12月25日、水曜日。カウリスマキ生活、11日目。『浮き雲』を観る。名前をよく見聞きしていて友人からも薦められた作品。失職、不正、暴漢。恒例といえる展開で中盤までは良いことなし。妻と夫、一匹の犬。つらいシーンが続いても、家庭はどうにか維持されて、街には友人もいる。社会は冷たくとも人にはまだ暖かみが残ってる。カティ・オウティネン演じるイロナを救うのは、かつて築いた信頼を基にした人間関係。彼女たちは過去の力を応用して未来を切り拓く───。
アキは『浮き雲』について「4割がデ・シーカ的世界、3割が自分自身、2割が小津安二郎的世界、1割がフランク・キャプラ的世界」と語っているが「小津」の意味するものは恐らくテクニカルなことではなく、人物の間に通う心の暖かさのようなものではないか。(宮嶋直美)
遠山純夫(編)『アキ・カウリスマキ』をひもといて、『浮き雲』撮影前の1995年7月にマッティ・ペロンパーが44歳で急逝したことを知る。本作に流れる暖かみは、マッティに捧げられているようにも思える。この世も捨てたもんじゃない。無理にでもそう描かなければ、やってられないよ……。
初回入荷分が完売していた、ジョンのサン『カップホルダー』とぽんぽこ山『PONPOKOYAMA Sampler 3』は明日までには再入荷予定。年内中に新譜が届くとしたら、ポットマンになるのかな。はっきりとは言えないのだけど。
今日明日、明後日は15時開店! 店にはたくさんの本、少々のレコードなどがあり。
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