2025/05/31

5/31 店日誌


5月31日、土曜日。今月は長かった。ゴールデンウィークなんて遥か昔のことのようだし、暑くなったり寒かったりで季節感もどうもおかしい(雨と肌寒さで終わるとは月頭は想像してなかったヨ……)。前のめりに時間を捉えて、区切りたい人が「今年も残すところあと半分」なんて言い出すのは目に見えているけど、まだまだ半分。ようやく前半が終わったところ。やれることは沢山ある。欲張りすぎず、関わりすぎず、目の前のことを片付けていけたらいい。ちょい長めの展望が持てたら、もっといい。

あなたの趣味は何ですか? 私の趣味は、小冊子を作ること。また、そこに掲載するために友人・知人と雑談を交わし、収録した音声を文字に起こして再構成すること。あとは、日々のなかで考えた事柄を雑文として書き散らすこと。(金井タオル)

明日は雑誌『つくづく』編集人・金井タオルが終日在店、最新号となる『趣味のほとりで』(つくづくポケットライブラリ)の即売会を開催。ライター、ポストカードのオマケと、金井さんの解説付きの直販企画。イベントっていうノリじゃなく、ちょっと賑やかな通常営業というイメージですので、お気軽にお出かけください。

入荷ホヤホヤの、DJ PIN『SWEET LEAF at Colors』への反応が多くて、励みになる。心地よいわけじゃなく、刺激と実験、即興と挑発が入り乱れたライブ録音。すっっっっっげー! としか言えないのだけど、面白いのだ。

今日明日、明後日は13時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/30

5/30 店日誌

5月30日、金曜日。配布中の「ピープルブックストア日報」は15号目、2024年2月24日(土)から3月17日(日)までが記録されている。3月末に予定していた鹿児島出張が迫ってきてウズウズしつつ、準備をしていた頃。これといって特別なことは書かれてないし、生産的とも言い切れず、感動の場面などあるわけがない。部分的にでも共感してくれる人がいれば嬉しいのだけど、どうだろうか。

中年になるとあっという間に時が経つ。たぶん記憶力の低下も関係している。すぐ忘れるから、十年くらい前がわりと最近のことのようにおもえるのかもしれない。(荻原魚雷)

高松市在住の福田賢治さんが編む『些末事研究』は刊行されて10年、10号目。特集は「中年の十年」。若者の十年とはまったく異なる時間の流れ。前向きでも後向きでもなく、無理矢理に明るく見せるわけでなく、それぞれの実感を伝えてくれる。

この数日、新刊と新譜の入荷が多い。その分、古本買取の数が減ったけれど、ちょうどいいバランス。安い、高いの判断は人それぞれ。共有される情報よりも個人の感性、言語化できない閃きを優先するのもいいのでは。

今週末は通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/29

5/29 店日誌

5月29日、木曜日。作詞家・松本隆が手がけた楽曲のカバー集『でもしあわせなんて何を持ってるかじゃなくて何を欲しがるかだぜ』がとてもいい。池間由布子が歌う1曲目「かくれんぼ」は長尺のサイケデリック・ヴァージョン! 低くうねるギターフレーズ、途中でコラージュされるサウンドもめちゃくちゃカッコいい。その後も吉田省念、ベーブルース、ohhki、長谷川健一、AUX、ふちがみとふなと、山本精一、テニスコーツ、mmmと一筋縄ではいかないメンツが揃っている。

ジャケット画は林静一、歌詞カード印刷は小田晶房(hand saw press Kyoto)、企画は山下賢二(ホホホ座浄土寺店)。「喫茶店で松本隆さんから聞いた秘話」と題されたミニインタビューも収録されていて、端々まで抜けのない力作。大充実の内容と言っていい。

このほか、NOOLIO氏が手がけたDJ PIN『SWEET LEAF at Colors』(これが凄い! 宇宙的厚みを持つスーパーミックス!)や広島〈STEREO RECORDS〉からリリースされたHiroshi Morikawa『untitled 65.7』も到着。

てなわけで、今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2025/05/28

5/28 店日誌

5月28日、水曜日。先週は暑かった。歩けば汗だく。なじみの飲食店では冷房をつけていたし、扇風機を出している店もあった。レゲエ、ロックステディはモワッとした空気のなかで聴くのがいちばんだね〜と居合わせた友人と話していた状況から一転、今週は涼しい。少なくとも、暑くない。1週間でこんなにも気温、湿度がちがうってことに驚かされる。最近は気候に翻弄されっぱなしなのである。

(上段を書いたのは午前中。今は14時5分。日差しが強くてけっこう暑い。湿度が高くなくて歩くのにはちょうどいい。なんとなくゴールデンウィークっぽい。今日は扇風機を出そうかな。)

1969年5月15日に愛宕警察署の留置場から、東京・巣鴨(当時)の東京拘置所に移された永山則夫は、7月2日に大学ノートへの筆記が許可され、『無知の涙』の執筆を始める。それから28年間にわたって、膨大な量の「ノート」を書き残したのである。それを支えたのは、想像を絶する大量の読書だった。(佐木隆三)

仕入れたばかりの永山則夫『文章学ノート』をぱらぱらとめくって言葉を失う。なんという読書量だろうか。トルストイ、野田知佑、柴田錬三郎、渋谷陽一、椎名誠、開高健、神津カンナ、吉本ばなな、宗田理、サルトル、ドストエフスキー……と書き出すとキリがない。永山則夫は戦後社会を象徴する人物の1人なのだと思う。

今日明日、明後日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/05/27

5/27 雑記

注文していた自転車を受け取り、ドラッグストアに走る途中で蕎麦屋を発見、ものは試しと入ってみる。昼のみの営業でメニューは4種。酒なし。潔くさっぱりした店に好印象を得る。金宮を1本持って〈古着屋may〉で借りていた自転車を返却。店主ホソヤさんと軽く話して、店から家までサッと走る。オンライン・ストアに本をあげる準備をしてから、レコード、コーヒー。庭の草刈り。近所の〈つるばみコーヒー〉で談笑したのち、公園でちょいとビールを飲む。気楽な休日。

2025/05/26

5/26 店日誌

5月26日、月曜日。平野公子さんが載っていると知って、店にくる途中に『暮しの手帖』を買ってきた。「公子さんのいわと寄席」と題された7ページの記事はとてもいい内容で、読んでいてちょびっと泣きそうなる。「それじゃあ会社員じゃん。つまんないな、そうじゃないんだよな、と(笑)」「寄席をやるって、やっぱり、ものすごく楽しい。なんであんなに楽しいのかしら」「二度と『同じこと』はないんです」とか、公子さんらしい言葉が散らばっていて、嬉しくなる。

読後に頭に浮かんだのは、『就職しないで生きるには』。つい最近、再刊されたレイモンド・マンゴーの著作なのだが、新装なった書影を見てもまったくときめかない。「働き方・ライフスタイル本の原点」「仕事と生き方に悩むすべての人に」なんて惹句に興ざめする。そういう本じゃないんだよなあ、真面目に考えるもんじゃないんだよなあ、どうも違うんだよなあ……モヤモヤしている。

それこそ「つまんないな、そうじゃないんだよな」って感覚をたよりに動き続ける公子さんのインタビューを読む方が参考になる。「街を歩きながら、どこかいい場所はないか、私だって今も探してます」って感じで、面白いことを探せばいい。ノウハウやハウ・トゥーに収めきれない生き方に、自分はつよく惹かれている。

※5/27追記:なんだかんだと書いたけれど、不当なまでに高くなっていた旧版が買いやすくなるのなら再刊も喜ばしい。でも、できるのなら新訳で出してほしかったなァ……。

今日も通常営業。お暇があればご来店ください。

2025/05/25

5/25 店日誌

5月25日、日曜日。クレム・ブシェイとカール・バートが手がけた「史上初のラヴァーズ・アルバム」とも言われる『Reggae For Lovers』に針を降ろすと、甘いヴォーカル、暖かなリディムが流れ出す。なるほど、こりゃ良いぞ……と聴き出すと何かおかしい。裏面記載の曲順とレコードに刻まれている曲がかなり違う。「Living In The Footstes」で、あれ? と感じて「Let’s Get It On」が始まって確信する。これじゃまるでシャッフル。素晴らしい内容だけにもったいない。じっくり耳を傾けて、正式な曲順に並びかえようと思い立つ。

A面1曲目は「Oh Girl」(クレジットではA3:以下、カッコ内表記が裏ジャケの曲順)。ボブ・デイヴィス、カール・バート、ジャッキー・パリスのコーラスはとろとろに溶けそうなほど甘い。名曲「Living In The Footsteps」(B4)でリズムが弾み、「Tears Falling In My Sleep」(A4)はドゥーワップ~ソウル。シマロンズをバックにカール・バートが歌い上げる、大ネタ「Let’s Get It On」(A1)はメロウ・レゲエ。やんわりとダブ感のある「Something Gotten Hold Of My Heart」(A5)は記載通りの曲順で、「A Simple Lover Of A Woman」(B5)は軽やかなロックステディ。

B面冒頭はジュニア・イングリッシュ歌唱の「Loving Girl」(B1)、『DREAD IN SESSION』ではブシェイが歌っていたキュートなロックステディ。続く「After The Storm」(B3)でジャッキー・パリスが再登場、タメの効いた渋いレゲエを聴かせてくれる。「Slipping Into Darkness」(B2)はキラー・リディムにコーラスが重なる名曲、うねるベースがカッコいい。これまたキュートな「Sha La La La Lee」(A2)がようやく登場。「Foot Steps Dub」(A6)は「Living In Footsteps」のダブ・インスト、反復するリディムに奇妙な味がある「Who Told You」(B6)で幕引き。

整理すると、A面は「Oh Girl」→「Living In The Footsteps」→「Tears Falling In My Sleep」→「Let’s Get It On」→「Something Gotten Hold On My Heart」→「A Simple Lover Of A Woman」という流れで、B面は「Loving Girl」→「After The Storm」→「Slipping Into Darkness」→「Sha La La La Lee」→「Foot Steps Dub」→「Who Told You」となる。

何度か聴くうちに確信したのは、本作はジャンルとしての「ラヴァーズ・ロック」をまとめたのではなく、言葉通りの「レゲエ・フォー・ラヴァーズ(恋人たちのレゲエ・ソングス)」なのだということ。甘いコーラスとダンスを誘う軽やかなリディム、メロウでスウィートなレゲエ&ロックステディがつまった12曲。悪いわけがないのである。

てなわけで、今日もレゲエを聴きつつ営業中! 暑くなるのかな……。