2025/09/25

9/25 店日誌

ロックはもとより外国の音楽様式用の言葉である以上“自主独立”と呼称するより“インディーズ”と冠するほうが何事か、通常とは違っているような錯覚がかもし出される。その錯覚によって人々は“インディーズ”という“ジャンル”がこの世に存在しているようにさらなる錯覚を重ねる。“インディーズ”は作品発表およびその流通上の様式/方法のことであって音楽的様式のことではない。そのようなことさえわからぬ者がインディーズとやらを支えていてはインディーズもたまらぬ。(湯浅学)

9月25日、木曜日。代々木上原〈ロス・パペロテス〉でみつけた、湯浅学『音楽が降りてくる』を読み出すと止まらない! エンケン、裸のラリーズ、じゃがたら、アルケミーレコード、自主製作歌謡、勝新太郎、南沙織、谷啓、長新太……等々で紡がれる文章、やはり文字の力がとてつもない。そのまま書き写して、紹介したい箇所が山ほどある。自分が好きなように活動するための自主製作、資本との格闘を経て得る自主独立。その象徴として描かれるのはサン・ラー、プリンス、勝新太郎。ボブ・ディランに割かれるエネルギーもかなりのもの。

次に何をやるのか、見透かせるようなやつの歌など聴いている余裕はないし、目ざとく新品に対応して過去を切り捨てたり書き替える蝙蝠野郎にくれてやる銭はない。(…)気まぐれなのはお互い様だ。ムラっ気が強いのも俺だけじゃない。あしたどうなっているかなど、誰にもわからない。(同上)

上記した「ニール・ヤングが俺に教えてくれたこと」など小細工なしでストレートに投げ込まれる速球を前に、腰を引いてしまうか、ぐっと耐えるかで受け止められるものが変わってくる気がする。終始圧倒されながら、勢いにまかせてページを繰った。

今後しばらくは通常営業! 本の買取に関することなど、お問い合わせはお気軽に。

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