2014/07/21

マヤコフスキーの面構え


“家の殻のなかでぶよぶよに脂ぎってる奴を探して、
その腹のタンバリンを陽気に叩くんです!
つんぼで愚かな奴らの足をひっつかみ、
そいつらの耳に息を吹きこもう、
フルートを吹くみたいにね。”

土曜社からマヤコフスキー叢書の新作が届きました。
今回は『悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー』と題された、芝居の脚本。というか檄文集。
ほとんどの台詞に「!」が付きます。そして、どの登場人物も烈しくあつく、生きています。本当に誰も冷めていない。
この不可解なる世の中、人生、運命というものを諦めていないし、飽きてもいない。あかんやつらばっかりなんです。
その悲劇の書き手、マヤコフスキーの熱情を感じることが、この本を読む醍醐味でしょう。

そして上の写真をみてください。最高の面構えでしょう、マヤコフスキーは。
是非とも今作もバックやポケットの中に忍ばせてどこにでも持ち歩いて頂きたい。あちこちで興奮しながら、読んでみてほしいんです。
価格は税込みで1030円。値段もサイズもちょうど良いと思います。

***


ヴラジーミル・マヤコフスキーについて

ヴラジーミル・マヤコフスキー Влади́мир Влади́мирович Маяко́вский
ロシア未来派の詩人。1893年、グルジアのバグダジ村に生まれる。1906年、父親が急死し、母親・姉2人とモスクワへ引っ越す。非合法のロシア社会民主労働党(RSDRP)に入党し逮捕3回、のべ11か月間の獄中で詩作を始める。10年釈放、モスクワの美術学校に入学。12年、上級生ダヴィド・ブルリュックらと未来派アンソロジー『社会の趣味を殴る』のマニフェストに参加。13年、戯曲『悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー』を自身の演出・主演で上演。14年、第一次世界大戦が勃発し、義勇兵に志願するも、結局ペトログラード陸軍自動車学校に徴用。戦中に長篇詩『ズボンをはいた雲』『背骨のフルート』を完成させる。17年の十月革命を熱狂的に支持し、内戦の戦況を伝えるプラカードを多数制作する。24年、レーニン死去をうけ、長篇哀歌『ヴラジーミル・イリイチ・レーニン』を捧ぐ。25年、世界一周の旅に出るも、パリのホテルで旅費を失い、北米を旅し帰国。スターリン政権に失望を深め、『南京虫』『風呂』で全体主義体制を風刺する。30年4月14日、モスクワ市内の仕事部屋で謎の死を遂げる。翌日プラウダ紙が「これでいわゆる《一巻の終り》/愛のボートは粉々だ、くらしと正面衝突して」との「遺書」を掲載した。

0 件のコメント: