2026/01/04

さいとうよしみが2025年を振り返る


『10年後』

2025年を振り返ると、自分の中では大きな変化があった年だった。生まれ育った東京を離れ、宮崎県の高鍋町という町へ行くことになったのだ。アート作品を制作しながら町おこしをしていくという仕事を見つけ、それがたまたま高鍋町だった。採用が決まったのが2月末で、3月には大急ぎで引っ越し業者や転居先の部屋を探し、荷造りを進める日々を送った。やることだらけで焦っていた引っ越しも、過ぎてしまえば滞りなく完了し、4月の下旬に私は一人、高鍋町のがらんとした新居にいた。


引っ越すまでの約10年間、経堂に住んだ。目を閉じても歩けるくらいには、頭の中に地図もできていた。たまにふらりと飲みに行く店もできた。古書店、雑貨店、小さな個人商店が多い町だ。ちょっと足を伸ばせば映画館もあるし、区民プールにもたまに行った。歩いて銭湯にも行った。私が陶芸を始めるきっかけとなった、今は無き陶芸教室もかつてこの地にあった。


私が住んだのは経堂駅から少し歩いたところにある小さなアパートだった。商店街では通学や下校途中の大学生をよく見かけた。大きなスーパーもあって家族連れも多かった。コロナ以降、在宅勤務をこのアパートの部屋からした。家の近くの緑道まで、よく散歩した。暮らしやすかった。だから気付けば10年近く住み続けていた。


そういうものを全て置いて、私は宮崎に行かなければならなかった。私はそれが嫌で今まで引っ越しをしなかったのかもしれない。目には見えない安心感を私に与えてくれたお店、人、町。今まで築き上げてきたそういうものたちとの関係性が、まぼろしのように霞んでいってしまうのが嫌だった。一度アパートから出ることを決めたら最後、もう後戻りはできない。次の入居者がそのうち決まってしまうだろう。私の住居だった部屋に別の誰かが住み、部屋の明かりをつける。私の部屋ではなくなってしまったその部屋の中を照らす、誰かの明かり。その眩しさを想像し、胸がひりつく。


引っ越し業者がやってきて、私が焦りながら荷物を詰め込んだ段ボール箱をどんどん搬出していった。そんなに急がなくてもいいのに。屈強な人たちが、冷蔵庫も洗濯機も軽々とトラックに運んでいってしまった。部屋が空っぽになるまでに10分もかからなかった。空っぽになった部屋を見て、私の心にも大きな空洞ができてしまったようだった。引っ越し業者の人たちが慌ただしく去っていった部屋の中を、隅から隅までじっくり眺めた。それまで冷たい雨が降っていたが、引っ越し作業が終わる頃に雨も止んだ。


10年前の自分に、まさか10年後に宮崎に引っ越すことになるなんて想像できただろうか。未来は予測不可能だ。この10年、なるべく自分のやりたい方へ、なりたい方へ、頑張って近付こうとしてきた。けれど、寄せては返す波のように、引き戻され、うまくいかないこともあった。それでも、何事もやってみようの精神でこれまで乗り切ってきた。10年間、自分なりに色んな勉強もしてきた。10年前の自分のことを思い出していたら、私の心の空洞に風が吹き抜けていった気がした。そうだ、私は風のように身軽にどこにでも行ってみたいと思っていたタイプだったのに、どうしてこんなに臆病になってしまったんだろう。どこにでも行ってみたらいいじゃないか。


引っ越しという儀式により、私の心からもたくさんの荷物が運び出され、風通しが良くなったようだった。心が身軽になると、どこにでも行けるような気持ちが生まれてきた。どんなに緻密な計画を立てたって、10年後のことは誰にもわからない。その都度自分の最善を尽くすしかない。だから、10年後の自分よ。また思いもしないようなところに連れていってくれよ。


Tact Sato が2025年を振り返る

こんにちは、イラストレーターのTact Satoです。今年も植田さんに振り返りを頼んでいただけるんだろなーと思っていたので、1年間気になったトピックを随時メモしていたので、それらと共に振り返れたらと思います。

側から見れば、懐古厨(お懐古さんと呼びたい)による、懐かしくて古いものとの出会い直しの記録を、読んで楽しんでいただければ、幸いです。それでは、どうぞ〜。

1.最初は、去年のノイズコーナー漁りの流れから、解像度激悪デザインに逆に悪い内容ないという定説から1年が始まりました。画像解像度とは、画像を構成する点の密度を表す数値で、自分がCDサイズのデザインを納品するときがだいたい400dpi(通常)なんですが、ごくたまにロックコーナーをゴソゴソ漁っていると、それを大きく逸脱しているであろう解像度おそらく72dpi(ネットにあげる画像くらいの解像度)くらいのジャケに出くわすことがあるんですが、とんでもない違和感と、同時に、自分たちは解像度というクオリティーコントロールに縛られていたことに気づくことが出来たんです。ただ、そういう術を知らない方が作られたレコードなので、中身もそうした術から解き放たられたモノが多く、かなりホーミーな内容(自家製)なモノが多く、暖かい気持ちにしていただけました。ただ、そうした効能に気づき、逆にそれをデザインに転化してる方もいますが、そういう音源もそれはそれで素晴らしいので、みなさんも是非チェックしてみてはいかがでしょう。


2.アーリーエレクトロニカリバイバル熱高まる。2000年代以降に爆発したエレクトロニカの初手の部分(97年くらい)の、あまりビートにフォーカスしてない室内楽的な趣のモノを聞き直したら、ニューエイジやムーグ音源の延長で、出会え直せるかもと思ったので、その辺を探したりしてました。特に小山ペニンシュラにて発見出来ることが多く、店主ともそんな話で盛り上がりました。先日のL?K?OさんのDJでは、ブレイクコアに混ぜて、この時代のアーリーエレクトロニカグリッチヒップホップをかけていて、なんだかよくわからないものの意見交換会も出来て幸せでした。そいえば、次点で、ブレイクコアとデジタルハードコアにもハマり直し、買い集めてました。エレクトロニカとデジタルハードコアに梯子を渡した記念すべき名作「ハイパーモダンジャズ2000」を作ったアレクエンパイアの偉大さに気づいた一年でもありました。ありがとう。


3.ブレラン以後の都市デザイン。ビルの側面にデカい液晶モニターと、その隙間を縫うように浮遊する車。こんな情景に、今年買ったDVD、ビデオの中で出会う機会が多かった。予算の違いにより、街の規模感や、車の数はそれぞれ違えど(タイムコップに関しては現代の街並みをシドミードデザインの車が一台走ってるだけ!!)、ルールに基づいた都市設計は、眺めるだけで楽しい。それぞれの内容は、ダイハード×ブレラン、トータルリコール×ブレランなど、ヒット作の掛け算的内容が多いので、確かめ算的感覚で見るのがオススメです。ちなみに今年見た映画ベストは、1位ワイルドボーイズ、2位あやつり糸の世界、3位サブスタンス、4位逆転のトライアングル、5位キムズビデオ。どれも素晴らしいシーンの連続(おちんちんが海に流れる、ハイセンスモダンインテリアオフィス、背中割れる!、ゲボの重奏低音、映画の力を借りた犯罪)が今も脳髄に焼き付いております。


4.歴史本。今年のはじめに、北京発中国取材の現場からというポッドキャストを聴き始め、自分が知らなかった歴史が多いことに気づき、古本屋さんのワゴンセールにある歴史を扱った文庫本を買っては移動図書として活用してました。それぞれの事柄は知っていても、それらが串刺しになってはじめて理解できることもあるなと気づくことができました。歴史を通して、自分が好きな文化を読み直すことも、また、違った側面が見えて趣があります。オススメです。ちなみに最近、エロスの歴史という本を買いましたが、概念ばかりで串刺し感が乏し(内容的価値は別)かったので、お気をつけて。


5.キングオブキングファミリー。10月から軽妙通信という、古着を扱った連載が始まり、毎月古着屋さんに取材に行くのですが、そうした専門店では、中々出会えないストリートブランド(もしくは謎ブランド)に出会いたいという欲求を友人知人に吐露していたところに、多数の助言をいただき辿り着いたキングファミリー。値段も破格(会員なら月末は半額!!)で、品揃えも実家から出土した息子のストリートウェア感があるものが多く、よくわからないイキリ感のあるタグデザインを見つけるだけで、飯が何杯も食べられる。小物も時間軸から解き放たれたオーラを放つものが多々あり、行くたびに発見もあり、軽妙通信とは別で進めるプロジェクト(リサイクルショック2イキリブランドの栄華)が動き出しました。こちらもご期待いただければ嬉しいです。

長くなりましたが、そんなこんなで、今年もみなさんの助言、進言、金言に寄りそって、このよくわからん世相を生きていこうと思いますので、お気軽に話してかけていただけるとうれしいです、そいでは!


1/4 店日誌

1月4日、日曜日。2026年の営業初日なのだけど、「2025年を振り返る」公開作業が終わらないため、早めの日誌でごあいさつ。きのうまで11時~13時~15時~17時のペースで4人の振り返りを上げてきたけど、今日は10時~12時~14時~16時~18時に繰り上げて、5人の記事を公開予定。明日以降の展開は……正直言って、わからない! けど、頼んだ人はきっと書いてくれてる! 少なくとも3人は。ここで文句を言いたいわけじゃない。みなさん、こころよく快諾してくれるのが本当に嬉しいし、ありがたい。

今日、明日、明後日は11時~18時の短縮営業(定休日だけど6日(火)も開けてみます)。7日(水)以降は通常営業に戻すつもりです。決まり次第、このブログとSNSで再度報告するのでちょっとだけお待ちください。

改めまして、今年もよろしくお願い致します。ご来店お待ちしております。

2026/01/03

植田彩乃が2025年を振り返る


PEOPLE BOOKSTOREに通う大学院生の植田彩乃です。

3月に大学院を卒業するということもあって

「決断」や「居場所」について考えたり話したりすることの多い年でした。

 

けれど、流れに身を任せて予想もしなかった所に行くことも同じように多かったです。

思い出すのは夏に訪れたギリシャでのこと。

アテネ近郊を調査し、作品を作る短期留学に参加していました。

 

貧困、シャッター街、グラフィティ、ドラッグ、想像していたよりも多くのものがアテネでは混ざり合っていました。

 

夏のギリシャは日没が遅く、授業は22時ごろまで続き、遅いときはホステルに着くのが24時を過ぎていました。

 

ホステルの同室で台湾からやってきた映画監督を目指す子と友達になりました。

彼女の名前はルーシー。

 

台湾ではイングリッシュネームというものを台湾語の名前とは別に両親から貰うそうで、あだ名としても使うらしいです。

 

この留学は面倒見が良いわけではないのでどこなのかもわからないギリシャの田舎へ放り込まれます。日本よりはるかに強い日差しの中、ルーシーとペットボトルの水や食べ物を分け合って歩きました。

 

ルーシーとは英語で話しますがお互い母国語ではないので簡単な言葉しか話せないし疲れている時は会話がなくなります。でも不思議と仲が良くなりました。

 

そしてギリシャでAlekos Fassianosという画家にも出会います。書店で彼が手がけた装丁に一目惚れし、美術館があるというので翌日さっそく行くことにしました。

 

そこは要塞のような建物で、扉を探していると通りがかったカップルが「行きたい場所は多分ここから入れるよ」と入り口を教えてくれました。

 

中には叫びたくなるほど好きな作品ばかり。

教会で育ったせいか彼の絵は神話的、だけど親しみ感じます。

思った通り魅力的な人物でした。

ファシアノスは2022年に亡くなっています。

 

帰国後の9月、

ルーシーへ会いに台湾へ行くことにしました。

 

訪れた日がたまたま中秋の名月で台湾ではみんながBBQをして祝っていました。

 

ルーシーの同級生たちとその家族の集まりに呼んでもらい、色々な人からパイナップルケーキや栗のケーキ、柑橘系のフルーツをもらいました。月に似ているからだったかな。

 

そして真夜中にエビ釣りに連れて行ってもらいました(台湾ではメジャーらしい)

熟練の釣り人たちがコツを教えてくれるけど全くわからない。

とにかく一息で引け!と言われました。

 

そんな風に過ごしているとき、「自分の決断だけで行動することの何とつまらないことか」と思い始めました。

 

みんな自分で決めろとかいうけど、本当自分で決めたことだけじゃないはず。

そう思うのはまだ未熟だからでしょうか。

 

覚悟を決めるのが向いてないなら

混沌の中に身を投じてみるのもいいと思いたい

 

投じた先に何があるのかわからないけれど

2026年も楽しみながら流れに身を任せていきたいなと思いました。

土井政司が2025年を振り返る


2025年。今年はとにかく『平凡な生活』にすべてを注いだ1年間でした。信頼のデザイナー呉松慶吾、そしてマノ製作所のおかげで本当に良いものができました。またトーフビーツ氏絶賛の小幡玲央による痺れる解説も必読です。発売から3ヶ月で増刷できたことも自分自身の励みになりました。金井タオルさんにお声がけ頂いて『趣味のほとりで』に寄稿させてもらったことや、DOVEくん渾身のMIXCDにレビューを書かせてもらったことも、とても良い経験になりました。そして坂崎麻結さんにインタビューをしてもらったSbジャーナル、さらには彼女の鋭い筆捌きのもとタラウマラと『平凡な生活』を紹介して下さったF.A.T.マガジン、いずれも光栄の極みでした。そして何よりも今年も沢山の読者の方に出会えたことが幸せでした。「じゃあ何で書いてるの?」を自問しない日はないですが、漫画『ルックバック』で畦道をスキップする藤野ちゃんの気持ちはよくわかります。

もうひとつ特筆すべきはタラウマラの経営を維持するため、あるいは新たな人生実験を遂行すべく深夜のアルバイトを始めたことです。とある生活介護事業所のアルバイト面接を受けることにした日、私は天啓のようなものに串刺しにされました。面接の後、副施設長が施設内を丁寧に案内してくれました。利用者さんの障害の程度によって部屋が分かれており、多くの方が車椅子を利用し、場合によってはベッドから起き上がることさえ困難な方々もたくさんおられました。3Fから順に降りてきて、いよいよ最後の部屋で挨拶をした際に、ひとりの利用者さんが私に何か言いたいことがあるそうで、スタッフの女性が車椅子を私のすぐそばに近づけてくれました。利用者のAさんは言葉を話すことができないため、筆談ボードを用いて対話をします。五十音表の上をAさんの持つ木製のペンがゆっくり動いていきます。視線で追うと「な」「に」「し」「て」「る」「の」だったので「自転車屋ですよ」と答えるとAさんの表情がパッと明るくなりました。次に「い」「つ」ときたので、いつから自転車屋をしてるのか、それともいつここで働くのかを聞かれてるのかと思って答えてみるも、どうやら見当違いのようで、今度はAさんの顔が明らかに歪みました。副施設長やスタッフの方々も救いの手を差し伸べてくれるのですが、一向にAさんの質問の意図がわからずお手上げ状態。苛立ちを露わにしているAさんに副施設長が「自転車屋さんのこと聞きたいの?」と聞くと大きく頷く。

「どんな自転車を売ってるのかを聞きたいの?」に対しては微妙な表情。横から私が「中古の自転車ですよ」と言うと、ふたたび表情が明るくなりました。そこで副施設長が「そうか、新品か中古かを聞きたかったんやね。AさんはSDGsに興味津々やもんね」と言って笑いました。Aさんは満足そうに笑みを浮かべて定位置に戻ります。中古か新品かを聞くための問いかけが「いつ」から始まるコミュニケーションを私は初めて体験しました。その感動を副施設長に伝えると、彼は照れ臭そうに笑いながら、ああやってうまく答えを導き出せるのは稀ですよ、でも言葉を話せない彼らのなかにもきちんと言葉があって、そこに少しでも気づくことができればと思うんですが、出てきた言葉が彼らの本当の想いなのかと言われたら違うような気もするんです、と仰っていました。ここ最近ずっと思っていたことではあるけれど、私たちは言葉を使って一体なにを伝えようとしてるんやろうか?利用者さんの内側にある言葉と私たちが外側に発する言葉は果たして本当に同じ地平にあるもんなんやろうか?まだ働いてもいない分際で、えげつないものを突きつけられた気がしました。


本を作ることも、障害のある方と向き合うことも、大切なのは具体性であり、AIやChatGPTの発展によって現実「らしい」映像や、人間「らしい」応答が蔓延るいまの世で、これからの自分が向き合わなければいけないのは「らしさ」の虚飾を剥ぎ取った圧倒的な現実と人間なのだと感じます。その先で自分「らしさ」ではなく、単純明快な「自分」が私の前に立ちはだかることを楽しみにしつつ、これからも、もっと這いずるべきなのだと思う。

natunatunaが2025年を振り返る


2025年、とにかく動いた。久しぶりの人に会うと必ずといっていいほど言われたもんだ「いつも忙しそうだね」「どこにいるかわからないんだもの」

反して、つくばで、馴染みの店でわたしをみること、きっと増えたとおもう。たくさん動く一方、軸足をつくばに置くことを意識した一年だった。どんな非日常に見える出来事も、日常と結ぶ。わたしの日常は誰かの非日常なのかもしれないけれど、延長線上にある。そうじゃないものとは意識的にはなれた。わたしがやらなくていいものはたくさんある。

絵描きがこの街で生きていけるか?と考えた時に、まだ、ちょっと難しいと感じている。自虐で、わたしが売れていないから…みたいな言葉で茶を濁してはいかんのだ。まずはわかってもらうことからと思った。わたしはこの街で絵を描いて暮らしてきたし、もう少しそれを続けたい。

〇〇〇

さて、振り返り…
2025をふり返ろうとしても、今このラストスパートしてる只中(例のごとくカレンダーに追い込まれている ※2024振り返り参照)のわたしがゼロから振り返ったら最後、スピードは落ち、コースをはずれること請け合い(て、ネガティブな表現に使えるのだろうか)

過ぎ去る日々の中、忘れちゃならねえってな気持ちをインスタにいくつか置いてきている。その中から、2025の目じるしになりそうな日の日記を。

〇〇〇

2025年12月8日

しんだほうがマシと思わせる世の中なんて絶対おかしく、そのことにはしっかりと抗っていきたい。政治が担う部分は本当にでかくて、おかしなことにはきちんと反応せにゃと思う、一方、芸術や音楽などなどの持つ力を再確認する日々で、しかしこちらも水やりを怠ってしまったらいつ枯れてしまうかわからない。ひとまず自分の中で大切だとおもうのが、街の中に音楽や芸術の居場所を取り戻す、手のひらの中だけではなくてね。街の中でフェスをしたり(頑張ってつくりだす非日常のお祭りは素晴らしいしいろんなきっかけになるとは思う)とか素晴らしいけど、自分が思うのはもうちょっと枝分かれして、もうちょい細部、日常の中で出会えるもんだといいと思う。そこで、やはりお店なのだ。お店というものの担っている部分、そして可能性は、もっともっと認識されるべきだと思う。

今どのお店も、楽なんてしてない。自分は店がなく根無草なので色んなお店に顔を出してあれこれ話しては思う。お店が昨日あって今日もあって明日もあるって当たり前ではないのだ。ひとつの店が幕を閉じる、そのことがいかに大きな悲しみであり損失か。いままで嫌というほど経験してきたはずなのに、いつだって気づくのはあとなんだ。そんなのはいやだ。

もう一度目を向けたい。手のひらの中からピントを街に、店に、人に合わせていく。モノやコトに、関係に、感情に、合わせていく。失いたくないものにしっかり愛情と時間を注ぐ。まずはそこから。メモメモ。忘れないように。言葉にするのは難しく、随時なおすと思います。

読んで連絡してくださった方ありがとう。届くといいなといつも思ってる。ありがとう。

〇〇〇

自分の日記を見返しながら、いろいろ思い出してきたから書きたそう。2025のテーマは小ささを大事にすることだったように思う。
そこにバイブルのように手の中におさまったのが、ある日PEOPLE BOOKSTOREで手に入れたDJ PATSATのPATSATSHITという一冊。おすすめしてくれたうえへい(※PEOPLEの店主植田氏に)は本当に感謝している。この本をポケットにいれてライブに向かう電車に乗り込む。仲間というのはおそれおおいけど、各地にいる、小ささを大事にする方々とこうして作品を元に繋がって(ひねくれず純粋にこの言葉を使いたい)いきたいなとしみじみ思う。本当に大事なことと思う。夏には作者の土井さん一家にお会いできた。とても力をもらった。

またはじめて、手製本をした。ミュージシャンにたないけんさんの「いかだで銀河」という作品。彼の詩の中にみつけた一文「ちいさな景色にならないか」という言葉にとても救われた一年。実際はその詩はわたしが思う意味合いとは少し違うかもなのだけど、そうさせてくれる自由さがある。抜き出しておまじないのような気持ちでポッケにいれてる。

いかだで銀河のいかだってこの言葉たちのことかな。ぷかぷか、ふわふわと浮いていてどこまでもいけそうだ。詩集再販できて本当によかった。

受け取ることからはじめること、そしてそれを次に繋げること。全て日常と地続きにすること。
2025に感じたいろいろをカバンに詰めて2026は再び、名古屋のブラジルコーヒーで個展をさせていただく。1月9日から。
2023にうけたカルチャーショック(※2023振り返り参照)から2年、少しは成長できただろうか。

まだまだ旅の途中、ではまた!!

河野泰然が2025年を振り返る


2025年で(=小学4年生の3学期から5年生の2学期まで)、自分が面白いと思ったあれこれを発表させていただきます。

(写真は、春に父ちゃんと行き当たりばったりの旅に出たさい、つくばのエキスポセンターで撮ってもらいました。)


柴田ヨクサル『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』1巻(小学館)

 仮面ライダーになりたいまま、気づけば40才になっていた人の話です。自分もへやで仮面ライダーのまねをして、1人でよく見えないてきとたたかっています。なので、読んだ時まず最初に、自分と同じことをしてるじゃん!とおどろき、なにか近い物を感じました。そして主人こうが仮面ライダーのおめんをして泣きながら「オレのは「仮面ライダーごっこ」じゃないから本気だから……」といった時ものすごくグッときました。それはなぜかというと、保育園の時は仮面ライダーのまねをしている人は山ほどいました、でも、小学校に入って3年生ごろになると、仮面ライダーのまねをする人や見ている人、(仮面ライダーの)服をきている人はいなくなり、自分も学校がえりに1人で仮面ライダーのまねをするのをやめ、見ることもやめていた時がありました。ですが、家の中では仮面ライダーのまねをするのはやめませんでした。そして2024年ごろから仮面ライダーをまた見はじめました。そして5年生になった今でも仮面ライダーを見ていますし、まねもしています。(さいきんは、この本をきっかけに初代のDVDを見ています。ずっと見ていられます。さいこうです。)そんな自分と主人こうをかさねて読んでいるので、すごくおもしろいです。


そやまかずとし『めちゃかわ♡でんぢゃらすじーさん』(「コロコロコミック」11月号/小学館)

 完全にちいかわのパクリだったんですがすごくおもしろくて、ちいかわの作者いがいでもあんなにおもしろく描けるんだと驚きました。ちなみに、まんがのさいごで、しゃざいかいけんをおこなっていました。


ナガノ『ちいかわ なんかちいさくてかわいいやつ』(講談社)

 一回読むとわらってなけてどこかカオスなちいかわワールドにのめりこんでいきます。色々なキャラクターが出てくるので、自分ににたキャラクターや好きなキャラクターをさがすのも楽しいです。ちなみに自分はくりまんじゅうが好きです。


吉田戦車『ぷりぷり県』

 主人公・ぷりぷり県出身つとむが会社内の他県出身の社員を相手に自分の県の自慢をしあうところが最高です。登場人物の中ではどくりすが一番好きです。吉田戦車先生は『伝染るんです。』も最高に面白かったです。


……10冊は選ぶつもりでしたが、2025年はいいのが多すぎて絞りきれませんでした。

印象に残った作品としては、『写らナインです』『コジコジ』『廻天のアルバス』『でんぢゃらすじーさん大長編コレクション上巻』『ポムポムプリン いつだってチームプリン』『ケシカスくん ケシピン最強の消しゴムは誰だ』などです。

今年もよい作品に出会いたいです!