2024/10/18

休業

今日、10月18日(金)は休みます。

2024/10/17

10/17 店日誌

10月17日、木曜日。一昨日からプリンス・バスターにハマっていて、今もブログを書きながら聴いている。『Big Five』は1972年の作品。いわゆるバスター節のスカチューンではなく、レゲエ寄りのロック・ステディを歌っている。空気の乾いた午後にぴったりで気持ちがいい。歌詞の内容はわからないのだが、どうなのだろうか。今は「Kinky Griner」という曲で、次は「Leave Your Man」。甘〜いラブソングではなさそうだ。途中、途中でブザー音みたいな異音が入るのが気になる……(Apple Musicだけ?)。

当店の定番! HAPPFATの秋冬ミックス『FAR』vol.3が到着。サウダージ~フォークっぽい導入から徐々にソウル~メロウ・フィーリングが高まっていく展開で、聴いているのがとても楽。南佳孝などの和モノ使いもミックスの聴きどころ。運転中の車内や美容室、古着屋なんかのBGMにも合うと思う。

何度か変更があったけど、明日18日(金)は休業。19日(土)と20日(日)は店番太郎くんに任せての短縮営業(13時~19時/13時~18時)。月曜は通常営業で、火曜は定休。26日(土)は「旧石器時間」に出店! ご都合合えば、どこかしらでお出かけを。

とりあえず、今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を!

2024/10/16

10/16 店日誌

山川方夫の作品は短篇が多いこともあって静かな印象のものが多い。日のかげりのなかでは劇的な出来事も起るがそれは再び日が射し込むと同時に薄っすらと消えていく。ひとはかげりを意識しながらもそれに耐えて静かに生きていく。(川本三郎)

10月16日、木曜日。山川方夫『夏の葬列』を読んでしずかな衝撃を受ける。ショート・ショートといわれる10ページほどの短篇と70~80ページくらいの話が入った文庫本。まず読んだのは山崎行太郎の「解説──陽気な絶望者」、その後で頭から順に読んでいった。冒頭3篇「夏の葬列」「待っている女」「お守り」でぐっと掴まれ、速度をかえつつ一気に読み終える。再度の「解説」、川本三郎「鑑賞」を通過すると、ああ何とも。言葉にしがたい芳醇な体験をした気分になる。最後に付された「年譜」も充実していて、無駄のない構成に関心しながら本を手放した。

彼より、アタマの回転が早い人、リコウな人、話の面白い人は、まだいるだろう。しかし、彼のように暖かい心と柔軟な理解力をもち、都会的神経と野暮なまでの生真面目さを両立させた親しい友人に出会うことは、私の生涯に、もう、あるまい。(小林信彦)

思い出して、小林信彦『東京のロビンソン・クルーソー』所収の「山川方夫のこと」を読み返す。少なくとも2度は読んでいるはずなのだが、まったく印象が異なる。こんなことが書かれていたのか……と驚き、山川方夫の別作品にも触れたくなった。

今週の営業予定に変更あり! 今日明日は通常営業、明後日18日(金)は休業。19日(土)は13時から19時まで、20日(日)は13時から18時まで営業します。21日(月)は通常営業、22日(火)は定休日です。

というわけで、今週もどうぞよろしく! 在庫確認、通信販などのお問い合わせはお気軽に。

2024/10/15

10/15 雑記

一昨日の残像がまだ残ってる。友部正人の歌う姿、響く声をはっきり思い出せる。あの声を聞いて振り返る、一月一日午前一時(高橋さん)、夕日は昇る。友部さんの背中を見ながら聞いたのは、銀座線を探して。歌声は深みがあってよく響く。ハーモニカを吹くと表情がぐっと若くなる。

ワインをよく飲む友部さん、サワーを飲み飲み話すユミさん、打ち上げでお二人を交えてを話しているときの感触も忘れられない。いいお話をたくさん聞かせてもらった(ベロベロに酔ったタカシくんも面白かったぜ……!)。

2024/10/14

10/14 店日誌

10月14日、月曜日。いい天気! でも、ここまでくると、いい天気過ぎる。あまりな行楽日和でちっぽけな古本屋にくる人は少ない。すげー少ないんだよ! 店番太郎くんに頼んだ昨日の売り上げは、なんと××××円。3連休の中日にあって渋〜い金額。こりゃ参ったな……と、嘆いても、まあ仕方ない。人の動きには慣れているつもりだ。山があれば谷もあって、右肩上がりの営業なんかできっこなくて、上がり下がりを繰り返してきた。少なくても人が来て、本を買っていってくれるから、こうして店を続けていられる。淡々とやるほかない。

ご近所〈つくば食堂 花〉での友部正人さんのライブは4年ぶり。 前回は新型コロナウイルス騒動の真っ只中だったかた、よく覚えている。途中で換気の時間をつくったり、マスク着用、手指の消毒を気にしたりでけっこう大変だった。昨夜、久しぶりのライブは完全生音公演。友部さんの地声だけで90分。店内に響く声、ハーモニカの音にぐっと心が惹きつけられた。あの場に立ち会えたことに感謝、感謝。

今日も書籍、音源に入荷あり。店前に出している均一価格(100円~300円~500円)のコーナーにもコツコツ手をいれているので、ご注目を。オッ! と手が出る本を見つけてくれたら、とても嬉しい。

今日も通常営業! 明日火曜は定休日。18日(金)19日(土)20日(日)は休業。

2024/10/13

10/13 店日誌

10月13日、日曜日。稲葉真弓『半島へ』を読み終えて、驚く。9割型まで著者の生活エッセイだと思い混んでいたのだが、小説だった。完結直前「奈々子、これでいいかな。あなたの“生き急ぎ”とは違う速度を、私は見つけたいの。東京のスピードとは違う、私にふさわしい速度をね」という黙想、語り手自身の自己確認に触れて、この人は著者・稲葉真弓じゃない別の誰かなのかも……と、遅まきながら着想した。木村朗子による解説に触れて、小説を読んでいたことを知らされた。

なんとなく買ってみて、読みはじめたら、想像以上にとおくに飛ばされた。意識されないまま、ずっととおいところに。すごいなー。本を読んでいてこんな風に驚かされたのは、はじめてだ。

朝、てきとうに流していたラジオの選曲に反応する。佐野元春だとすぐに気がつく。曲自体の質感が今日の気分にぴったり。何て曲だろうと耳を向けていたら、佐野元春&Coyote Bandの「或る秋の日」。歌詞というより発声が、メロディというより曲のもつ雰囲気が、乾いた空気に溶け込んだ。

今日も通常営業。13時から19時まで、店番太郎くんが店にいます。

2024/10/12

10/12 店日誌

10月12日、土曜日。目が覚めてすぐ障子と窓を開けると、ほどよく乾いた空気が部屋に入る。空は真っ青。いやーいい天気! 秋晴れってすばらしい! インスタントコーヒーを淹れて、ウィークエンド・サンシャインを流しながら本を読む。今日も稲葉真弓『半島へ』。読むうち心がしずかになっていく。印刷された文字を追いかけるのに負荷が少ない。自分自身の先のことにぼんやり想いを馳せつつ、ゆっくりページをめくる。

ゴンチチへとバトンタッチして15分、なんとなく気が向いてレコードに針を落とす。レヴォリューショナリーズのダブ。ゆるやかで太い。今日の気分にぴったりだ。寝転んで、ぼーっとするのにいい気候。こんな風に過ごせる時間がもうちょっと増えればいいのになー。

『ブリング・ミンヨー・バック!』を撮った森脇さんが、エミール・クストリッツァの『スーパー8』を意識したと話していたのを思いだして、嬉しくなる。公開時に観たっきりであいまいな記憶なのだけれど、クストリッツァのジャージの着こなしが超カッコよくて真似したくなったのと、ジョー・ストラマーとの共演シーンがすごく良くて、ぶるぶるっと身体が震えたのは覚えてる。

本当にこわいのは、一匹狼の人です。どこかにひそみ、いつ現われ、なにをやるかわからない人はこわい。(…)それにくらべると、なにかにつけて徒党を組む連中は、まったくこわくない。(中原弓彦)

本棚にあるのが目にはいった坪内祐三『雑読系』を読んでいて、どきり。『ハヤカワズ・ミステリ・マガジン』1966年12月号に掲載された中原弓彦/小林信彦へのインタビューの一節が鋭い。しかも聞き手が大伴昌司なのである。……つい、孫引き。

今日もドアは開けっぱなし! 13時から20時まで開けてます。

2024/10/11

10/11 店日誌

なんて奇妙ななりゆきだろうと、私は歩きながら思う。いつの間にか、東京と半島が反転している。ここが主で東京は従へと転落しつつあるのだ。そんなことはついぞなかったことだ。私がこれまで生活のために闘ってきた場所は東京であり、あの都市以外はなにもなかったはずだ。それがどうだ。ろくに仕事もせずにうろつき回っているこの半島が、いまは生き延びる幻想につながる場所になるなんて。(稲葉真弓)

10月11日、金曜日。数日前に立ち寄った新刊書店でみつけたのが、稲葉真弓『半島へ』(講談社文芸文庫)。別の本を探して目を走らせていた文庫コーナーで青い表紙が浮き上がって見えて手に取って、これを買おうと決めた。本屋をはじめてすぐ、吾妻で焼き芋屋を営んでいたナカハチさんがくれたのが『少し湿った場所』。稲葉真弓の絶筆となったエッセイ集には人間味がありテキストから溢れでる何かに引きつけられた。いっぺんに好きになった。

店の出入り口を開けたままにしていると、いつの間にか人がいる。そーっと入ったのか、静かに棚に見入る人。きょろきょろ店内を観察する人。それぞれの反応をちらりと観察しながら、本に目を落とす。何冊か本を選んで会計しにくる気配を感じると、身体の芯あたりの熱がぐっと高まる。

ここ最近、常連になった男女の2人組。たまたま来た、絵描きのナツナさんとわーっとなにかを話してる。ここが知り合いだったのかーとかなんとなく考えながら、本を読む。昨日は野中花『昭和・奇人、変人、面白人 酒の肴100人たち』を読んでいた。愉快な話がおおくて著者の語りに引き込まれるうち読み終えていた。

今日はなんていい天気! ロックステディ日和でとても嬉しい。

2024/10/10

10/10 店日誌

10月10日、木曜日。いつのまにか体育の日じゃなくなってる! そんなの今さら騒いでも意味がないのはわかってるけど、ちょっと驚いた。しれっと14日(月)に移行していて今週もまた3連休。先月の2週つづいた3連休から正直もういいよ……なんて心持ち。月毎に連休があって疲れるよ〜って人も少なからずいるんだろう。でも、今月も連休があって嬉しいな〜って人の方が圧倒的に多いんだろうな。とか何とかボヤいても、仕方ない。やれることを、やるしかない。

先週は中古CD、今週は中古レコードの入荷が多い。ジャズものを中心に1000円以下で値付けしているので、ピンときたならお手元に。サブスクリプション、CD、カセットで聴くのとは異なる質感があるはず(いつも書いてるけど、どれで聴くのも楽しいのが前提)。

ここのところ、またオンライン・ストア〈平凡〉の動きが少なくなった。目玉になる新刊、新譜がないのが理由かな〜と思ったり、古本を組み合わせた見せ方がイマイチなのかな〜と考えてみたり。どうなのだろうか。思うことがあれば教えてほしい。

今日明日は15時開店! 本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2024/10/09

10/9 店日誌

10月9日、水曜日。昨夜からの雨はいっこうに止まず、急に強くなったり風を伴ったりで対応がむずかしい。こんな日はどんな装備で自転車に乗るのがいちばんいいか。まず、靴下と靴ははけない。15分も走ればどちらもびしょ濡れ。一日中不快な状態で過ごすのは避けたいから、短パンとビーサンで行くしかない。リュックに靴下と靴、替えのズボンを入れて、上半身は長袖を着用した上でポンチョを羽織る。それにしても急に寒いよ! ズボン下を履きたいくらいなのに、足むき出しで外に出るのは抵抗がある。(8:00)

果たして、上記の格好で店にたどり着く。道中は意識してゆっくり、ゆっくり、焦らず走る。たまにすれ違う車も心なしかスピードを落としてくれる(かまわずバシャーッ! と走り抜ける車には×××を)。雨でなくても自転車では焦らない、飛ばさない。人を無理矢理抜かさない。もちろんイヤフォンも使わない(そもそも持ってない)。無事にたどり着くことを最優先する。ああ、それにしても冷たい雨だ。(9:30)

さあ、そろそろ開店。雨も止んできたような。温度差が激しすぎて身体がついていかないけど、店は開けられる。めちゃ元気とは言えなくても、人は迎えられる。入荷したての本やレコードに値段をつけつつ、のんびりやろう。お暇があれば、ご来店を。(14:00)

今週はどの日も通常営業。来週18日(金)19日(土)20日(日)は休業です。

2024/10/08

10/8 雑記

朝から雨、ちょっと肌寒く、身体も重たい。観ようとしていた映画は早々にあきらめて、家でだらだらと本を読む。手元にあるのは坪内祐三『文庫本福袋』。以前にも読んでる気がするのだが、かまわず、ぐいぐい読んでいく。雨がやんだのを見て庭の草を刈る。没頭するうちにまた降ってくる。まあ、ここまでというところで家に上がってシャワーを浴びて、考える。今日はどうしようかな。どこかに行くか、行かざるか。

けっきょく柏まで足を伸ばして、たくさんの本やレコード、CDに触って、けっこうな数を買ってきた。山川方夫、永井荷風、杉浦日向子、川本三郎、武田花。稲葉真弓の新刊も買った。滞在時間は3時間。駆け抜けるように買い物をした。

夕方前に帰ってきて、シャワーを浴びて、ビールを一杯。スコット・ジョプリンのレコードを聴いている。

2024/10/07

10/7 店日誌

10月7日、月曜日。午前中、久しぶりで庭の草を刈る。真夏こそちょいちょい手を入れていたのだけれど、秋っぽくなった途端まったくやる気がなくなった。まる1ヶ月放置していたら、ネコジャラシみたいな植物の背丈がけっこう伸びている。そろそろ? いや、まだまだと数日逡巡していたが、やるなら今日だ! さあ、やるぞ! と30分超集中したら汗だく。途中途中でクモの巣にも引っかかる。もう限界! ってところまでやり切って、室内に駆け込みシャワーを浴びる(また、でっかいクモの巣に引っかかる……)。まだまだ終わりそうにないけど、ゆっくり進めていけばいい。

何枚かレコードに針を落としたのち、Apple MusicでMUTE BEAT『MARCH』を聴いてみる。11月3日にアナログ盤になる作品で、通算4作目となるスタジオ・アルバム。ジャケットがなんとなく重くて、これは別にいいかなーと思っていたのが大間違い! 重要なアルバムだ。『FLOWER』『LOVER’S ROCK』『LIVE』とあわせてオーダー。当店でも11月3日(日)から販売する。

しばらく手を入れていなかった中古CDコーナーに追加多数。トム・ウェイツ、シッカー・ザン・ウォーターOST、ミュースターズ、アルフレッド・ビーチサンダル、フリッパーズ・ギター、スライ・アンド・ファミリーストーンなどなど、色々あり。どれも500円~800円くらいの値付けなので買いやすいはず。

今日も通常営業! 冴えない天気が続いてるけど、まあ元気にやってます。

2024/10/06

10/6 店日誌

10月6日、日曜日。いやあ、昨日はヒマだった。開店直後に数組がぱらぱらっと来て、その後にカップルが何組か、女性二人組、あとは誰も来なかったかな。でも、ひとりで来て静かに本を選んでいく人もいて救われた。いい本、選びますね。よかったらまた来てください。そんな気持ちで会計をして、送り出す。大竹聡『酔人伝』を読みつつビールを飲んでいた閉店間際、水戸からの一行が来て、助けられた。オンライン・ストア〈平凡〉の売上と合わせて、ギリギリセーフ。

開店前、雨がやんだ隙をみて自転車で走りだす。まずはつくば中央郵便局、オーダーのあったレコードと本を発送。帰り道に〈千年一日珈琲焙煎所〉に寄って、樋口達也個展「JUGATSU」を見る。作品に共通したトーンがあるからか、スッと目に入ってくる。洒落てるのは確かなのだけど、それで済ますのはもったいない。

絵を見るのと買うのとでは、大きく違う。/美術館で何億円もする名画を見るよりも、たとえ一万円でも自分でいいと思った絵を自分の金で出して買ったほうが、絵というものの本質に近づくことができる。少なくとも、私はそう考えている。(福田和也)

ちょうど読んでいた、福田和也『放蕩の果て 自叙伝的批評集』所収の「絵画と言葉」の一節が浮き上がる。なるほど、樋口さんの絵も買って、手元に置くと見え方が変わるのかもしれない。値段もけっして高くない。ビビッときたものを買ってみてもいい。

今日も昨日と同じ状態がつづくとドヨーンとしてくるのだが、どうなるだろうか。気をつかって来てもらうのもアレだし、店にはこんなことはよくあるわけで、騒がずに待つしかない。読むべき本ならたくさんある。

今日明日の営業は、13時から19時まで。些細なことでもお問い合わせはお気軽に。

2024/10/05

10/5 店日誌

10月5日、土曜日。朝、ピーター・バラカンのラジオを流していると、ポール・マッカートニー、ニッキー・ホプキンス、ルー・リードの名前が出てきて耳を引かれる。ハービー・フラワーズというベーシストの話から「ウォーク・オン・ザ・ワイルドサイド」が流れ出して、この曲を知ったときを思い出す。大学生の頃、ロバート・ハリスがラジオの深夜番組を持っていて、落ち着いた語りが好きでよく聴いていた。あるとき流れたのが件の曲。はんぶん寝ながら、これは誰の曲なのかな……と思ったのをよく覚えている(その後、何かの拍子で曲を把握した)。

2000年代初頭のフジロック、野村訓市ひきいるトリップスター・クルーがロンドンバスで乗りつけていたときも、デカい音で流れていた。横浜日ノ出町で〈ムムムカリー〉を営むヨウヘイくんが野外パーティーでのDJで選曲していて、さすがセンスがいいなあと感心した。ルー・リード、2004年のライブでは演奏されず。シブいライブだったのに、当時の自分はぼけーっと眺めるだけだった。

それにしても、今日のピーターさんの選曲はとてもよかった。曇り空の午前中にぴったり。コーヒーをのみながらぼーっとしていて、満たされた。話と音楽がうまく絡みあって、自然と身体に染み渡った。なんとなんと、ボビー・チャールズ、マデリン・ペルーまで……。

夏葉社の復刊2作、いくつかの出版社からの定番作、スモールプレスの人気作など、新刊本の仕入れに改めて力を入れている。もちろん古本にも日々入荷があるので、お見逃しなく。

今日明日、明後日は13時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2024/10/04

10/4 店日誌

10月4日、金曜日。普段より30分はやく家を出ると、道中の眺めが変わる。出勤、通学、送迎の重なる時間帯で車が多い。自転車で横断歩道にさしかかると、今日はすぐに車が止まった。軽く会釈をして道をゆく。ありがとう、どうぞどうぞ。無言の会話をしたようで心が軽くなる。筑波大学に入ると、ちょっと怖い。職員らしき人が乗る車は自転車、歩行者に遠慮なく駐車場に入ってくるから。チキショー危ねえよ! とごちながら、ゆっくり走っていくと、学内は学生さんがいっぱい! 国籍も多様。いろんな言葉が飛び交っている。そろりと遠慮がちに走り抜けて、店に到着。

着いて早々、お隣の〈千年一日珈琲焙煎所CAFE〉での展示を見る。いまは、ささきりょうた個展「おーい」を開催中。案内DMから受けるイメージとはまったく異なるいい展示。少なくとも、オレは好きだ。値段設定が良心的なのも好ましい。ぱっと目に入った2点を買おうとすると雨に濡れた土田店長が出勤してきた。

本の雑誌社からの新刊を数冊補充! 坪内祐三『日記から 50人、50のその時』、『本の雑誌の坪内祐三』、Q.B.B.『古本屋台 2』、草森紳一『記憶のちぎれ雲』。この他、STAND! BOOKSからは橋本倫史『観光地ぶらり』とスズキナオ『家から5分の旅館に泊まる』が到着。ピカピカの新刊ではないけれど、どれも当店の定番作。ぜひ、手にしてほしい。

今日も書籍、音源に入荷あり! 在庫確認、本の買取/査定のことなどお問い合わせはお気軽に。

2024/10/03

10/3 店日誌

10月3日、木曜日。朝からの雨のせいか、昨日より湿度は低い。こんな日はジャッキー・ミットゥー。マッカ・ファットからイン・ロンドンをだらーっと聴いていく。ロックステディの心地よさ、ラフさとタフさが入り混ざったレゲエミュージックの真髄を感じるも、これは一体何だろう。モンドと言うと語弊がある気がするし、エキゾとするのもはばかられる。天然由来のおかしみ、独特さ、可愛げがふくまれたインスト・レゲエ。どうにもまどろっこしいのだが、そんな風に言語化するほかない。

古い店や映画館などがなくなる時、駆込みでその場所に足を運ぶ人が私は嫌いだ。はしたないと思う。(坪内祐三)

図書館で借りてきた、坪内祐三『新・旧 銀座八丁 東と西』を読んでいて、上記の一節にぶつかる。定番の坪内節なのだが、自分はこうした感覚、ある種の意地の張り方に共感する(憧れてるだけかもしれないけど)。閉じようとする店や場が多数の人から標的にされて、グワーっと食いつかれ、骨までしゃぶられる。店だけじゃなくて人にも同じように食いつく風潮、とても苦手だ。できれば目にも入れたくない。

(念のため追記。ここに書いたことは〈SUNNY BOY BOOKS〉の閉店とはまったく関係なし。これを書いたあとにニュースを知った。当店とまるっきり同学年の書店がなくなるのはけっこう寂しい。)

誤解されてるかもしれないけど、店にいて嬉しい出来事もけっこうある。ここ最近は、なじみの人だけじゃなくあらたに見つけてくれる人もいて、対応していてじわっと喜びに包まれる。なんだかんだあっても、店を開けるのが好きなのだ。

今日明日は15時開店。土曜日曜、月曜は13時から開けてます。

2024/10/02

10/2 店日誌

所詮金なんて価値があると見せかけて、実は相当インチキな代物。例えばお店に置いてある商品ひとつとっても、陳列の仕方、商品名のつけ方、ライトの当て方で、同じものでも値段がいくらでも変わる。要するに全部インチキなのだ。(松本哉)

10月2日、水曜日。松本哉『世界マヌケ反乱の手引書(増補版) 』はゲラゲラ笑わせて、ズバズバと物事の本質に触れていくからゾクゾクさせられる。上記の一節は第1章「予想外のことが始まる!」の末尾にサラリと書かれていてびっくりした。こんなこと書いちゃって大丈夫! とか思っちゃうのは自分がビビり性だからか。本当のこと過ぎる。なにもすごくない! って言いながら、どーんと大胆にアクションする松本哉はすごい人。でも、すごいすごいと言って済ましてちゃいけない。読み手も動き出さなくては、この本が書かれた意味がない。

今の時代、小さい謎のスペースを無数に作っていく方がいいと思う。潰れても潰れてもどんどん新しいバカセンターができて、全国津々浦々、いったいどこにどんな場所があるかわからなくなるぐらい増えたら最高に面白いし、実はそれが一番強い。

ここにはつよく共感する。小規模でも自立したイベントが増えたらいい! ってのに似た見解で、より小さく、早く思考できれば、面白いことができると思う。大きな出来事の意味を理解した上で、小さなアクションの重要性を認識できれば、何かが変わる気にもなる。とにかく実践あるのみのだ。

11月3日(日)に開催する「天久保文化祭」は短くとも5年先のイメージを持って、企画している。(昨年がゼロ回目として)初回となる今年は、まず音楽を中心に。来年以降、少しずつ幅を広げて、より日常に近い催しにしていくつもり。絵や写真の展示、映画の上映があってもいいし、トークイベントを交ぜてもいい。巨大化させるのではなく、小さな出来事を集めていく。

今週は通常営業! 店には日々動きがあるので、お暇ならばご来店を!

2024/10/01

10/1 雑記

閉店準備をしてさあ帰ろうか、と思ったところで隣からギターの音が聴こえてくる。まあまあの大きさで鳴ってるからBGMじゃなさそうだ……と覗いてみると、ポットマンこと土田店長が演奏していた。けっこうカッコいい。これまでよりスケールが大きくなった感のある演奏で、手元の鍵盤でつむぐ音もハマってる。時間にして2~3分、ほんのちょびっと聴いただけなのだが、コイツはやっぱり面白いなーと嬉しくなった。一昨日の晩に観たエポン&エスプラもそうだったけど、身近な人に刺激を受けることが増えている。

繰り返しになるけど、沢山の人を一気に集めることだけが正解じゃない。少人数でも、意志を持って主催すれば、なんらかの意味を見出す人がいる。ライブに限らず、展示や上映会、トークイベントの数がもっともっと増えたらいい。SNSでのフォロワー数やいいね準じた「素敵」の烙印が付いたものだけじゃなく、各人が面白がって場づくりをしていったら、もっといい。そのための土壌づくりをしていきたい。

いま、自分にできるのは、日々店を開けること。そして、さまざまな状況に反応することである。