2025/10/29

10/29 雑記

友人に薦められた、カーソン・ランド監督作品『さよならはスローボールで』を観るために〈イーアスつくば〉まで自転車を走らせる。せっかくの休日、心理的に負荷の少ないルートを選んでゆっくり進んでいくと、田舎道を過ぎたところでドーンとそびえる軍艦みたいなショッピングセンターが見えてくる。ああ、ここはやっぱり好きじゃないなあ……と感じつつ、鑑賞券を買ってから書店に足を向ける。量、質ともに近隣ではいちばんの店。ここになら2〜3時間はいられるだろう。

『群像』で連載されている小西康陽「これからの人生。」最新回を(備え付けの椅子に座って)堪能し、男性雑誌コーナーに移動すると『Ollie』のニューヨーク特集号が目に入る。ビビッときて手にとると、こりゃすげえ。誌面に勢いがある。リーヴァイス、Gショックの広告ページもあるものの、彼の地の空気をにごりなく伝えてくれる。カッコよかったなァ。

音楽コーナーで見つけた石井”EC”志津男(監修)『The ROCK STEADY BOOK』を買い、劇場へ。早めに席についてだらーっとして上映開始を待っていると予告編がはじまって、ドカーン! バーン! って感じの派手な作品がいくつかと、ジワーッと泣かせるものも混ぜて流れる。客は自分以外にもうひとりだけ。

さあ、本編。日が昇って暮れていく、当たり前の毎日。どこにでもある時間の流れ。それを、そのまま描写するために必要だったのが、片田舎の草野球。時間がくれば球審は帰る。客もそれぞれの用事でいなくなる。暗くなればボールは見えなくなる。ただそれだけの話で、あくびが出るほど退屈なのだけど、ジワーッと引き込まれていく。これは、脱力系のフリをした実験作なんじゃなかろうか。全編にローファイな感触があったのも好印象。エンディング・テーマも素晴らしかった。

映画館を出ると14時ちょうど。今日はもう何もしなくていいだろう。スーパーで缶ビールを買って、家に帰ることにする。

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