2025/01/17

1/17 店日誌

1月17日、金曜日。インスタグラムが難しい。手ごたえがない。最近になって急にそう感じる。いいね、とかフォロワーの数だったり目に見える数字が要因なのかもしれないけど、ポストを重ねるほど「間違ってるかも……」という気がする。特段心を入れて書いてなくても、消しちゃおうかと思ったのは1度や2度じゃない。なぜだか、妙に恥ずかしい。むずがゆい。ああ、こんな気持 うまく言えたことがない。キヨシローが歌ってる。1980年の『プリーズ』を聴きながら書いている。

歌詞カードを開いて小さく驚く。その紙の外側には大きな字で「PLEASE,play it loud」と印字されている。そうか、「お願い。デカい音で聴いてくれ」って意味でのプリーズだったのか。それにしては音が軽い。モーニング・コールをよろしく。いい曲だな。たとえばこんなラヴ・ソング。キヨシローの声、すげえ良い。チャボのギター、カッコいい。

今週にはいって店が静か。おかげで本が読めるのは良いとして、19時過ぎると寒いし、人気もないしでさっさと閉めたくなってしまう。昨日もそろそろかなーってときに〈生存書房〉のフジタさんが来て、助かった。19時45分頃。

今日も通常営業! 本の買取など、お問い合わせはお気軽に。

2025/01/16

1/16 店日誌

1月16日、木曜日。いま読んでいるのは『ユリイカ』1月臨時増刊号。昨年逝去した福田和也を追悼する総特集で500ページ弱の厚みがある。論によってはけっこう硬質で、読んではいても、書かれたことの意味が十全につかめているかは怪しいところ。気にし過ぎずに進んでいって、残すは2~3割か。直近では、青木耕平「『作家の値うち』から読み始める 福田和也と冷戦後の文学」(p.311~321)に気になる箇所が多く、自分自身や同世代の同業者のことなどに思いを巡らせた。あとでもう一度読み返したい。

読み出してすぐ止まっているのが、滝田ゆう『寺島町奇譚』と川崎ゆきお『ライカ伝』。小林信彦『丘の一族』、永原康史『ブラックマウンテンカレッジへ行って、考えたこと』は買ったまま、1ページも読めていない。積読の小山を崩しながら、ちょこちょこと買い足し、別から持ってきたりもするから居間は片付かないまま。

店にいて目に入った本の写真を撮り、簡単な解説を付した上でオンライン・ストア〈平凡〉に上げている。数年前からあるものでも、並べ方、見せ方が的確であれば新鮮に見える。コツコツ手を入れる喜びもあるには、少なからず反応があるから。今後とも、平凡をよろしくどうぞ。

今日明日は15時、明後日からは13時開店。お暇があればご来店を。

2025/01/15

1/15 店日誌

1月15日、水曜日。ちょうど1週間前は風邪で寝込んでいた。もう、ずっと前の出来事のように感じる。さらにその前週は元旦。見ず知らずの土地の海沿い、断崖絶壁を歩いたり、陽が高いうちから風呂に浸かったりビールを飲んだりしていたわけで、異国の話みたいである。週ごとに時間の流れ方がまったく異なる。旅行も風邪も、体験としてはどちらも貴重。普通に過ごせる状態も同じことだ。

「これはパンクですか? ロックですか?」いきなり聞かれても答えられない。あなたは、どれが聞きたくて、なにに興味があるのか。順を追って質問してくれないと、こちらからは何も出来ない。ハァ〜まったく! オレも怒りたいわけじゃないんだが。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にも入荷あり!

2025/01/14

1/14 雑記

つくば駅から〈ブックセンターキャンパス〉まで歩いて10分足らず。着くとすぐに「山川方夫の本がありましたよ」と声をかけられて、確認すると冬樹社版の全集がバラで数冊ある。エッセイが収録された第5巻を選んで、他にも3~4冊。会計をお願いする。高いか安いかではなく、ここで買うことが重要なのだ。いい気分で歩きだすと〈大成軒〉が空いている。16時だし当然そうだよな〜と思うと同時に入店、そのまま中瓶を頼んでしまう。窓際でよむ「猟奇王」は格別ながら、ソワソワしてサッと飲みきり、また街に出る(オレの今日の天使はミッチャンだった……)。

ほろ酔いで歩いて、自分の店に到着。妻に車で拾ってもらって家に帰った。

2025/01/13

1/13 店日誌

だから、ただ漫然とラーメン屋の行列の後ろにくっついてていいのかってことだよ。安い店で安いもの食うにしても、自分の守るべきプライドがあるだろうって話じゃねえか。(澤口知之)

1月13日、月曜日。ああ、愉快だなあ、嬉しいなあ。今、こんなこと言う人はすげー少ないし、雑誌に印字されることも皆無に近い。安い高いは別にして、強欲な客がどうにも苦手だ。やたらに写真を撮ったり、うんちくを重ねたり、常連面をしてみたり。つまらん見栄を満たすためのおこないは総じてみっともない。『en-taxi』29号収録の「コックと編集者と、その友人」を読んでそのことを再確認。

ただ、この手の話に正解はないのも分かっている。自分のふるまいが正しいと思ったことはないし、どうにも気を使うことが多いから、無闇に店には入らない。当然だが、どんなに不快な対応を受けたとしても、口コミサイトに書くことはない(できるだけ、読みたくない)。

近隣はもちろん、遠方でも体調を崩している店主が多い。不特定多数と接触する仕事だからか、業種をとわず臨時休業の知らせをよく見聞きする。よく足をはこぶ一軒には「再開未定」の貼り紙があり、先行きが心配になる。

今日も店には入荷あり。オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

2025/01/12

1/12 店日誌

1月12日、日曜日。ラジオといえば、大友良英「ジャズ・トゥナイト」の新春ジャズ放談を毎年楽しみにしていて、今年のゲストはトランペッターの類家心平。あちこちで名前を見聞きする、特異な風貌の方かなーと思って(これは勘違いで、端正な方だった)聴き出すと、類家さんの語り口がとてもいい。ジャズとの出会い、遍歴を訥々と話し、控えめに笑う。余韻たっぷりのソロ演奏も味わい深い。大友良英のターンテーブルとのデュオライブも位相がズレまくっていて刺激的! 聴き逃しサービスを使って、じっくりと2度聴いた。

今朝、体温を測ると35度7分。平熱が低めだとすると数日前の38度台後半は、よほどの高熱。流行りの疫病なのか、年末年始の疲れが溜まった症状だったのか、寝てるだけでもキツいってのは久しぶり。

そろそろ良いだろ……とビールを一口、含んでみると哀しいほどに味がしない。苦みもなく、旨味も感受できず、ただ冷たいだけ。ヒヤッとした鉄みたいな口ざわり。コーヒーは美味しく飲めているのに、ビールだけが未だに受けつけられない。流石にちょっと落ち込んだ。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を!

2025/01/11

1/11 店日誌

1月11日、土曜日。寝込んでいる間に重宝したのが沢木耕太郎が毎年クリスマスイブに放送しているラジオ番組「Midnight Express 天涯へ」のアーカイヴ。体力がなくて本が読めない、レコードにも集中できない身にあって、耳に入れてるだけで済むのがとにかく助かった。途中で寝ちゃうのも気持ちがよくて、目が覚めて聴き直したりを繰り返して、動画サイトにあがってるものは網羅したはず(と書いていて、チェンマイへの旅の話をしていて時間が足らず、また次回……となった後のつづきが聴けてないと気がつく)。

意識的に書き手を追いかけはじめた最初が沢木耕太郎、次が椎名誠だった気がする。さほど冒険心のない意気地なしゆえか、先達の書くものに触れて、小さな旅をしたような感覚を得ていたのかもしれない。洒落っ気はゼロ。なんせ、はじめてのライブ・コンサート体験は×室××なのだ。

カセットコンロスの新譜『Calypso EXPRESS』(CD/LP)に加えて、『映画でも観よう/4 Mills Brothers』(7インチ)と『Wada Mambo’s home made monaural DELXUE 2』(CD)も到着! すべてオンライン・ストア〈平凡〉でも購入可能。

さあさあ、開店! 連休中も本の買取は大歓迎。お問い合わせはお気軽に。