2024/05/02
5/2 店日誌
5月2日、木曜日。昨年から新刊の取り扱いを減らしたのは、まず古本の買い取りが増えたこと。つぎに、ちいさな書店向けの本の刊行がめちゃくちゃ多いこと。それは例えば、個人の日記だったり、世を憂う問題提起の本だったりする。別にそれらの本がわるいわけではないし、いい本があるのも知っているつもりだ。でも、そうした本を積極的にあつかう人たちの顔はどこか似通ってくる気がする。もちろん、わるいことではないのだが、どうも気持ちがスッキリしない。
珈琲や発酵食品(ビールやワインなども含む)を題材にした出版物も、自分が店をはじめた頃から活発になり、いまや定番。切り口を変えたり、文学的に語ってみたり、いろんな形で再生産されている。えてして自分は、そういうものには興味が持てない。
現在の当店は、古本屋。新刊の選別、仕入を主にして意思表示、自己表現する独立系書店ではない。時事的な書籍は多くないが、時代を越える内容をもつ本はある。いまは、選別よりも買取が主な仕事になっているのだ。
今日明日は通常営業。土曜と日曜は11時から営業します。
2024/05/01
5/1 店日誌
5月1日、水曜日。去年のいつだかに買って気に入って聴いているレコードがある。アーティストはザ・ブルース・バスターズ。彼らはジャマイカのヴォーカル・デュオで、砂浜みたいなところで笑い転げている変なジャケットのわりに内容がいい。筆記体でグジュグジュッと描かれたタイトルを気にしていなかったのを今朝、凝視してみるとフィリップ&ロイドと読めた。なるほどフィリップ・ジェームスとロイド・キャンベルの二人組なのだ。
だから、なに? そう言われたら何も言い返せないのだが、直近の発見がこれである。A面1曲目の“Baby,I’m Sorry”を目玉にする人も多いようだけど、オレはB面の“You’re the Best Thing That Ever Happened to Me”が気に入ってる。“I Shot the Sheriff”で聴こえるチロチロした鍵盤の音もいい。
先週につづいて、雨の水曜。これから人はくるのだろうか。そもそも、いまも連休の真っ只中なのか。いまいち、そんな空気が感じられないのだが。
今日明日、明後日は15時開店。週末は11時から開けてみようかな。
2024/04/30
4/30 雑記
アーサー・ライマン、マーティン・デニー、レス・バクスター、ポート・オブ・スペイン・シャッフル。気の向くまま、家にあるレコードを聴いていく。この次はギャビー・パヒヌイかソウル・ブラザーズ、ローランド・アルフォンソ、どれに針を落とそうか。どれもいいに決まってる。……ああ、それにしても! 昨夜のエキゾティコ・デ・ラゴのライブは上質だった。優雅さと猥雑さの混淆具合がちょうど良かった。
楽観はいけないが、また悲観し過ぎてもいけない。電車内で読み終えた、橋本治『草薙の剣』の解説でみつけた言葉だ。書いたのは、末木文美士さんという方。この漢字で、すえき・ふみひこ、と読むらしい。
2024/04/29
2024/04/28
『小さき者たちへ』
遠くの国で続く凄惨な戦争と、あいも変わらず続いてく日常。矛盾だらけでなにもできない自分。葛藤を重ね、無力感に身悶えし、それらを振り払わず思考し続けた先に放たれた、誠実で正直な言葉達。
4/28 店日誌
4月28日、日曜日。ちょうど1ヶ月前の鹿児島滞在のことを思い出す。初日に泊めてくれた泰尊くんの家で感じた安心感といったら、どう言葉にして表現していいか。市街地からとおく離れた田園地帯、静かな地区の高台の一軒家。朝の風が気持ちよかった。次はいつ行けるだろうか。その気になればいつだって行けるはずなのだけれど、なかなかタイミングがむずかしい。いやでも、その気になれば……なんて言ってるうちに時間が過ぎていく。
トウゴとココロは高校生、うちの店の最年少の常連だ。彼女にフラれた! オザケンとスチャダラのコンサートに行ってきた! これからバイトっす。なんてことを色々話して、いつも何かしらを買っていく。昨日はグリーン・デイとマーヴィン・ゲイ、中古CDを選んでいった。ちなみに、彼らの親は自分と同世代。
そう言えば! 個人的に注目していた〈シリシリ器〉でのトークイベントは、お客さんは1人だけだったらしい。その知らせを聞いて「 みんなセンスないなあ!」と言葉が出た。わかりやすく素敵だったりお得じゃないと人は集まらないってことなのか。そうだとすると、たいぶツマラナイ状況だよなあ。
今日は通常営業。明日は11時から17時までの変則短縮営業です。