2025/09/30
2025/09/29
2025/09/28
2025/09/27
9/27 店日誌
9月27日、土曜日。つくづくポケットライブラリの最新刊、『読書欄 ‘23』が完成! オンライン・ストア〈平凡〉内で更新している「PEOPLE BOOKSTORE 店主の読書日記」の2023年分(6/27〜12/31)を大幅に加筆、修正した上で再構成したもの。120日/冊分の日記が入った50ページ弱の小冊子、矢吹純による表紙画がクールです。中綴じ、コート紙、簡易印刷の軽い仕上がりってこともあり販売価格は550円(税込)。ピンときたならぜひお手元に。
散歩したり発送準備をしてるうちに時間がぴゅーっと過ぎていき、店に着いたのが10時58分。ギリギリセーフ……ふう、とひと息ついたところで〈えんすい舎〉から「ピープルブックストア日報」の17号目(2024.4/24-5/12)が届けられる。朝から色々と動きが多い。
今日明日、明後日も通常営業! 本の買取などのお問い合わせはお気軽に。
2025/09/26
9/26 店日誌
9月26日、金曜日。まさかの文庫化! 野田努『ブラック・マシン・ミュージック 完全版』(上下)を買いに駅前のリブロまで自転車を走らせると、筑波大学のあちこちで工事中。警備員と作業員の連携がわるいのか、進路が判然としない箇所もある。スーッといくと「ダメダメ……」と小声で言われるが、そのまま進まざるえない。通れないなら、その旨の看板を出して、立ち位置も変えなきゃダメだろう。危険ならば、もっとしっかり伝えてほしい。うーむ。人の働き方に口を出す立場じゃないのだが。
リブロに行きつつ、地下にあるスーパーをのぞいてみると、まあビールが安いこと! 500ml缶で250円を切る店は珍しい。近所にあれば頻繁に行くだろうけど、チト遠い。こんな場所があったのか……と小さく驚きつつ、会計を済ませた。
今日も書籍、音源に入荷あり! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!
2025/09/25
9/25 店日誌
ロックはもとより外国の音楽様式用の言葉である以上“自主独立”と呼称するより“インディーズ”と冠するほうが何事か、通常とは違っているような錯覚がかもし出される。その錯覚によって人々は“インディーズ”という“ジャンル”がこの世に存在しているようにさらなる錯覚を重ねる。“インディーズ”は作品発表およびその流通上の様式/方法のことであって音楽的様式のことではない。そのようなことさえわからぬ者がインディーズとやらを支えていてはインディーズもたまらぬ。(湯浅学)
9月25日、木曜日。代々木上原〈ロス・パペロテス〉でみつけた、湯浅学『音楽が降りてくる』を読み出すと止まらない! エンケン、裸のラリーズ、じゃがたら、アルケミーレコード、自主製作歌謡、勝新太郎、南沙織、谷啓、長新太……等々で紡がれる文章、やはり文字の力がとてつもない。そのまま書き写して、紹介したい箇所が山ほどある。自分が好きなように活動するための自主製作、資本との格闘を経て得る自主独立。その象徴として描かれるのはサン・ラー、プリンス、勝新太郎。ボブ・ディランに割かれるエネルギーもかなりのもの。
次に何をやるのか、見透かせるようなやつの歌など聴いている余裕はないし、目ざとく新品に対応して過去を切り捨てたり書き替える蝙蝠野郎にくれてやる銭はない。(…)気まぐれなのはお互い様だ。ムラっ気が強いのも俺だけじゃない。あしたどうなっているかなど、誰にもわからない。(同上)
上記した「ニール・ヤングが俺に教えてくれたこと」など小細工なしでストレートに投げ込まれる速球を前に、腰を引いてしまうか、ぐっと耐えるかで受け止められるものが変わってくる気がする。終始圧倒されながら、勢いにまかせてページを繰った。
今後しばらくは通常営業! 本の買取に関することなど、お問い合わせはお気軽に。
2025/09/24
9/24 店日誌
9月24日、水曜日。演奏中のステージをスマートフォンで動画撮影、「最高だった!」とコメントを添えて流布させる風習、どうにかならないか。せめて「ここの転調がよかった」とか「ベースの持ち方がカッコいいよね」なんて気を利かせてくれたらいいのだが、安直な言葉だけが広まって、共感される。なにも難しい用語を用いて、専門的な眼で批評せよとは言わないが、もうちょい工夫できないものか。そんな状況と、安っぽい煽り文句を用いまくる政党、政治家、企業家に牛耳られる世相はまったく無縁ではないとオレは思う。大袈裟だろうか。
ライブ中のスマートフォン、もはや風物、禁止にする必要は感じていない(むしろ、野外フェスに出ながら撮るな! ってのはなあ……)。言葉の用い方、共有の作法にこそ新発想を! なんてのがオッサン的発想だと指摘されれば、ウームと黙ってしまう。
今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。
2025/09/23
9/23 店日誌
9月23日、火曜日。(昨日の記録) つくば駅、15時42分発のつくばエクスプレス快速に乗って、代々木上原に着いたのが16時57分。外はまだ明るい。街に出ると祭の太鼓らしき音が聞こえてくる。駅から徒歩1分の〈ロス・パペロテス〉に入店、階段奥の音楽棚を凝視すると、あった! あると思った! 湯浅学『音楽が降りてくる』を見つける。他にも1冊、探求書があったのだけど、今日はこれで十分。会計をお願いすると「あっ、お久しぶりです」と声をかけてくれる。「あれ、わかりました?」「入ってきて、すぐアレと思って」なんて店主・野崎さんと話したのち気持ちよく店を出て、すぐ近くの桉田餃子に。
瓶ビールと定食。ラジオからは大相撲。本を読みつつペロリとたいらげ、お会計! なんと現金支払不可! ガーンとなるも対応してくれ、どうにか退店。日暮前の通りを缶ビール片手に歩き出すと半被姿の人が多く目に入る。どうやら祭前日らしい。にぎわい直前のいい空気。さらに歩いて、渋谷に入って、知人の店にも数年ぶりに顔を出す。かっこいい店、人。もう少しゆっくり話したかった。
ディスク・ユニオン2軒を経由して、目的地の〈WWW X〉でスガワラさんと落ち合うと、なんとヨシヒコとリカちゃんも! 久しぶりだねーっと話して、会場に入る。6年ぶりのモッキー、渋谷で観るのは7、8年ぶりかな。はてさて開演……感想はまた別のところで。
今日は13時から19時までの特別営業! 明日以降は通常営業です。
2025/09/22
9/22 店日誌
2025/09/21
9/21 店日誌
9月21日、日曜日。ツイッター、インスタグラムで入荷を伝えた、EXODELIC『ROCK ‘EXODELIC’ STEADY』がとにかく奇妙で、クセになる。ジャマイカ音楽のロック・ステディをベースにしながらスピリチュアル・ジャズのサンプリングがあり、美声ながらも異電波のような女性ヴォーカルが入ってきたり、国籍不明の音世界なのである。現在、あちこちで耳目に触れる「エキゾチック」とは異なる表現、音像。HAYAMA EXOTICA RECORDSなるレーベルからのリリースで、完全手製のカセットテープ。
……さらに、このテープはA/B面とも同内容のはずなのだが、別の曲を聴いている気もしてくるから不思議。エキゾチック×サイケデリック=エキゾデリックとするならば、まったく正しい効果なのだと言えるのだが。
今日は通常営業! 明日は所用のため、15時までの短縮営業です。
※23日(火)は定休日ですが、13時〜19時で営業します!
2025/09/20
9/20 店日誌
9月20日、土曜日。朝イチで店の整頓、昨夜の出店で散らかった店を整える。元の通りに並べていくだけなのだが、100パーセント元通りなんてあり得ない。順番が入れ替わったり、売れたものの間に別のものをはさんでみたり、気分のままに手を動かす。見え方が変わったなァ……と、しみじみして気がつく。たまには出店した方がいいのである。商品を動かして、普段とは異なる客層の人たちが手にして、買っていく。買われずに戻された本も、店に帰ってくると別の顔になったりするから面白い。
今日明日は通常営業。明後日、22日(月)は所用のため15時までの短縮営業です。
2025/09/19
9/19 店日誌
9月19日、金曜日。いきなり涼しい。空気が乾いててすこやかだ。音楽の鳴り方も変わった気がして、エム・レコードから仕入れたばかりのレコードがよく聴こえた。ムシムシの数日前には時に耳障りにも感じたピアノの音がすーっと溶け込む。虫の音、すずしい風といっしょに時間が流れていく。スティーブン・ウィッティントン『ファイナル・フラグメンツ:ピアノ・ミュージック・オブ・デイヴィッド・コトロウィ』はなんと50枚限定盤。併せて注文した3タイトルともオンライン・ストアでは販売せず、店で静かに売っていく。気になれば、お早めに。
入荷したての『高円寺南3-59-11』(上下)はいったん完売! 週末までには補充できると思うので、しばしお待ちを。DJKJ『THE GODFATHER OF THAILAND』は店頭在庫残り1枚。今後、再入荷の可能性もゼロではない……はず。動きがあり次第、お知らせします。
今日は催事出店のため、16時までの短縮営業。明日明後日は通常営業です。
2025/09/18
9/18 店日誌
9月18日、木曜日。平日の午前中は暇である。とくに隣のカフェが開いてない日はがらーん、ぽかーんとした時間がつづく。隙をみて昼食を……と思うけれども、隙だらけで機を失いそうになるので、腹が減ったら食べることにしている。食事中に店前に車が停まるとやや気まずいのだが、サッサと食べて落ち着いたら歯を磨く。で、椅子の座ると眠くなる。ぼーっとして頭が働かなくなるので困るのだが、どうしようもない。ひとおもいに寝ちゃえばスッキリするんだけどなあ。ツイッター、インスタグラム、ブログに追われている時間はやたらに忙しいのになあ。
新着入荷多数! エム・レコードからは、Sheriff Lindo And The Hammer『TEN DUBS THAT SHOCK THE WORLD(世界をゆるがした10のダブ)』の訳あり特価品、気になってつい注文してしまったピアノ・インプロ作も何枚か。円盤からは『高円寺南3-59-11』(上下)と新作レコード、定番の旧作群が到着。古本の買取もあり、中古音源もあり、店にいるのは大変だけど楽しいぞーーーー! やけっぱち。
今日は通常営業。明日は催事出店のため、16時までの短縮営業です。
2025/09/17
9/17 店日誌
9月17日、水曜日。数年ほったらかしていた『エスクァイア日本版』の山に手をつけて、誌面の充実ぶりに驚き手が止まる。今や概念ごと消失してしまった「メンズ・マガジン」の気概に触れて、背筋が伸びる。周りの目を伺ってるだけじゃ、面白いものは作れないし、出会えない。世界をはかる物差しを自分なりに選び、育てていくことの重要性を再認識(ときに手放すことも含めて)。いくつかの号は写真を撮って、簡単な紹介をつけてオンライン・ストア〈平凡〉に上げているので、ご注目を。
インスタグラム、ツイッター、オンライン・ストアの読書日記など手をつけはじめると時間が足りない。いま、昼食を買いにいけるかの瀬戸際でブログを書いている。欲張りすぎず、手を抜かず、いい按配で進められたらいいのだけど。
今日も通常営業! お暇があれば、ご来店を〜!
2025/09/16
9/16 雑記
ディスクユニオンで注文していたマイケル・ハーレイのレコードを受け取りに、柏に出る。いったん店を経由して、たまった段ボールを捨ててから自転車で走り出すと、どうもおかしい。背中と尻が冷たい。あーーーーー! 水筒の水が漏れてるよ! 本も入ってるからヤベーッとパニクり緊急停止。早めに気づいたからか被害は最小限。ヒヤヒヤしつつ、ゆっくり走って駅に着き、半額のピーナツパンを食べながら電車を待っていて「アア!」と声が出る。ピーナツバターがべっとりリュックにこぼれちゃった! 売店に引き返してウェットティッシュをもらって危機回避。ギリギリセーフ。
そろそろと電車を乗り換え(流山おおたかの森SCでのおつかいも済ませ)、柏に到着。いや〜まだまだ暑いねェ。人もたくさん。中年以上の人も多い。すいすいと街を歩いて、いくつかの店を経由してから目的地のユニオンへ。レコードをレジで受け取ったのち、いつもの古本屋を覗きにいくと臨時休業の張り紙が……。まあ、こんな日もある。踵を返して、つくばに戻る。
店でちょいちょい仕事をして、帰宅後にシャワーを浴びてビールを一杯! いやあ、これが美味かった。今日も暑かったもんなあ。
(※マイケル・ハーレイ関連で嬉しい出来事があり、うまく報告できればいいのだけれど。現在経過待ち。)
2025/09/15
9/15 店日誌
9月15日、月曜日。隣のカフェ、近所の古着屋の店主がそろって「暇ですねえ」と言う。自分も異論なし。連休の気配が感じられず、いつも通りどころか輪にかけて静かな週末なのである。幸いにも少数でもしっかり店をみてくれる人がいて、本とレコードなんかを組み合わせて買っていく。遠方の知人からピンポイントでの通販依頼があったり、オンライン・ストアで買い物する人もいる。まったくの無風ってわけじゃないから弱気にならずに済んでるけど、この時期、人はあんまり動かないんだなあと実感している。
昨夜、閉店間際に現れたのは阿佐ヶ谷〈古書コンコ堂〉の天野さん一家! お盆の連休からさほど間を空けずに来てくれるのは珍しい。終了間際のカフェでの展示を目的に、地質資料館などを回ってきたとのこと。読んだばかりのZINE、レコード、古本の話で盛り上がり、気持ちよく送り出す(冷房をきっていた店内が暑くて参っただろうなあ……反省)。
今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!
2025/09/14
9/14 店日誌
9月14日、日曜日。店にきて、インスタグラムで紹介するべくCDの写真を撮る。どこで、どんな風に撮るのいいのか、すぐにピンとくることがあれば全くのノーアイデアのときもある。今日は幸い、こうすりゃいいと思いついて撮ってみた。そのあとで解説文=キャプションまでスムーズに書ければいいのだけれど、つまづくこともしょっちょうだ。嘘っぽくせず、率直かつ平面に、大袈裟な感情を込めずに書けたらいい。他者の語り口をなぞらず、自分なりの面白味を伝えられたら、いちばん嬉しい。
今日、明日も通常営業。本の買取依頼、商品に関するお問い合わせはお気軽に。
2025/09/13
9/13 店日誌
9月13日、土曜日。朝、なんとなく『Reggae For Lovers』に針をおろすと、これがめちゃくちゃ良いのである。入荷したての5月にもこの盤を詳しく紹介しているのだけど、これは今! 夏の終わりかけ、秋の始まりのさしかかった今こそ味わうべきレコードだ。ゆったりしたメロウなリディム、スウィートなヴォーカル。「史上初のラヴァーズ・アルバム」なんて大袈裟な惹句より、抜群の選曲がなされたメロウ&スウィートなレゲエ・アルバムって感じでオススメしたい。店頭在庫は残り1枚。気になれば、ぜひお手元に。
月曜を底にして、水、木、金とじわじわお客さんが戻ってきたような。知り合いが多かった前半から後半(ってか昨日だよ!)になって、ようやく一見の方も混ざりはじめた。サボらずに手を入れて、店の鮮度を保っていくしかない。嘆かず、イジケず、やっていく。
3連休も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。
2025/09/12
9/12 店日誌
9月12日、金曜日。売り上げがヤベーっと書いたからか、当店の最長常連にして守り神ともいえるヒロタさんがきてくれた。スッカスカだった当初から混迷~低迷期を経て、営業時間がかわった現在まで、ずっと見てくれている人なのである。顔を出してくれるだけで嬉しいのに、毎度なにかしらを買っていく。森山大道、嵐山光三郎の話をしつつ、互いに気になる著者のことを教え合う。図書館や新刊書店はもちろん、ある程度以上の量の本のある棚を眺めるのが好きってのは自分も同じ。話ができて励みになる。
ちょうど来週、19日(金)につくば駅近くの〈つくばカピオホール〉で開催される「小室等 谷川俊太郎を歌う ──いま生きているということ」に当店も出店。演奏、パフォーマンスはもちろん、舞台美術も見逃せない。チケットはまだまだ販売中。公式サイトか、会場などで買えるとのこと。
明日からの3連休も通常営業。ご都合があえば、ご来店ください。
2025/09/11
9/11 店日誌
9月11日、木曜日。ふと思い立って、吉野家の牛魯珈カレーってのを食べてみた。あれ、不思議じゃないですか。なぜカレーの上に牛が乗る? うちは牛丼屋でカレー屋じゃないって矜持の現れなのかもしれないが、たぶん、多くの人は「牛いらね〜」ってなるんじゃないかな。スパイシーなルーに具らしきものはなかったから、具としての肉、なのか。みんな、どんな風に食べてるのかな。ちょいと気になる。
オイオイ、こりゃまずいぜ。きのうの売り上げは⚪︎×⚪︎円。オンライン・ストアでの購入分があるからガガーンとはこないものの、店に人の動きなし。暑さ疲れか、夏休み後の閑散期に入ったのか。日が暮れるのも早くなったよなァ……。
今日も通常営業! 本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。
2025/09/10
9/10 店日誌
9月10日、水曜日。11時開店になってから1週間、まだ慣れない。早い時間にくる人は少ないし、自分も新入荷のものの写真を撮ったり解説を書いたり、隙をみて弁当を食べたりもしてるので人を迎え入れる余裕がないときもある。クーラーもつけずにデカい音でスカ、レゲエを流したり、DJKJ『THE GODFATHER OF THAILAND』(改めて、最高!)を聴いてるから、静かに店をみられる環境じゃないとも言える。いや、だから来ないでくれと言いたいわけじゃなく、むしろ早めの来店を期待している。昼前から開けててよかった〜と思えることが増えたらいいんだけどなァ。
一昨日、月曜の売り上げは300円。ウーン、久しぶりの大ズッコケだとへこみつつ、来店してくれた若者に感謝がめばえた。営業時間を変えただけが要因だとは思ってないけど、以前より気持ちに余裕があるのは何でだろう。
今日も古本、音源に入荷あり。オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。
2025/09/09
9/9 雑記
湯浅学。とにかく、湯浅学の本が読みたい。もしかしたらブックセンター・キャンパスにあるかもと思って自転車を走らせると、あえなく休み。たしか図書館に『音楽が降りてくる』があったはず。さっと走って音楽棚を凝視しても見つけられず、検索してみると、除籍になったのかノーヒット。ええい、こうなりゃ新刊書店も行ってやれ! 駅近くのリブロには『ライク・ア・ローリング・カセットテープ』があったのだが、求めてるのはコレじゃない。もうちょい走って覗いたツタヤには当然、なにもなし。気配ゼロ。シーンとした店内にいるだけで退屈する。
その前後に寄ったのは〈古着屋may〉と〈つるばみコーヒー〉。どちらにも落ち着いた空気が流れていて気持ちよく買い物ができた。仲間の店でお金を使うとスッキリする。こんなとき、知人とか友達じゃなくて仲間と言いたくなるのはなぜだろう。
2025/09/08
9/8 店日誌
グレイトフル・デッドのライヴの場に身を置いていると、実にそうした各自の“解釈”はどうあれ、まるで入浴しているようなくつろいだ気分になるのであった。“解釈”したいやつはし続ければいいし、思考回路を切りたいやつは切りっぱなしにすればいいし、瞑想したいやつはすればいい。三万人や四万人の聴衆を前にして、グレイトフル・デッドは、〈やりっぱなし〉という感じなのだ。(湯浅学)*1
9月8日、月曜日。うーん、すごい。湯浅学の書くものを追っていると、うなり、おどろき、わらわせられる。真似できるわけないし、なぞれるわけもないのだが、何でこんな風に書けるのか? どうしてそこに目を向けるのか? なんて感じで好奇心が沸いてくる。ああ、オレももっと沢山のレコードが聴きたい。紹介される本も読みたい。限られた時間のなかで、自分にやれることはやっておきたい。参った!『音楽を迎えにゆく』は凄い本である。
要するに、音盤すべてを平等に聞く、ということ。音盤全部を平等な権利として認めるというのは、評論活動の基本だとおれには思えるんだよ。(湯浅学)*2
これも簡単なことじゃない。どんな風体か、誰に紹介されたか、どこで売ってたか、なんて要素ありきで音盤を区別しているようじゃ本質には迫れない。「世界の快適音楽コレクション」に触れてゴンチチ風情を真似することなど野暮の極み。あの人たちが、いかに難しいことを簡単そうにやってるか。聴取する側も試されている……なんて書くと大袈裟かな。まあ、普通に楽しむのも大事だとは思うのだけど。
白と黒、善と悪、線をひいてぱっきりと分けられたらそりゃ楽だろう。混迷極まる世界情勢、社会問題の一つ一つに自分なりの答えを出すのは難しい。だからと言って声のでかい奴、事象を単純化して二者択一を迫ってくるような体制には従いたくないのである。湯浅学の本を読んでいると、その(自立と抵抗の)ための足腰が鍛えられる。
抵抗とは社会的権力の横暴やいわれなき差別に対するだけでなく、それを知らぬ間に支えてしまっている自分自身にも向けねばならない、という前提は外せない。(湯浅学)*3
今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。
(*1)「心地よくだらしない緊張感の宴」(『音楽を迎えにゆく』p.200) / (*2)「ロックは音楽雑誌。」(『音楽の本の本』p.137-138) / (*3)「抵抗の音楽史 レコード倫理とはなにか」(『音楽を迎えにゆく』p.104)
2025/09/07
9/7 店日誌
9月7日、日曜日。6時半過ぎに家を出て、最寄りの投票所に向かう。歩いて15分強。低湿度ゆえ日陰はけっこう爽やかなのだが、日差しがあるとやはり暑い。じわっと汗をかいて、いざ投票。茨城県知事選の一覧をみてびっくり。3者とも無所属じゃん。現職はともかく、残り2人の区別がつかず、許可をとって入口の用紙で顔と名前を確認する。これは出来レース、どうせ現職の大井川知事が再選するのだ。投票率も低いだろう。かんばしい気持ちになるわけもなく、帰宅後にスカのレコードに針をおろした。
新しい営業時間にもだんだん慣れてきたような……。お暇があればお出かけください。
2025/09/06
9/6 店日誌
9月6日、土曜日。歩けば暑い! そりゃ汗もかく。だけど、それ以上に気持ちがいい。スカッと晴れた空、体育祭の頃みたいな乾いた空気、葉っぱがさわさわ揺れてる。家を出てすぐ、東電工の作業員さん、警備員さんに挨拶。今後の状況などを聞いたのち、少し歩くと向かいの車がスーッと停まる。窓が開くとカズキじゃん! おはよう! 掲示中の作品のことなど話して、またねと別れる。北島さんの材木店を過ぎて大学に入ると、人はまばら。ボキっと折れた枝、風雨に待ったであろう葉っぱが目に入る。
店についてラジオをつける。ゴンチチが話しているのだが、雰囲気がおかしい。亀松湯のテンションが高い。二人の声が若くて騒々しい。何だろと思って調べて謎が解ける。今日は「世界の快適音楽コレクション」第3回がアンコール放送されていた。1999年当時は夜の時間帯の放送だったらしい。
今日も通常営業。本の買取、在庫の確認などのお問い合わせはお気軽に。
2025/09/05
9/5 店日誌
9月5日、金曜日。予約制らしいカフェに人が並んでいた。予約してるのになぜ並ぶ? そもそも、カフェって予約が必要なのか……? 歩きながら考える。カフェ、フェス、マーケット。そこらじゅうで耳や目に入るカタカナ記号に意味はあるのか。喫茶店、縁日、市場と日本語にすればいいとも思わないけど。並んでる人、並ばせる店にケチをつけたいわけじゃなく、漠然と頭に浮かんだことである(その後で知ったが、目に入ったカフェは予約制ではないらしい)。
久しぶりの本降り。日照りが続いていたから嬉しさがある反面、場所によっては強烈な豪雨になる可能性があるらしい。お出かけの際はお気をつけて。
新刊、新譜に入荷あり。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。
2025/09/04
9/4 店日誌
作品に触れる? 私は驚きつつも、おそるおそる彼の髪を、鼻筋を、服の皺の一本一本を、指の先でなでてみました。彫刻家の熱の跡を丹念にたどるように。そして、ちんぷな言い方ですが、文化とはこういうことだよなと思ったのです。からだから、からだへと伝わっていくもの。美しいものが、何にも遮られずに日常と地つづきで在るということ。(鈴木るみこ)
9月4日、木曜日。鈴木るみこ『ふらんすの椅子』を手にしたら、ページを繰る手を止められず、最後まで読んでしまった。上記したのは20年ぶりに訪れたフランスで偶然、彫刻家ブルーデルのアトリエ跡の美術館を見つけて、足を踏み入れる場面。「あなた、触っていいのよ。触るべきと言ってもいいくらい」と監視員のマダムに声をかけられ、オカッパ頭の少年の胸像に手を伸ばす。
それもまた人生という意味のフランス語、セ・ラ・ヴィが2度、本のなかでつぶやかれる。諦めでもなく、なげやりでもなく、嘘っぽい希望をもたらすわけでもないのに心を軽くさせる不思議な言葉。「人生はよくできていて」と語った80代後半のYさん夫妻を描いた話も、とてもいい。安直に用いがちの“暖かさ”とは異なる、温度がある。
本書に併せて、ウィリアム・I・エリオット/西原克政(訳)『谷川俊太郎を私的に語る』、佐野洋子『女の一生』も入荷。ピープル・ブックストア店頭とオンライン・ストア〈平凡〉で販売中。
今週は全日、通常営業。11時から19時まで開けています。
2025/09/03
9/3 店日誌
9月3日、水曜日。5時45分に玄関をでると空気がさわやか。車が少ない。道をゆくのは犬の散歩をする人、ランナー、新聞配達と思わしき原付バイク。筑波大に入ってようやく車が一台通過する。大きな交差点もまだまだ静かで、スーッと渡れる。家から店までの10分強、ことさらに急いだわけでもないからか、ほとんど汗はかかなかった。通販で売れたスペクテイターを回収し、コンビニでレターパックライトを買ってから帰宅。やっぱり朝が好きだなァ。気持ちがいい、気分がいい。
外を歩いていてクシャッと音がする。枯葉を踏んだときに似た感触で、もしかしたらセミの屍骸を踏んだかなーと思うが確認しないまま歩きだす。まだまだ暑いとは言え、セミの元気な季節も終わりが近い。そろそろ涼しくなってほしい。
今日から新たな時間で営業開始。ご都合に合わせてご来店ください。
























