2025/10/31

10/31 店日誌


10月31日、金曜日。早いもので今年も……なんて言いたくないのだが、待機している催事の日程は年末もしくは年始なのである。ハァァァ〜忘年会。師走。嫌だなァ。頭に浮かべるだけで窮屈になる。酒など普段から飲んでるわけだし、はからずに人が集まってしまうこともある。無理矢理に都合をつけて大騒ぎするのは疲れるだけだよな〜とか、なんとか毎年似たようなことを書いてるから、誘いはほとんどないんだけれど(世間の風習を揶揄したいのでなく、自分には向かない行事なだけです。誰も悪くない)。

つくば市筑穂の〈つるばみコーヒー〉に預けた中古盤の販売開始! 90パーセントがジャズ、日本盤。盤質良好。1000〜1500円の価格帯がほとんどでまれに2000円台もあり。お店はスーパー〈たいらや〉の斜向かい、100円ショップや植物店のすぐ近く。扱っているのはコーヒー豆と抽出器具、ちょびっとだけお菓子あり。

今朝、陽に当たりながら聴いたのはアーネスト・ラングリン『ミスター・アーニー・ラングリン・ウィズ・ソウル』。ひょっこり覗いたユニオンで安価で売られてたら、そりゃ買うよな〜。日向ぼっこにぴったり。

今日もいろいろ入荷あり! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2025/10/30

10/30 店日誌

10月30日、木曜日。デイヴ・ヴァン・ロンク、イッツ・ア・ビューティフル・デイ、ラウンジ・リザーズ、ジャッキー・ミットゥー、アーネスト・ラングリン、ビル・エヴァンス、戦前ブルースのコンピレーション。都内の〈ディスク・ユニオン〉や 天久保1丁目〈グッド・ニアー・レコーズ〉で購入したり、店頭で買い取ったレコードに針をおろしていく。主に本を読みながら、コーヒーやビールを飲んだりしながら耳を傾ける。

その中で驚いたのは、イッツ・ア・ビューティフル・デイ。彼らの2作目『MARRYING MAIDEN』はこれぞサンフランシスコ・サウンド! って感じの抜けの良さ。乾いた空気にぴったりの伸びやかなエレキ、ブルーグラスが基調になったアコースティックが絶妙に混ざり合う。グレイトフル・デッドがはらむものに似てるなあと思って調べると、ジェリー・ガルシアも参加していた。

サイケデリックなわけだから当然アシッド、スモークありのサウンドなのだが、全編にわたって音は穏やか。電気増幅されていてもピース&ラブの要素をつよく感じる。1970年の録音時、街にはどんな空気が流れていたんだろうか。夜じゃなく朝、もしくは昼に合うレコード。

今日明日、明後日からの3連休も通常営業! お暇があればご来店を〜!

2025/10/29

10/29 雑記

友人に薦められた、カーソン・ランド監督作品『さよならはスローボールで』を観るために〈イーアスつくば〉まで自転車を走らせる。せっかくの休日、心理的に負荷の少ないルートを選んでゆっくり進んでいくと、田舎道を過ぎたところでドーンとそびえる軍艦みたいなショッピングセンターが見えてくる。ああ、ここはやっぱり好きじゃないなあ……と感じつつ、鑑賞券を買ってから書店に足を向ける。量、質ともに近隣ではいちばんの店。ここになら2〜3時間はいられるだろう。

『群像』で連載されている小西康陽「これからの人生。」最新回を(備え付けの椅子に座って)堪能し、男性雑誌コーナーに移動すると『Ollie』のニューヨーク特集号が目に入る。ビビッときて手にとると、こりゃすげえ。誌面に勢いがある。リーヴァイス、Gショックの広告ページもあるものの、彼の地の空気をにごりなく伝えてくれる。カッコよかったなァ。

音楽コーナーで見つけた石井”EC”志津男(監修)『The ROCK STEADY BOOK』を買い、劇場へ。早めに席についてだらーっとして上映開始を待っていると予告編がはじまって、ドカーン! バーン! って感じの派手な作品がいくつかと、ジワーッと泣かせるものも混ぜて流れる。客は自分以外にもうひとりだけ。

さあ、本編。日が昇って暮れていく、当たり前の毎日。どこにでもある時間の流れ。それを、そのまま描写するために必要だったのが、片田舎の草野球。時間がくれば球審は帰る。客もそれぞれの用事でいなくなる。暗くなればボールは見えなくなる。ただそれだけの話で、あくびが出るほど退屈なのだけど、ジワーッと引き込まれていく。これは、脱力系のフリをした実験作なんじゃなかろうか。全編にローファイな感触があったのも好印象。エンディング・テーマも素晴らしかった。

映画館を出ると14時ちょうど。今日はもう何もしなくていいだろう。スーパーで缶ビールを買って、家に帰ることにする。

2025/10/28

10/28・29 連休

今日、明日は休みます。

2025/10/27

10/27 店日誌

10月27日、月曜日。出張から帰ってきて、ヘトヘトのまま開店準備をしている最中に人がきて「あと5分、お時間を……」お願いすると快く待ってくれて、再度入店。静かに営業がはじまったところで若者4人がワイワイと。「いま4人は無理……」そう断ると1人だけ残って本を見ていく。最初の方を送り出したところで、さっきの対応を詫びて、今ならみんなで来ても大丈夫と伝える。質問に応えて、おすすめを伝えたりするうちに元気が出てくる。それぞれの会計時にステッカーを渡すと喜んでくれて、こちらも嬉しい。ジワジワとエネルギーが充填されていく。

その後も客足は絶えず、いいリズム。いいペース。小雨舞うなか、遠方から足を運んでくれた人もいて、開けててよかったとしみじみ感じる。23日(木)の渋谷出店、25日(土)の足利出張を挟みつつ営業できたのが今週の収穫だ(閉店後、遊びにいった〈aNTENA〉でのTRUE FIGHTのライブも素晴らしかった! ノってるバンドの勢いを感じさせた)。

オンライン・ストア〈平凡〉に夏葉社の新刊、伊藤礼『旅は老母とともに』と黒田三郎『小さなユリと』、尾形亀之助『美しい街』が入荷。補充しているものもあるので、気が向いたら覗いてくほしい。

今日は通常営業! 急ですが、明日・明後日は連休にします。

2025/10/26

10/26 店日誌


10月26日、日曜日。いや〜足利、遠いねえ! 9時過ぎにホテルをチェックアウト、渡瀬川をこえて東武線足利市駅まで歩いていくと、ちょうど特急リバティ・りょうもうがくるところ。慌てて切符を買って指定席に乗車。けっこう混んでて、どうも窮屈。二日酔いで気がふさぐ。旅情のカケラもなく目的地まで目を閉じてやり過ごす。通路を挟んで向かい側の男性ふたりのおしゃべりに耳を傾けて、久喜、東武動物公園、北千住。ささっとつくばエクスプレスに乗り換えて、守谷経由でつくば着。駅から店まで歩いているうち、気が晴れてきた。

てなわけで、開店! ……と書きましたが、ただいま店内整理中。しばしお待ちを。

2025/10/25

10/25 休業

今日、10月25日は足利出張のため、店舗は終日休業です。

2025/10/24

10/24 店日誌

10月24日、金曜日。いや〜楽しかった! フレンテ・クンビエロのライブは素晴らしかった! 終始クンビアのリズムに踊らされっぱなし。メンバーの明るいキャラクターもあって、お客さんも笑顔の人が多かった。なんといっても終演後の物販に集まってくる人の勢いたるや、かなりのもの。自分はフレンテ公式ではなくオクラ印の音源とちょびっとの書籍を売っていたのだけど、どんどん売れる! がばがば買われてく! こっちもノってきてバシバシ説明して、触ってもらう。ステッカーも配る。なんて調子でやってたら、おかげさまで音源はほぼ完売。レジ金もぴったりで気分よし。

古くはCD屋のバイト時代、その後の仕立て屋のサーカス、たまにある催事出店での経験の蓄積に助けられた。人がくるほど、興味を向けられるほどにエネルギーが増してくる。お金のやり取りを丁寧にするのはもちろん、話のリズム、テンポに気をつけるのも大事なんだよな〜と再確認。いい時間だった。

明日25日(土)は「ASHIKAGA SOCIAL SPOT」vol.2に出店! 楽しみだな〜!

2025/10/23

10/23 店日誌

10月23日、木曜日。セオ・パリッシュ、ホアン・アトキンス、アンドリュー・ウェザオール、ハービー・ハンコック、フェラ・クティ、リョー・カワサキ、ヴァーミリオン・サンズ、山本精一、武満徹……常連のイシワタさんが売ってくれたCDを再生しては「オオ〜!」とうなったり「ムム……」と考えさせられたり、とにかく面白い。脈略がないようで、興味の傾向を計られている気もするセレクト。ただモノじゃないなあ、イシワタさん。

今日は渋谷〈WWW〉で開催されるフレンテ・クンビエロ来日公演に出店補助で参加するため、15時までの短縮営業! 変化をつづける現代クンビアを体現するバンドであり、進行形のダンスミュージックを体感できる貴重な機会。興味があれば、会場に足を運んでほしい。

てなわけで、今日も開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ!

2025/10/22

10/22 店日誌

10月22日、水曜日。朝イチで足利出店用の本を2箱、郵便局から発送する。合わせてオンライン・ストアで売れたもの、メールで注文を受けたものもポストに投函。〈つるばみコーヒー〉店主のヘルプがなければ今ごろくたびれ果てていたかもしれない。助かった。彼の店で売ってるものはコーヒー豆、ドリッパーなどの抽出器具、ちょっとしたお菓子など。遠からず中古ジャズ・レコードの販売もはじまるはず。水曜以外の10時〜18時で営業してるので、気軽にお出かけください。

個人的に探求してる冬場ののど飴、ついにこれぞ! ってものを見つけたかも。大阪屋製菓株式会社の「大根生姜のど飴」は甘さひかえめ、生姜のピリリとした味がちょうどいい。「大根のほどよい辛みと風味豊かな生姜の香りがのどにうるおいを与えます」という惹句に偽りなし。

今日は通常営業! 明日23日(木)は11時から15時までの短縮営業です。

2025/10/21

10/21 雑記

週1回の定休日。行動の選択肢は多くない。午前中に映画を観に行くか、柏かお茶の水にレコードを探しに行くか、もしくは近所で静かに過ごすか。今日はエネルギー不足を感じて消極策の第3案を採用。週末の足利出店に向けて準備を進める。買い取ったばかりの古本を中心に100サイズの段ボール、2箱をいっぱいにする。作業中に流していたラジオでは内閣総理大臣を決める投票の模様が中継されていて、ジャパン・イズ・バックを掲げる女性が選ばれたと伝えていた。

夕方前に風呂に入ったあと、だら〜っとしたまま眠りにおちる。休みの日はこれでいい。

2025/10/20

10/20 店日誌

10月20日、月曜日。旧友たちが訪ねてきたり、地元の先輩が顔を出してくれたり、遠方からはるばる出かけてきた人もいた。夕方以降はちょいちょいとビールが持ち込まれて、乾杯。乾杯。すごーーーく楽しかったのだけど、どうして、みんな同じ時間にくるのだろうか。4〜5人が店内にいる状況がつづくとやはり疲れる。外に出て、プハーッと息をはき出して、新鮮な空気を吸いたくなる。益子で植物店をいとなむ友人とも、店って、人の動きって不思議だよねえとしみじみ話した。

ガヤガヤ、ワイワイ、にぎやかな店内でもじっくり棚をみて本を選んでくれる人がいる。均一価格のコーナーから100円の本を数冊、少し高めの本もまぜて買っていく。中古音源が目当てだったり、店のステッカーが目的だったり、いろんな理由で人が集まる。やっぱり店って面白い。

今週は出店、出張の予定がふたつ。23日(木)はフレンテ・クンビエロの来日公演で、物販サポートのため短縮営業(11時〜15時)。25日(土)は栃木県足利市で開催される「ASHIKAGA SOCIAL SPOT」に参加。26日(日)は今のところ、営業するつもり。

今日も書籍、音源に入荷あり! お暇があればご来店ください。

2025/10/19

10/19 店日誌

10月19日、日曜日。お隣〈千年一日珈琲焙煎所 CAFE〉の簾が外れた。真夏からだから、かれこれ3ヶ月くらいだろうか。今年の夏は暑かったし、長かった。自分の店でもようやく扇風機をしまえたと思ったら、そろそろ灯油を買わなきゃな……という気配。もはや四季じゃなく二季なんてよく言われてはいるけれど、そろそろ冗談では済まなくなってきた。暑い! 寒い! その間に過ごしやすい秋と春。今日の午後、夕方からだんだん温度が下がっていくらしいから、心構えだけでもしておこう。

本日! 10時半と14時半から〈つくばカピオホール〉にて、小さな子どもたちに贈ることばのないお芝居「ファミリエ」が開催されるとのこと。演じるのはイタリアのボローニャからきた劇団「ラ・バッカ」のメンバーたち。そのうちの1人、ロレンツォ・モンティさんが店にきて公演のことを伝えてくれた。

今日通常営業! お暇があれば、お出かけください!

2025/10/18

10/18 店日誌

10月18日、土曜日。ツイッターから離れて3週間。とくだん困ることはないのだけれど、時事情報がほとんど入ってこなくなるのには驚いた。日本とブラジルの試合結果はもちろん、大リーグのポストシーズンやクライマックスシリーズの状況、著名人の訃報などに触れる機会が激減した。自民党総裁選以後の連立か否かに関しても、ラジオのニュースが伝えること以外の情報は入ってこない。これが良いのか悪いのか。まあ、のんびり過ごしているのは間違いないから、判断は保留したままにしておく。

ちょうど来週! 10月25日(土)は栃木県足利市〈なべのそこ〉で開催される「ASHIKAGA SOCIAL SPOT」vol.2に出店するため、終日休業! 古本と新刊、新譜に加えて中古レコードも持っていくつもりなので、お近くの方はぜひ遊びにきてほしい。ポットマンのライブあり、タクトくんや金井さん、牧田さんの出店などもあり。

今日明日、明後日も通常営業〜! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/10/17

10/17 店日誌

10月17日、金曜日。プロ野球はクライマックス・シリーズ真っ只中。気が向けばラジオで聞いているのだけど、阪神×横浜戦を中継していた昨夜はチョイと面白かった。5回表、横浜の攻撃が終わったところで突然の豪雨、試合は中断。球場全体にシートをかけられる。観客たちは雨ガッパを着て、再開を待つ。その様子を見た解説の掛布雅之は「いやあ、すごい! これははじめて!」「途中で全体にシートをかけるなんてねえ」「雨の情報をつかむのがはやかったねえ」と阪神球団と甲子園球場、阪神園芸の対応に関心しきり。

途中でパ・リーグの試合状況が伝わると、ダブル解説の能見篤史と「いい試合してますね〜」と会話がはじまり「新庄監督の采配は面白いし、他チームの選手にも刺激を与えてるよねえ」「これから野球は変わっていきますよ!」なんてノリで話がポンポン出てくる。アナウンサーもノってきて、どんどん盛り上がる。

にわか野球ファンの自分には、試合よりも面白い。雑誌のモノクロページに載ってるコラム記事を読んでるような気分になり、ニマニマしながら聞いていた(試合自体は阪神のサヨナラ勝ちとのこと)。

ひさびさの好天! いい気分! お暇があれば、ご来店を〜!

2025/10/16

10/16 店日誌

10月16日、木曜日。お客さんのご実家が牛久と聞いて自分もかつては常磐線の牛久駅を使っていたこと、シリシリ器という店をやってる奴も牛久だし、今度つくばで河童に関する展示があるらしいですよ〜と話す。イズミヤとか懐かしいっすよね〜なんてやりとりしたのち、オレはなぜこうも牛久が好きなのか考えてみた。ひとつは安心感。牛久には、自分が小さかった頃の風景、気配が残ってる。あれは90年代? 平成初頭のノスタルジーに触れられるのが嬉しいのだ。

たとえば土浦の街区なんかは80年代、もうひと世代前の空気感。懐かしさじゃなくて、不定形な過去の気配があって、なんとなく馴染みづらい(好き嫌いとは別の話で)。ひるがえって、つくば市は……2000年代、バリバリ現役。それが良いと思ってるわけじゃないのだが、実際そうだろう。地元の谷田部、茎崎周辺は牛久文化圏なのだと思ってる。

最新号とバックナンバーの納品にきてくれたスペクテイター編集部・青野さんと『ワン・バトル・アフター・アナザー』の話で盛り上がる。閉店間際には牛久にも縁深い先輩、ヤマさん&ターさんが『ワン・バトル〜』を観た足でビールを持ってきて、ドカンとワンバト話を打ち上げた。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

2025/10/15

10/15 店日誌

本屋の少ない安房地域。本との出会いの場として毎年秋に開催しています。読書&食欲の秋、千葉県最南端の手作りブックマーケットをお楽しみください。

10月15日、水曜日。千葉県南房総市の〈道の駅 ローズマリー公園〉で開催される「第9回 あわぶっく市」の開催案内を手にして、文字を追っていると、妙に嬉しい。幼稚園とか団地の自治会が開催するバザーのしおりのような手作り感、晶文社が発行していた『就職しないで生きるには』シリーズに似たおおらかさ、ほのかに香る抵抗の意志。それらがちょうど良く組み合わさっていて、出来合いの催事とは異なる空気を発している。手書きだからいいと言いたいわけじゃないけど、既存フォントでは出せない味があるのは間違いない。

主催者のひとりであり、「あわぶっく市」のチラシを手がける前田浩彦さんによれば、昨年度は雨にも関わらず1188冊もの本が旅立っていたとのこと。詳しくは、前田さんが書いてくれた「2024年を振り返る」をご参照あれ。

これから1週間は通常営業。来週(10/19~25)はちょこちょこ変則営業日があります。

2025/10/14

10/14 雑記

朝イチで買い物を済ませてから、筑波大学内の書店で藤本和子『リチャード・ブローティガン』を購入。今日の大目的を果たしたのち昼食、ウトウトするもインスタグラムのメッセージに起こされる。小林信彦『60年代日記』を読み終えた14時過ぎ、〈つるばみコーヒー〉まで自転車を走らせて、世間話をあれこれと。夕方はゴンチチのラジオを聴きながら、だらーっと入浴。脱力したまま日が暮れる。

2025/10/13

10/13 店日誌

10月13日、月曜日。鹿児島名山町〈食堂 湯湯〉店主・中村友貴がつくった『珍珍道中』が面白い! なんつーのか、読んでて気持ちがいいのである。九州を中心に、大阪や島根、広島からの寄稿者たちにはウケようとする打算がないし、編集人への信頼も感じられる。パッション&エモーション! 感情のままに突っ走った中村くんの旅日記「ジパング見聞珍遊唄食詩旅」は、たっぷりの注釈と1年後のあとがきが付いて、おかずたっぷり大盛飯の様相あり。

旅に出て得られる興奮と高揚、感動。店に留まることの停滞。そのバランスをどう取っていくのか? そもそも、店にいて停滞してんの? 食堂店主として悩み、もがく姿が散見されるところもいい。たぶん、これは食堂湯湯の序章の記録。中村くんを知る人はもちろん、そうでない人にも読んでみてほしい。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

2025/10/12

10/12 店日誌

10月12日、日曜日。きもちのいい朝。お客さんから頂いたレコード『STUDIO ONE LOVERS』に針をおろすと、ゆったりとしたレゲエが流れ出す。ジャケット以外に文字情報がない盤だからA/B面の判別がしづらいのだけど、ちょっとばかり意識して耳を傾ければ曲名と歌詞とで特定できる。アルトン・エリスの妹(と教えてもらった)、ホーテンス・エリス「グルーヴィ・カインド・オブ・ラブ」ではじまり「ライフ」で終わるのがA面。フレディ・マクレガーやシュガー・マイノットもいるB面で好きなのは、ウィンストン・ジャレット「ノー・マンズ・ランド」。

ハウ・スウィート・イズ、スウィート・ソウル・ロッキング、プリティ・ルックス、ラブ・アンド・アンダースタンディングなんて可愛らしい曲名ばかりなのだが、低音はしっかり太くてウネリがある。UKのラヴァーズ・ロックとは異なるのは、まずヴォーカル。コーラス・ワーク。あとはリディムの土っぽさ。

秋晴れ! 雲が多くなる予報だけれど、明るいうちはドアを開け放して営業したい。

2025/10/11

10/11 店日誌


10月11日、土曜日。朝のラジオはニック・ドレイク特集。雨まじりの肌寒い朝、これ以上の音楽はないんじゃなかろうか。朝湯につかりながらどっぷりと聴く。波立ちかけた心中が徐々に落ち着いていく。目覚めてすぐ見たメッセージ、反射的に「あらら!?」と動揺したけど、冷静に考えれば不足は自分にある。関係を拗らせず、かと言ってこれまで通りは望まずに、穏便にやり取りできるように努める。まずは聞くこと。その上で言うべきことがあれば、伝えられればいい。

3連休、初日は雨。涼しいを通り越して肌寒い。どんな服を着て、防寒の準備はどうすればいいのか。頭がうまく働かない。車ならば上着ひとつで問題なく済むのだが、こちとら自転車、もしくは徒歩である。身体を動かすと暑くなるしなあ……。

今日明日、明後日は通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2025/10/10

10/10 店日誌

10月10日、金曜日。ポール・トーマス・アンダーソン監督作品『ワン・バトル・アフター・アナザー』、朝いちばんの回は8時から。家を7時ちょい過ぎに出て、店を経由して劇場まで自転車を走らせる。つくば市内の公園を繋いでいく歩行者専用道には学校に向かう小学生、中高生、通勤と思わしき人がたくさん。飛ばしすぎないようにそろーっと進んで、7時50分到着。〈シネプレックスつくば〉にきたのは『名もなき者』以来、7ヶ月ぶり。会員カードを恐る恐るさしだすと、まだ有効期限内! 選ぶ席は前よりの真ん中。当然、まわりには誰もいない。

黒人女性が車道を歩くファーストシーン、大荷物のレオナルド・ディカプリオがよたよたと走ってきたところから怒涛の展開。ドキドキどころブルブル、ガクガクしながら、あっという間の162分。これはすげえ作品だ。身体の芯を震わせながら劇場を出て、友人たちにメールを送る。

筑波中央郵便局でレコードを発送、先月注文した品々の入金を済ませたのち、昼食を買ってから店にきた。並びの店の人たちと「すごかったね〜!」とか話していると、再生産したトートバッグが到着。ハッと現実に戻されるも、興奮は収まりきらない。

明日からの3連休も通常営業! お暇があればご来店を!

2025/10/09

10/9 店日誌

10月9日、木曜日。近所のいちばん好きな店〈古着屋may〉がポパイに載ってると伝え聞き、買うぞ! と勇んで最寄の書店に向かった。雑誌コーナーで最新号が目に入る。特集はアーバン・アウトドア。売価は990円。さあ、メイはどこだ? タクトサトウの連載はどこにある? 巻末から見ていくも見つからない。掲載は誤報だったかな。注意深くページを繰っていくと、あった! モノクロコラムページの最後のところで「軽妙通信」という連載がはじまっていた。

載っててよかった。なぜだか妙にホッとする。タクトくんの描くメイの店内、店主ホソヤさんの顔をみてると笑えてくる。チーンと9000円の会計まで読み切って、満足。まあ今号はいいかな。けっきょく買わずに帰ってきた。

今週末、3連休も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2025/10/08

10/8 店日誌

10月8日、水曜日。(5日(日)の記録) 16時50分に店を閉めて、17時2分発のバスに乗りつくば駅、17時32分の区間快速に乗車。北千住で千代田線に乗り換えると代々木上原に19時前に着く。迷わず〈ロス・パペロテス〉に足を向け、目的の本を買うべく棚をみると……ガーン! ないじゃん! 店主の野崎さんに「あれ売れちゃったんですか(泣)」と声をかけると「ああ、ドンピシャで売れました」と穏やかな返答。やっぱり古物は見つけたときに買わないとねえ、でも、きっとまた出てきますよ。慰められつつ、先輩店主にあれこれ質問をはじめると、止まらない。

話すほどにお互いノッてきて、あれは? これは? どうなんでしょう? と質問攻め。なんでも快く答えてくれるから、ついつい聞いてしまう。ああ〜なんともいい時間。こんな風に気持ちが昂ぶるのは久しぶりで、ニコニコしながら言葉を交わす。閉店15分前に会計を済まして、退店。古川緑波『ロッパの悲食記』(六興出版)が大当たり。

先に東京にきていた妻と合流。すぐ近くの〈桉田餃子パワー店〉で夕食、瓶ビールと古代米酒? かわった酒(独特の風味だけどジーンと染みる)を飲んで、千代田線に乗車。のんびりと宿に向かう。短い東京滞在、幸先よし。いい気分でさっさと入眠。

今月しばらくは通常営業! 新入荷いろいろ、お暇があればご来店を!

2025/10/07

10/7 雑記

ロス・パペロテス、桉田餃子パワー店、ドトール、さぼうる、ディスクユニオンお茶の水店、ディスクユニオンJazz Tokyo、@ワンダーJG、居酒屋カヤ、ドトール、どんぐり舎、盛林堂書房、ユハ。東京をうろつき回った、2日弱。

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教訓、古本と中古盤(などの古物全般)は見つけたときに買え。金額だけを物差しにしてると好機を手放すことになる。一度手にして、ピンとくるものがあったなら、迷いを振り捨て購入すべし。数週前に見かけて気にしていた本、CD、レコードはすべて店の棚から消えていた。

居酒屋では思い切って飲んで、食うべし。二日酔いにならずに、もう酒はいらないわ……と思えるならば幸せだ。隣あった人たちとは挨拶程度のやり取りで済ませておくのがちょうどいい。

(自分への戒めであり、ちょびっとでも楽しく生きるためのコツとしてメモしておく。)

2025/10/06

10/6 連休

今日、明日は連休です。

2025/10/05

10/5 店日誌

10月5日、日曜日。「忘れられた水の住人たちが、初冬の野外プールに姿をあらわす。──河童とは何か。何故河童に魅せられたのか。その姿を形にできるのか」。石塚隆則 野外彫刻展覧会「河童解放区 KAPPA ASYL」の会期は11月7日(金)から30日(日)まで。会場はつくば市〈二の宮公園屋外プール〉とすぐ近くの〈gallery neo〉(観覧できるのは金土日と祝日のみなので要注意!)。当店でも販売している『河童学習ノート よくわからないモノのカタチを探る』は同展開催に向けた学習帳、値段はぽっきり300円。おすすめです。

本展「河童解放区」のチラシ2種を店頭で配布中! 他には11月9日(日)に〈つくば食堂 花〉で開催される「工藤裕次郎ライブ」や、10月24日(金)からはじまる三好祐介写真展「REMNANT 16」の開催案内などもあり。土浦〈生存書房〉では読書会、詩人・究極Q太郎を迎えるイベントも開催とのこと。

今日は17時までの短縮営業! 明日、6日(月)は休業です。

2025/10/04

10/4 店日誌

10月4日、土曜日。じわじわ効いてる。先月22日(月)に観た、モッキーのライブで得た感触、モヤモヤしたまま言語化できなかったものに形が与えられつつある。安直に「最高!」なんて言って片付けなくてよかった(少なくとも、自分は)。めちゃくちゃいいなーと感じたのは、まず導入。サンプラー? MPCってやつ? をいじりながら音を出して、最新作の「モッキーモッキーモッキー……」と歌うコーラスに繋げたところ。流れのままモッキーがドラムを叩きだすと、やっぱりいいのだ! ズンドコ、ズッタカ、滑らかじゃなくても弾んでて、ダンスミュージックのフィーリングが感じられる。

僕の片手にはいまも感覚のない指があるんだ。そのせいでドラミングが変わらざるをえなかった。指でコントロールできないから、叩きかたが特殊で、どうしてもバックビートになってしまう。いまではそのことに感謝してるけどね。僕みたいに叩ける人は、たぶん、ほかにはいないから。(モッキー)

自然と『MOCKUMENT』所収のインタビュー「モッキー自身によるモッキー」での発言を思い出す。バックビートってのがどんなリズムなのか把握できてないのだけど、彼が特殊なドラマーなのは理解できる。鍵盤、ベース、パーカッション、コーラスがまざりバンドの音がつくられていく、その過程を生で体感できるのがモッキーのライブの醍醐味のひとつ。

とにかく、インディペンデントであり続けること。自分のブランドを育てて、誰にも渡さないこと。10曲を仕上げて、アルバムにすること。ビジネスピープルに惑わされるな。

この言葉につよく励まされる。今の自分なりに読むならば、インディペンデント=自主独立の立場を保ったまま、仲間たちと場や物をつくり、簡単に放り投げないこと。望む結果を早急に得られずとも、あきらめず、工夫を続けること。ただし、楽しむことをは忘れずに(……なんて、決まりごと過ぎて恥ずかしいのだが、この地点に立って実践するのは重要だと思う)。

改めて、モッキーが好きになった。

てなわけで、今日も通常営業。明日5日(土)は17時までの短縮営業、明後日6日(日)は休業です。

2025/10/03

10/3 店日誌

10月3日、金曜日。傲慢=高ぶって人をあなどり見くだす態度であること。なるほど、このブログでの自分の書きっぷりは傲慢だと言われて仕方ない箇所があった。他者に対しての目線、発言と自己認識に開きがあれば、そりゃ指摘もされるだろう。さらにタチが悪いのは無自覚にそれを行っていたこと。こればかりは、どうにもできない。逃げも隠れもできない事実を受け入れるのみ。

可能なかぎりインディペンデントでありつづけること。他人のしてることなんか気にしなくていい。そこに答えなんかないよ。もし、彼らが答えをくれるんだとしても、きみにだってそれはできることだ。そんなのに従ったとしても、1年もしたらまた道を見失うだろう。(モッキー)

久しぶりで再読した『MOCKUMENT』所収「モッキー自身によるモッキー」(取材:松永良平)内の、好きな箇所。何度読んでもいいな〜と思うのだが、これも自分に都合よく受け取ってきただけじゃないのか? 他者に対して好き放題言っといて、オマエは我がままかい? モッキーなど持ち出して何かを語ろうとするのも傲慢さの表れだろう。

わりと90年代初頭から各都市で享受されてる音楽の差が明確にあった印象があります。そもそもヨーロッパにおける街の成り立ちや、街のありかた自体がそうなんですよね。はっきりしてる。(ムードマン)

先に挙げたモッキーへのインタビューはもちろん、その後に続く記事の面白さもようやく気がつけた。花代×ムードマン×高井康生「鼎談:モッキーを探して」にも重要で、参考にできる発言がたくさんある。自分の住む場、店に応用できればいいのだけど。

今日明日は通常営業! 明後日5日(日)は短縮営業、6日(月)は休業です。

2025/10/02

10/2 店日誌

10月2日、木曜日。続、秋花粉。就寝前にアレジオン20を一錠服用してみると、夜間の鼻づまりは若干軽減され、目が覚める回数も減ったような……気もするが、鼻腔深部はグズグズしたまま。まあ、こんなもんだよね〜と書きながら、目覚めると同時にはじまるクシャミ連発がなかったことに気がつく。これは、間違いなく薬の効果。アレジオン20に含有されたエピナスチン塩酸塩がアレルギー症状に対して、どれだけの効果を発するのか、時間をかけて確かめていく。

開店前の用事を済ませに周辺を歩くとまあ、自転車の数が多いこと! 筑波大の夏休みが終わったのだ。書店では教科書販売も始まっていて、人がたくさん。銀行ATMにも、人が並ぶ。国籍は多様。複数の言語が飛び交っている。国立大学が近くにあるのは面白い。なんせデカいし、容易には把握できない要素があるから。

今日も通常営業! 来週5日(日)は短縮営業、6日(月)は休業です。

2025/10/01

10/1 店日誌

10月1日、水曜日。秋花粉がとにかくキツい。原因はイネ? ブタクサ? それともハウスダスト? 就寝前に鼻の両穴が詰まるとおちおち寝つけない。入眠しても、喉が乾いて何度も目が覚める。ぼんやりしたまま起き出すとクシャミ連発。朝から鼻水と涙で顔がグシャグシャ。身体はダルい。いい加減にどうにかせねばと思い立ち、薬局でアレジオン20という薬を買ってきた。説明書には「1日1回就寝前の服用で効きます。なお、花粉などの季節性の症状に使用する場合は、症状が出始めたら早めに服用すると効きます」とある。もっと早く飲んでみればよかったのか……。

今週いっぱいは通常営業。来週5日(日)は17時までの短縮営業、6日(月)は休業します。