2026/10/22

10/22 店日誌


10月22日、木曜日。魅惑のオンライン・ショップ〈パライソ・レコード〉で買った、TAJ MAHAL『GIANT STEP/DE OLE FOLKS AT HOME』がとてもいい。針をおろして、一音目が鳴った瞬間に居間に馴染んだというか、これ前から持っていたんだっけ? と錯覚してしまうほどに自然に響いた。バンド編成の「GIANT STEP」と弾き語り「DE OLE FOLKS AT HOME」という2部構成ではあれ、トーンに大きなズレはない。前者にグルーヴはあれど大袈裟じゃなく、柔らかな耳ざわり。後者にはジョセフ・スペンスみたいなリラクシンムードがあって、聴いていて安らぐ。

1枚目をジェシ・エド・デイヴィス、ゲイリー・ギルモア、チャック・ブラックウェルという、あのローリング・ストーンズ伝説のお蔵入り映画「ロックンロール・サーカス」出演時の編成で録音したバンドサウンド、2枚目にバンジョーやナショナル製スチールギターなどによるソロ弾き語りを収録。

レビューを読み直して、驚く。このメンバーで、ロックンロール・サーカスに出演していたのか。CDショップでバイトしていた頃に観て、ぶっ飛んだ。ジェスロ・タル、ザ・フー、ダーティ・マック、どれもカッコいいんだもの。タジの印象があまり残ってないのは、まわりがあまりに強烈だったからか(Gジャン姿のジョン・レノンがクールなんだよねえ)。

やっぱり、パライソで買うレコードは特別。厚めの外袋に内袋2種が分かれて入ってる。こうやって届くのが妙に嬉しいのは自分だけじゃないと思う。

さあ、今日もやりますか。音源、新刊に新着入荷がありますよ〜。

2026/10/21

10/21 店日誌


本当に面白いものやら笑えることっていうのは、ドブや道端に落ちてるもんであり、街の面白さとはその街を形成している人々の息遣い。(チャーリー宮毛)

10月21日、水曜日。先週の土曜日に納品された『EL CINNAMONS』vol.5のページをめくっていて、思わずニヤつく。こんな塩梅の雑誌が読みたかった。有り体のイケてる店、人を紹介するんじゃなくて、個人の興味が誌面に反映されている。SNSで話題の……みたいな意識は皆無だし、金銭的に余裕のある人だけが行ける場所、会える人は出てこない。直感を信じて、行動を起こす───角を曲がるか、扉を開けるか───ことで掴んだ実感、経験が書かれているのが嬉しいのだ。好奇心と感性が織り込まれた120ページに拍手を送りたい。

あと一年もすれば、私もすこしはジャズを語ることができるようになるだろうが、とにかく、そんなふうにジャズを聴いているうちに、時代というものに対する考え方が変わってきたのだ。要するに、よくも悪くも時代は変る。(洲之内徹)*

洲之内徹『さらば気まぐれ美術館』を読んでいると、あちこち付箋だらけになってしまう。とにかく面白い! って書けばそれまでだけど、この味、読み手を引きつける力は何なのだろうか。魔力のような強度がある。書きながら迷い、迷いながら筆を進める洲之内話法の虜になっている。今日もぐいぐい読んでいく。

*「モダン・ジャズと犬」(須之内徹『さらば気まぐれ美術館』p.114)

*
南浦和、古賀、益子、北茨城とつづいた遠征出店がようやく終わった! 季節は夏から秋になり、雨があり晴天もあった。失敗あってこその手応えもあり、予期のできない出会いにも恵まれた。店に閉じこもって屈託していくより、疲労の度合いも軽かった気がする。声をかけてくれたみなさん、手伝ってくれた友人たちに感謝、感謝! どうもありがとう。

では、久しぶりに開店〜! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/10/20

10/20 雑記


ところで、そういえば、正平さんの絵もやっぱり、私が見れば「幸福の絵」なのだ。だから、正平さんの絵もついでに一枚並べておこう。どこかの海水浴場らしいが人間はいない。しかし、誰もいない幸福というものもあるだろう。(須之内徹)*

須之内徹『さらば気まぐれ美術館』を読んでいて、思い出す。おととい、きのうで訪れた北茨城市磯原町の海岸には誰もいなくて気持ちが良かった。犬を散歩する人がいない。遠い海に浮かぶ船もみえない。テトラポット以外の人為的なものといえば、ちょろっとしたゴミくらい。打ち寄せて崩れる小波、泡、濡れる砂以外に目に入るものがない。あんなにも居やすい海ははじめてだった。

寂しい、暗い、そんな感じはまったく得られず、ただひたすら平らな水平線。延々つづく波間。その景色を目に入れてるだけで心中がすっきり整理された気がした。

*「幸福を描いた絵」(須之内徹『さらば気まぐれ美術館』より)

2026/10/19

10/19・20 連休

今日、明日は連休です。

2026/10/18

10/18 北茨城出張

本日は北茨城「Books and Craft Beer Park」に出店です。店舗は終日休業。

2026/10/17

10/17 店日誌

この要領ということが問題なんだけど、(…)信頼していた大学出の中に、上官の前だけでペコペコする、それこそ要領ばかりの人間がいたり、そんな人間を、ちっともイヤラシイと思わない人間もいたり、言動緩慢な薄のろの如き百姓出身の兵隊が、朴訥な風ボウの中に、きらめくような美しい心と勇気の持ち主であることを発見して、生きていくのが嬉しくなったり、そんな戦友をバカにする人間もいたり、ともかく精神上における人間関係が、複雑な様相を呈してくるのだ。(殿山泰司)*

10月17日、土曜日。ちょっと前に、阿佐ヶ谷〈コンコ堂〉で買った『しゃべくり105日』をきっかけに殿山泰司を求める熱が再燃している。『彷書月刊』2002年6月号(特集:殿山のタイちゃん)、『JAMJAM日記』と読みつなぎ、きのうは『三文役者あなあきい伝 part Ⅰ』を読みきった。特殊な出自、戦争体験、役者としての経験、オトコとオンナの色々……を経て得た殿山独自の反権威思想は見事。人真似じゃなく、イズムにも寄りかからず、自前の言葉で練り上げられた哲学は「あなあきい」と呼ぶのがふさわしい。

いま読んでいるのは、『三文役者のニッポン日記』。1967年に三一書房から刊行された初版である、と書きかけて、奥付けをみてびっくり! 今日は殿山泰司の誕生日じゃないか! そのまま引用する────「大正4(1915)年10月17日、東京都銀座のおでん屋「お多幸」の長男として生まれる」。

*殿山泰司『三文役者あなあきい伝 part Ⅰ』p.174

*
こんなにも強力なデビューシングルがあっただろうか! 笹沼位吉と外池満広からなるレゲエ/ダブ・バンド、浪蟬坊『TELL YOU LOVER feat.Sticko』が入荷。さらにもう1枚注目してほしいのは、lakeside『slow anthology』(こちらに関してはインスタグラムに詳しく書きました)。

今日は催事準備のため、11時〜18時の短縮営業。明日から火曜まで店は休みです。

2026/10/16

10/16 店日誌


10月16日、金曜日。空気が冷たくなると、オクノ修の歌が聞きたくなる。久しぶりで『オクノ修70歳、拾得ライブ』に針をおろすと、湯船につかったように、じわっと温度が伝わってくる。北風、3マイル、サヨナラ ハッピネス、くれてゆく街角で、さよならをした夜、第5氷河期、追放の歌。A面はシブい選曲。川の流れに沿って、電車が出てゆく、唄う人、日々の泡が続けて歌われるB面には、無言で耳を傾けるのみ。最後の曲、木漏れ日は短い分だけ、言葉がよく聞こえる。

この中に、人生がある。聴いているひとの、すべての。そんな思いにさせるレコードに出会えるだけで、しあわせだと思う。(豊田道倫)

豊田道倫のライナーノーツもやはり素晴らしい。こんな風に聴いて、書く人がいるなら、まだまだ捨てたもんじゃない。しばらく仕入れていなかったけど、久々に注文してみようかな。LPがないならCDでもいい。まだまだ届けるべき人はいるはずだ。

歌う人、書く人がいて、つくる人もいる。各人が工夫を重ねて、練られ、物として生まれたものが人の手に届く。当たり前のようで特別なこと。簡単そうで難しい。自分でも小さな本をつくってみて、しみじみと感じている。

*
山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』、安田謙一『好きで好きで大好きで』がそろって再入荷しました。音源では、CINEMA dub MONKS『TRES』と『永遠と一日(new edit)』が新入荷。すべて、オンライン・ストア〈平凡〉で購入できます。

では、今日も開店。今週末18日(日)は北茨城に出店、19日(月)・20日(火)は連休です。

2026/10/15

10/15 店日誌

私は殿山泰司の根っこにあるのは、このインディペンデントの精神だと思っている。(…)それは一言で言えば、自分の頭で考えるって事だ。当たり前じゃないかって言われそうだけど、その当たり前のことをするのはそうそう楽じゃない。大抵は権威によっかかったり、自分の所属している国家や社会によっかかりながら、自分を支えてたりするものだ。(大友良英)

10月15日、木曜日。月〜水の連休中は、焼物工房、美術館、そば屋、居酒屋、パン屋、カフェバーを渡り歩いた。規模はそれぞれであっても、みんな、自分の頭で考えながら営業や活動を続けてる。よくもまあこんな場所で……って店もある。テレビがつけっぱなしでも良いこともある。音楽と場所が溶けあっていてウットリしたときもあった。

東京は個人店がたくさんあって面白い。つくばでは触れがたい趣や発想にぶつかって、スゲエ……と感心したり、自分にもまだまだやれることがあるのかなーと思ったり。刺激の多い3日間だった(毎日、ヘトヘトになるまで歩き回った)。

*

電車、喫茶店、宿のベッドで読みつないだのは、殿山泰司『JAMJAM日記』。今回もまた、大友良英の文庫版解説「INDEPENDENT」にウーン! と唸ってしまった。「殿山泰司はあらゆる権威というモノから独立するために、あの文体を選んだとすら私は思っている」という指摘はメチャ鋭い。

今日13時から営業再開。数日開けて、週末18日(日)は北茨城で出店します。

2026/10/14

10/14 東京滞在記③


10月14日。変えてもらった部屋が快適で、すっきり目覚める。7時過ぎに江戸川沿いを歩いてみると、最高に気持ちいい。ぐんぐん進んで、海っぽい匂いがしてきたなーってところまでくると目の前は葛西臨海公園。遠くの海ではたくさんの鳥が舞っている。葛西臨海公園駅を越えて、歩行者道を選んだところで雨がポツリ。幸いにも本降りにはならないまま歩き続けて、ホテル着が8時半過ぎ。なんでこんなに遠くまで……すでにヘトヘトだ。部屋で休憩したのち10時直前にチェックアウト。

大衆食堂〈関甚〉でいつものドライカレーに目玉焼きを食べると、疲れがピークに。眠くて歩くのもままならない。もう帰ろうかな〜と思うも、ぐっとくらえて地下鉄乗車、空いてる車内でぐっすり眠る。大手町周辺をさまよい、またしても帰りたくなるも、土俵際ギリギリに足を残して、再度地下鉄に乗車(24時間フリー切符があった)、代々木上原で小田急に乗り換えて、梅ヶ丘で下車。東京に来たなら行かねばならない店がある。

住宅街のなか、こんなところに? ヨッちゃんのパン屋〈hnn〉(んんん、と読むらしい)を見つける。外観はおよそそれっぽくなく、小窓を通してのやりとりは昔のたばこ屋のようでもあり、不思議。だけれど店主のキャラと相まって、街に馴染んでるのが面白い。パンを買い、挨拶をして「じゃーまた!」と別れて、次は駅の反対側にある〈botany〉を目指す。連休初日に遭遇した夏の大△のメンバーでもある川口さんが営むカフェ/バー。ちょいと歩いて静かな立地にたたずむ店を発見、店主に挨拶をしてホッとひと息。音楽のことを中心に話を聞かせてもらう。手製ZINEをいただき、テープを購入。チラシとステッカーを交換して、街に出る。

小田急線、東京メトロ、つくばエクスプレス、関鉄バスと乗り継いで、帰宅したのが16時半過ぎ。シャワーを浴びて、パンを食べ、18時半には眠っていた。こんなにも歩き回った東京滞在はこれまでにあったかな。

2026/10/13

10/13 東京滞在記②


10月13日。あてがわれた部屋がひどい……夜中に何度か目が覚めるし、起きてもいろいろ気になるわでフロントにかけあって別の部屋に移る。そのまま江戸川沿いから緑道あたりを歩く。通勤、通学、トレーニング。公園ではなにかの撮影も行われてる。西葛西は朝がいい。歩行者にやさしい。コーヒーとレタスドッグの朝食を済ませて、快適な部屋でしばし休憩。10時過ぎに地下鉄に乗り、大手町で下車。皇居周辺からお茶の水、湯島、神保町と歩くとさすがに疲れる。午後に〈穂高〉と〈まつや〉でながめの休憩をとり、16時前に表にでると雨がザーッと降って、止む。顔をあげると大きな虹がかかってる。

今回の目的のひとつ、神楽坂〈トキオカ〉に入店したのは18時ちょうど。キタバヤシさん、トキオカさんに迎え入れられ、まずはビール。レモンサワー。ウーロンハイ。食事はおまかせ。音楽はウェイラーズ、ダウがかかる(最高)。店に流れる空気がいい。会計を終えて、時計をみると20時半。ゆっくり過ごさせてもらった。

神楽坂をくだって飯田橋、九段下、竹橋でメトロに乗って西葛西。祝日だったきのうの夜とは異なる雰囲気にちょっと安心。部屋に帰ってシャワーを浴びて、即就寝。

2026/10/12

10/12 東京滞在記①


10月12日。益子出張を終えて、久々に東京に向かう。関鉄バスとTXを乗り継いで、南千住で下車。大林の前を通り過ぎ、バッハなどを横目にのんびり歩き、今戸地区に入る。そこでひとつ用事を済ませて、本所吾妻橋から西葛西へ移動、定宿にチェックイン。シャワーを浴びて、東西線の木場駅から〈東京都現代美術館〉に向かって歩く。夕方の空気が気持ちいい。現美っていい場所にあるんだなあ。

館内をぶらつき、曽我大穂さんを見つけて話しだすと「植田さん?」って声がかかる。顔を向けるとチャーハンさんとご友人たち。なんと、こんなところで。みなさん「夏の大△」のパフォーマンスが目的とのことで、ミュージアムショップ隣接のスペースに向かう。ガタン、ビリ、バリバリ、ギュイーン、たまにガシャン。この人たち、何してるんだろーっと考えるよりも、作業を見ているのが楽しい。まったく飽きない。奇妙な快適さに浸っているうちに終演。ぱらぱらとした拍手もいい感じ。

隣にいた大穂さんと感想を伝え合い、仕立て屋のサーカスの現況なども教えてもらって、約束していたCDを受け取る。チャーハンさん、夏の大△のメンバーの方々に挨拶をして、外に出る。清澄白河から門前仲町までぶらぶら歩いて、数ヶ月ぶりの〈ほどほど〉に入店。ここでも知人に遭遇、いろんな話を聞かせてもらっていい心地。お隣に座っていた男性がフィッシュ(PHISH)のTシャツを着ていて、ひと盛り上がり。しっぽり飲んでホテルに帰る。

10/12・13・14 連休

10月12日(月)・13日(火)・14日(水)は連休です。

2026/10/11

10/10・11 益子出張記(短縮版)

10月10日(土):快晴。今日、明日で益子「Beet Trail Mashiko」に出店する。サクライさんと8時に店で待ち合わせ、荷物を積み込む。のどかな道をのんびり進んで9時半前に〈Mingel〉に到着。店主キクチさんに挨拶をして、すぐに搬入。出店準備を整える。これはこっち? いや、こっちの方がいいんじゃない? うん、ハマった。よしよし。なんて感じで作業を終えると10時50分。ぎりぎり開場に間に合った。自分で言うのもなんだけど、ミンゲルとピープルの相性はバッチリ。並べた本たちもいい表情で嬉しくなる。

*

洒落たミンゲル、さぞかしカッコいい人が来るんだろうな〜と思ってたけど、嬉しい誤算というか高齢男女のグループが多い。バリバリの栃木弁が飛び交っていて、聞いているのも面白い。いい場所。いい時間。今回はここに店を出せてよかったなあ、しみじみ感じ入る。イワキさん、マキタさん、知り合いたちとの話も弾む。

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10月11日(日):快晴。8時半にピープルに待ち合わせ、サクライさんの車に荷物を積み込み出発。農道を主にのんびり走る。益子郵便局〜かましんを経由してミンゲルに10時前に到着。すぐさま準備を始めると15分ほど設営できる。さすが2日目。慣れたもんだな〜と自賛したのち、レコードをかける。1枚目ははっぴいえんど『風街ろまん』、その後はジャズを主にした選曲でサクライさんのDJタイム。たまたま居合わせたお客さんに声をかけると、ヨロッコビールの追っかけなのだと話しくれて、びっくり。

*

夕方頃にカワイさんと〈Starnet ZONE〉まで上がり、戻ってくると、縁もたけなわ。アフターパーティーに向けての温度が高まってくる。ギリギリまで粘って17時ちょい過ぎ、サクライさん、カワイさんと一緒に搬出をはじめるとあっという間に作業完了。最後に、ミンゲル店主・キクチさんに声をかけて売上精算、出店料を収めて出店を終える。

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上記した出張記は短縮版。全編は11月末刊行予定の『GO ON』vol.13に閉店後日記(10/3~10)ともに掲載されます。


2026/10/10

10/10・11 益子出張


今日、明日は益子出張のため終日休業です。

2026/10/09

10/9 店日誌


10月9日、金曜日。ブログを書く余裕もなく、家を出て、明日からの出店でつかう什器を店に運び入れる。このあとに控える北茨城市「Books and Craft Beer Park」の準備もしなくちゃいけないんだけど……まあ、いいや! 天気は最高だし、買い物がてら散歩に出よう! 9時24分に店を出るとすぐ幼稚園の送迎バスがきて、近所の子供を乗せていく。その間も細い道を車が行き交う。自分勝手な運転をする人がいれば、歩行者に気を使ってくれる人もいる。道は車だけのものじゃない。そう自覚する運転手がもっと増えてほしいんだけどなァ。

大学内のポストに荷物を投函、ATMで入出金したのち、自転車屋、喫茶店、パン屋がならぶ道を歩く(近所に自転車屋が多いのが、この界隈の特徴だろうか)。大きな道をこえて、ドラッグストアで飴を買う。帰路は裏道。公園を経由して住宅街を抜けたところで、信号待ちをしてる友人に声をかける。

店に着いたのが10時2分。ちょっと前に〈タラウマラ〉で通販した、MIKI AGRO『Moa Treasurelites 03』を再生すると、今日にぴったりの抜けの良さ。ああ最高。

*
明日、明後日は「Beer Trail Mashiko」に出店! その後12日(月)〜14日(水)で連休します。さらに18日(日)の出店にくっつけて19日(月)・20日(火)も連休です。不規則な営業が続くので、ご注意ください。

今日も開店! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく〜!

2026/10/08

10/8 店日誌

特別な場所や時間に居合わせなくても自分ではじめればいいのだ、というのがパンク/ポストパンクのいちばん重要な教えだ。(野中モモ)

パンクが起爆剤だったことは間違いない。しかし、ポスト・パンクとは、日本語でそれを意訳すれば“パンクを通過した脱パンク”ということである。“できない”からこそ“できる”のだ。音楽の訓練を受けていないからこそアイデアが生まれた。(野田努)

10月8日、木曜日。ここのところ、パンク/ポスト・パンクについて書かれた書物に励まされ、力をもらっている。本屋としても編集、出版人としてもド素人。わからないことばかりだし、つくった本をスイスイ広げていくための方法も知らない。そもそも売りやすいものじゃないわけで……と、ごまかすのはカッコ悪い。というか、著者に対して失礼だ。つくった本に対しても無慈悲すぎる。ぐっと持ちこたえるためにも、上記した言葉たちが必要なのだ。

パンク・ロックって、すぐに定型化してしまって、それじゃパンクじゃないだろってことで、ポスト・パンクになるわけです(…)。(野田努)

定型からいかにして逃れるか、本線から脱線するのも、けもの道を走るのにもエネルギーが必要だ。そのため必要なのがアイデア、センス。へこたれないためのバイタリティ。自分がそれを持っているかはわからない。とりあえず走ってみるしかないだろう。

別冊ele-king『UKインディ・ロック入門 ──ポスト・パンク、ギターポップ、スカとダブ編』と『パンク50周年記念号 それは何だったのか、何でありえるのか』は店頭とオンライン・ストア〈平凡〉で販売中(……って宣伝かい! と思われるかもしれないけど、どちらもいい本なんですよ)。

ってなわけで、今日も開店。お暇があればお出かけください。

2026/10/07

10/7 店日誌


10月7日、水曜日。ようやっと落ち着いてレコードを聴ける余裕がでてきた。デルロイ・ウィルソン『グッド・オール・オーバー』のB面が秋の空気にぴったり。シャワーを浴びてさっぱりした状態で流していると、低周波のようにじんわり身体を撫でてくれる。いまは7時29分。陽がさすと暖かくて、そうでなければ、やや涼しい。半袖で歩くにはちょうどいい。15分も歩けばジワっと汗ばんで、止まると少し肌寒い。冷えすぎないように気をつけて、今週末からの出店に臨みたい。

夏の南浦和にはじまって、古河、益子とつながった出店リレーは18日(日)の北茨城「Books and Craft Beer Park」でひと段落。これまで積極的には参加してこなかったマーケット型催事で本をアピールすることの難しさを感じつつ、経験を積んでいる。店を離れなければ感じられないものがあり、戻ってきてこそ確かめられるものもある。

*
繰り返しのお知らせになりますが、今週から2週続けての出店、連休となり店を空ける日が多くなります。まず今週末10日(土)・11日(日)は「Beer Trail Mashiko」に出店(その後、12日(月)・13日(火)・14日(水)で連休)。18日(日)の北茨城出店のあと、19日(月)・20日(火)も連休です。

ひとまず、今日から明後日までは通常営業。お暇があればご来店ください。

2026/10/06

10/6 雑記

ずっと寝ていた。目が覚めたら殿山泰司『殿山泰司しゃべくり105日』を読み、また、いつの間にか眠ってる。それを何度か繰り返して、17時半過ぎに出かけた〈椿野〉で読み終える。殿山泰司はカッコいいなァ。

2026/10/05

10/5 店日誌

10月5日、月曜日。誰に強いられたわけでもなく、この1週間で『電気グルーヴのメロン牧場──花嫁は死神』①〜⑦を通読し、4日間つづけてザ・ハイロウズのレコードを聴いていた。前者は途中でやめたくもなったりしつつ、7巻にたどり着き、まさかの泣きの展開に言葉を失った。結論としては───電気グルーヴには近づかない方がいい。少なくとも自分は、彼らの音楽の楽しみ方を知らないし、音源を買いたいとも思っていないわけで、遠巻でスゴいな〜と見てるくらいでいいのである(電気グルーヴが、超特殊で稀有なコンビであることは、よーく分かったつもり)。

ハイロウズに関しては、きのうまでの4日で書いたことをベースにして、今後もちょこちょこ聴いていきたい……のだけど! クロマニヨンズを聴かなきゃダメだよなあ。現役で動いているバンド、彼らの身振りに触れなきゃいけないのは分かっているのだが。

そうです。近い、と思いました。自分と地続きで、近い距離感。だからその延長線で、ニューヨーク・パンクが入ってきた。あの人たちもみんな近い。雑誌で見るロックとは違った。(Phew)

今朝、ele-king別冊『パンク50周年 それは何だったのか、何でありえるのか』を読みはじめて、Phewのインタビューに引き込まれる。「音楽はダメだし。佇まいもダメ」なニューヨーク・ドールズのライブで感じた距離感、素人臭さ。ロンドンパンクは「同年代のバカなヤツがワルさ」してると直感、現地で「ほんとに、ほんとにバカなヤツが(笑)」がやってるのを確認する。つまり、パンクとは見るものではなく、やるべきもの。自己で獲得した実感をもとにアーント・サリーを結成する流れがヴィヴィッドに伝わってくる。

いま考えるとほんとに贅沢なことだった。「ノー・フューチャー」って言えたっていうことが。それを思いますよ。いま、もう、言えないでしょう。

インタビューの末尾近くではきだされる感慨が、ズシリと重たい。「パンクを語るドン・レッツにしてもマッシヴ・アタックにしても大金持ちじゃないですか。だから、イギリスの下の世代の人たち、すごく冷ややかな感じですよ」なんて言葉と響き合って、腹に応えた。

じゃあ、今日も開店します! お暇があれば、ご来店ください!

2026/10/04

10/4 店日誌


10月4日、日曜日。ザ・ハイロウズ『HOTEL TIKI-POTO』といったら「十四才」は外せない。力強くてスケールのデカい曲、アルバムに収めるのは大変だったろうと察する。そりゃ飛び道具的な「21世紀音頭」で始めざるを得ないよな〜と納得しつつ、その後の「迷路」「ニューヨーク」もいい曲だなあとしみじみ感じる。とゆーか、今作はビートルズでいうところのホワイトアルバムなのでは……なんて気がしてきた。全体のコンセプトよりも曲ごとの粒立ち、発光の度合いを楽しめばいい。

悔いのない生き方は 後悔の繰り返し/シッパイマンの顔は泣きそうに笑う/シッパイマン シッパイマン/あーあ

B面2曲目「シッパイマン」(これもいい曲!)を聴きながら、その思いが強くなる。ヒロトがのびのび歌う「恋のダイナマイトダンス」も好きだなァ。転調があったり、なんらかの仕掛のある曲が多くて、聴いてるのが楽しい(韓国が舞台の「海雲台ブルー」もスゴい!)。

まわりに誰がいても まわりに誰がいなくても/自分が好きなものが何なのか知っている/あふれ出る よろこびの歌/あふれ出る よろこびの歌

「よろこびの歌」「カレーうどん」が入ったC面はどこまでも個人的で、ジワーッと染みだす味がある。で、待ちに待った! D面はハイロウズ節が炸裂。「フルコート」「天国野郎ナンバーワン」「アダムスキー」「クリーミー」に文句なし。異議なし。これでいい。

*
きのうは夕方前に友人たちが一挙にそろって大変だった! まあ、それだけ楽しかったわけだけど、いろんな角度で話が飛び交っていて、エネルギーを使った。そんななかでもお客さんが来て、棚を見てくれたことに安堵する。また、来てくれたらいいなあ。

では、今日も開店します。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/10/03

10/3 店日誌


10月3日、土曜日。朝いちばんで針をおろしたのは、ザ・ハイロウズ『リラクシン ウィズ ザ・ハイロウズ』。10インチ2枚組仕様ってのがなによりシブい。ユルめのジャケットにぴったりの大きさ、手に収まりやすいのが嬉しい。今作はなんといっても青春! この曲に尽きるっていうか、2000年のリリース当時はアルバム全体にも同じノリを求めていたから正直ピンとこなかった。それが今、改めて耳を向けるとすごく良い。いわゆる“ロック”的表現から意識して距離を置き始めた意志を感じる。

生きたいように生きるんだ/なりたいようになれるんだ/マディ・ウォーターズ ハウリン・ウルフ サニーボーイ ライトニン/イカしたニックネーム

A面2曲目「No.1」のブギウギ調の鍵盤、4曲目「パンチョリーナ」でのレゲエ風味にニヤリ。引用した歌詞もいい。特に後者はどことなくジョナサン・リッチマンみたいでもあり、おもしろい(前曲「岡本君」との対比も効いていて……)。B面3曲目「ボート」にもジョナサンっぽさがあるような気する。

井の頭ソバ食べて 冷たい生ビールを飲む/三杯ほど飲んだとこで いい気持ちになってきたし/それで君がそばにいれば 完璧な一日なのに

かと思えば、C面では「ミーのカー」のガレージ/サーフ調の展開から、独りよがりな想いをつづった「完璧な一日」、スタカンみたいな「ジャングルジム」と喪失感のある曲がつづく。D面「タンポポ」「魔羅’77」「バカ(男の怒りをブチまけろ)」では魔羅の一節を引いておきたい───バカとシンボルは使い様。リラクシン〜は名盤である。

*
ひさびさのスカッ晴れ! 気分もいい。ズンズン歩いてドラッグストアで飴を買いつつ、ビールも手にとってみたりして。益子にでかける来週末もこんな天気であってほしい。

今日明日、明後日と通常営業。本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2026/10/02

10/2 店日誌


10月2日、金曜日。今朝のレコードは、ザ・ハイロウズ『バームクーヘン』。1999年のリリースだから自分が高校2年のときの作品で、覚えてるのが友人ノーテンが「ハスキー(欲望という名の戦車)」のサビをよく歌っていたこと。別の友達が貸してくれたライジングサン・ロックフェスティバル2000を録画したビデオには「罪と罰」「モンシロチョウ」が入ってて、頭をツンツンにした甲本ヒロトがすげーカッコよかった。この辺で、ハイロウズはカッケー! と刻まれたのかなーと思う。

やさしいフリすんな その気もないくせに/アブラのとこはちょっと 食えないから残す/あちこち行ったけど どこにもなじまない/変わるぜ いつだって/変わるぜ 今だって

A面2曲目「チェンジングマン」を聴いてたら、さきごろオープンした古着屋〈i scream〉店主が書いてる日録が頭に浮かんだ。若い、青い、痛々しい! けど、共感できる部分もある。彼の書いた「この街で店やってる人たち ロックなふりしたふつうの人たちなんだもん」ってのには、なるほど! と膝を打った。

「ダセー金をくれ ダセー服を買う ダセー退屈を ダサくもてあます」ってはじまる「ダセー」、しみじみした心境がうたわれる「見送り」は名曲。改めて聴いてみて、バームクーヘンでは真島昌利が作詞/作曲した曲が好きだと気がつく。B面に入ってる「死人」と「ガタガタゴー」、「笑ってあげる」もいい。

*
10月は出店と連休が2つあり! まずは10日(土)・11日(日)の「Beer Trail Mashiko」で、その後の12日(月)・13日(火)・14日(水)は連休。18日(日)には北茨城市の「Books and Craft Beer Park -栞とタップの秋祭り」に参加したのち、19日(月)・20日(火)で連休します。

店は開けててナンボだろ〜と嘯いていたのだけど、今年の夏から秋は立て続けに声がかかったので、あちこちにでかけます。店にいる時間を減らしてみます。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもいろいろ入荷してます。

2026/10/01

10/1 店日誌


10月1日、木曜日。朝7時半ぴったりに針をおろしたのは、ザ・ハイロウズ『ロブスター』。コインランドリー、E=MC2、不死身のエレキマンの3連打に時間がぐるんと逆回転。このアルバムをはじめて聴いたのはいつだったか、高校生のときだったのは間違いないけど、誰から借りて、どこで鳴らしたのかって記憶はあやふやだ。音は、意外にも装飾過多の印象。バンドの肝ともいえる白井幹夫のキーボードが効きすぎてる? ドアーズみたいだなーと思ったり、ファーストのころのハードロック路線が消えきっていないと感じたり。

自分が自分の世界の主人公になりたかった/子供の頃から憧れてたものに なれなかったんなら 大人のフリすんな/第一希望しか見えないぜ 不死身のエレキマン

いや〜なんてまっすぐな歌詞だろうか。まったく同意できるのだけど、こうやって歌える人はすごい。このとき甲本ヒロトは35才。今の自分よりずっと若い。このあとにブカブカブーツ、ピストンと続いてくれるので、ちょっと安心したりする。

意味無し言葉で 一日ヤリクリ/それからオレは風の王と踊る/ヒューヒュー踊る グルグル回る ヒューヒュー踊る

B面は風の王のアレンジ、冬のビーチボーイズみたいな季節感がどうも気になる。耳あたりが柔らかくてクセになる。意味よりも語感を重視したような歌詞もいい。千年メダルはいい曲すぎて、言葉が出てこなくなる……が、ひとつ言えるのはこれはカバーしちゃダメだろう。ヒロト歌唱の時点でギリギリ(ツンとつつけば溢れ出しそうなエモーション、ヤバいです)。

スティールパンがサイコーに気持ちいい、夏の地図がはじまると外もぴかーんと晴れてきた。布団を干して、ロックステディでも聴こうかな。

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