2025/11/30

11/30 店日誌


11月30日、日曜日。隣のカフェは喫茶、昼食目的のお客さんでいっぱい。壁越しでもにぎわいが伝わってくる。反面、当店は開けてから数時間はチーンと静かなまま。通り過ぎる人は多くても、よくてチラ見、ほとんとが一瞥もくれずに歩いていく。そんな状態は今に始まったわけじゃないから落ち込んだりはしないとはいえ、ちょっとばかり心配になる……のだが! 17時過ぎのスダくん、ヨシオさんと立て続けにきたイシガミさん! ご注文の品を買いにきてくれて、助けられる。お土産のままどおるまで頂いて、感謝感謝。

昨日はそんな感じで暇だったわけだけど、店にはモノが色々届いて、動きあり。注目はMy Loads Are Lightがつくった「“ARIGATO” canvas tote」。生地はほどよく厚手、ガバッと横長で使いやすいサイズ感。亀モチーフのグラフィックもとてもいい。やや高値だけれど、おすすめです。

今日、明日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/11/29

11/29 店日誌


11月29日、土曜日。火曜の夜から水っパナとクシャミが止まらなくなり、水曜はずっと鼻をかみっぱなしで隣人から「体調悪そうですね」と言われて、こりゃ風邪だと観念する。木曜は早仕舞してさっさと寝たのだが、翌朝も頭がぼーっとしていて身体も重たい。あーあ、ダメだ。休まなきゃ。ってわけで、きのうは臨時休業。午前中にちょろっと買い出しに出た以外はずーっと布団の中にいた。普段は聴かないラジオ番組を流しっぱなしで、寝たり起きたりを繰り返す。レコードはもちろん本も読めず(……だが、いましろたかし『ラララ劇場』のみ通読。最低で最高)。

昨夜に発熱したのか、布団の中で大量の汗をかく。服までビッショリ。着替えたくても、室内が寒すぎて勇気が出ず、そのまま堪えているうち朝がきた。パッと目が覚めると身体が軽い! 頭もハッキリ。スッキリ。コーヒーが飲める。レコードが聴けるし、本も読める。ほぼ治った。

*

完売していた、石井“EC”志津男『Tail of Riddim レゲエとストリート・カルチャーの話 1979-2020』『日めくりジャズ 365』(2026年版)が再入荷! Yusuke Miyoshi『REMNANT 16』も近日中に補充予定あり。この他にも古本、中古盤にも入荷があるのでご注目を。

今週末は通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2025/11/28

11/28 臨時休業

本日、臨時休業です。

2025/11/27

11/27 店日誌


11月27日、木曜日。9時過ぎに家を出て、15分ほどで店に到着。簡単な雑務を終えてから、お隣〈千年一日珈琲焙煎所 CAFE〉で今日からはじまる遠藤良個展「flashback」を覗いてみると、いい感じ! これまでとは異なる深みがあって、1点ずつの絵と向き合いやすい(単に量とサイズの問題なのかもしれないけど)。筑波大学内の書店への道すがら、〈千年一日珈琲焙煎所〉の大坪さんと行き合ってごあいさつ。長谷川四郎の文庫を買って、100円ショップ、ドラツグストアをハシゴしてから店に戻ってきたところ。

水っ鼻とクシャミが止まらない。頭はちょっとボウっとしている。ってことは、つまりはアレだ。身体は重たくないし、発熱の自覚もないから、まあアレにしては軽いものだと思うのだけど、今日は早めに閉めることにする。

今日は18時までの短縮営業。ご都合に合わせてご来店ください。

2025/11/26

11/26 店日誌


11月26日、水曜日。来年の予定がいくつか決まりつつある。確定しているものからお知らせすると、まずは1月18日(水)。つくば市東光台〈キッチンソイヤ〉で開催される「安藤明子とにたないけん」に出店、友人の〈つるばみコーヒー〉の隣で本などを並べることなると思う。フォークソング、コーヒー、本。こういった味付けの催しはありそうでないから、とても楽しみ。ご予約/お問い合わせは、会場キッチンソイヤか企画のナツナ(natunatuna)さん、出演者、出店者までお声がけを。

その翌週25日(日)には天久保1丁目〈Club OctBaSS/Bar Discos〉で面白そうなパーティーあり、数日後の平日にも、遠方で気になる催事あり、どうやって出かけてゆくかを思案中。さらにさらに、2月14日(土)にはちょっと大きめのイベントに出店予定あり! 加えて、さらに! 3月上旬-中旬にも楽しみな催事が控えている……。

*

3連休、定休日明けの水曜日。昨夜からの霧、靄が晴れてきて、くっきり青空が見えて気分がいい。新着入荷、補充分など色々あるので、気になればご来店を。

てなわけで、今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく!

2025/11/25

11/25 雑記

朝イチで予約していた〈Bespoke〉で散髪。友人たちの近況やボクシング、映画、政治の話題でたっぷり2時間半、店主の羽山さんと話し込む。外に出ると雨が降っている。このままいけるかなーと自転車で走り出すと、雨足がつよくなり、ポンチョを羽織って再スタート。10分ちょいで店に到着。オンライン・ストア〈平凡〉で売れたものを回収、発送準備しているうちに雨がやむ。帰宅してすぐシャワーを浴びて、カップ麺をすすってひと心地。ストーブはあったかい。

だらりとした休日。特別な出来事なし。

2025/11/24

11/24 店日誌


そういえば、前に、あるジャズ喫茶でウィントン・ケリーがかかっていて、なんだか心にしみた。少しも難しくなくて、通り雨のように降りかかってくる。愁いをふくんでいながら、ハッピーで、粋。そんな彼が四十前で亡くなっていたのが意外だ。(佐伯誠)

11月24日、月曜日。佐伯誠『ジャズと自由は手をつないでいく』は変わった本だ。ページに対しての文字数は少ないのだけど、物足りなさは感じさせない。むしろ、言葉が少ないからこそ膨らむイメージがある。がばりとページを開いて、目に入った言葉を拾う。例えば───「そう、年季の入ったタフな奴を泣かせるのはジャズだけだ」「都会で道に迷うのは、べつに大したことじゃない。むしろ、よろこぶべきことだよ」だとか。

傷んだもの、すり減ったもの、凹んだもの、ヒビの入ったもの……欠損をマイナスに見ないで、趣として愛でる。それは、事物の変化を、見逃さないように、五感をとぎすますということ。モノの核心、モノの精粋 quintessence を見抜く力をみがくこと。

ふっと頭に浮かんで「45rpm studio」の2017年のカタログをひっぱり出す(8年前のリリース時に河野友花さんが送ってくれたのだ)。セピア色の写真に組み合わさる佐伯誠さんのテキストには独特のビートがあって、バシバシ心に響いてくる。いわく「感動というものは、触知した一瞬と少しズレて湧き上がるものだ」。

ステッカー新色の効果なのか、オンライン・ストア〈平凡〉の注文が絶えない。あっという間に完売した『日めくりジャズ』はじめ、品切のものも遠からず補充する予定なので、引き続き注目してほしい。

今日は……もしかすると、18時に閉めるかも。ご来店はお早めに。

2025/11/23

11/23 店日誌


11月23日、日曜日。おかげさまでロゴ・ステッカーの新色、淡緑が大好評。店頭はもちろん、オンライン・ストアでもたくさんの反応があり、昨夜から方々に向けて発送している。入荷したてのNINA × DJ HOLIDAY『TALKING ABOUT…LOWRIDERSOUL』は完売(店頭分は残り1冊)、補充分が届いたばかりのジャズ録音日調査委員会(編)『日めくりジャズ 365』もいいペースで売れている。それら目的の商品に合わせて『読書欄’23』『珍珍道中』を買ってくれる人がいるのも嬉しい。自由に、好きなように、〈平凡〉を使ってほしい。

連休中のサンキューフェア。1000円以上のお買い物でロゴ・ステッカー2色(白/黒)、1500円以上で3色(白/黒/淡緑)セットをプレゼント! 店頭、オンライン・ストア共通企画なので、ご都合に合わせてご利用ください。

今日も通常営業。明日はちょっとだけ早く閉めるかも……。

2025/11/22

11/22 店日誌


11月22日、土曜日。思い立って、松見公園まで歩いてみる。だいたい店から20分。すぐ近くの〈gallery Y〉で今日からはじまる「新しいスタンダード」ってのを覗きつつ挨拶できるかな〜と思うも、シャッターは閉まっていた(10時前だから当然なのだが)。友人が公園の滝のあたりで展示をしてるらしいのだが、それらしきものは見つけられず。ジワっと汗をかいたところで引き返して、いつもの公園でゴロンと横になり、しばらくボーッとする。これがいちばん気持ちいい。

連休中も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2025/11/21

11/21 店日誌

“レゲエ”が生まれる数年前に産声をあげたジャマイカ独特の音楽“スカ”、そこには“レゲエ”にまで受け継がれているジャマイカの黒人だけのリズムやグルーヴがある。そしてその中で、トランペットやトロンボーン、それにサックスといったホーン・セクションのプレイヤーが中心になっていたということで、僕にとってはそれが最高のお手本であり、またいつも彼らの音にはげまされ続けているのである。(増井朗人)

11月21日、金曜日。ミュート・ビートやケムリといったバンドで活躍していた、トロンボーン奏者・増井朗人さんのライナーノーツを読んで、なるほどと膝を打つ。やはり、スカでしか体感できず、得られない感覚が確かにあるのだ。『モア・オリジナル・スカ!! 1963-1967』には勇ましいインスト曲があれば、ヴォーカルの入ったスウィートな曲、冬場にぴったりの暖炉のような曲もある。「スカ=マッチョ」とプレイヤーでもない立場の自分が引用するのは早計だった。

ひとつだけどうしても忘れられないことがある。昨年の7月にローランド・アルフォンソと共演できたことである。このかつてのスカタライツの中心人物であり、偉大なサックス・プレイヤーである彼との三日間のコンサートは、その日会場に来てくれていた人たちと、僕たちミュート・ビートのメンバーにとって忘れられないものになっていると思う。

先ごろ刊行された石井“EC”志津男『Tail of Riddim』の第1章の目玉とも言える、ローランド・アルフォンソのビザ取得から渡航、ミュート・ビートとの共演に至るまでの逸話には、彼らの共演盤の聴こえ方が変わるほどの力がある。気になれば、ぜひ読んでほしい。

今日もいい天気! 明日からの3連休も通常通りに営業します!

2025/11/20

11/20 店日誌

ジャッキー・ミットゥーは僕が最も敬愛するミュージシャンです。キーボードプレイヤーやアレンジャーとしてスカ・ロックステディ・レゲエの成立と進化に深く関わりながら、オルガンを使った、聴けば聴くほど独特なソロ作品を残しています。僕は1989年に東京でスカタライツのメンバーとして来日した彼の演奏を観ていて、同年の秋 MUTE BEAT のツアー中にニュージャージーにあるレーベル Wackie’s のスタジオを訪れた時には、直接彼に会うこともできました。(エマーソン北村)

11月20日、木曜日。2024年にアナログ盤で再発されたミュート・ビートのスタジオ作品では最終作『MARCH』(1989)に針をおろすことが多い。北村堅治(キーボード)、内藤幸也(ギター)の加入があり、サウンドの見直しがあったのか、バンド自体の老成だったのか、スカ調の性急なリズム/ビートを持った曲は皆無。ふくよかなレゲエが多く収録されていて、いつ聴いても気持ちがいいのだ。「フィオリーナ」「ハーモニー・イン・マルチニック」で幕を開けて徐々にダブ度が増していくB面の展開には深みがある。

ロックステディにはスカのようなマッチョ性がなくて……と、エマーソン北村さんが話すのが印象に残っている。ある種の勇ましさ(「スカタライツって軍歌みたいじゃない?」と言ったのは、長久保寛之さん。納得!)に支えられたスカ(~1965,66)、速度が落ちた分だけ甘く太くなったロックステディ(1966~1968)。奥ゆきが増していったアーリーレゲエ(1968~)。ここ最近は、そうした変遷を意識しながらジャマイカ音楽を聴いている。

雅楽がずっと好きだったんだ。まあ深くは聞いてないけど。コルトレーン聴いたときにも、雅楽を連想したよ。/録音物って、音質コミだと思うんだ。アレンジと同じくらい大事。いい音楽でも、音質が好みじゃなかったら好きになれない。(長久保寛之)

「長久保寛之インタビュー 〜本質は無駄のなかにある」には、『EXODELIC』の謎を解くためのヒントが散らばっている。今だからこそ、読まれるべきインタビュー。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

2025/11/19

11/19 雑記

ひさしぶりの水曜休み。どこにも出かけず、窓辺に座椅子をだして日向ぼっこをしながら、ゴンチチのラジオを聴いている。テーマは「誰かの音楽」。主にぼーっとしつつ、たまに本など読んだりして流しっぱなし。いい曲だなーと思っても、誰のなんて曲だったかは一つも記憶に残っていない……と書いて、嘘だ! 南沙織の「ともだち」って曲だけは、楽曲誕生にかんする逸話が妙に耳に入ってきた。

12時過ぎまで家にいるのはいつ以来だろう。存分にダラダラできた。

*

エマーソン北村さんがミュートビートのベーシスト、松永孝義さんとの逸話を紹介した後で演奏したのは、ジョナサン・リッチマン「エジプシャン・レゲエ」。ほら、こんな風に。もっと遠くに。うーん、やっぱりこうかな。なんて調子で音のゆく先を探索しながら鍵盤を弾いていく。これが、めちゃくちゃ面白かった。さりげないのだが、トークイベント「世に棲む音楽」はかなり実験的な試みなんじゃなかろうか。

次回、12月17日(水)開催回のテーマは「ジャッキー・ミットゥーのサマー・プレイス」。なぜこのテーマ? って疑問に応じたようなテキストが公開されているので、ぜひ読んでみてほしい。

2025/11/18

11/18・19 連休

今日、明日は休みます。

2025/11/17

11/17 店日誌


すべての好条件が揃っていた。周辺で遊ぶ子供たちのノイズ、投げ銭の音、自転車やオートバイの走り回る音、沖縄らしく米軍用機、そしてついには平和通りの商店街のアナウンスまでも録音に飛び込んできての「特別出演」をしてもらった。(宮里千里)*

11月17日、月曜日。1982年11月17日、沖縄那覇市の平和通りアーケード商店街での路上録音盤、里国隆『路傍の芸』を繰り返し聴いている。録音者・宮里千里さんの解説にある通り、子供たちのにぎやかな声、チャリンと投げ銭のたてる音、車の走行音といったざわめきがそのまま録音されていて、聴くたびに発見がある。奄美大島出身の唄者・里国隆が鳴らす琴、ふり絞るような声はとくだん懐かしいわけじゃけど、いつまでも聴いていられる。

この音源をフィールドレコーディングと言うと違和感がある。じゃあ、なんと呼ぶのがしっくりくるのか。路上録音? 街頭実況盤? うーん、悪くはないけど、なにか違う気もするのはなぜだろう。

今日も通常営業。明日・明後日(18日(火)・19日(水))は連休です。

*宮里千里「漂泊のマレビト 里国隆・街頭ステージ録音ノート」

2025/11/16

11/16 店日誌


収集家はデータ屋ではない。収集家は夢想家なのだ。猟盤家は苦労家だ。苦労家だから間接的な物語では信用しないのだ。直に触れぬものを信じるまでの道程はデコボコだ。デコとボコなきところに生命はない。デコボコの道にあって想像力を駆使すると、あら不思議、ブツ、確信は実は身近にあったりすでに家にあったり目の前に放っておかれていたりするものだ。(湯浅学)*1

11月16日、日曜日。突如として戸川昌士『猟盤日記』シリーズにハマってしまった。数年前の年末にもグイッと引き込まれて順々に読みながら年越しを迎えたときがあったから、3年ぶりくらいだろうか、眠っていた獣(虫?)が目覚めてしまった。読書日記で確認すると『猟盤日記』を10月12日に読んでから、ぴったり一月後の11月12日に『進め!』を読んで、そのまま『おまた!』(13日)と『やられた!』(14日)を暴風雨的に一気読み。入荷したての『Tail of Riddim』(15日)でひと息ついて、番外編的続編『あなもん』を手に取って、もうちょっとで読み切るところ。

大筋として何て事ない話なんだが、戸川さんの語りかける様に綴られる何て事ないようでピリッと時に一瞬辛い文章は実にクセモノで、その何て事なさにどうやら中毒性があるようだ。(根本敬)*2

『やられた!』の解説として添えられた根本敬版『猟盤?日記』で、戸川文体のはらむ中毒性の一端が言語化されていて、納得。全てが説明されているわけじゃないのだけれど、ある種の魔力についての解説に成功している。自身の店〈ちんき堂〉を開いてからは猟盤行為はほぼゼロになり、戸川節にも変化があるのだが、じゅうぶんに味がある。

本はもちろんレコードや置き物、ポスターなどの古物にもっとたくさん触れたいなーっと思うのなら業者市に出入りせねばならないのだが、どうしたものか……。

今日も通常営業! 明後日18日(火)と明々後日19日(水)は連休です。

*1「だから戸川昌士は存在せねばならない」(『進め!』巻末解説)
*2「猟盤?日記」(『やられた!』巻末解説)

2025/11/15

11/15 店日誌


11月15日、土曜日。「ピープルブックストア日報」(2024.5/13~6/1)が完成、これで通算18号目。ブログをたどってみると、2023年7月に最初の号を作っているから、なんだかんだで2年以上は刊行が続いているわけだ。写真をみるとこの頃の誌面はスカスカ。いまはパツパツ。イラスト担当は坂尾裕幸くんから伊神ひかるに変わって、〈えんすい舎〉の担当者は古森さんになっている。店や場所、人との距離感はつねに変わり続けるんだな〜。さみしいこともある。うれしいときもある。波のように揺れながら、生きている。

当店オリジナルのトートバッグ、好評につきナチュラルを増産。せっかくなので新色サンドベージュ(茶色っぽいはず)もつくってみたのだけど、届くのはこれから。どんな仕上がりになってるかな。ドキドキしながら待っている。

今日も通常営業。来週、18日(火)・19日(水)は連休です。

2025/11/14

11/14 店日誌


11月14日、金曜日。数日前の雑記で「エエイ! ジョナサン!」と書いた途端にギターがジャーン! と鳴って、甲本ヒロトの声が聞こえてきた。ジョナサン、音速の壁に、きりもみする。ほんとそうだよな、どうでもいいよな……なんて調子で。イエス、リアルよりリアリティ! 流れ星か路傍の石か? 自転車に乗りながら、歩きながら、脳内再生に身を任せていると気分がいい。なんとなくYouTubeで検索してみたら、2001年8月8日の京都〈磔磔〉でのライブ動画が出てきてびっくり。ハイロウズの公式チャンネルがあったのか。

待ちに待った! 石井“EC”志津男『Tail of Riddim レゲエとストリート・カルチャーの話 1979-2020』が届いて上気してたら、mmmの13年ぶりの新譜『Burnt』も到着。どちらも文句なしで素晴らしい! 嬉しい! ハイ・テンションのまま来月開催のトークイベント「soi48とMMMによるADMをめぐる旅」の告知をはじめる。告知文がエモーショナル過ぎた気もするが、こればかりは仕方ない。

今日も通常営業! 急ですが、来週18日(火)・19日(水)は連休にします。

2025/11/13

11/13 店日誌

11月13日、木曜日。寒くなると聴きたくなるのは、オクノ修『唄う人』とキャット・パワー『シングス・ディラン』。ストーブ、コーヒー、レコード。朝の時間はこれでいい。空は真っ白、というかギリギリまで薄めた青色が広がっている。「ひびく言葉」「くれてゆく」「どうしてここがわかった」とオクノさんが歌っていく。ライブを観たのは今年の2月。京都の〈拾得〉。雨が降って寒い日だった気がするけど、記憶は曖昧だ。田口さんと小田さんに会って、オクノさんにはサインをもらった。いい時間だった。

奈良〜京都滞在記()と題した記録を久しぶりに読み返して、すこし昂ぶる。上記ライブを大きな目的にして他には何も決めずに出かけた2泊3日。大阪淡路の〈タラウマラ〉に行けて、土井さんとキングジョーさん、シノさんに会った。大失敗の外食に落胆した。居酒屋〈蔵〉に2度行けた。寒い時期にまた行きたい。

昨日、渋谷の端っこにあるアフリカ料理店〈ロス・バルバドス〉のダイスケさんとマユミさんが来てくれた。アフリカ文学のこと、音楽のこと、店のことやあれやこれやを聞かせてもらって大満足(このインタビューも面白かった!)。

今日も通常営業。そろそろ、店でもストーブをつけなきゃなあ。

2025/11/12

11/12 店日誌


一聴、遊園地の園内BGMのような音楽だが、故ミットゥの残した曲は、下らないポップのアレンジ物だったり、ストリングスが被されていたり、所縁のない土地の吹き込みであっても、常に男らしさがあった。人生の儚さとファンキーの同居。(山名昇)

11月12日、水曜日。ジャッキー・ミットゥー後日譚。徒歩圏内で2枚組のCDをみつけてホクホク顔でいたのは一昨日の日誌に書いた通りなのだが、なんとも参った! disc2が割れていた。盤面の傷だったりケースやブックレットに不備があるのは慣れっことはいえ、これは初めて。バキッと割れてりゃラジカセでも読み込めず。disc1の内容、選曲は抜群だから持っておきたいけど、これは返品しないと仕方ない。ウーム、どうしたものか……購入店に相談すると、半額返金でいかがでしょうか? と提案されて、それがいいと納得。とりあえずは1枚だけでも聴ければいい。

流山おおたかの森で映画を観たついでに柏に寄って、ディスク・ユニオンを覗く。ジャッキー・ミットゥー『レゲエ・マジック』を買うかどうかと悩みつつ。いざ、レゲエ棚をみると残ってる。高額盤だから当然とはいえジワリと体温が高まる。手持ちの残金、カゴに入れた商品とを照らし合わせるとほぼ同額。こうなったら買わなきゃダメだ。

(同時に、件の2枚組CDも発見。ケース不良ゆえの安価。ほん少し迷ったのだが、割り切る。これも買っとかなきゃ後悔するよな。エエイ、ジョナサン! まあ、つくば駅まで帰れればどうにかなるのだ。)

そんなこんなで今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2025/11/11

11/11 雑記

三宅唱監督作品『旅と日々』を観賞すべく、流山おおたかの森を目指す。当然ながらつくば駅までは自転車、駐輪したのちホームに降りると知った顔のオジさんが。あ! 前に住んでいたアパートの上階に住んでいた人(通称:OJ)! わあ! 勢いのまま声をかけると覚えていてくれて、元気な様子に安心する。今も近所に住んでいてたまに店の前を通り過ぎることもあるらしい。ではまた! 声をかけて区間快速に乗車。戸川昌士『進め! 猟盤日記』を読んでたら、あっという間に到着。

流山おおたかの森SCの映画館は、つくば界隈には少ないTOHO CINEMAS。一般料金は2000円。ややたじろぐもチケット購入、前より真ん中の席をとったのだが、やはり都市部というべきかお客さんが多い。余裕のガラガラではなく、前後左右に数席空けて座る人がいて、少々緊張。同時に近所の映画館は人が少な過ぎるんだな〜と感じる。車か自転車でしか行けないってのは不利だよなあ。

さあ、本編。「海辺の序景」をベースにした前半、河合優美に見惚れているとパッと画面が切り替わる。こりゃ複雑な構成なのかもとスクリーンを凝視していると列車はトンネルを越えて雪国に……。つげ義春の漫画を映画に描き写すって試みが大成功。つげ作品に漂う旅情、とぼけた寂寥感がうまく再現されていた。役者が漫画っぽい顔に見えてくるのが面白い。よく89分でまとめたなあ。

余韻にひたったまま、電車を乗り換えて、向かうは柏。目的地はディスク・ユニオン。お目当てのレコード等々を買うと財布の中身はみごとに空っぽ。どこにも寄れるわけもなく、まっすぐに帰路につく。

2025/11/10

11/10 店日誌


11月10日、月曜日。天気よし、最高のロックステディ日和! 気持ちがいいぜ〜っと開店前の雑務を済ませるべく近所のスーパーへ歩いていく。その流れで道中にあるリユース店を覗いてみると、なんと! カールトン&ザ・シューズ『ディス・ハート・オブ・マイン』がある! それも世界初CD化となった青ジャケのオーバーヒート盤。おいおいマジかよ……、興奮したまま棚をみていくと、オワオワ! ジャッキー・ミットゥーもあるじゃんか! こちらはスタジオ1からリリースされた2枚組。

持ち合わせの現金と貯まっていたポイントを使って、買う! 安価でみつけたカリプソのレコードも一緒に。あ〜まったく! こんなはずじゃなかったのに! なんでもない平日の午前中、こんなにドキドキするとは思わなかった。もっとお金を持ってくりゃよかったよ。

てなわけで、開店! ご都合合えばご来店ください〜!

2025/11/09

11/9 店日誌

11月9日、日曜日。開店当初から通ってくれているムーちゃんが売ってくれたのは、アルトン・エリスとホーテンス・エリスの兄妹盤、バーニング・スピア、DJクラッシュに加えてロッカシャッカ・シリーズを何枚か。こりゃ嬉しい! いまいちばん欲しかったCDたち! ってことで上気しながら査定して買い取る。ちょっと前のイシワタさん、おなじみイケちゃんなど、最近シブい音源を売ってくれる人が増えていて、すごく楽しい。アナログ盤も大歓迎なのだけど、CDならばその場で再生できる。おお〜いいっすね! なんて調子で売ってくれた人と話せるのもイイんだよね。

開店前に土浦図書館をのぞくも、ピンとくる本を見つけられず。前回はすぐにオヤ、コリャコリャ! ってノリになったのだけど。いい本がたくさん目に入っても決め手にかけるなーっと思ってしまったのは、たぶん自分に原因がある。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2025/11/08

11/8 店日誌


11月8日、土曜日。開店前の散歩ついでにポパイを立ち読み、タクトサトウの「軽妙通信」第2回をチェックする。群馬県渋川市〈ドミツネ〉という店を取り上げた今回の情報量といったら、クラクラするほど(ページの中でも「古着屋なのに古着が目に入らない……」といいながらゲボ吐いてた(笑))。その前に読んだ、麻生要一郎さんの連載「いい男になるために」もスゴかった。なるほど! と唸りつつ、そりゃ只者のわけがないよな〜と納得もする。つい先日、代々木上原駅前でばったり会ったときも嬉しかった。軽やかな人なのだ。

陽光につられて公園、筑波大を経由して店に戻ってくると10時50分! ヤバい! 今、慌ててブログを書いている。インスタグラムにも記事をひとつあげたいのに……。

てなわけで、今日も開店! お暇があればお出かけください〜!

2025/11/07

11/7 店日誌

ザ・ワームは、ドロシー・カーター、インクレディブル・ストリング・バンド、ヴァシュティ・バニヤン、ショベル・ダンス・コレクティブ、ブリジット・セント・ジョン、ジェシカ・プラット、キャスリン・ハウ、メアリー・ラティモア、トリストフ・イ・フェニウッドらを含む音楽の系譜に出現した突然変異体のような才能です。

11月7日、金曜日。本日発売、ザ・ワーム『パンティルデ』牧歌的で穏やかで美しい。ときに奇妙で宇宙的でもある──こんな調子で書いていて思うのだが、商品紹介ってのはほんとに難しい。良い! と感じても、作品のどこを、なにを、どう受け取ったのかを明確に言語化できることは多くない。レーベルから提供される情報を駆使してそれらしく仕上げるだけだと、多くの人には響かず、通りすぎるだけになる。深いところにあるものを掬いあげる眼、感知したものを言葉に置き換える技術を磨かねば。

ちょっと先だけれど、12月14日(日)にSoi48のお二人を招いてのトークイベントを開催予定。刊行されたばかりの『ADM:Asia’s Own Unhinged Club Culture』をめぐる文化人類学的アプローチの催事になるのでは。遠からず詳細をお知らせするので、しばしお待ちを。

今日も通常営業。本や音源の買い取り、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2025/11/06

11/6 店日誌


例えば、知らない音楽や映画を求めてライブハウスや映画館に行く時。新しい作品を見つけたいのと同時にどこか、今までの自分(と他人から思われているもの)とは違う景色の中に自分を置いてみたいという気持ちもあるのではないでしょうか。今回の僕のイベントは、そんな気持ちで新しいアイデアや音に触れてみようとする方を特に歓迎したいと思っています。(エマーソン北村)

11月6日、木曜日。鍵盤奏者・エマーソン北村さんが主催する連続トークイベント「世に棲む音楽」のタイトルは、精神科医/文筆家の中井久夫『世に棲む患者』が発想源と知った(詳しくはこちらで)。まず、これだけでエマーソンさんのアイデアに厚みが感じられるし、イベントへの信頼が増す。どんな理由でテーマが設定されて、話者を選んだのかも丁寧に綴られいて、終了後のフォローもある。伝えるべきことの見極めが確かだから文章は平明かつ簡素。その上で、何かを試してみようとする意欲をつよく感じさせる。

来月17日(水)に催される「世に棲む音楽」(第3回)のゲストにお招き頂き、参加することになった。テーマは「ジャッキー・ミットゥーのサマー・プレイス」。今年6月、エマーソンさんが店にきたときの雑談に何かを感じてもらえたのが嬉しくもあり、ビックリもしている。トーク後のエマソロ・ライブも含めて、まるごと「ジャッキー・ミットゥー大会!」になるようなので、どうぞお楽しみに。ただいま、ご予約受付中

一昨日、〈つるばみコーヒー〉で聴かせてもらったチカーノ・バットマンがとて良かったので、イシワタさんから買い取っていた『CHICANO BATMAN』を再生してみると……めちゃくちゃ良いじゃないか! 今の気分にぴったりだ。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/11/05

11/5 店日誌


11月5日、水曜日。『七人の侍』で面白いなーと思ったのは農村と街とで文化がまったく異なっていたこと。侍、町民、商人などなどが行き交う往来には出来事が溢れていて、無数の人生が散らばっている。人と人とがすれ違うことで喧嘩になったり、笑い合ったり、絶望が深まったりもする。街の往来には予測のつかない偶発性があり、物語を生み出すには絶好の場なのだな。戦国〜江戸時代の町民文化に関する書物をひもといてみたくなった。

開店前にぶらぶら歩いていたら、筑波大の書籍部でちいさな古本市が開催されているのを発見! 漫画、映画パンフがあったり、みすず書房の本がまとまっていたりして予期せぬ遭遇に高揚した。人が歩けばなにかに出会う。無目的な移動=遊歩のはらむ豊かさを再確認。

今日も書籍、音源に入荷あり。今週もどうぞよろしく。

2025/11/04

11/4 雑記

「午前十時の映画祭」で上映されている『七人の侍』を観るために〈シネプレックスつくば〉まで自転車を走らせる。店での雑務、商品の発送、いくつかの入金を済ませてからペデストリアン・デッキをゆっくり進む。9時40分到着。前より真ん中の席を取り、早々に劇場に入って待機していると、中高年層を主にまあまあの客入り。新作よりも旧作・名画に人が集まるってのはチトさみしい気もするが……仕方なし。

邦画を主にした予告編が多い! 長い! STOP!映画泥棒が2回流れてから、本編開始。筆文字のタイトル、出演者、製作陣の表記が渋い。簡単な時代背景が文字で説明されたのち戦国時代の農民の村から話がはじまる──のだが、休憩をはさんでの207分は長かった。志村喬以外の俳優の名前がわからず、聞き取りづらい台詞と顔の見分けに労力を使ったからか、終わったときにはぐったりしていた。

劇場を出ると13時半過ぎ。外は好天、空気もさわやか。黙々とペダルを漕いで、店近くの公園の芝生にごろーんと寝そべり手足を伸ばす。今、一番したかったこと! 横になってるだけで心の澱がとけていく。さあ、と起き上がって〈古着屋may〉で挨拶をしたのち〈つるばみコーヒー〉で数枚のレコードを聴かせてもらって豆を購入。16時過ぎには陽が傾いてきて、肌寒くなる。

映画のなかのジさまの台詞「腹が減れば、熊も山を降りるだろう」ってのがタイムリー過ぎて、ガチンと身体が固まった。

2025/11/03

11/3 店日誌


11月3日、月曜日。朝、目が覚めるとパキッとした光が目に入って気持ちがいい。散歩に出ると筑波山がよく見える。畑の野菜、道端の雑草や苔、蜘蛛の巣もきらきら光ってる。いつも以上に立体感があるのは気のせいだろうか。公園のベンチでソーセージエッグマフィンを食べてると虫が目の前で空中停止。羽を細かくバタつかせながら顔の前から動かない。不思議だなーと眺めてるとトンボもびゅーんと飛んでくる。虫たちも機嫌がよさそうだ。

ジャッキー・ミットゥー名義でリリースされた、実質ソウル・ヴェンダーズによる1967年作。「Ram Jam」と「Darker Shade Of Black」のみ先にジャマイカで録音され、それ以外はすべて“コクソンズ・ロックステディ・レヴュー”と題されたライブのために訪れた英国で録音されたという。(石井“EC”志津男(監修)『The ROCK STEADY BOOK』)

ジャッキー・ミットゥーを中心とするバンド、ソウル・ヴェンダーズとソウル・ブラザーズ。彼らのつくる音波は穏やかで心地がいい。グルーヴしながら水平移動するような感覚があって、何度聴いても不思議だな〜と思うのだ。再生環境によってはラウンジミュージックに似た効能もあって延々と流しておけるんだよねェ。

「僕がイメージする典型的なロックステディは1967年のレコードだけ。68年はアーリー・レゲエの要素が強くて、66年はスカの要素が強い」。森俊也さんの発言になるほど〜と唸ったり、この数日は『The ROCK STEDY BOOK』に啓蒙されている。

今日も通常営業! 本や音源の買取り、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に〜!

2025/11/02

11/2 店日誌


11月2日、日曜日。いやあ、天気がよくて良かったなァ。家から店の途中にある筑波大学で学園祭、隣町の土浦は花火大会、その他あちこちでフェス、マーケット、運動会なんかが催される秋の連休。人のにぎわいに混ざりこむ喜び、陽光の暖かみを感じるのに絶好の気候。そんな中でも、ちっぽけな本屋まで足を運んでくれる人がいて、驚かされるし助けられる(遠方からきて大量にガバッと買っていってくれた方もいた……)。

お隣カフェはもちろん、近隣の焙煎所や古着屋も開いている。学園祭ついでに歩きまわるにはちょうどいい距離にあるかなーと思う。人ごみに疲れたり、コーヒー飲みつつ本でも読むかなーなんて気になったら覗きにきてほしい。

今日明日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

2025/11/01

11/1 店日誌

ダブ平&ニュー・シャネルは大竹の音楽作品としては究極のもので、ギター、ベース、ドラムス、キーボード、ターン・テーブルという編成のバンドは全てリモート・コントロールされ、そのステージごと作品となったとててつもないシステムです。かつてはこのシステムにヤマタカEYEがフィーチャリングされデストロイ・オール・モンスターズと共演、内橋和久との共演はCD作品としても発表されました。(田口史人)

11月1日、土曜日。怒涛の勢いで品物が届く。まずは滋賀県彦根市〈山の湯〉拠点のレーベル・円盤から超ド級の作品! ダブ平&ニューシャネル+JUKE/19.『Live area. at TAD 2023.9.18』(2CD)をはじめ『高円寺南3-59-11』『あんころごはん』『店の名はイズコ』が到着。封を解く間もなく大阪府大阪市のEm Recordsからは来週発売のThe Worm『PANTILDE』(LP&CD)に加えて、お客さんから注文を受けていた2タイトル。それらの検品、品出し、解説を書いてSNSで紹介して……なんてことをやってると時間があっという間に過ぎていく。

夏葉社の新刊、伊藤礼『旅は老母とともに』と復刊された黒田三郎『小さなユリと』、尾形亀之助『美しい街』がそろって再入荷。地味かもしれないけど味のある作品たち。びゅーんと売れなくても、気がつくと品切れになっていることが多い。

てな感じで、ダァ〜〜〜ッと月が変わって、今日から3連休。上記したもの以外にも古本、中古音源には日々入荷あり。オンラインでは紹介が追いつかないので、店に来てもらうのがいちばん確実。ぜひお出かけを。

今日明日、明後日は通常営業! 本や音源の買取依頼は常時受付中〜!