店ではチヨリさん、ポットマンが働いてる。ちょっと時間を置いてタクトくんも現れる。ああだこうだと喋ってると、ジョージマも顔を出す。みんな決まったように「昨日は楽しかった!」と話してくれて、とても嬉しい。おかげさまで、当店企画のパーティー「PEOPLE’S PARK」は盛況のもと無事終了。とにかく今はホッとしている。また来年、何かやれたらいいなあと思ってるけど、どうなるだろう。

というわけで、今日も通常営業。明日火曜は定休日。

2025/04/20

4/20 休業

今日、4月20日(日)はイベント開催のため、終日休業。

2025/04/19

4/19 店日誌

4月19日、土曜日。いい天気! 午前中、理髪店〈Bespoke〉で散髪したのち帰宅、レコードを聴いてから店にきた。こうなると聴きたくなるのはロックステディ、ゆるめのスカ(もしくは西海岸ジャズ!)。ああ、今年も暑くなるんだろうなァ……ゲンナリしているだけじゃなく、みじかい初夏が楽しみでもある。4月末から5月初旬の連休中も雨が少なけりゃいいけど、どうなるだろう。今のところ当店は4月29日(火)は営業で、5月3日(日)が休業予定。

今月の中盤以降、若いお客さんが増えた。新入生から、2年生くらいの男性、女性。今年大学院に入学したらしき人もいる。毎年のことのようだけど、最近の店の雰囲気はいつになくフレッシュ。音楽好きの若者たちも多くて、話すのが楽しい。

今日は通常営業! 明日はイベント開催のため、終日休業です。

2025/04/18

4/18 店日誌

4月18日、金曜日。先週末、なじみのお客さんから買い取った施川ユウキ『鬱ごはん』にハマった。主人公の鬱野たけしは22歳。就職浪人中のフリーター、バイト先はネットカフェ。彼女はおろか友達も極少、たぶん東京と神奈川のはざまあたりのアパートに住んでいる。冷凍食品、チェーン系外食、簡単な自炊が主な食事なのだが鬱野特有の警戒心と完璧主義とが相まって、食後にはだいたい虚しさが残る。それだけの話が延々と、淡々と描かれるのだが、実に味わい深いのだ。

僕は鬱野の毎日を、どこか「若き日の思い出」のように捉えてしまっているフシがある。それは鬱野がひと回り年下だからなのだろうけど、そのせいか彼の失敗談や不運話がそれほど可哀想に思えないのだ。過ぎ去りし日のいち場面として、むしろたっぷりとした詩情を感じている。(施川ユウキ)

鬱野は3巻の途中で30歳になる。無駄な時間を重ねて大人になっていく、その姿がやけに尊く、好ましい。戦略的就活だの、クラファン起業だの、いまどきの発想とは無縁のまま、彼個人のものさしを投げ出さずに暮らしている。作者によれば「鬱野の毎日は冴えない。(…)鬱々としながら、それを含めて人生を楽しんでいる」。うん、こんな漫画があっていい。なんと今日! 最新刊の6巻が発売になるらしい。

最近は新入生なのかな、若いお客さんが増えている。たまたま通りすがって、店の前で立ち止まる、しばらく様子を伺って入ってきたり、こなかったり。数日後に入店、安価な本を買っていく。古本屋として、とても嬉しい。

今日も通常営業! 明後日20日(日)はイベント開催のため、終日休業。

2025/04/17

4/17 店日誌

4月17日、木曜日。歩く分には半袖でじゅうぶん。店内にいると、やや涼しい。草花も元気になってきて、春の訪れを実感する。こんな日は、芝生でごろんと寝っ転がるか、家の布団で寝ていたい。だけど自分は店にいて、ブログを書いている。花粉の影響か? それとも、二日酔いが原因か? ずーんと頭が重たい。鼻が詰まっていて、息がしづらい。とりあえず、もう少し眠ろうか。いやいや、寝てたら店を開けられないぞ。

ふーーーーっと身体を起こして椅子に座ったところで常連Iさんがきて、〈Mingel〉のビールとRai Tateishi『Presence』を受け取る。前者は“Shade Of Jae”って名前の黒ビール、後者はなんと尺八演奏のCDで、めちゃくちゃカッコいい。こんな感じで、お客さんに教わり、救われている。いつもありがとうございます。

話のなかで益子にあらたに〈Hum〉という書店兼古着屋ができたことを知る。店主の方はうちにも何度かきてくれたことがあるらしく、宇都宮在住とのこと。誰だろ? ってしばし考えて、顔が浮かぶ。あの人、店をはじめたんだ! よかったなァ。

書籍、音源に入荷あり! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/04/16

4/16 店日誌

4月16日、水曜日。なんとなく疲れ気味。思えば先週火曜が「2週間/nishukan」内でのトークイベント、そのまま打ち上げ。翌日(ちょうど1週間前)はどうにか通常営業。開けてるので精一杯だったのだが、静かな来店が続いてありがたかった。木曜からは本の買い取り、納品、お買い上げが相次いで金の出入りがいつも以上に多かった。土曜はそのまま天久保1丁目の古着屋〈wearcrab〉の2周年パーティーで深酒。家まで1時間ほどかけて徒歩で帰宅……そりゃ疲れるよなあ。

次の催事は20日(日)の「PEOPLE’S PARK」。当店の開店12年を口実に、日頃から付き合い、作品を通しての関わりのある方々に声をかけさせてもらった。みなさん快く応えてくれて嬉しいかぎり。出演はWool&The Pants,Compuma,deadkebab&PSYCHIC$,チャーハン,SPRA&Eastern.P,Krait,Pottmann,mizoomi,TactSato。友人の〈Kitchen&Dinner Django〉が食事を用意してくれる。

一足早く入荷を伝えた、Yoonkee Kim/Sunghoon Yoon『Indivisual Fish』は今日が正式な発売日。カセットテープのみのリリースで限定100本、流通数は韓国で30本、日本で70本とのこと。

今日明日、明後日は15時開店! 20日(日)はイベント開催のため、終日休業です。

2025/04/15

4/15 店日誌

4月15日、火曜日。午前中、筑波大学内の書店に立ち寄り、山川方夫『目的をもたない意志 (増補版)』を購入。郵便局で通販購入分の発送、レコードと書籍の支払いを済ませて、いったん店に。自転車に乗り換えて、ハードオフを目指す。強風に煽られながら15分ほどで到着。ジャンク、レコード、CDの棚を見ていくと、ズブズブと沼にハマってしまう。1時間半のちに会計すると、しめて2750円(レコード2枚、CD3枚)。探していた、真島昌利『夏のぬけがら』を買えて嬉しい。

今日は店内作業のため臨時営業。13時から16時まで、開けてます。

2025/04/14

4/14 店日誌


4月14日、月曜日。朝、窓を開けるとモワンとした空気が入ってくる。ジャッキー・ミットゥー『マッカ・ファット』に針を落とすと、自然と空気に溶け込んでいく。ほどよく湿度を含んだ気候にぴったりだ。レゲエ〜ロック・ステディの枠に収まりきらない個性なのだが、ファニーでユーモラスな表情も際立つ。ピロピロ、ポワポワ、スカチャカとした音を包む暖かみ、ジャッキー・ミットゥーのオルガン演奏に耳をくすぐられた気分になる。

昨日のことを書いていく。

開店直後、及川静香さんがあらわれて、しばし話し込む。ずっと前に飲んだときは失礼しました、いえいえ……なんて会話をして、数冊分を会計して送りだす。入れ替わりで雰囲気のいい男性と息子さん。静かに棚をみて、たっぷりの本とCDをもってくる。思わず話しかけると、約13年ぶりの来店とのこと。そのときに買った本のことを話してくれて、じーんと心が暖まる。石岡で材木業をいとなんでいると話していた。遠からず、訪ねなければ。

韓国? からの女性2人の会計を終えると、隣で展示中の紺野達也さんがきてご挨拶。仕事や展示に関することなどを聞いていると、さらに来店。なんとなく見覚えのある女性だなーと声をかけると、織田桂さん。織田さんの出版社、katsura booksの新刊『石垣りんの手帳』を持参してくれ、その場で買い取る。直にやり取りができると気持ちがいい。

その後はちょうど昨日、つくばに引っ越してきた若い夫婦、レタスを持ってきたサクライさん、本を売りにきたイワキさん夫婦など。たまたま居合わせた佐藤拓人といっしょにあれこれ話して、それぞれに会計。さあ店じまいって頃に『MON』を納品しにきた佐藤さんと増田さんが鉢合わせて、また盛り上がる。本の売り買いをして、人と交わる。これが私の生きる道。

今日も通常営業。来週20(日)は「ピープルズ・パーク」開催のため、休みます。

2025/04/13

4/13 店日誌

4月13日、日曜日。今日は「2週間/nishukan」の最終日。特別に大きな催しはやらないようだけど、当店でも販売している『MON』をつくっている佐藤さんが「即興4コマ」をやるらしい。どんな内容なのかはさっぱりわからないのだけど、行けば、何かをやっているのは間違いない。あいにくの天気だけれど、気が向いたら出かけてみてほしい。会場は土浦市の亀城公園よこにある〈がばんクリエイティブルーム〉。すぐそばには素朴なパン屋〈フランドル〉、大衆食堂〈かめや〉もある。駅近くでは山本美希さんの展示を開催中。

うーん、それにしても、昨夜は遅くまで飲んでしまった。今夜は「2週間」の打ち上げがあるらしいが、この調子だと行けそうもない……。きっとガンガン盛り上がるだろうから、関係あってもなくても、参加してみればいい。天久保一丁目〈鯨食堂〉が会場とのこと。

店にくるまでの道中、頭に浮かんだのはジーコのJリーグ開幕戦ハットトリック、TOKIOの「フラれて元気」「ambitious japan」だった。たぶん、ジーコの試合は日曜の昼間だったからだろう。トキオは雨、だからかな。

当店は通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/04/12

4/12 店日誌

4月12日、土曜日。たぶん、この週末が桜のみどころ。散歩がてらにスーパーに行き、弁当を買って、近所の公園でぼーっと食べる。駐車場に困るわけでなく、ガヤガヤした雰囲気につかまるのでもなく、のんびりできる場所があるのが嬉しい。ああ、呑気だなあ。混乱つづきの世界情勢や有名人のトラブル、ゴシップなんかはちょっとのあいだ忘れて、ゴロゴロしてればいい。

今週頭に届いた『LOCKET』7号への反応が新鮮だ。常連さんより、未知のお客さんに買われていく。オンライン・ストア〈平凡〉でも似たような動きが見受けられて、新たなファンがつきはじめたと感じさせる。

今日明日、明後日は13時開店。お暇があればご来店を。

2025/04/11

4/11 店日誌

4月11日、金曜日。昨夜、久しぶりに顔を出したOくんは今月から勤務地がつくば市になったようで、これまで以上に来やすくなったらしい。彼とはかれこれ10数年の付き合い。自分が店をはじめてすぐの頃で、Oくんはポートランドへの留学直前。その1〜2年後だったか、帰国してすぐ店に来て「どうにも、つまらない……」と嘆いていたから、じゃあ飲もう! ってノリで天久保のあちこちに連れ回して2人でベロベロに酔っ払った。移転前のオクトベースで旧友に絡まれたりして、あの晩は思い出深い。

共通の友人の結婚式に、夜遊びの勢いのまま、出かけていったこともある。式が終わって、会場近くの芝生エリアでワイワイと飲み続けたのも楽しかった。あの日の空気、ゆったりと流れた時間は忘れがたい。

入荷後すぐに完売した、NAT000『時間の標本 −time samples−』は近日中に再入荷予定! 確定ではないのだけど、仕入れられるはず。20日(日)の「PEOPLE’S PARK」に出演してくれるWool&The Pants、Compumaの新作も在庫しているので、ご注目を。

今日も通常営業! 在庫確認、通信販売などのお問い合わせはお気軽に。

2025/04/10

4/10 店日誌

4月10日、木曜日。NAT000(a.k.a SONIC)『時間の標本 −time samples』を耳にして、なんと表現するべきか。転がったり、そっと置いたり、深く潜らせたり。音に対するアプローチの角度が多彩でクリエイティブ。天候、季節をふくむ聴取環境によっても受け止め方が変わるレコードだと思う。「エレクトロニック~サイケデリックなど、異なるフィールドの要素がNAT000による独特の感性で絶妙に織り交ざり、有機的な電子音と、どこかエスニックなアトモスフィアも感じるミニマル・アンビエント」って公式解説の文言が簡潔で、分かりやすい。

筑波大の周辺は新入生歓迎ムード。不動産屋や飲食店、付属の書店などには大きなバナーが付いていて、学内では幟がパタパタ揺れている。垢抜けない様子の若者たちが友人たちと授業やサークルのことなんかを話してる様子が目に入り、なんとも言えない気持ちになる(その頃の自分を思い出したくないだけ……)。

ひとつ催事が終わって、ホッとひと息。次は20日(金)開催の「PEOPLE’S PARK」でみなさんを待つ。Wool&The Pants,Compuma,deadkebab,チャーハンをゲストに迎えて、頼れる地元勢と共にパーティーをつくる。きっと面白くなるので、ぜひとも足を運んでほしい。

今日明日は15時開店! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/04/09

4/9 店日誌

4月9日、水曜日。ふーーー、どうにか開店! 昨夜のイベント、出店の片付けを終えて、しばらくダラダラ。ポットマンの演奏を聴いたり、ネギ汁、コーヒー、パンを食べたり、午前中いっぱい〈がばんクリエイティブルーム〉で時間を過ごす。野菜と絵がセットで3000円! 一見高いのだが、よく考えるとすげえ安い。そんな感じの商売が土浦の路上でおこなわれていた。謎催事「2週間/nishukan」は今日で10日目。あと4日、何が起こるのだろうか。

とりあえず今日は通常営業! お暇ならばご来店を〜!

2025/04/08

4/8 雑記

今日は土浦〈がばんクリエイティブルーム〉でトークイベント開催! 16時頃までは同所で小さく出張営業も。古本・新刊・音源を持っていくので、お暇があればお出かけを。夕方までは、のんびりちんたら、やりたいな。

2025/04/07

4/7 店日誌

4月7日、月曜日。開店前に近所の公園で花見。唐揚げとビール、ポテトサラダを食したのちゴロンと横になると顔にポツリと雨が落ちる。あれ、と思うと同時にポツポツと連続して降ってくる。オイオイ開ける前からこんな天気かよ〜と気分は下降、ひたすら眠い。13時から15時くらいまでは超低空飛行。たまに人がきても噛み合わない。まいった。日曜がこんなだと落ち込むんだよな……やけっぱちで本を読み耽っていると雨が止む。だんだん青空が見えてきて、いい空気。道ゆく人も気分がよさそう。

均一価格の本を店前に並べて、入口を開け放す。音楽をラヴァーズ・ロックにかえてみると、ぐんと気持ちが軽くなる。新入生のような若者が100円の文庫、新書を数冊購入。久々にきた常連さんにサンドラ・クロスというシンガーを教わり、流してみると気分にピッタリ。その後も来客がつづいて、気づけば夕方、隣のカフェも閉店だ。

こんな感じで、昨日もどうにか営業成立。いつも突然あらわれるネネちゃん、リューゴくんが本をたくさん買ってくれて助かった。はじめて見る顔の学生さん、若者たちが、1冊だけでも自分で選んでいくのも頼もしい。今後ともどうぞよろしく。

今日も通常営業。明日はいよいよ「2週間/nishukan」での催事開催、小さめの出店もあり。

2025/04/06

4/6 店日誌


4月6日、日曜日。土浦の亀城公園ちかくの〈がばんクリエイティブ・ルーム〉で開催中の「2週間/nishukan」は今日が7日目、ちょうど1週間。前半の山場「KRAITの5時間あそぼ」と「車輪ノ会」、「土の子クラブ」が同時開催されるらしい。天気もどうにか持ちそうだし、なかなかの人出になるんじゃないかな。きっと楽しいので、暇があって気が向けば、ぜひ足を運んでみてほしい。

明後日8日(火)のトークイベントはおかげさまで、多くの方から参加表明をもらっている。会場はかなり狭く、椅子も人数分用意できるわけでもない。確実に座りたい方は、簡易的な椅子、座布団を持参してもらいたい。ギュウギュウか歩道にはみ出すこともあり得そう……。

いつもレコードのことばかり考えている人のために。自分もそれなりにレコードが好きなつもりだけれど、そうした思いを他者に表明するほどの強度はない。でもやっぱり、この本を眺めているとウズウズしてくる。レコード屋に行きたい。

今日明日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/04/05

4/5 店日誌

4月5日、土曜日。某所からのメールに端を発するラヴァーズ・ロック探求が止まらない。唯一持ってる『RELAXIN’ WITH LOVERS』vol.4がBUSHAYS盤ってのもドンピシャで、ここ数日はルイーザ・マークスの声を中心にまわっていると言って過言ではない。トロージャンのA&Rだったクレム・ブシェイがルイーザを引き連れて立ち上げたレーベル、ブシェイのレコードを中心に、輸入盤のラヴァーズ、ダブ、ロックステディ(はコンピの中の一部だけど)ものを仕入れようと思っている。

ラヴァーズと言えば、リラックスの2001年11月号。この号がなければ、当時20代そこそこの鼻たらしだった自分がラヴァーズ・ロックのコンピなどを買う理由などなかったわけで、今もって風化しないディスクガイドをはじめ、24年前の雑誌の力に最敬礼(写真に撮ったものは私物。売物は現状在庫なし)。

ようやく太陽が顔を見せた昨日! 天候のおかげか多くの人がきてくれた。買う人、買わない人、ビールを飲んでる奴ら(オレたち)、いろんな動きがあって楽しめた。いい加減な店と言われれば、それまでだが。

今日も通常営業。いろいろと入荷があるので、お暇があればご来店を。

2025/04/04

4/4 店日誌

4月4日、金曜日。先月末からはじまった謎催事「2週間/nishukan」は今日で5日目。日々、何かしらが起きていて、誰かしらが出入りしているようだけど、詳しいことはわからない。少なくとも、自分が行った2日目正午は、耐えがたいほど退屈だった。間延びした空間に、だるく時間が流れていて、外は雨。ラジカセから流れるのは、なぜかブラー。むなしいテンダー。あそこまでつまらないとは思わなかったが、あれもまた、催事の醍醐味。誰が場を引き受けているのかを明確にしないままだから、ああなるのかな。

明日5日(土)は長野から「車輪ノ会」「土の子クラブ」って人たちが来るらしい。なんにでも車輪を付けたり、石を売ったり、とにかく何かをするらしい。明後日6日(日)には前半の山場と目される「KRAITと5時間あそぼ」が控えている。気温とともにじわじわ暖まっていきそうな気配あり。

週明け8日(火)は当店企画の「松本哉に聞く! マヌケな場所の作り方(と続け方)」を開催。イベント前にも、本や音源など色々もって、会場で販売する。11時から15時くらいまでかなーと思ってる。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/04/03

4/3 店日誌

4月3日、木曜日。某所から届いたメールはレゲエ、主にラヴァーズロックのレコードの取り扱いに関するもの。ふんふん、なるほど〜と軽い気持ちで添付ファイルを確認、ひとつずつ聴いてみると、こりゃ大事(おおごと)だ。紹介されている盤の数々、知っているものは少ないが、なんとなくジャケットを見たことがあったり、コンピに入っていた曲の出所が分かったり、いちいち興奮させられる。安い! ってわけじゃないけど、新品で、高い! ってわけじゃない値付けをするべく試行錯誤。できる限り頑張って仕入れたいと思っている。

ダブ・シンジケート「オン・ザ・ワイアー」で検索したつもりが、タイプミスで再生されたのはレナード・コーエン「バード・オン・ザ・ワイアー」。流れ出した瞬間に部屋の空気が変わり、思わず聴き入る。すごい曲を見つけてしまった。

雨、雨、雨。おまけに空気は冷たい。昨夜、閉店後に顔を出してくれた〈古着屋may〉店主のホソヤさんと、なかなか厳しいっすね〜と声をかけあう。そろそろ、太陽に顔を出してほしい。われわれ、個人店主は非力である。

在庫確認、通信販売など些細なことでもお問い合わせはお気軽に。

2025/04/02

4/2 店日誌

4月2日、水曜日。朝はザーザー降り、だんだん弱くなって止むかと思うとまた降ってくる。この時期にしては寒いし、身体は重たい。心も固まる。一日中居間でレコードをとっかえひっかえしながら本を読んでいたい。とかなんとか言ってもそんな状態にはすぐ飽きて、外に出て、歩くかして気分をかえたくなるのも分かってる。とにかく、じれったい天候。動きづらい空模様。週末には暖かくなるようだから、もう数日の辛抱なのだが。ああ、もうちょいどうにからんかなあ。

私はただ、私自身として、生きたいだけだ。(改行)私は風景の中で安息し得ない人間である。私はただ人間を愛す。私の愛するものを愛す。徹頭徹尾、愛す。そして、私自身を発見しなければならないように、私の愛するものを発見しなければならないので、私は堕ちつづけ、そして、私は書きつづけるであろう。(坂口安吾)

一昨日の晩から読み出した、坂口安吾『堕落論・日本文化私論 他二十二篇』が面白い。高名な表題作より、その他の話に惹かれている。上記したのは「デカダン文学論」の末尾。「青春論」「戯作者文学論」「教祖の文学」は力強く、芯から真っ当な論だと感じる。

来週4月8日(火)には、土浦市〈がばんクリエイティブルーム〉にて当店企画のトークイベントを開催! ゲストは松本哉と二木信、参加費1000円。17時から19時まで。気が向いたら、遊びにきてほしい。

今日明日、明後日は15時開店。お暇があればご来店を。

2025/04/01

4/1 雑記

朝、小雨のなか自転車で店まで走る。そこからつくば駅まで歩いていってバスに乗る。土浦駅西口で下車してすぐ足を向けた〈土浦市民ギャラリー〉では、「え かく また あした マンガ作家山本美希展」を開催中。おりよく展示会場には自分だけ。遠くで聞こえる音楽につられるように順路に沿って文字を追う。壁面に大きめの原画が展示されていて、解説とあわせて見ていく構成。なぜ、この線か。どうやって、言葉を用いるのか。そもそも、どうして、絵を描くのか。それらの問いへの応答は明確で、論理的。抽象的な装飾、雰囲気でごまかさない作家の姿勢に感服する。

ほとんど予定を決めずにきて、こんな展示が見られるとは。なかなかいい滑りだし。

すぐ近くの〈土浦古書倶楽部〉にはいり、膨大な量の古本が並ぶ棚をじっくり見る。けっこう安い。自分の値付けを反省しつつ、負けずに本の背を追う。手に取りページを繰ってみる。気になる箇所があれば、できるだけ買う。何冊か手にしたところで「あ!」と声が出る。青山真治『宝ヶ池の沈まぬ亀 Ⅱ』があった。その後も時間をかけて棚から棚へ、目を移す。全部で5冊、会計時のレジ対応にも人間味があって、じわりと嬉しい。

気がつけば11時半、途中で買ったパンを食べつつ、目的地〈がばんクリエイティブルーム〉を目指して歩く。思いのほか距離があるなーと感じたころに到着。「2週間/nishukan」の2日目、いるのはシイギとマスヤマ、ラジカセでブラーが流れてる……。なんとも言えない気持ちを抱えつつ、上階を覗かせてもらい、トークイベントのおおよそのイメージをかためたのち、はす向かいにある〈城藤茶店〉でコーヒーを1杯。サッと飲んで退店すると、12時ちょいすぎ。もう帰ろう。バスに乗り、つくば駅に着いたのは13時頃。

店に向かって歩く途中で、知人のいとなむ店々に顔を出し、それぞれで長話。いい話を聞かせてもらう。なかなかキツい世相ではあるのだが、こうして人に会っていければ、希望が持てる。小さな範囲で構わない。自分たちにできること、やるべきことに注力できればいい。そのための状況づくりを続けていく。