2019/09/19

『STUDIO VOICE』415号


アジア、アジア、アジア。
昨年の夏以降、僕らはほとんど毎月、ふらふらとアジアの国ぐにを訪れている。当初は「安易に定義しかねる」という見栄えだけは慎重な態度から、「アジア」という言葉を使うことすら身構えていたはずだった。が、気がつけばいかに「アジア」に自分たちの身体を入れていくか、ということをそれなりに真剣に考えるようになった。
−川田洋平(studio voice ディレクター)

『STUDIO VOICE』415号が届きました。
音楽、ファッションとテーマを替えて特集してきた「アジア三部作」、最終章で取り上げるのは「芸術(アート)」。インドネシア、中国、台湾、ラオス、韓国、タイ、フィリピン、台湾、ベトナム…と、ざっと目次を拾うだけでこれだけの国名が並びます。雑踏のような誌面を探索するように読んでほしいです。

販売価格は580円(税込)。大袈裟でなく、どのページにも発見があるような気がします。

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特集
We all have Art.
次代のアジアへ——明滅する芸術(アーツ)


【CONTENTS】

■特別抄録:ル・クレジオ『ビトナ、ソウルの空の下』 翻訳_中地義和
・鳩に託された夢 文_中地義和

■「集まること(コレクティブ)」の技法──インドネシアのアートコレクティブが照射するコミュニティの未来
・「集まること」の、そのさきへ|文_リアル・リザルディ
・つくりつづけるために「集まる」|インタビュー●ruangrupa
・「エコシステム」を支えるものたち|インタビュー●GHH/Serrum
・ジョグジャカルタには何も見るものがない|文_シャフィアトゥディナ

■「科学」と「幻想」のあいだで──中国SFはどこから来て、どこへ向かうのか
・わたしたちは、宇宙を目指さなければならない。|インタビュー●劉慈欣(リウ・ツーシン)|取材・文_樋口恭介
・SF都市成都・『科幻世界』編集部をたずねて
・SFスタートアップ 八光分文化は、中国SFに新たな火を灯すのか?

■台湾パフォーミングアーツ、教育とプラットフォームをめぐるふたつの対話
──日本と台湾をつなぐプロデューサー・新田幸生が尋ねた台湾舞台芸術の震源地

■失い、ゆえに創造する──チョッケツする東南アジアの映画人(フィルムメーカー)たち|企画_空族[富田克也+相澤虎之助]

[カンボジア編]
・それぞれの再起動(リブート)|インタビュー●802Films/Tiny Toones/Anti-Archive
・記憶を記録する|インタビュー●ボパナ視聴覚リソースセンター
[ラオス編]
・新たなラオス映画史はここからはじまる|インタビュー●Lao Art Media
・闘わないやり方で|インタビュー●Lao New Wave Cinema

■なぜ「新しく生まれる」のか?──「新生空間」が韓国若手アーティストにもたらしたもの|文_紺野優希

■硝煙のヴェール──タイ深南部の紛争地帯・パタニーに勃興したアートシーンを訪ねて|文_小鷹拓郎

■書かれる声──あるいは韓国文学が対峙しつづけるマグマ
・相克と鬱憤|対談●キム・ヨンス × チェ・ウニョン
・韓国文学探訪記|インタビュー●韓国文学翻訳院/文芸誌『Littor』/書店コヨソサ|取材・文_吉川浩満
・詩は民のあいだに|キム・ヘスン/イ・ジャンウク/チョン・ハナ|選出・訳・解説_吉川凪
・空と風と星と詩|文_多胡吉郎
・茨木のり子と韓国詩|文_斎藤真理子

■パララックス・ビュー──マニラ、生活、天候、15年
・8月のマニラ、ふたつのパン、少しさきの未来からきたお粥|インタビュー●Goto Lechon Know/Load na Dito/Tessa Maria Guazon/SILVERLENS|文_長谷川新
・アーバン・プア・フィリピーノの戦略|インタビュー●リーロイ・ニュー
・死なないで生きていくための|インタビュー●ターニャ・ヴィリャヌエヴァ

■香港──濡れた路面に咲く菜の花の、海
・月歩の果て、銀幕(スクリーン)の映しゆくもの|インタビュー●オリヴァー・チャン・シゥクン/ウォン・ジョン/ジュン・リー|取材・文_藤本徹
■中国、写真をめぐるいくつかの実践──2010年代以降の表現・批評・出版・催事|写真_No.223
・小さな生活を観察し、大きな環境と対話する|インタビュー●No.223|文_松本知己
・写真から映像へ|文_王歓
・〈Jiazazhi Press〉主宰・言由(ヤンヨー)が見た中国インディペンデント出版の10年|文_言由
・中国アートブックシーンの2大レーベル〈Same Paper〉と〈Bananafish Books〉の方法論

■ベトナム大都市のビジュアルカルチャー|企画・編集・デザイン_Rhetorica[太田知也+瀬下翔太]
・視線の脅威と路上の撮影|インタビュー●トゥアン・アンドリュー・グエン
・蒸発するベトナム、アーカイブへの意志|インタビュー●Art Labor Collective
・閉じた檻から抜けだして|インタビュー●GM creative/the yellow pot
・インディペンデントの矜持|インタビュー●ダン・タン・ロン
・“対比"の街、ホーチミン|インタビュー●ヘニング・ヒルベルト

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