2026/05/04

5/4 店日誌


古本屋に行った帰りや散歩のついでに、ときどき私がいた晶文社の「ワンダーランド」編集部に寄っていくんです。「ちょいとおいしいものがある」と私たちを誘って、ごちそうしてくれるんだけど、これが大しておいしくない。でも頑固な方ですからね、自分の基準は揺るがないんです。(津野海太郎)

5月4日、月曜日。ちょっと前に買い取った、植草甚一スクラップ・ブック『カトマンズでLSDを一服』に挟まっていたのは、2008年4月20日(日)付の「朝日新聞」の切り抜き。「植草甚一は終わらない」と題された文化欄の特集で、これがめっぽう面白い。上記した津野海太郎さんの証言はもちろん(『したくないことはしない 植草甚一の青春』にも似たような記述があった)、小西康陽さんのコメントも気が効いている。いわく───

僕には『だった』という過去形が重要。年を取ったら、そう無邪気に宣言はしていられない。貫き通した植草さんには、かなわない。(小西康陽)

同年3月に刊行した自著『僕は散歩と雑学が好きだった。小西康陽のコラム 1993-2008』に関する、ささやかだけど重要な工夫が語られていて、納得しながら唸ってしまった。あの本に漂う、寂寥感の基がここにある。もう、若くはない自分に対するある種の諦念───と片付けるには、当時の小西さんは才気煥発なのだけど。

山名さんは別に偉大な人じゃない。/でもいまの、ありとあらゆる音楽のカッコいいところだけを聴き分けるDJみたいな感覚を、誰よりも先に身につけてた人だった。(小西康陽)

小西版『散歩と雑学〜』となれば、どうしたってこの話になる。この「山名昇氏を讃える。」ってのは前著『これは恋ではない 小西康陽のコラム 1984-1996 』にある「バカラックを讃える」が伏線になってる……わけないか。

*
今朝のレコードは、『JAH CHILDREN INVASION』。ニューヨーク拠点のレゲエ・レーベル、ワッキーズ(Wackie’s)が編んだ10曲のリディムはなんとも滑らか、ハイトーンのヴォーカルと相まって室内の空気を軽くする。湿度の高い日にうってつけ。

今日も通常営業! 明日、明後日は11時〜18時の短縮営業です。

2026/05/03

5/3 店日誌


5月3日、日曜日。ふーーーー! どうにか間に合った! オンライン・ストア〈平凡〉で売れたものを持って、数組を郵便ポストに投函。そののち、筑波学園郵便局まで自転車を走らせて、ゆうゆう窓口でレコードと本を発送(空いててよかった!)。帰路のドラッグストアで電球を3つ、昼食の菓子パンを買ってから店にきた。たくさんの空き缶を処理して、棚を整えて、定時に開店。はァァァ……朝っぱらから動き回って疲れた〜。

てなわけで、今日も通常営業です。お暇があればご来店ください。

2026/05/02

5/2 店日誌


ビートというのはリズムを刻むビートではなくて、ビートニクに関して英語辞書を引けば、「打ちひしがれた者」という意味がでてきます。つまり、乞食のようになっている者。ビートとはそういう意味です。だから僕は、社会の枠組みの外に出ることをビートニクは実践していたと思います。(能勢伊勢雄)

ビートとは単なる文学運動なのではない。それは、近代科学文明が突き進むデッドエンドの未来とは別の、もうひとつの未来を夢見た人間たちのヴィジョンであり、ビートからヒッピーへと引き継がれたオルタナティヴなライフ、そのすべてなのだと……。(久保田浩之)

5月2日、土曜日。能勢伊勢雄/聞き手・軸原ヨウスケ『能勢伊勢雄入門』を読んでから、ビートニク、ヒッピー、コミューン、サイケデリックといったカタカナ言葉の意味を再検証したくなった。ビートってのは50年代のアメリカで生まれたケルアック、ギンズバーグ、バロウズに代表されるアウトロー文学運動で、同時代よりも60年代以降のミュージシャン、クリエイターに大きな影響を与えた……ってな感じの把握じゃなく、ビートニクからヒッピー、サイケデリック・ムーヴメントの流れを動的に掴みたい。

ビートが、時代の最良の精神を持つ限られた天才たちだけのものだったとしたら、LSDによって誰もが天才の境地に達し、その精神を分かち合ったのが、60’sのサイケデリック・レヴォリューションだったのだと思う。(久保田浩之)

久保田浩之『オン・ザ・ロード、アゲイン』を読んでみようと思ったのは、そんな気持ちがあったからで、「21世紀のビートニックたちへ」なんて惹句に鼻白らむより、内容への興味がはるかにまさったからだ。雑誌取材を目的にした著者がアメリカ西海岸に渡ったのは1997〜1998年、インターネット黎明期。ビート〜ヒッピーの末裔たちを訪ねた旅の記録は、想像以上に豊かなものだった。

2013〜2014年に刊行された『スペクテイター』の「ホール・アース・カタログ」、2021年の「パソコンとヒッピー」の序章として読めば、より立体感が増す。なにしろ、久保田氏の一行は存命だったケン・キージーに会っているし、ウェイビー・グレイビーと多くの時間を過ごし、共に〈シェ・パニース〉を訪れてもいる。

と、勢いよく書き出したのはいいけど、まとめられる気がしないので、止めておく。とりあえず、今は植草甚一のスクラップ・ブック『カトマンズでLSDを一服』を読んでいる(「まず自分自身になる意志をもつことが根本的なヒップの条件だ」ってところにビビッときた!)。

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半年ぶりにロゴステッカーを増刷しました! 1000円以上のお買い物で2枚(白・黒)、1500円以上で3枚セット(緑・白・黒)をプレゼント! 連休中のサンキューフェアは店頭、通販の共通企画。ぜひご利用ください。

ようやっと快晴、いい気分。当店は今日も通常営業です。

2026/05/01

5/1 店日誌

5月1日、金曜日。本降り。家にいて雨音を聞いているのも悪くないなあ、とは思うのだが、店を開けなきゃはじまらない。こんな日だって本を売りにくる人がいたり、買いにくる人もいたりする。今日じゃないと、どうしても都合のつかないことだってあるだろうし、この付近まで出かける用事があるかもしれない。希望をこめた観測を重ねていけばキリがないのだけど、みんな、どこにも出かけない可能性もある。だーれもこないままポツネンとした時間を過ごすことになるかもしれないけど、開けるのだ。

てなわけで、今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/04/30

4/30 店日誌


4月30日、木曜日。今朝のレコードは『20th.Century DEB-WISE』。ラヴァーズ・ロックのリリースで知られるロンドン拠点のレーベル「DEB」によるダブ・オムニバスはデニス・ブラウンによるプロデュース、キング・タビーズ所属プリンス・ジャミーのミックス。バッキングには、スライ&ロビー、チナ・スミス、ウィンストン・ライトなどが参加している。曇天の朝にはUKのダブがぴったり……ジャケット、細かなフォントまで含めて、すべてがビシッと定まっている(“Dancing in the Street”、“Robbery in the City”とかって曲名も最高)。

アフリカ・エクスプレスの『In C Mali』も聴いていて楽しいです。カナダの作曲家、ウォルター・ブードローによるビッグ・バンド版の“In C”も気に入っています。チェロ奏者、マヤ・バイザーの“In C”はとても抒情的です。(テリー・ライリー)

テリー・ライリーのインタビューに誘われて、“In C Mail”を何度か聴いたのだけど、狭い店より空間的に余裕のある自室で流した方がよく響く。思わず踊り出したくなるワクワク感! ライリーのつくった“In C”を誰か、どうやって演奏するかで得られるイメージは大きく変わる。要するクラシックみたいなものなんだなあ。うーん、面白いなァ。

基本的にいい演奏者はいいリスナーなんです。だから演奏するより一番大事なことは、ちゃんと音が聞き分けれるかどうか。聞くことが重要です。新しい音にずっと触れ続けて自分が音の感覚とともに生きてるかどうかということが大切です。(能勢伊勢雄)

この数日で、なんどこの発言を抜き出したか! 他にもグッときたり、ガツンと打たれる言葉が数多あるのだけど、音楽を聴きつつ本を読み、他者と共生していくには「聞くことが重要」って声を脳内に響かせておかなきゃいけないだろう。ビビッときたなら『能勢伊勢雄入門』をぜひ、読んでほしい。

大型連休、はじまってるのかな。いまいち実感がないまま、開けてます。

2026/04/29

4/29 店日誌


終わりもはじまりもなく、特別なものは何もない、だから聴こえてくる音がある。真っ白い絵画から見えてくる風景があるように。/すなわち、音楽をジャンル、年代、国別などで分けるのではなく、そうしたものを超越した点と点を繋ぎながら静かに広がる海として。(野田努)

4月29日、水曜日。散歩がてら、買い物ついでにのぞくリユース店で『In C』(Shanghai Film Orchestra/Wang Youngji,Condauctor)のCDを見つけたのは数年前。普段なら目をやらないクラシックのコーナーをしつこく追っていたら、テリー・ライリーの名前を見つけた。おお、この人の音楽は聴いたことないな〜って感じで買って、店で再生するも、まったく意味がわからない。どんどん表情が変わって、変な楽器も出てくる上にやたらに長いしで、そのまま棚にしまったまま。それが先週? 片付け中にひょいと出てきて、聴いてみると、以前とは異なる感触があった。

先々週だったかな。ちょい遠方の別店で『ele-king』2024年冬号を見つけると、特集は「テリー・ライリーの“In C”、そしてミニマリズムの冒険」。表紙もいい。ぱらっとめくると興味深い。とりあえず買っておいたのが大正解。今朝、なんとなく読みはじめて、冒頭のインタビューにぐぐーっと引き込まれる。

この曲にとっての理想的な演奏のようなものはありません。様々な人びとが集まってこの曲を一緒に演奏し、色々なアイディアもそこに集まります。もしも、何らかの理想を目指して始めてしまったら、そういう考え自体が“In C”に反する気がします。(テリー・ライリー)

何かが分かったわけじゃないし、“In C”の聴こえ方が急に変わるわけでもないものの、脳みそがマッサージされたような感覚があり、心地よい。セッティングが整ったのだろうか。今なら、テリー・ライリーの音楽が自然に耳に入ってきそうな気がする。

今週もよろしくお願いします。新着入荷がたくさんあります。

2026/04/28

4/28 雑記

午前中、荒川沖での用事を済ませたあとで〈きらく〉に入店すると、大リーグ中継が静かに流れてる。なんともいい具合。小生ビールでひと息ついて、いざネギミソラーメンと真っ向勝負。……いやあ、正直言ってあれは死闘だった。どうにか食い切って、車に乗るとエネルギーゼロ。そのまま14時過ぎまで動けなかった。

オレからいわせると、「ファスト動画」だ、「タイパ」だっていうのはズルしている感覚なんだ。本来なら、避けてとおることができないものごとや出来事を効率よくスルーして、少しでも平坦な道を進もうとしているようにも見える。/でもさ、無駄に見えるようなことにも、意外なお宝が埋まっていることはよくあるし、たとえそれが失敗だとしても、それによって引き出しも増えるし、深みも増す。(玉袋筋太郎)

いやあ、そうですよねえ。オレも全く同じことを思ってる。玉袋筋太郎『美しく枯れる。』はここ最近で、いちばん強く同意した本である。この人、なんか好きなんだよなァ。

2026/04/27

4/27 店日誌


4月27日、月曜日。いきなり連休モードに入ったのか、お客さんがわっと同時に入ってくる。3人、2人、また2人……となったところで声をかける。「スミマセン! 今いっぱいなので、またあとで!」飲み屋のオヤジみたいなノリである。そんなやり取りの中でも、よく棚をみて、本を選んでくれる人もいて救われる。どれだけとっ散らかってても、自力で欲しいものを見つける人がいてくれれば、店を開けてる意味はある(マジで、本当に、ありがたいです)。

レコードをみて「〜くん! ヤベー」みたいな話をしながら、あっちこっちをガサガサ、触ったものは元に戻さず、仲間とガハガハ笑い合ってたりする人がくるのは、ただただ辛い。ひたすら耐えるしかないのだが、そういうときに限って思いは伝わらず、数十分。ゔぁぁぁ……と声が出そうになる。

どうして、みんな同じタイミングで入ってくるのか。先に人が入っているのが安心なのか。その動きを否定したいわけじゃなく、とにかく不思議だ。せまい店内に、どんどこ人が入ってくると、何もできない。暇な時間はいくらでもあるのに、営業時間中の一点にぎゅーっと人が集中するのは、なぜなのだろう。

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開店当初からのお客さんが本を2箱、売りにくる。アイヌ、マタギ、サンカ、香具師、宝島、スペクテイター、スチュアート・ブランド、玉袋筋太郎。しっかり値をつけて買い取る。いろいろ話を聞かせてもらって、近道はせず、まっとうに迷ってきた人なんだなあと納得した。

朝から雨、ざんざん降り。いつも通りに開けてます。

2026/04/26

4/26 店日誌


4月26日、日曜日。オンライン・ストア〈平凡〉で売れた品々をピックアップ、それぞれにフライヤーなどを添えた上で持ち帰る。干してあった布団を取り込み、ローランド・アルフォンソのレコードを片面聴いたのち、ふたたび店に向かっているとキャップにポタッと何かが落ちる。もしかして……と確認すると、ああやっぱり! 鳥のフンがついていた。これで運がついたぞーっと思えるわけでもなく、店についてサッサと洗って干している。気まぐれにキャップをかぶって出かけてよかった。

もう世間は連休なのかな。きのうは久しぶりに会う人、はじめての人、いろんなお客さんが来てくれて終始賑やか。すごく嬉しいし、喜びが大きいのだけど、3人以上の来店が重なると、どうもソワソワしてしまう。外で待ってもらう仕組みをうまく作れればいいんだけどなァ。

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届きたてのGRINGOOSE『Prillmal Spring』、再々入荷のKEN KEN『TUTTETTUTETTE MIX』vol.2がめちゃくちゃ気持ちいい! 新緑の季節、陽の落ちる前にぴったりのミックス作品。どちらもおすすめです。

では、今日も開店! お知らせ通り、17時までの短縮営業です。

2026/04/25

4/25 店日誌

表現とは作品に限らず、対話や教育、制度設計、日常のふるまいを含む社会的プロセスそのものである。PEPPER LANDは「店」というかたちでこの発想を「実践」し、音楽、美術、演劇、映画、批評、思想といった異なる領域を交差させながら、表現を通じて社会に作用しようとしてきた。(能勢伊勢雄)

4月25日、土曜日。(昨日の話)客足の少ない昼下がり、『能勢伊勢雄入門』を唸りつつ読み終え、うーむ、自分にできることはなんだろうか……。やや放心しながら考えているときに〈gallery Y〉のホソタさんがきて、12月に企画している写真展の進捗を伝えてくれる。店としての全面協力を約束し、お互いの考えを共有すべく言葉を重ねる。おなじ天久保地区に書店/ギャラリーを構える関係性を前向きに捉えて、時間がかかっても、いい環境をつくるべく協働していきたい。基本的な役割は下地作りなのだけど、ときに前に出て、明確な意思表示が必要になるときもあるだろう。

少し時間を置いて、顔を出したのは絵描きのナツナさん。ちょうど昨日、〈Cox〉の2人からライブの話を聞きましたよー! そうそう、そうなのよー! って感じで話がはじまり、現状の手応え、足りていないものなどの意見を交わす。互いに性質は異なれど、会話のなかで共通部分を見つけ出せれば、それを頼りにやり取りが進められる。まずは6月。NRQ祭りに向けて準備を進めていく。

夕方にそろーっと入ってきたのは学ラン姿の男性。高校生? なんて感じで話しはじめて、音楽のことを中心にいろんなことを聞かせてもらう。わかるわーってことは多くないけど、ひとまず聞く。好きにやればいいんだよー! と言うのは抑えねば……そう思っていても、けっきょく口をつくのはその言葉。反省。でも、ああいう若者がいるのが嬉しいのだ。

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今朝のレコードは、『太陽への賛歌───中南米、オセアニアの民族音楽 バハマ音楽の真髄 第1集』。先日のトークイベントにきてくれた浦和のコーヒー豆店〈Michelle〉の小沼さんに教えてもらったレコード。短時間のやり取りで、矢吹純、ジョセフ・スペンス、オクノ修と話題が移っていったのが嬉しかった。もらった豆はビシッと定まった味がした。

今日は通常営業! 明日26日(日)は11時〜17時の短縮営業です。

2026/04/24

4/24 店日誌

基本的にいい演奏者はいいリスナーなんです。だから演奏するより一番大事なことは、ちゃんと音が聞き分けれるかどうか。聞くことが重要です。新しい音にずっと触れ続けて自分の音の感覚とともに生きてるかどうかということが大切です。(能勢伊勢雄)

4月24日、金曜日。能勢伊勢雄(聞き手・軸原ヨウスケ)『能勢伊勢雄入門 MAKING OF ISEO NOSE on OKAYAMA』がめちゃくちゃ面白い! けど、書かれてること、語られてることの半分も理解できてない気もする。それでもいい。まずは能勢さんの話に耳を傾けることが重要。ネタにするのでなく、カルト扱いでもなくて、好奇心のままに言葉を追っていく。そのなかにピンとくる節があれば、付箋を貼るか、メモしておけばいい。上記引用は「4|ペパーランドの始まり 1974-1988」の233ページで見つけた。

読んでるなかで、能勢さん? 伊勢さん? 能勢雄さん? いやいや、能勢伊勢雄さん! と頭の中で何度も確認している。副題も「MAKING OF NOISE on OKAYAMA」と読み違えたり、撹乱させられつつ、どうにかくらいついている。

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今朝のレコード。『CREATION ROCKERS』のサイドDに針をおろすと、Gregory Isaacs「BAD DA」が流れだす。心地よくモコついたダブ。土っぽさよりも泥っぽい。水分多めの地面に足をとられる感じが、不思議とクセになる。

さあさあ、快晴! 今日も新着入荷がたくさんありますよ〜!

2026/04/23

4/23 店日誌


4月23日、木曜日。朝いちばんで針をおろしたのは、Willam Tyler『Music From First Cow』。ケリー・ライカート監督作品『ファースト・カウ』のサウンド・トラックは曇天にぴったり。主にギターのみ、音数少なく、這うように紡がれるフレーズが身体をそっと撫でていく。この映画を観たのは2024年1月、〈シネプレックスつくば〉のいちばん早い上映会。8時だったかな? 客席はガラガラ。序盤の暗い画面に引き込まれるようで何度か眠りに落ちそうになった。観賞後につどったオガワくん、タロウくん、ツチダくんといろんな話をしたのも楽しかったな。

シネプレックスはいよいよ閉館するらしい。そりゃそうだ。いつ行っても劇場は空いていた。公開間もない『カモン・カモン』、『ワン・バトル・アフター・アナザー』ですらそうなのだから。いい環境で、いい映画を観られてありがたかった。はっきり言えばさみしい。……が、そこまで足繁く通ったわけでもないので、口はつぐんでおく。

でも! 信じられるかな? 2002年に『ピンポン』が公開されたときは長い行列ができてたし(並んだ!)、『スナッチ』を観たときも劇場にはけっこうな人がいた(友人7~8人で観た!)。上のボーリング場、ゲームセンターはいつも賑わってて、行けば誰かしらに遭遇してた気もする。あれだけの資金が投じられた場にしても、盛り上がりは10年くらいだったのか。無情なり。

*
繰り返しのお知らせですが、26日(日)は11時〜17時の短縮営業。現状、それ以外の日は通常通りに開けるつもりです。ゴールデンウィーク中、5月5日(火)は営業予定。その日に行くよ〜なんて人がいたら、お声がけください。

今日も開店。雨が降りそうだし、本を読みつつ、のんびりやります。

2026/04/22

4/22 店日誌


ドン・ドラムンド、ババ・ブルックス、ウェイラーズ、ボブ・アンディ、オーガスタス・パブロ、グレゴリー・アイザックス……スカ~ロックステディ~レゲエというジャマイカン・ミュージック約20年の歴史をまるまるおさめた『クリエイション・ロッカーズ』。(藤田正)

4月22日、水曜日。『クリエイション・ロッカーズ』に針をおろして、しみじみと聴き入る。外は快晴。暖かい。Disc1のB面、Wailing Souls「Mr.Fire Coal-Man」からThe Wailers「Caution」へとつづく流れを聴きながら、ブログを書く。やわらかなロックステディに心身がマッサージされる。間奏で入るラッパの音がやさしい。ギターのカッティングはゆるやかで、ヴォーカルは伸びやかだ。Scotty&The Crystalites「Sesame Street」が始まった。ああ〜イントロから最高。これ以上、望むものはない。

さあ、定休日明けの通常営業。天気はいいけど、お客さんは来るのかな。いい本をたくさん買い取ってるけど、見つけてくれる人はいるんだろうか。心配未満の思案をしながら、いつもの椅子に座ってる。

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ちょっとばかり急ですが、26日(日)は11時〜17時の短縮営業。ゴールデンウィーク中はだいたい通常通りにやるつもり。来週28日(火)は定休日。再来週の5月5日(火)は開けてみようかな〜と思ってます。

今週もよろしくお願いします。些細なことでも、お問合せはお気軽に。

2026/04/21

4/21 雑記


ああ、疲れた。日曜のトークイベント、月曜の通常営業で思いのほかエネルギーを使っていたようで、身体が重たい。目覚めも鈍い。起きてもすぐに眠くなる。それでも7時前に家を出て、最寄りのマクドナルドまで歩いていって公園で朝食。コーヒーが美味い。いつになく中高生が多くて、いろんな制服が目に入る。今日は特別な日なのかな、ぼんやり考えつつ、帰宅すると8時過ぎ。ダブのレコードに針をおろすもいまいち身体に響いてこない。こりゃ、間違いなく疲れてる。

「疲れた。もう何もしたくない」と言いながら、私は無性にどこかへ行きたくなる。そんなときは家で寝ていた方がいいのではと自分でも思うが、いつも足は外に向く。(スズキナオ)

ピンときて手に取ったのは、スズキナオ『家から5分の旅館に泊まる』。この本、とてもいい。刊行されたときにも読んでいたけど、今のほうがずっといい。冴えない、下向き、非生産的な時間に対しての向き合いかたが誠実なのだ。無駄なことをしてる僕、面白いでしょ? って感じのアピールをはぶいた筆さばきに共感する。けっこうすごい本だと思う。

2026/04/20

4/20 店日誌


4月20日、月曜日。はァ〜〜〜無事に終わった! 安心した。石井“EC”志津男さんをお迎えした「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」は大きな問題なく終了できました。いい話がたくさん聞けた。ジャマイカ人との交流、友情。ゲイリー・パンターの言葉。ミュートビートのダブワイズ。発想、行動、偶然が混ざり合って生まれるものに触れると力が湧くんだな〜と実感した。ご来場のみなさま、協力してくれた友人たち、石井ご夫妻に感謝! ありがとうございました。

てなわけで、今日は店の片付けからスタート! まあ、のんびりやってます。

2026/04/19

4/19 店日誌

僕のような小心で怠惰な生き方をしてきた人間をネタにした本を作る、そんな恐ろしいことはない。何も成しえていない僕の本を手にしたみなさんに最大の感謝を伝えつつ、ちょっと謝りたい気持ちもあります。(石井“EC”志津男)

4月19日、日曜日。こんな風にはじまる本、そうそうないよね。しかも嘘じゃなく、極端に卑屈になってるわけでもないのが伝わるから、余計にすごい。ECさんをお迎えするトークイベント「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」はいよいよ本日開催。まずは天気が良くてよかった! 空気がカラッとしてる日に聴くロックステディ、レゲエは最高だし、ビールも美味い。リラックスして楽しんでほしい。現状、いい具合にご予約をもらってるけど当日参加も大歓迎。ぜひお出かけを。

今日は11時〜16時の短縮営業! どうぞよろしく〜!

2026/04/18

4/18 店日誌

4月18日、土曜日。明日にせまった「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」に備えて、『ロッカーズ』サントラ盤に針をおろす。インナー・サークル、メイトーンズ、ジュニア・マーヴィン、ヘプトーンズ、ピーター・トッシュ、ジェイコブ・ミラー、ジュニア・バイルズ、バニー・ウェイラー、グレゴリー・アイザックスまでは想定内。やっぱりいいなーと鼻歌交じりに聴いてて、アレッ! 耳慣れない曲が鳴ってる。ホーン隊主体のインスト曲、超カッコいいじゃん。裏ジャケを確認すると、Rockers All Stars「Man In The Streeet」の記載を発見! なるほど、そういうことか!

モッドでサバービアなジャマイカ音楽の聞き手にとっては、ホースマウスがバイク屋に向かう所で流れる、ドン・ドラムンドのスカ・クラシック、「マン・イン・ザ・ストリート」のロッカーズ・オールスターズ・ヴァージョンが何故ここに収録されていないのか、きっと訝ることだろうし(アナログLPのアメリカ盤にのみ収録されていたらしい)…(山名昇)

日本盤サントラCD(1993年)のライナーノーツによれば、手元にあるのはアメリカ盤。確かにこの曲があるかないかで、全体のトーンが変わってくる。ルーツ・レゲエを主にした構成にヴィンテージ・スカの要素が混入して、ジャマイカ音楽の歴史がより強く、太く、表現される。

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古本の買取はもちろん、個人のつくる自主製作冊子も色々と届いている。店にきて写真集を売り込んでくれた竹石丈くんの『ガールイズスマイリングバック』は、2025年のタイ〜ラオス、ベトナムの旅の模様を収めた写真集。初回30部限定とのこと。

今日は通常営業! 明日はイベント開催のため、16時までの短縮営業です。

2026/04/17

4/17 店日誌


これはピュアなロック・ステディ。/20歳前でこのコク、色気、品よく燻された渋みの漢臭。完全なる、愛すべきデルロイ・ウィルスン。「Rain from the Sky」「Don’t Know」など神曲多々。(鈴木考弥)

4月17日、金曜日。朝いちばんで針をおろしたのは、デルロイ・ウィルソン『グッド・オール・オーバー』。晴れた日にぴったりのテンポ、メロディ、ジャケット……ってか、この写真どうなってるのかな。見せられないのがもどかしいけど、女性の上にデルロイ・ウィルソンが立っているように見えるけど、肝心の部分が見えないから踏み台か何かの上にいて、女性はずっと前に寝そべってて、遠近法でこう見えてるのかな。爽やかで、奇妙。これもロックステディの醍醐味のひとつ。

A面では、なるほど「Rain from the Sky」がめちゃ良し。B面は冒頭「Once Upon a Time」「Don’t Know」「Feel Good Over」「I’m not a King」「How Can I Love Someone」の流れがすごーく好きだ(ほとんど全曲!)。手元のレコードを味わいつつ、鈴木考弥『レゲエ・デフェニティヴ』などの参考書をひもとくと実感がふかまる。

いよいよ明後日、19日(日)開催! 「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」はレゲエに詳しくなくても楽しめるし、ビールなど飲みながら聞いてもらうのも大歓迎。気が向いたらふらっと遊びにきてほしい。

では、今日も開店! 新着入荷がたくさんあるので、ぜひご来店を〜!

2026/04/16

4/16 店日誌


4月16日、木曜日。今にも雨が降り出しそうな平日、定休日明けの水曜は当然ながら暇である。いくつかの入金、買出しを済ませてから開店、昼食まで、ほとんど誰とも話さず時間が過ぎていく。ラジオでは何がニュースになってたかな……中東情勢、改憲発議か? 油断してると初見のお客さんが入店。わりと時間をかけて棚を見たのち100円の文庫を2冊買っていく。ありがとうございます、お気をつけて〜と送りだすと、ちょいと間が空いて、大きめの荷物がどどん! と運ばれる。京都の〈誠光社〉からってことは、アレだ。楽しみにしてたやつが届いたぞ。

気の合うメンバーを集め、演奏会場を探し、レコードをプレスしてフライヤーを印刷、それらを知り合いの店に委託し、流通させる。何をするにもプラットフォームに規定、搾取されてしまう昨今、ささやかな自己表現やスモール・コミュニティをフィジカルな次元へと取り戻せ!

Caffeine House『Noy’s Magical Sounds』は誠光社のホームページで連載されていたコミックなのだけど、これは印刷された方がずっといい! しかも、縦組のコデックス装だからページがばーんと開いて、スケールが伸び縮みする様がよく伝わる。話自体はシンプルなのだけど、細部へのこだわりが強い上、説明も丁寧だから読み応えがある。

唐突にはじまるリソグラフ印刷の解説、レコードプレスやイベントをオーガナイズする上でのアドバイスが書いてあって、自前で何かをはじめるためのガイドブックにもなっている。読んでてウズウズするのはオレだけじゃないはず。みんな、どんどん刺激されてほしい。

*
いよいよ今週末、19日(日)開催のトークイベント「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」は引き続きご予約受付中! 当日ふらりと来ても入場できるので、気になればぜひお出かけを!

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目ください。

2026/04/15

4/15 店日誌


交通運賃は一方的に値上げされる。人件費の増大を理由に、あらゆる交通機関が何年かに一度必ず値上げする。値下げした、という話は聞いたことがない。/しかし、歩くことだけは、値上げされない。「歩くこと」、それは現代に残された唯一の自由で気ままな移動手段なのである。(真鍋博)

4月15日、水曜日。真鍋博『歩行文明』を友人が貸してくれたのは何年か前。歩くのが好きならたぶん気に入りますよーって感じで持ってきてくれたのだけど、全く読まず(アア、失礼!)。その後に古書店で買ったまま、放っておいたのを読み出すと、こりゃあ確かに面白い。書き出しの「チャンバラ映画や歌舞伎を見たり、講談をきいたりすると、その舞台のほとんどが屋外である」ってのにビビッときたのは『七人の侍』を観たからだ。

侍、町民、商人などなどが行き交う往来には出来事が溢れていて、無数の人生が散らばっている。人と人とがすれ違うことで喧嘩になったり、笑い合ったり、絶望が深まったりもする。街の往来には予測のつかない偶発性があり、物語を生み出すには絶好の場なのだな。

こう書いたのは、去年の11月15日。このときの感慨と「歩くから、人や季節や出来事と出会い、思考が触発された。それを歌に詠み、俳句にひねり、絵にし、詩に書き、紀行文にまとめたのである」という真鍋説はほぼ完璧に響きあっている。「健康的だという頭の理解ではなく、歩きたいから歩くのである」ってのもまったく同意。その通りなのである。

そりゃ車は便利だし、電車やバスがなかったら好きな店にも行けやしない。でも、移動範囲を徒歩中心にしてみると、それはそれで豊かでもある。公園や公衆便所のありがたさ、ふいに出会う巨木や神社のすごみ、あれこれ感じ考えながら歩くのって創造的。歩を進めるうち、頭の中が整理されていく。

そういや先週、開店13年を迎えました。引き続きよろしくお願いします。

2026/04/14

4/14 雑記

午前中、自宅に買取の本が6箱届く。店内が容量オーバーゆえの対応だったのだが、これが正解。仕分けがスムーズに進む。全体の査定まではいかずともスペースに余裕のある状況で全体の質、量を目視できるだけで気持ちは楽だ(馴染みのマスダさんからの依頼だったし不安はなかったわけだけど)。

荒川沖で用事を済ませたあと、〈きらく〉で昼食。テレビでメッツ×ドジャースの模様が静かに流れるなか、小生ビールを一杯。ああ、嬉しいなあ……と感慨にひたった後で出てきたキムチチャーハンの色、量におののく。添えられた漬物、スープまで完食する頃には腹はパンパン。大満足だけど、これじゃ今日はなにも食えないぞ。

帰宅後は、散歩特集の『ユリイカ』2024年6月号を拾い読みしつつ、ちょびっと午睡。

2026/04/13

4/13 店日誌






いいんです、これで。地元の人たちが集まって、日々の楽しみを積極的に見出して全然無理していない感じはとてもいい。内容がどうとか仕切りがどうとかもどうでもいい。だって一番大事なのはここで生きていくということだから。(田口史人)

4月13日、月曜日。滋賀県彦根市〈山の湯/円盤〉の制作物がまとまって到着。2026年2月の冬季休業中の行商旅行記『山の湯の冬休み』、おなじみ円盤のレコブック内のハードコア・シリーズ『黒ダイヤ別人帳』(テイチク篇)に加えて、当店の定番にしてロング・セラー! 『あんころごはん』『ECDPOPO』も補充しました。上記した一節は田口さんが行商先の鹿児島で得た感慨。いいなあ、うらやましいなあ、と思うのと同時に自分にできるのは店を開けることだけだなあと再確認。

円盤関連の商品が届くとすぐ頭に浮かぶのはTさんの顔。インスタグラム、ツイッター両方にポストすれば届くかな……と案じながら入荷案内をしてみると、閉店間際に来てくれた! すごく嬉しい! ツイッターを見てくれたらしい。ああ、良かった。

これらとほぼ同時に届いたのが、熊本の文芸誌『アルテリ』二十一号。創刊から10年が経って、不定期刊で再出発。派手じゃなくても、太くどっしりした言葉がある。寄稿者は高橋源一郎、石牟礼道子、池澤夏樹、伊藤比呂美、渡辺京二、磯あけみ、谷口絹枝、坂口恭平、浪床敬子、小野由起子、田尻久子など。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2026/04/12

4/12 店日誌

僕がイメージするロックステディは1967年のレコードだけ。68年はアーリー・レゲエの要素が強くて、66年はスカの要素が強い。67年でもスカっぽさは残っているけど、ギターとユニゾンでシンコペーションするベースとか、マラカスみたいなパーカッションが入っていたりすると、僕はロックステディを感じます。(森俊也)*

4月12日、日曜日。晩春から初夏みたいな爽やかな空気、こんなときにはロックステディ。ゆらゆらしたリズム、朗々としたヴォーカル、ピロピロとなる鍵盤の音なんかに身を任せて揺れていたい。可能ならばレコードで。でも、CDやカセットテープ、サブスク音源でもじゅうぶんに嬉しい。甘いだけじゃなくコシのあるビートがたまに混ざると、なおさら良い。午前中、家で聴いていたのは『CATCH THIS BEAT The Rocksteady Years 66/68』と題されたコンピレーション。

勉強ってわけじゃないけど、スカ/ロックステディ/レゲエ関連の音源を見つけたら、片っ端から聴いている。すぐに馴染むものがあれば、そうもいかないものもあるのだけど、どんどん耳に入れていく。上記した森さんのように明確な定義ができるときがくるのかどうか……。

たくさんの音楽に関する原稿が世の中にあった。活字となって紙に刷られているだけで、そこにある文字の多くはいろいろなビートを叩き出していた。(…)そのなかでも特にソリッドで柔軟でバックビートがかっこよかったのが山名昇だ。(湯浅学)**

些細なことでモヤモヤしたり、ウラウラと気分が落ち着かないときは湯浅学さんの言葉に触れたくなる。(…)としたところに大事なことが書いてある。「音楽が好き、というその“好き”と文字の関係が現在とは雲泥の差だったことに留意してほしい」から「そのなかでも〜」と続くところに意味がある。自分もそれを思考し、言語化しなくちゃダメなんだよな。

ではでは、今日も開店。些細なことでも、お問い合わせはお気軽に。

*『The ROCKSTEADY BOOK』p.117  **『音盤時代の音楽の本の本』p.303

2026/04/11

4/11 店日誌

幼年期に愛聴していたのはライオネル・ハンプトンの「スター・ダスト」。有名な47年8月4日パサデナでの実況録音で、テイチクのドーナツ盤。今も持っている。ハンプトンのソロの叩き出しを「キョン、キョン、キョン」と覚えて、リクエストしてたらしい。(山名昇)

4月11日、土曜日。山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』のあとがきを読んでいて、オヤッとなる。だとすると、2022年11月に開催したトークイベントで山名さんがかけたのは、そのドーナツ盤だったのか。さりげなく流された曲に驚いて、こりゃ誰ですか? と聞いたら、「ライオネル・ハンプトン。珍しいもんじゃないですよ」と教えてくれた(実際、すぐあとに近所のブックオフで格安で見つけた)。にしても、いい音だったんだよなァ〜。隣の店長とはあの盤のことでよく盛り上がる。

私のような戦争育ちの者は、権威がくるくると変り、飾られた物が画餅に帰するところをちょこちょこ見ているので、財産も肩書も風采も、不変のものには思えない。(色川武大)

どうも乗れない、気の合わない本のあとで手にした、色川武大『街は気まぐれ ヘソまがり』がめちゃくちゃ面白くて一気読み。戦後の民主主義社会を疑ってるとは書かないけど、上から与えられた規範、共有されているはずの常識に則らないから、小気味いい。頑固、意固地とは感じさせないところがとても素敵だ。

*
今週末は晴れて、気温が上がるらしい。はっきりしない天気が続いたから、みんなどっかに出かけちゃうかな。まあ、こちらはいつも通りに開けるだけ。新刊入荷、古本買取もありそうな気がするけど、どうなるだろう。

それでは開店! 在庫確認など、お問い合わせはお気軽に〜!

2026/04/10

4/10 店日誌


本当に何かが変わる、という時がある。/そのときは、物事が一気に、根こそぎ進行するものだ。/それも、蟻の穴から堤防が決壊するように、楊枝の先で突いたようなちょっとしたことがきっかけで盤石と見えていたものが瞬時に崩壊する。(佐藤允彦)

4月10日、金曜日。うーん、面白い! 今日も佐藤允彦『すっかり丸くおなりになって…』の引用ではじめてしまったのだが、さらに続ける。「あとからみると、それはすでに盤石ではなく、遅かれ早かれ崩壊すべきものだったとわかるが、進行中はなにも見えないから人は驚く」って、こりゃ今の世相にまんま当てはまっちゃうじゃんか……と、感じてゾクリ。大袈裟に「預言」なんて言うつもりはないけど、佐藤さんの眼の動き、耳の使い方に注目すべき点があるのは間違いない。

*
ZINEをつくったから置いてほしい。ポスターを貼ってくれないか。そんなメールが、めちゃくちゃ多い。けっこうな割合でトンチンカンな依頼も混ざってて、断りの旨を伝えるだけで疲れてしまう。「〜に紹介されまして」って、重要な「〜」が誰だか分からなかったり。どうすりゃいいのよ。泣。

こうやって書くと誤解されるのだけど、共感できる趣旨の催し、小出版物はよろこんで引き受ける。近隣の催事の告知物も断らずに預かっている(例外あり)。直に持ってきてくれるなら、できるだけ話を聞くようにしたいのだ。

ではでは、今日も開店。オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ。

2026/04/09

4/9 店日誌


異なる意見に出会ったときに、自分の心理を制御して相手の言い分にも耳を傾ける「技術」は、家族以外の大人から叱られた子供時代の経験を土台にして出来上がるものだろう。その点で、昨今の若者(私ももはやこんな言葉を書くような年になったか)はある種の社会性欠落症だと言える。(佐藤允彦)

4月9日、木曜日。常連さんが貸してくれた、佐藤允彦『すっかり丸くおなりになって…』をなんとなく読み出して、膝を打つ。そうだよな、そうなんだよな〜、家族以外の大人に叱られる経験って大事なんだよな。それはなにも「子供時代」に限らない話で、20代いっぱいまで通用すると思うんだ。じっさい自分も20〜30代で他者にビシッと怒られたり、注意されたことはよく覚えてるし、同じことを繰り返さないように今も意識している。それらしく言い返すよりも、まずは受け止める。時間をかけて理解すればいい。

僕はムーヴィンにやって来たいろんな他者と関わることで大きな流れに飲み込まれ、まったく抗う術なく、ドンドン思わぬ方向へ押し流されていった。多くの雑多な人間との間の関係性の中で、僕の甘ちゃん精神は鍛えられることになった。(和田博巳)

今週あたまに訪れた西荻窪の〈音羽館〉で買ったのは、和田博巳『楽しい音の鳴るほうへ はちみつぱい●和田博巳の青春放浪記 1967-1975』。とっても軽やかで、エネルギーに溢れていて、流されるように一気に読んだ。和田さんが高円寺でロック喫茶〈ムーヴィン〉をはじめるのは21歳のときなんだからビックリする。はちみつぱいにベーシストとして本格加入するまでの3年足らずとはいえ、ムーヴィンの店主経験がかなりの濃いものだったことがよくわかった。

詩というのはどんなマス状況になっても一人一人に向かう。詩は一種の直撃力ですから、受け取る人がいるか、いないかということです。詩というものはわずかな人に向けるメッセージであるわけです。同時に、やはり一般大衆、マスに向けられている。そういう矛盾した二面性をもっているのが詩です。(北村太郎)

数年ぶりで再読したのは、北村太郎『センチメンタルジャーニー ある詩人の生涯』。この本は第二部の語りおろしが面白かった。矛盾、苦渋を語りながら、不思議と重たくないのは、北村太郎の人柄ゆえか。「犬の日々」が聞きたくなった。

今日も本を読みつつやってます。お暇があればお出かけください。

2026/04/08

4/8 店日誌


4月8日、水曜日。パラゴンズからジャッキー・オペル、タン・タンの『THEME FROM A SUMMER PLACE』へと流れる贅沢なレコード・リレー。タン・タンのシングルはラフトレードから出てんのか! レーベル面もシャレてんな〜と感じつつ、針をおろすと極楽だ。今朝のかわいた空気にぴったりの爽やかさ(メモ:スクリューってわけじゃないのだが、A面は33回転でもじゅうぶんに聴けた。ちょっと奇妙なインスト・レゲエって感じ)。

話題にしたばかりのバニー・ウェイラー『BLACKHEART MAN』を数種(サブスク版も交えて)、聴き比べられるようになって驚く。音のバランスがかなり異なるのだ。例えば、最終曲の「ディス・トレイン」。リマスター後と思われる近年盤は途中で入るギターが艶やか、音が立っているのだけど、1976年盤だとだいぶ奥に引っ込んでて、全体に平らになっている。その分、バニーの歌が自然になじむような印象あり。

詳しいことは書かないが、この数年、意識的に続けているジャマイカ音楽探求に大きな変化あり。テメーこれから頑張れよ! って感じの手荒くもやさしいお祝いだと思ってこの状況を受け入れる。センス不足を嘆いていても意味がない。小さなことでも意識的にここに綴っていく。

では、2日ぶりに開店! 今週もよろしくお願いします!

2026/04/07

4/6~7 雑記

カリーキッチン・エチオピア〜穂高〜ディスクユニオン〜JUHA〜音羽館〜ディスクユニオン〜ココナッツディスク〜闇太郎〜福郎〜中華街。お茶の水から西荻窪へ、吉祥寺の底力に触れた気がした(4/6)。朝は荻窪。久我山の寺町から和楽で昼食、武蔵野グリーンタウン。17時過ぎのバスに乗って吉祥寺、中央~総武線で秋葉原、TXつくば駅着は20時過ぎ。快速に乗らず、普通で帰ればさほど混んでない(4/7)。

2026/04/06

4/6・7 連休

今日、明日は連休です。

2026/04/05

4/5 店日誌


4月5日、日曜日。ご近所の古着屋〈may〉店主のホソヤさんに、原島"ど真ん中"宙芳『DOMANNAKA OIL MIX』を薦めるとすぐに買いにきてくれる。その足で開店、店内でもかけてくれていたようで、そう時間をおかずにメイの常連さんも同音源を目当てにご来店。いくつかの中古CD、古本といっしょに買っていく。うーん、これは嬉しい! いい流れ! レーベル広報誌を刷ってきたヒデさん、雑誌を売ってくれたオザワさん、イベント関連の話を持ってきたノグチさん、サクライさん&カキヌマちゃん。昨日はいいペースでお客さんが繋がった。

閉店間際にきた学生シーギは、〈つくば写真美術館〉の図録をみつけて即購入。決して安くはないのに嬉しいぞ! せっかくなのでビールで乾杯。そのうちツチダも混ざって小宴会。春の週末は慌ただしい。

*
「渋さ知らズオーケストラ」って名前をみると即効的に鼻白らむのは何故なのか。若かりし頃にフジロックでの演奏に衝撃を受けたのは間違い事実なのだが……。「本多工務店のテーマ」にともなう大団円前の怒涛のインプロ、フリー合戦をいまこそ味わってみたい気持ちもあるし、そんな軽いもんじゃないはずって思いもある。今こそ再検証が必要だ。

今日も通常営業! 明日、明後日(6日、7日)は連休です。

2026/04/04

4/4 店日誌

4月4日、土曜日。グレイトフル・デッドが身体に入ってきたのは20代後半、しばらく勤めていたCDショップを辞めて、野外フェス/パーティの制作を手伝っていたころ。なんの技術も知識もない自分に目をかけてくれたHさんがあちこちに連れていってくれる。「これる?」って声をかけられれば「いけます!」と応えて、山形、静岡、山梨、宮城、たまに東京にも行った。指定席は助手席(役割どおり!)でバカ話にゲラゲラ笑って、むせたりしながら、ジャムバンドの音楽を浴びていた。フィッシュが主でデッド、テデスキ・トラックスなんかも流れてた。

あれは山形蔵王での「龍岩祭」。超インディーズ・ステージのみちくさ堂でのサウンドチェック。3日間の会期中、朝いちばんでデッドやフィッシュが大爆音で流される。それが毎回、毎日、繰り返されるうち、あるときバチっとハマってしまった。ああ〜気持ちいいなあ……一瞬、我を忘れて、こりゃ特別だと理解した。

あと、2009年のメタモルフォーゼ。ど深夜から朝方にかけてのロータスのライブもめちゃくちゃ印象に残ってる。彼らのエレクトロ・ジャムを浴びながら、朝陽が昇ってきたときに、これか! こういうことか! 無条件に納得。伊豆のサイクルスポーツセンター、いい会場だったなァ。

*
神戸拠点の出版社〈和久田書房〉の第2作、慈憲一『レジスタンスのまちづくり』が新着入荷。「嫌いな言葉は“まちづくり”」ってところにめちゃ共感する。人も街も、上から誰かが操れるもんじゃない。どこそこを盛り上げたい! とか言うやつ、すぐにあきらめちゃうのは何でだろう。短くても10年は関わらないとダメだと思うのだが。

今日は悪天候予報なので、18時までの短縮営業。6日(月)・7日(火)は連休です。

2026/04/03

4/3 店日誌

マレーシアに生まれ、大阪を拠点に日本、中国、香港、バルカン半島などで映画を製作し、“シネマ・ドリフター”を自称する映画監督リム・カーワイ(林家威)。50ページを超えるリム監督のロングインタビューと、豪華執筆陣による批評・エッセイからその作品世界に迫る大特集。

4月3日、金曜日。爆音上映と映画配給にはじまり、書籍刊行や音源リリースも手がける〈boid〉が手かげる不定期刊雑誌『boid paper』vol.3の特集は「リム・カーワイ 今とここの間へ」。京都のリソスタジオ〈hand saw press Kyoto〉が印刷から製本までを手がけていて、判型は小さめながら文字はギッシリ、記事もヴァラエティ豊かで読み応えあり。リム・カーワイ? 誰ですか? って人でも楽しめるはず。

入荷以来、好評つづくvol.1の特集は「そこから先の湯浅湾」、vol.2は「空族の見た台湾」。必ずしも今っぽい人選ってわけじゃないのだけど、読み手を引き込むパワーがある。目配せ上手な雑誌ばかりで辟易している自分にとっては『boid paper』は頼もしい存在なのである。

分厚いし、高いねェ〜と驚かれつつ、いいペースで売れているのはジョン・ルーリー『骨の記憶』。上記した『boid paper』や『NEW FAST SPEED PUNK』とあわせて買ってくれる人がいるのは嬉しかった。この本は、早ければ週末中に補充予定。

では、今日も開店! 週明け6日(月)・7日(火)は連休です。

2026/04/02

4/2 店日誌

4月2日、木曜日。友人がいとなむ〈つるばみコーヒー〉の住所は「つくば市筑穂2-10-1ビーチストンハイツ101」、ざっくり分かりやすく伝えるならば、大穂のタイラヤのはす向かい。100円ショップセリアの並び。隣に植物店があって、すぐ近くには整体院やコインランドリー、床屋がある。駐車場は店裏に1台分。店内での飲食提供はしておらず、常時数種のコーヒー豆と抽出器具、ドリップパック、焼菓子、ジャズを主にした中古レコードを売っている。とてもわかりやすい店である。

つるばみコーヒーは、開店してからそろそろ1年が経つらしい。鹿児島の湯湯のときは「たかが1年、されど1年」と、したり顔でコメントしてたけど、つるばみには「ようやった!」と言いたくなる。言われる当人は喜ばないだろうけど、わきあがる気持ちを正直に表明すると、そうなる。

水曜定休は変わらないけど、今月から営業時間が11時〜19時となるらしい。店頭では開店1周年フェア? みたいなサービスもあるようなので、気になれば出かけてみてほしい。オンライン・ストアも稼働中。

*
2025年にリリースされた、mmm『Burnt』がアナログ化。音の配置がすばらしくて、ギターの音と歌声がよく聴こえる。一部の曲順が変わったことで、全体の印象も変わっている。CDをお持ちの方、サブスクで聴いている方にもおすすめしたい。

今日も通常営業! 在庫確認、本の買取に関するお問い合わせはお気軽に!

2026/04/01

4/1 店日誌

繊細で引き締まっているのに、木漏れ日のような柔らかさと包容力。そこに叡智と教訓が詰まっている。ラスタ思想の入門にも最適だ。(鈴木考弥)

4月1日、水曜日。ああ、どうして。なぜなのか。ディスクユニオンで見つけたバーニー・ウェイラー『ブラック・ハート・マン』を買わずに済ませた理由が見出せない。とくだん高かったわけじゃないし、CDでも愛聴していたのに。知ってる。分かってる。余計な金は使わない。そんな自制が働いてしまったのか……何度目の後悔だろう。買わなかったレコードほど忘れられなくなる。リントン・クウェシ・ジョンソンのファーストもタイミングが合わないまま、いまだに見つけられていない。

今月の催事は19日(日)に、石井“EC”志津男さんを招いてのトーク・イベント「インディペンデント、レゲエ、オーバーヒート ~石井“EC”志津男に聞く」のみ。間違いなく貴重な話が聞けると思うので、少しでも気になればぜひ足を運んでほしい。

「NEW FAST SPEED PUNK 2026」は、現代の日本で速いパンクを追求し続けている6バンドの音源を集めた6way split。各バンドには「2分以内、曲数自由、とにかく速い音源」を送ってほしいと依頼しました。」(GEVABOW)

本日発売! ファスト・パンクのコンピレーション『NEW FAST SPEED PUNK』は予約多数で残り1枚。各地に取扱店舗があり、参加バンドのライブ会場でも買えるようなので、気になる方は調べてみては。かなり特異な7インチ・レコード。

では、今日も開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

2026/03/31

3/31 雑記


朝、窓を開けると曇り空。いまにも降り出しそうだけど、もうちょい大丈夫だろ〜っと桜を見るべく歩きだす。枝ぶり見事な古木はいまだ9分咲き。どっしりした余裕を感じさせるのは、何百年かの経験ゆえか。そのまま移動した市庁舎裏の公園は満開。若さのある色、勢いで花びらを散らせている。こんな風に桜を観察したこと、あったかな。家に帰り着くころにポツンときて、そのままザーッと本降りになる。風もつよい。

いくつか用事を済ませたのち、出先のスーパー付近で友人たちに立て続けに遭遇、びっくりした。

2026/03/30

3/30 店日誌


3月30日、月曜日。7時前に家を出て、桜を見にいく。市役所分館裏手の公園は8~9分咲きという感じ。桜の木の下で朝マックのセットを食べたのち、ぐるっと遠回りをして大穂中近くの古木をチェック。見事な枝ぶり。ぐわーっと横に広がって、地面すれすれに花が咲いているものの、こちらは8分咲き。満開になった状態を見られるのは来年になるのかな。明日、明後日は雨予報だしなあ……と書いてはいるが、特段気落ちすることなく、ずんずん歩いて帰宅すると8時半過ぎ。朝の散歩は気持ちがいい。

*
PECKER +RYOJIRO FURUSAWA『INSTANT RASTA feat.MINAKO YOSHIDA』、Dave Grusin『DISCOVER AGAIN!』、TIMOTHY LEARY『You Can Be Anyone This Time Around』など、週末に買い取ったレコードに針をおろす。全部で7枚。これらは来週中には店に出すつもり。

重要なのは、注目すべき人がいると聞いたら、(…)お手軽に済ませようとしないことだ。実際に会ってみるまで噂を信じてはいけない。会いたいと思い続けることができて、あなたに準備ができれば、会えるときは会えるのだから。

北山耕平特集の『Spectator』37号を再読して、唸る。北山氏へのインタビュー、3部構成のテキストページはもちろん、巻末資料まで手抜きなし。パワーあふれる誌面に引き込まれて、時間を忘れたのは久しぶり。約4万字の「日本から一才の差別をなくす最後の方法」は今もって重要。ぜひ読んでほしい。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/03/29

3/29 店日誌

3月29日、日曜日。ヨシゾエさん、イシワタさんが本とレコードを売ってくれて、支払った分から色々と買っていく。スペクテイターを納品にきたアオノさんとミヤカワさんが鉢合わせて、よもやま話に花が咲く。買って、売って、また買って。その間にはイシガミさんが、ジョン・ルーリー『骨の記憶』『Small Book Talk』を購入。入れ替わるようにきたナツナさんは、豆大福『かんぽの宿はどこですか?』を買いつつ、いろいろ話を聞かせてくれる。いいペースで人がつづくと店にいるのが楽である。

常連さん、知人以外にも来店あり。最近、この辺に越してきたのかなーって感じの人がいる。横浜だったり、富山、奈良からきた人もいたのは先週だったか。3~4人でこられても困る場合が多いのだけど、1人で静かに見にくる人も少なくない。しみじみ、ありがたいなーと思ってる。

何より、ありがたいのは本の買取。いろんな人が本を売ってくれるおかげで、店は成り立っている。ただ……1つだけお願い。スペースに限界があり、5箱以上の買取依頼は事前に連絡をしてほしい。日程を調整した上で受け入れられるよう準備するので。

では、今日も開店! のんびり、ゆっくり、やってます〜。

2026/03/28

3/28 店日誌


3月28日、土曜日。北山耕平さんが亡くなったことを知る。あれは何年前だっただろう。青山ブックセンターでのトークイベントでお目にかかってサインをもらった。すらすらとペンを走らせて、丸っこい字を書いてくれた。編集者としての若き日々をつづった『雲のごとくリアルに』刊行記念のイベントで、聞き手はスペクテイター編集長の青野さん。なんの話をしてたか全く覚えていないんだけど、なにかの拍子で最前列のまんなかに座った人が妙なテンションで北山さんに絡みはじめて、場が困惑した。

この人、なにかキメてる? ってな感じの雰囲気で話の骨を折ったのだったか、北山さんが一喝。厳しい言葉で注意したような記憶があるのだけど、どうだったかな……。どなたか、この日のことを覚えている方がいたら、正確なことを教えてほしい。

20代前半、北山さんのつくった本がなければ、息苦しいだけだった。1970年代の『宝島』は今も大事に取ってあるし、『自然のレッスン』や『クイックジャパン』での曽我部恵一さんとの対談も好きだった。鍵はきっと“声”にある───あの頃、北山耕平の声が耳に届いたから、今の自分がある。

*
宮野裕司、土生“TICO”剛、石井マサユキからなる豆大福のファーストアルバム『かんぽの宿はどこですか?』が到着。小さくてさりげないけど、ここには豊かな音がある。ぜひ、聴いてみてほしい。

今日も何かしらの入荷があるはず。ご都合があえば、ご来店ください。

2026/03/27

3/27 店日誌

3月27日、金曜日。甲子園の第4試合、松戸の高校がダメ押しホームランを打ったところでラジオをストップ。山積みになってるCDを気まぐれにかけていく。ウェイン・ショーター、ジョン・コルトレーン、アントニオ・カルロス・ジョビン。さすがに聴かせる。冷たい雨ならレゲエじゃなくてジャズ・フィーリング。暖かい日の昼間はロックステディ、日暮れどきに大きめの音でジャズ(ウエスト・コーストもしくはバップ)を流すと気持ちが抜ける。さあ、今日は何を聴こうかな。

……とか気楽に書いてるけど、この数日は鼻詰まりがヒドくて閉口してる。両孔が完全封鎖されると、もうダメだ。本にも集中できず、人の声も耳に入らず、どうにかして通気口をつくるべくジタバタする。わりかし夜の調子がいいのはなぜだろう。

80年代初頭のロンドンのパンク・シーン、精神病、夢、イングランドの暗い歴史、生と死、幻視などを荒々しく混交させながら、精神科医の日記調で語られる、唯一無二のサイキック・アナーコ・パンク・ホラー。

オンライン・ストア〈平凡〉に入荷多数。ジョン・ルーリー『骨の記憶』に加えて、アナーコ・パンクバンド「ルディメンタリ・ペニー」の首謀者であるニック・ブリンコ『原初の叫びを上げるもの』も到着。古本と音源にも動きがあるので、ご注目を。

今日も通常営業! 本の買取、在庫確認などのお問い合わせはお気軽に。

2026/03/26

3/26 店日誌


3月26日、木曜日。真冬が過ぎても、陽のささない本屋のなかはうすら寒い。手先はヒンヤリ。手袋をつけることもある。本のページがめくりづらいし、作業の邪魔にもなるからすぐに外すけど、ストーブを出しときゃよかったなあと後悔する。そこに雨が降ったらまったく南無三である(©︎JUHA COFFEE)。店前を車がビシャーッと水飛沫をあげて通りすぎるばかり。いったい何台だろうか? 日に100台だとすると多過ぎるのかな。歩く人はほとんどいなくなり、ブックストアは無風地帯。

昨日もまあ、そんな感じで開店から16時過ぎまでの入店は荷物を運んでくれた西濃運輸と郵便局の配達員さんのみ。あ〜あって感じで「ジャズ・トゥナイト」の再放送を聴きはじめたところで1人。すぐに友人Kくん夫妻が続いて3人、さらにもう1人の顔見知りがきて4人。届きたてのジョン・ルーリー『骨の記憶』とやや高めの思想書が売れた上、オンライン・ストアではレコードが2枚買われたらしい。いやはや、ありがたい限り。

常に絶対にフォルテで演奏しよう。同じフレーズは使わないこと。共演者の音を聴いて、それに合わせちゃ駄目だ。つまりコラボレーションは抜きで、自分の道だけを走れ。(高柳昌行)

ヒマにまかせて読みはじめた、副島輝人『日本フリージャズ史』に夢中になる。「つまり濁音の魅力ですよ。綺麗でクリーンな音もいいだろうけど、それは空の上に抜けていってしまって、それでお終い。濁音というのは、言葉にならない心の内とか、少し湿った大地に入り込んでくる感じの音でしょう」って中村達也の発言も好きだ。

では、今日も開店。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/03/25

3/25 店日誌


3月25日、水曜日。筑波大は卒業式、色鮮やかな袴姿があちこちで目に入る。アパートから学校まで歩いていたり、友達集まって写真を撮っていたり。親御さんと思わしき大人と一緒の人もいた。スーツ姿ではしゃぐのは体育系っぽい男たち。式が終わったら謝恩会? 飲み会? ってのがあるのかな。今日1日は先輩、後輩たちから祝福されて、存分に楽しむのだろう。無関係の大人としては、みんな立派ですごいなーと思うのみ。

さあ、3月も最終週。たくさんの本と一緒にご来店を待ってます。

2026/03/24

3/24 雑記


朝イチで予約した〈Bespoke〉で散髪。羽山さんとおしゃべりしたのちピープルに寄って、作業をしてると荷物が届く。まずは大きな箱。送り状をのぞくと東洋化成、なんだっけ……と考えてピンとくる。ASOUNDだ。すぐに開けて中身を確認。やっぱり新譜が入ってる。今作もすぐに売れていけばいいのだけど、どうなるだろう。もう一つは『DEBACLE PATH』の鈴木智士さんがつくった単行本。ニック・ブリンコ『原初の叫びを上げるもの』、こちらは27日(金)から売り始めるもの。

午後は久々に〈土浦古書倶楽部〉に足を運んで、アラン・シリトー/永川玲二(訳)『土曜の夜と日曜の朝』など数冊の古本を買ってきた。

2026/03/23

3/23 店日誌

3月23日、月曜日。天久保1丁目〈aNTENA〉でのペンペンドンピーのライブから今日でぴったり1年だ。懐かしい。新田が「2週間/nishukan」の準備を始めていて、急遽場所を変えるだの何だのってことでライブ翌日に何人かでアンダーバーに集まったのを思い出す。話したって意味のないことに時間を費やしたんだけど、振り返ってみると楽しかった気がしてくる……デカいホワイトボードが持ち込まれたのが、あの晩のハイライト。

そう、桜の季節といえば「2週間」なのである。松本哉さん、二木信さんを招いてのトークイベント、その後の亀城公園での打ち上げ。楽しかったなァ。桜祭り真っ只中の広場にちゃぶ台を持ち込んでの飲み会。ワイワイ、ガチャガチャ、誰がいて何を話してたかは覚えてないけど、やたらに賑やかだった。

この1年、いろんなことがあった。たくさんの人に会った。〈つるばみコーヒー〉が開店したのも、去年の今頃なんだなあ(「ひっそりと」なんて書いちゃって、スマン。祝1周年)。

遅くなりましたが、今日も開店。のんびりやってます。

2026/03/22

3/22 店日誌

3月22日、日曜日。祝、開店5周年! 代田橋の集合地〈バックパックブックス〉が主催するパーティ「DETOURS」は本日開催……ってか、すでに始まっている。書店での出会いをベースにしたトーク、出店、写真展、DJありの第1部。17時半からの第2部には、代田橋の象徴・ロボ宙さん! つくばの友人・エスプラ! 元気印のアユちゃん! 『inch magazine』の菅原さんなどなども出演とのこと。バックパックブックス店主のユウトもラップするとは思われるけど、それは出かけた人のお楽しみ。シークレットゲストが控えるアフターパーティもあるとか!?

とにかく、身体が自由で都合がつけば、ぜひ出かけてほしい。会場は下北沢〈LIVE HAUS〉。オレは店もあり行けないけど、つくばや周辺の友人たちも出かけるみたい。1人でいっても怖くない! なんなら、帰るまでには友達ができるでしょ!

*
先週からまた怒涛の買取ラッシュ! おかげさまで店内はパンク寸前、いつも以上に歩きづらくなってます。クリーニングのち値付け、品出しもなかなか追いつかない状況だけど、ひとまずは手を動かすのみ。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく〜!

2026/03/21

3/21 店日誌


3月21日、土曜日。曜日感覚がおかしい。日曜みたいな体感があるんだけど、実際は土曜で身体の物差しがズレてしまってる。何曜、何日だろうか時間はいつも通りに過ぎていくし、やるべき仕事は変わらない。どーんとした前提は揺るがないものの、些細なとこで小さくグラつく。友人主催のイベントは今日だよね、ん、明日? 彼らがくるってのは明日だよね? え、それは今日か!? みたいなやり取りがすでにいくつかあった。祝日の空気感に、大きく作用され続けて10年以上、いまだに慣れないままである。

朝いちばんに針をおろしたのは『Dance crasher SKA to ROCKSTEADY』、1曲目のLord Crator「Big Bamboo」はコシのあるルーディ・カリプソ。そこからスカタライツ、メイテルズ、ドン・ドラムンド、ウェイラーズ、アルトン・エリスなどが続くゴキゲンな流れ。

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つくば市東光台の〈キッチン ソイヤ〉は今日で開店20年。ってことは2006年オープンで、その後まもなく自分は足を運んだわけだ。あの頃は店のまわりには何にもなくて、草っ原にポツンとソイヤが立っていたんだよな〜。自転車を走らせては、あれこれ話して、いろんな人に遭遇した。すごく懐かしいけど、思い返すと胸がザワつく。みんな若かった。

TX開業以降のつくば市内、どんどん変わっていく。人が増えるのはいい面あり、わるい面もある。消失した風景は少なくない。あらたに見つけることもある。ものごとの移り変わりに愕然としそうになっても、ぐっとこらえて暮らしていくのだ。

今日も通常営業です。山ほどの買取が続いて、パンク寸前でございます。

2026/03/20

3/20 店日誌


3月20日、金曜日。朝、開店前に店にいって通販購入分を引き上げ、ゴミ出しなどの片付けついでの勢いでストーブをしまってしまう。寒くなることもあるだろうけど気合で乗りきる! 灯油も高いしなァ〜〜〜! とか思っていると、吾妻光良&The Swinging Boppers「しかしまあ何だなあ」が脳内再生される。世知辛い世を温める名曲……って言っても、2006年発表だよ。この20年なんにも変わってないどころか不安は増すばかり。イヤなニュースは絶えず、時間だけが流れていく。

後向きに考えだすと止まらない。こうなりゃ無理矢理に、いい加減でもいいから、のんきな時間をつくらないとやってられん。そうでなくちゃ、人にやさしくできるわけもない。もうちょい余裕を持って生きられたらいいんだけど。

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mmmの声とギターの音は、ふーっと息を吹きかければ消えてしまいそう。目前で揺れる火を、立ち合ったみんなで見守るような演奏会。制限が多い分、集中できたしリラックスできた(こうして書くと、ツアーグッズとしてマッチとロウソクが売られていたのも納得)。

今日からの3連休、当店は通常営業。どうぞお手柔らかに〜。

2026/03/19

3/19 店日誌


1974年11月に開催した第1回ブルース・フェスティバルで、聴衆に最大の感銘を与えたのがスリーピー・ジョン・エステスだった。聴衆は大部分が20歳前後の若い人たちで、(…)そういった人たちも、70歳で盲目のエスティスの、予想を超えた力強い歌いぶりに驚嘆し、深い感銘をうけ、盛んな拍手を送っていた。(中村とうよう)

1974年11月25日、第1回ブルース・フェスティバル初日の幕があがり、スリーピー・ジョン・エスティスとハミー・ニクソンが目の前のステージに、本当にいた時、胸が震え出さんばかりの感慨に、拍手の渦の中、僕はなぜかある種の静かな気持ちになることができた。(山名昇)

3月19日、木曜日。オンライン・ストア〈平凡〉経由で、もしくは、直メールの通販で『寝ぼけ眼のアルファルファ』を購入した方々から丁寧な感想をいただくことが多い。住んでいるところ、年齢はばらばらだけど、音楽が好きで、それにまつわる文化を紐解くことにも興味がある。そんな人たち。ある人はデニス・ボーヴェルのDJがとても良かったと伝えてくれ、別の人は宇都宮のおすすめの店を教えてくれた。顔や声も知らない人となにか、大事なものを共有したような、そんな気持ちが芽生えてくる。

引用したのは、『スリーピー・ジョン・エスティス 1935-1937』のライナーノーツと『アルファルファ』所収の「ブルース・ライヴ! スリーピー・ジョン・エスティス」の書き出し部分。約50年前の歴史的場面に居合わせた2人の感慨が伝わってくる。

先々週末から品切れていた、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』が再入荷。それと同時に、駒沢敏器『語るに足る、ささやかな人生』も届いたのでご注目を(本書を読み解くZINE『Small Book Talk』も補充済み)。

今日は11時〜16時の短縮営業。明日からの3連休は通常営業です。

2026/03/18

3/18 雑記


予定ゼロの休業日。外出ついでの昼食(レストラン〈むらやま亭〉、なかなかのパンチあり)を経て、帰宅後すぐにコタツで寝てしまう。どっぷり沈み込むような感じで起きて、寝てを何度か繰り返すうち17時前に。今日の成果は何枚かのレコード洗浄、西村賢太『一私小説家の日乗(新起の章)』を読んだことのみ。

日が暮れる前にながめの散歩に出て、心身をリセット。休肝日。

2026/03/17

3/17・18 連休


今日、明日は連休です。

2026/03/16

3/16 店日誌

3月16日、月曜日。店に着いて、すぐに外に出る。近所のカワチ、カスミ、セリアを経由して筑波大学書籍部で新刊をチェック。お! ちくま文庫から佐田稲子『私の東京地図』が出てるじゃん。レーモン・オリヴェ(著)/ジャン・コクトー(絵)/辻邦夫(訳)『コクトーの食卓』ってのも面白そう。気になって、筑摩書房の新刊リストを確認してみると、橋本治『「わからない」という方法』も来月出るみたい。『だめ連の働かないでレボリューション!』も気になるなァ。

ぐるっと歩いて40分弱。後部にデカデカとした「ARB」ステッカーを貼っている車をみて、石橋凌のバンド? Tokyo Outsiders? とか考えつつ足を踏み出す。途中で昨夜着信のあった友人に折り返すと「あれ? 電話したかな?」ってところから面白い話に展開していく。誘ってくれた夏のイベント、参加するのが楽しみだ。

好評につき品切れている『Small Book Talk』は、たぶん今日再入荷。先週から多数の問い合わせをいただいている山名昇 音楽第1散文集『寝ぼけ眼のアルファルファ』は19日(木)には再販売できるはず。

今日も通常営業! 明日、明後日は連休ですので、ご注意ください。

2026/03/15

3/15 店日誌

『語るに足る、ささやかな人生』には、(…)小さな町の中で自分の手で生業や生活を作り、そこでの実感を大切にしながら生きている名もなき人たちが大勢出てくる。企業や開発といった大きな資本や物語に回収されず、(…)誇りを持って生きている彼らの姿には敬服するし勇気をもらえる。(宮里祐人)

3月15日、日曜日。つい先ごろ復刊された、駒沢敏器『語るに足る、ささやかな人生』(風鯨社)を読み解き、著者のたどった道のりを紐解いていく『Small Book Talk』が到着。この風変わりな形のZINEを編んだのは〈バックパックブックス〉店主の宮里祐人。店に集うお客さんや、駒沢敏器と関わりのあった作家、復刊を手がけた編集者へのインタヴューなどが収まっていて、すごーーーくいい仕上がり! すぐに買ってくれた友人と話しながら、ユウト、すげーな。やるよなーとか言いながら、こんなの作れてめちゃ羨ましい……筋違いの嫉妬めいた感情にとらわれてしまった。

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同じタイミングで届いたのは、当店にもファンの多いカンパニー社の新刊、昼間賢『ポール・ブレイ 即興の時を求めて』。昨年末の野外展示が好評だった『河童解放区記録集 石塚隆則野外彫刻展覧會』は、〈千州額縁〉からの直納品。どちらもオンライン・ストア〈平凡〉でも販売しています。

ああ、どうして、お客さんは同時にくるのだろう。開店から数時間はだーれも来ないでどっちらけ。なのに、15時頃からは数人グループが入れ違いに入店、散らかる棚を整理もできず、立ち尽くすのみ。一所懸命に見てくれるのはいいのだが、長時間ガサゴソされると、どうにも疲れる。

今日明日は通常営業! 明後日、明々後日は連休ですので、ご注意を〜!

2026/03/14

3/14 店日誌


カントリー・ジョーが、たった一人で40万人の観衆に「俺にFをくれ、Uをくれ、Cをくれ、Kをくれ」と呼びかけ「FUCK」と大合唱させてから、ヴェトナム反戦歌の代表曲を歌い、会場全体をひとつにしたような魔法を、(…)どうして使えなかったんだろう。(北沢夏音)

3月14日、土曜日。朝のラジオは天気にぴったりのトッド・ラングレンにはじまり、カントリー・ジョー・アンド・ザ・フィッシュへとつなぐ最高の流れ! カントリー・ジョーと聞くのと同時にひらめくのが上記の一節。2004年刊行の『Spectator』14号所収の北沢夏音「フリーに捧げる革命組曲」、1969年のウッドストック───ザ・フーのステージに闖入したアビー・ホフマンへの思いが炸裂するところ。

アビーたちイッピーがロックを反体制運動のために利用した、という見方があるのは知っている。それならロックはどうなんだ? 時代に合わせて反体制を気取っただけか? ロックは反逆の音楽(レベル・ミュージック)じゃなかったのか?

はじめて手に取ったスペクテイター、特集は「レベル・ミュージック・ジャンボリー」。忘れもしない横浜モアーズ6階の〈タワーレコード〉で出会って、危ない気配を感じてドキドキしながら買ったのだった(同店で『インセクツ』創刊準備号・生駒山特集を見つけたのも思い出深い)。

せっかくなので、カントリー・ジョーの「Vietnam Song」をどうぞ! (知ったような顔して書いてきたけど、動画を観るのはもしかして初めてか、オレ? 徐々に盛り上がってくる会場の雰囲気がエモーショナル。すぐれた意思表示だと感じる。)

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駒沢敏器『語るに足る、ささやかな人生』は本日、再入荷予定! 未知の方からも嬉しい感想をもらっている山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』は明後日までには再度補充できると思います。

ではでは、今日も開店! アイランド・ミュージック日和ですな〜。

2026/03/13

3/13 店日誌


3月13日、金曜日。本の表紙を「激落ちくん(スポンジ)」でみがいていく。紙質に注意してこすっていくと、ものによっては驚くほどにきれいになる。とくにタバコのヤニ。こするほどにスポンジ、ティッシュともに薄茶色になっていく。紙にこびりつく臭いも含めて煙って力があるんだなーと実感するからこそ、注意を促したい。あまりにも強烈なタバコ臭がのこる本、レコードなどは買取査定に影響します。当店に限らない話だとは思うけど、蔵書の整理を考えている方は何らかのケアをした方がいいんじゃないかと……。

あらかたのクリーニングを終えた本をビニール掛けすると、ちょいと大袈裟に言えば生まれ変わったような姿になる。手先が器用じゃないとは言え、これ位ならオレでもできる(二度目)。

今日も通常営業。オンライン・ストア〈平凡〉もどうぞよろしく。

2026/03/12

3/12 店日誌


3月12日、木曜日。朝のちょっとした時間にレコードをみがく。LKJ(LINTON KWESI JOHNSON)の『TINGS AN’ TIMES』と『IN CONCERT with the DUB BAND』。精製水とやわらかコットンを使ってスイスイ吹いて、パタパタ乾かす。わかりやすくヨゴレが落ちると妙に嬉しい。順に針をおろすと、音がきれいに伝わってきて、ジワーっと喜ぶ。古本のビニール掛けとレコード洗浄、この作業に没頭していると時間を忘れられて、気持ちが健やかになっていく。読書とは異なる手先の仕事。これ位ならオレでもできる。

ストレートなのに吟遊詩的、感情を荒げる事なく淡々と語られる事で戦闘性を増していくLKJの詩の世界……そしてそれを支える天才デニス・ボーヴェル率いる完璧なバックの面々……唯一のラブ・ソング「ロレイン」が胸に染み入る名作。(備前貢)

わがレゲエ・アンチョコのひとつ『レゲエ ディスク ガイド 603』(石井“EC”志津男・編)を紐解くと、備前貢氏がLKJ『BASS CULTURE』の項を執筆している。フライフィッシングの毛鉤職人である氏のレビューは簡潔にして詩的でもある。リコのワレイカのレビューもお見事だった。

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山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』、オンライン・ストア分は再度完売! 多くはないけど、店頭在庫あり。今週末中に購入希望の方はご来店いただくのが確実。入荷以来、好評の『語るに足る、ささやかな人生』は週末までには補充します。

さあ、今日も開店! 在庫確認、本の買取などのお問い合わせはお気軽に〜。

2026/03/11

3/11 店日誌


このファースト・アルバムは、ポエット&ザ・ルーツという名前で発表された。ポエット“詩人”こそ、リントンが自ら名乗る、彼の名である。(…)このアルバムで、マトゥンビのリーダー、ブラックベアードことデニス・ボーヴェルは、エンジニアとリミックスを担当し、1曲の演奏にキーボードとギターで加わっている。(山名昇)*

3月11日、水曜日。ふたたびLKJ熱が高まっている。きっかけはたぶん、キタヤマくんが買ってきてくれた『ベース・カルチャー』(CD)。もともと好きな作品なのだけど、やっぱり特別。これに似たものってありそうでないんだよなあ〜と思うと同時に数年前に買い逃した『ドレッド・ビート・アン・ブラッド』(LP)の記憶がよみがえり、なぜあのとき買わなかったのか! 悔恨の念にとらわれる。アップル・ミュージックで耳に入れることはできても、アナログ盤で体感しなけりゃ意味のない作品なのに。

用あって出かけたユニオン柏店で『ドレッド〜』(CD)を見つけたので迷わずに買う。この作品でギターを弾いてるのが誰なんだろうか……と書いて思い出す。数年前にもLKJのことをブログで取り上げていた。友人ムーちゃんから『ベース・カルチャー』のLPをもらったときだ。

手元にある3枚のレコードでギターを弾く、ジョン・クパイの手数がほどよく、耳がひかれる。ベーシストであるバンドリーダー、デニス・ボーヴェルの音作りが秀逸ゆえか、聴くほどに身体になじんでいくような感覚がある。

おお、なんと! 2021年11月1日付の雑記で書いているじゃないか。ここでの「手元にある3枚」には『ドレッド〜』は入っていないけど、好みの音には変わりがないはず。さっそく答え合わせしてみよう。(⇨結果:クレジットされているのは「Floydie Lawson」「Vivian Weathers」の2者だった)

では、今日も開店! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を!

*山名昇『寝ぼけ眼アルファルファ』所収「LKJ」より

2026/03/10

3/10 雑記


ディスクユニオンのオンライン・ストアで店舗受取のオーダーをしていたMilt Jackson Quintet featuring Ray Brown『THAT’S THE WAY IT IS』が到着とのこと、定休日をつかって柏店まで取りに行く。つい魔が刺してジャズコーナーをチェックするとお目当て盤があるじゃん! しかも、ずっと安いじゃん……。1000円ほどの違いにそこまで気落ちしなくていいはずなのだが、ドヨーンとしながらレジにて購入。やっぱこのジャケ、最高。超クールだぜ。って感じで強がりながらもしばし逡巡してしまう。

ええい! これでよかったんじゃい。柏の町からサッサと電車を乗り換えて、つくば駅着。13時37分には晴れ間がさしていた。せっかくだし店まで歩くかーっと30分ちょい。着くころには汗ばんでいた。

またしても怒涛の注文が入った『寝ぼけ眼のアルファルファ』をまとめて発送。そういえば、ユニオンで見つけた『THE DIG』ジョー・ストラマー追悼号にも山名さんが寄稿していて、それがまあまあ驚きの内容で、あらたな興味がわく。本人にこの話を聞いてみたかったなーっと思うのだが、こればかりは仕方なし。今やるべきことに向かうべし。

※昨日、今日は休肝日。いいペースで飲酒量を減らせていて感じるのは、飲むも飲まずもけっきょく習慣であり環境なんだなーということ。でも、「飲んでない」マウントは好きじゃない。自由に飲んだらいいじゃないか。

2026/03/09

3/9 店日誌


3月9日、月曜日。サンキュー、サンキュー、いつもありがとう。毎年ここに書いてる気がするけど、父親と友人のヨシオさんの誕生日。当たり前だけど、親がいなかったら自分はいないわけだし、友達がいなかったら、こうして普通に暮らせる日々もあり得ない。綺麗事かい! っと突っ込まれるかもしれないけど、そう思ってるから書いている。てなわけで、サンキュー、父ちゃん。サンキュー、ヨッシー。これからもよろしく。

販売再開から多くの問い合わせ頂いている、山名昇『寝ぼけ眼のアルファルファ』(1984年初版・私家版)が再入荷。店頭はもちろん、オンライン・ストア〈平凡〉でも購入できるので、ぜひご利用ください。

では、開店! 急ですが、今日は18時までの短縮営業です。

2026/03/08

3/8 店日誌


3月8日、日曜日。今日は台風クラブ主催「茶話会」に出店するため、店舗営業は休み……なのですが、天久保1丁目の地下で〈PEOPLE BOOKSTORE アンテナ廊下店〉として営業します(13時〜)! イベント不参加でも廊下は入場大歓迎! 時間によっては〈千年一日珈琲焙煎所〉のコーヒーも飲めるし、台風クラブのグッズ見られるのでは。なんなら茶話会を覗いていってもいいと思います。気が向いたらぜひ遊びにきてください。

明日9日(月)は通常営業です。明後日火曜は定休日。

2026/03/07

3/7 店日誌


3月7日、土曜日。まだあんまり知られていないようなので、ここでもお知らせ。きたる5月30日(土)、ロケットマツ率いる大所帯バンド「パスカルズ」の公演が開催される。会場はTXつくば駅から徒歩5~10分ほどの中規模ホール〈つくばカピオホール〉。時間、金額などの詳細は遠からずこちらで公開されるはず……なのだけど、その前に! 「2026.5.30 ことはじめ」と題された関連企画「石川浩司 ソロライブ「出前ライブでアッハッハッー」ってのもあるらしい。こちらの会場は、つくば市東光台の〈キッチン ソイヤ〉。ただいまご予約受付中。

その後、「打ち上げ」企画もあるとかないとか? そちらは天久保1丁目〈aNTENA〉で? なーんて話もおいおい聞こえてくる思うので、乞うご期待。当店としてはひとまず明日の「茶話会」を終えてから、いろいろ受け取り、考えるつもり。

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パカーンと打ったボールがスタンドに入って、大谷選手がゆっくり走り出す。こんなにも現実味のない満塁ホームランってのも珍しい。友人たちと画面を眺めていて、妙に白けてしまった。ケチをつけたいわけじゃなく、当たり前に凄すぎて、不感症気味なのである。

今日も通常営業! 明日は店舗営業は休んで、天久保1丁目に出張します〜!

2026/03/06

3/6 店日誌


3月6日、金曜日。店にいるといろんな人が催事、展示の案内を持ってきたり、腹案を話してくれたりする。おお〜いいっすねえ! いいじゃん! そう言えれば気持ちがいいし楽なのだけど、う〜ん、何も言えん……ってなことも少なくない。そもそも相手は相談してるわけじゃないし、こちらもその手の話に乗るつもりもないわけだから、うまくいけばいいですね〜と声をかけるだけである。挙行できれば第一歩、計画倒れでもその後のリカバリー次第では無意味じゃない。やろうとする意思を持ったことが大事なのだと思う。

そんなわけで今もレジ前(上か?)は複数のチラシが折り重なっている。紙にして宣伝、告知ってのもありふれた行いのようで、それでしか作れない立体感がある。ネットの情報、画面だけで伝えられることもある。伝播力学への感性があるかどうかで告知の面白味が決まるのはまちがいない。

自分が、店として関わる催事は今月と来月に一つずつ。それ以降、5月にも出店するかもな〜っと思われる大きめなライブがある。まだどうなるかは分からないけど、関わる以上は手を抜かずにできたらいい(全力、本気でやります! ってな言い方はどうも出来ないんだよなァ)。

今日、明日は通常営業! 明後日8日(日)は天久保1丁目で出店です。