2020/08/02

8/2 店日誌


8月2日、日曜日。昨日はハイテンションな一日だった。劇的に夏が来たからだろうか、笑顔をたたえて店に入ってくる人が多かった。「暑いね!」「夏だね!」に続いて「洗濯物がすぐ乾く!」ってのと「ビールのみたい!」って感じで元気が良い。暑い日が続けばすぐにウンザリするのだろうけど、夏の幕開け、その日くらいは陽気に過ごしてもいいだろう。

今日は20時まで店にいます。明日、月曜は定休日です。

2020/08/01

8/1 店日誌


8月1日、土曜日。月が変わった途端に夏が来た。朝起きたら、梅雨が明けてた。こんな風に季節が変わることってありましたかね。あったような気がするけれど、すぐには思い出せない。とりあえず、冷蔵庫のビールはきらさないようにしておきます。サッポロラガーと黒ラベルの呑み比べ、大歓迎。

今日は20時まで店にいます。お隣には河合浩さんがいます。

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2020/07/31

『ロルカ詩集』


フェデリコ・ガルシア・ロルカ/長谷川四郎・訳『ロルカ詩集』が届きました。
1967年にみすず書房より刊行された同名詩集を底本として再編集。軽やかな手触りの詩集になりました。装飾を排した表紙カバーのデザインがかもし出す佇まいには、好感を持つ人が多いでしょう。是非、直に手にしてほしい一冊です。

販売価格は2200円(税込)。訳者によるあとがきもお見逃しなく。

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フェデリコ・ガルシア・ロルカ Federico García Lorca
スペインの詩人・劇作家。1898年スペイン・グラナダ近傍に生まれる。グラナダ大で哲学、文学、法律を学んだのち、劇作にうちこむ。1936年、スペイン内乱勃発の数日後にファシストのファランへ党により射殺され38歳の生涯を終える。詩集に『詩の本』『カンテ・ホンドの歌』ほか、戯曲に『血の婚礼』など。


長谷川四郎 はせがわ・しろう
文筆家。1909年、函館に生まれる。37年に満鉄入社、大連に渡る。
その後招集され、シベリアで捕虜生活を送ったのち、50年に日本帰還。
著書に『鶴』『シベリヤ物語』『中国服のブレヒト』など。


『LOCKET』04


未知への扉を開きたい。あるいは、未知への扉なんてそこかしこにあることを思い出したい。そう考えたとき、どこにでもあるコーラこそが扉を開く鍵にふさわしく思えた。当然視された存在に改めて目を向けるとき、既知の世界は枠組みが揺らぎ、未知への扉がそこかしこに立ち現れるはずだ──コーラをめぐる冒険へ。

独立系旅雑誌『LOCKET』4号が届きました。
1年4ヶ月ぶりの最新号、その特集は「コーラ」。なぜ旅雑誌がコーラを取り上げる? と思う方もいるでしょうが、読めばその疑問は吹っ飛ぶはず。コーラを切り口に約120ページを見事に構成、奥深さすら感じさせます。手触りがとても良いので、気持ちよく読めると思います。

販売価格は1760円(税込)。広告なしで、よくこの値段にしてくれました。天晴。

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書名|『LOCKET』 第4号 COLA ISSUE
特集|「コーラをめぐる冒険へ」チュニジア、ニュージーランド、ロシア、アメリカ
発売日|2020年7月31日
サイズ|B5変判(237mm×182mm)、本文128ページ
価格|本体1,600円+税
部数|2,000部


編集長|内田洋介
デザイナー|大谷友之祐(Yunosuke)

005|コーラをめぐる冒険へ
006|旅から連れ帰ったモノ、コト、ジブン
007|CONTENTS
008|いのちの水、コーラの密売 石川直樹|写真・文
010|チュニジア 迷宮行
030|時代を読む、ラベルも読む 吉岡 乾|文
032|ニュージーランド 聖地聖水
049|コーラを読む pater|イラスト 蔵前仁一、ケイン樹里安、村上由鶴、山本大樹|文
066|Finding Pepsi Landscapes 町田ヒロチカ|イラスト
070|ロシア 開放区
084|ソ連とコーラの悲喜交交 ほちかなた|イラスト
086|モリ・コーラは世界をつくる モリテツヤ|文
090|按田餃子の自家製コーラ 土田 凌|写真
094|ご当地クラフトコーラプロジェクト ともコーラ 武田侑大|イラスト
098|コーラ熱中時代
104|アメリカ 野良徒歩旅行者 河戸良佑|イラスト・文・写真
113|コーラの源流に立って 伊良コーラ 福本玲央|写真
122|MAGAZINE INFORMATION
123|NATURAL BORN STRANGER #4 背骨の旅人 奥村 忍 飯坂 大|写真


7/31 店日誌


7月31日、金曜日。九州、中国四国地方に加えて近畿地方も梅雨が明けたらしい。案の定というべきか、当地は早速きびしい暑さのようで、身体にこたえる季節がつづく。今、覚悟しておいても圧倒的な暑さがくればきっと弱音をはくのだ。よく寝て、歩く。ほどよく呑む。その配分を上手いこと保っていきたいと思う。

買いとった本たちをどんどん棚に並べていきます。店にいるのは、20時まで。

7/23-7/31 本日誌


いつでも何かを読んでいなくちゃ駄目だ、と彼は言った。文字通りに本を読んでいないときでも。じゃないと、世界を読むなんて不可能だろう? 読むというのは不断の行為だと考えた方がいい。(アリ・スミス 木原善彦・訳『秋』新潮社)

7月23日。妻が図書館で借りてきた、アリ・スミスの『秋』の中で見つけた一節。断片的な会話、やり取りが並べられる構成で、通読しても大きな話はつかめなかった。ただ、上に引いた箇所がつよく印象に残った。ダニエルという老人が語った言葉。

*

7月24日。朝5時くらい、カラスの鳴き声で目が覚める。燃えるゴミの日だからだろうか。そのまま起き出し、軽く本を読んだところで妻と一緒に散歩に出る。人の少ない田んぼの道を歩くと、15分ほどで神社に着く。朝は静か。空気も綺麗。賽銭を投げてお参りを済ませたところで、神主さんの朝の儀式がはじまった。一通りの順序を経て、最後に和太鼓を叩き出す。そのリズムが面白い。いいものを見たねえと話しつつ、家に帰る。


東京五輪に合わせて設けられた祝日、今日はスポーツの日というらしい。まったく安直。くだらない。そう思っても世間は祝日。店を開けると、人がけっこうやって来る。特に夕方以降、久しぶりの友人や知人、はじめましての方々など次々にご来店。ありがたい。けれど、疲れる。ポッと空いた隙をみてビールを飲む。すごく美味かった。

音頭場で買える食べ物は決して美味ではないし、値段も割高である。ただし、こういう場所で味だの値段を云々するのはナンセンスだ。デリーシャスだのコスパを云々するならスマフォに頼って他所へ行け。(鷲巣功『河内音頭』ele -king books)

敬愛する方に薦めてもらって、少し前に購入していた『河内音頭』。与しがたい雰囲気を放っていてなかなか手に取らずにいたのだけれど、思いきって読みはじめて、すぐに見つけたこの台詞。ああ、大丈夫。きっと気が合うと感じて、味読している。著者の鷲巣功さんの語り口に独自にイントネーションを感じる。鷲巣さんの話に耳を傾けているような感覚を覚える。

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7月25日。朝からつよい雨。ザーッと降って、止む。セミが鳴きだす。これが午前中から幾度も繰り返される。油断して出かけるとずぶ濡れになる。店を開けた13時ごろは曇り空、ここから2時間も経たないうちに大雨、雷。自転車で走る若者たちが走る、走る。店に来る人は少ない。今日はこのまま静かに時間がすぎるのだろうか。

店をほうって、コンビニでコーヒーを買って帰ってみると、友だちがいてビックリする。流れのまま軽くビールを飲むうち、お客さんがやって来る。不思議なことに一度来店があるとひっきりなしに誰かが来てくれる。すごく久しぶりにライターの木村衣有子さんも来てくれた。色々と話が出来て楽しかった。サッポロラガー(通称赤星)のことなど。

シーナさんが口についたビールの泡を手でぬぐった。そう、やはり、このころからシーナさんはビールの人だった。(亀和田武『夢でまた逢えたら』光文社)

本を読んでいて、ふと、懐かしい気持ちにとらわれる。そうだった。自分は二十代のはじめ頃、椎名誠さんの著作と波長が合い、勢いまかせに読んでいた。そうするうちに、元々好きだったビールがより一層好きになった。今も続けている缶ビールをコップにうつしてのむ習慣も、元々は椎名さんの真似なのだ。

軽妙なエッセイ集のような顔をしたこの本、『夢でまた逢えたら』はとても面白い。ゴシップめいた話もあれど、社会批評としても十分に通用する。

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7月26日。謎の四連休、最終日。朝から雨がつよく降っている。よくもまあ、毎日降るもんだねえ、なんて話していたら、昼前から急に晴れる。太陽が顔を出すと、いきなり夏になる。FUJI ROCK FESTIVAL開催中の苗場スキー場を彷彿させる温度、空気。ちょうど良く遊びに来た友人と開店早々ビールをのむ。この連休中は序盤は静か、中盤、夕方頃からお客さんが動き出す流れが続いていたのだけど、この日も同じ。閉店の20時まで来客が絶えず、驚いた(とは言え、後半はポツリポツリという感じ)。

なにか見えたような気がして一年一組一番が植え込みに近づくと、そこには白くて丸いものがあった。(柴崎友香『百年と一日』筑摩書房)

早い時間からビールをのんでしまったし、知り合いが何人か来てくれたこともあって、昨日買ったばかりの『百年と一日』は冒頭の一文から全然進まなかった。

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7月28日。蒸暑い。雨はやまない。静かに本でも読もうか、と思っていたところに段ボール二箱分の買取依頼。以前からちょこちょこ来てくれていた読書家のスケーター、Hくん。東京に引っ越すにあたって蔵書を整理したいらしい。これが、なかなか力のあるコレクション。とりあえず預かって、明日までに査定をする約束をする。そこから知り合いの来店が続く。同時に、さらに買取が2件。その間、友人たちとしゃべる。そうすると、自分の時間はまったくない。今日は本が読めなかった。

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7月29日。とても静かな一日。お客さんも少しだけ。気がつけば、売上ゼロという日はほとんどなくなった。わずかではあれ、何かしらの売上はある。でもそれは最近のこと。昨年までは、年に何度かあったはず。

いろいろの生き方があるとは思いますが、七十数年生きてきてはっきり分かったことは、やりたいことをして生きるのがいちばんよさそうだということです。ぼくも、やりたいことだけやってきたとは思いませんが、少なくともやりたくないことはやらないで生きてきたとは言えるかもしれません。(木田元『闇屋になりそこねた哲学者』晶文社)

以前、知り合いの方がすすめていたように記憶している『闇屋になりそこねた哲学者』を古本屋で手に取る。終始、丁寧な語り口ではあるのだけど「ケンカはプロですから、どの程度のことをすればどうなるという計算は本能的にできますので、ギリギリの脅し方をしてやります」なんていう言葉もあり、著者の木田元さんに興味が増す。

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7月30日。お隣〈千年一日珈琲焙煎所〉で開催している河合浩さんの個展もあって、人の出入りが多い。知り合いも多く混ざるので、話す機会も増える。一昨日、沢山の本を持ってきてくれた若者にお金を支払う。しっかり値段をつけたので、喜んでくれる。その後、知り合いのアナキスト、Kさんが貴重なアナキズム関連書をわけてくれる。近年、大きな関心を持っている分野なので、興奮する。与しがたいものもあるけれど少しずつでも読んでいこう。そんなこんなで、今日はまったく本を読めず。終盤はやけになってビールをのみ、閉店となる。面白い一日だった。

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7月31日。賑やかな一日。だけれど、売れた本は一冊だけ。何年かに一度ある、こういう日。やたらと人が来て、よく話し笑って、ハッと気がつくと売り上げはほとんど無し。当然本は読めていない。むなしい。さみしい。という感慨はないけど、ほんの一瞬「何やってんだか」と思う。でもまあ、これが自分の店か。とすぐに持ち直す。こういう日が何日も続くと、さすがに参ってしまうのか。どっこい、それこそ店だろうと開きなおっていられるか。出来れば自分は後者でありたい。

後半、やや息切れしたけれど、これがほぼ一週間の記録である。扉さえ開けていれば、誰が、いつ、来てくれるかよめないところが店の醍醐味。ときに渦に呑まれるように時間が過ぎて、エネルギーも吸い取られる。静かに、自分の内面と向き合っているうちに過ぎる時間もある。ほどよく来店がありつつ本も読めるときもある。それ以外、言葉にできない平板な日も多い。今後もうまく、店と付き合っていければいい。