2020/07/31

『ロルカ詩集』


フェデリコ・ガルシア・ロルカ/長谷川四郎・訳『ロルカ詩集』が届きました。
1967年にみすず書房より刊行された同名詩集を底本として再編集。軽やかな手触りの詩集になりました。装飾を排した表紙カバーのデザインがかもし出す佇まいには、好感を持つ人が多いでしょう。是非、直に手にしてほしい一冊です。

販売価格は2200円(税込)。訳者によるあとがきもお見逃しなく。

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フェデリコ・ガルシア・ロルカ Federico García Lorca
スペインの詩人・劇作家。1898年スペイン・グラナダ近傍に生まれる。グラナダ大で哲学、文学、法律を学んだのち、劇作にうちこむ。1936年、スペイン内乱勃発の数日後にファシストのファランへ党により射殺され38歳の生涯を終える。詩集に『詩の本』『カンテ・ホンドの歌』ほか、戯曲に『血の婚礼』など。


長谷川四郎 はせがわ・しろう
文筆家。1909年、函館に生まれる。37年に満鉄入社、大連に渡る。
その後招集され、シベリアで捕虜生活を送ったのち、50年に日本帰還。
著書に『鶴』『シベリヤ物語』『中国服のブレヒト』など。


『LOCKET』04


未知への扉を開きたい。あるいは、未知への扉なんてそこかしこにあることを思い出したい。そう考えたとき、どこにでもあるコーラこそが扉を開く鍵にふさわしく思えた。当然視された存在に改めて目を向けるとき、既知の世界は枠組みが揺らぎ、未知への扉がそこかしこに立ち現れるはずだ──コーラをめぐる冒険へ。

独立系旅雑誌『LOCKET』4号が届きました。
1年4ヶ月ぶりの最新号、その特集は「コーラ」。なぜ旅雑誌がコーラを取り上げる? と思う方もいるでしょうが、読めばその疑問は吹っ飛ぶはず。コーラを切り口に約120ページを見事に構成、奥深さすら感じさせます。手触りがとても良いので、気持ちよく読めると思います。

販売価格は1760円(税込)。広告なしで、よくこの値段にしてくれました。天晴。

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書名|『LOCKET』 第4号 COLA ISSUE
特集|「コーラをめぐる冒険へ」チュニジア、ニュージーランド、ロシア、アメリカ
発売日|2020年7月31日
サイズ|B5変判(237mm×182mm)、本文128ページ
価格|本体1,600円+税
部数|2,000部


編集長|内田洋介
デザイナー|大谷友之祐(Yunosuke)

005|コーラをめぐる冒険へ
006|旅から連れ帰ったモノ、コト、ジブン
007|CONTENTS
008|いのちの水、コーラの密売 石川直樹|写真・文
010|チュニジア 迷宮行
030|時代を読む、ラベルも読む 吉岡 乾|文
032|ニュージーランド 聖地聖水
049|コーラを読む pater|イラスト 蔵前仁一、ケイン樹里安、村上由鶴、山本大樹|文
066|Finding Pepsi Landscapes 町田ヒロチカ|イラスト
070|ロシア 開放区
084|ソ連とコーラの悲喜交交 ほちかなた|イラスト
086|モリ・コーラは世界をつくる モリテツヤ|文
090|按田餃子の自家製コーラ 土田 凌|写真
094|ご当地クラフトコーラプロジェクト ともコーラ 武田侑大|イラスト
098|コーラ熱中時代
104|アメリカ 野良徒歩旅行者 河戸良佑|イラスト・文・写真
113|コーラの源流に立って 伊良コーラ 福本玲央|写真
122|MAGAZINE INFORMATION
123|NATURAL BORN STRANGER #4 背骨の旅人 奥村 忍 飯坂 大|写真


7/31 店日誌


7月31日、金曜日。九州、中国四国地方に加えて近畿地方も梅雨が明けたらしい。案の定というべきか、当地は早速きびしい暑さのようで、身体にこたえる季節がつづく。今、覚悟しておいても圧倒的な暑さがくればきっと弱音をはくのだ。よく寝て、歩く。ほどよく呑む。その配分を上手いこと保っていきたいと思う。

買いとった本たちをどんどん棚に並べていきます。店にいるのは、20時まで。

7/23-7/31 本日誌


いつでも何かを読んでいなくちゃ駄目だ、と彼は言った。文字通りに本を読んでいないときでも。じゃないと、世界を読むなんて不可能だろう? 読むというのは不断の行為だと考えた方がいい。(アリ・スミス 木原善彦・訳『秋』新潮社)

7月23日。妻が図書館で借りてきた、アリ・スミスの『秋』の中で見つけた一節。断片的な会話、やり取りが並べられる構成で、通読しても大きな話はつかめなかった。ただ、上に引いた箇所がつよく印象に残った。ダニエルという老人が語った言葉。

*

7月24日。朝5時くらい、カラスの鳴き声で目が覚める。燃えるゴミの日だからだろうか。そのまま起き出し、軽く本を読んだところで妻と一緒に散歩に出る。人の少ない田んぼの道を歩くと、15分ほどで神社に着く。朝は静か。空気も綺麗。賽銭を投げてお参りを済ませたところで、神主さんの朝の儀式がはじまった。一通りの順序を経て、最後に和太鼓を叩き出す。そのリズムが面白い。いいものを見たねえと話しつつ、家に帰る。


東京五輪に合わせて設けられた祝日、今日はスポーツの日というらしい。まったく安直。くだらない。そう思っても世間は祝日。店を開けると、人がけっこうやって来る。特に夕方以降、久しぶりの友人や知人、はじめましての方々など次々にご来店。ありがたい。けれど、疲れる。ポッと空いた隙をみてビールを飲む。すごく美味かった。

音頭場で買える食べ物は決して美味ではないし、値段も割高である。ただし、こういう場所で味だの値段を云々するのはナンセンスだ。デリーシャスだのコスパを云々するならスマフォに頼って他所へ行け。(鷲巣功『河内音頭』ele -king books)

敬愛する方に薦めてもらって、少し前に購入していた『河内音頭』。与しがたい雰囲気を放っていてなかなか手に取らずにいたのだけれど、思いきって読みはじめて、すぐに見つけたこの台詞。ああ、大丈夫。きっと気が合うと感じて、味読している。著者の鷲巣功さんの語り口に独自にイントネーションを感じる。鷲巣さんの話に耳を傾けているような感覚を覚える。

*

7月25日。朝からつよい雨。ザーッと降って、止む。セミが鳴きだす。これが午前中から幾度も繰り返される。油断して出かけるとずぶ濡れになる。店を開けた13時ごろは曇り空、ここから2時間も経たないうちに大雨、雷。自転車で走る若者たちが走る、走る。店に来る人は少ない。今日はこのまま静かに時間がすぎるのだろうか。

店をほうって、コンビニでコーヒーを買って帰ってみると、友だちがいてビックリする。流れのまま軽くビールを飲むうち、お客さんがやって来る。不思議なことに一度来店があるとひっきりなしに誰かが来てくれる。すごく久しぶりにライターの木村衣有子さんも来てくれた。色々と話が出来て楽しかった。サッポロラガー(通称赤星)のことなど。

シーナさんが口についたビールの泡を手でぬぐった。そう、やはり、このころからシーナさんはビールの人だった。(亀和田武『夢でまた逢えたら』光文社)

本を読んでいて、ふと、懐かしい気持ちにとらわれる。そうだった。自分は二十代のはじめ頃、椎名誠さんの著作と波長が合い、勢いまかせに読んでいた。そうするうちに、元々好きだったビールがより一層好きになった。今も続けている缶ビールをコップにうつしてのむ習慣も、元々は椎名さんの真似なのだ。

軽妙なエッセイ集のような顔をしたこの本、『夢でまた逢えたら』はとても面白い。ゴシップめいた話もあれど、社会批評としても十分に通用する。

*

7月26日。謎の四連休、最終日。朝から雨がつよく降っている。よくもまあ、毎日降るもんだねえ、なんて話していたら、昼前から急に晴れる。太陽が顔を出すと、いきなり夏になる。FUJI ROCK FESTIVAL開催中の苗場スキー場を彷彿させる温度、空気。ちょうど良く遊びに来た友人と開店早々ビールをのむ。この連休中は序盤は静か、中盤、夕方頃からお客さんが動き出す流れが続いていたのだけど、この日も同じ。閉店の20時まで来客が絶えず、驚いた(とは言え、後半はポツリポツリという感じ)。

なにか見えたような気がして一年一組一番が植え込みに近づくと、そこには白くて丸いものがあった。(柴崎友香『百年と一日』筑摩書房)

早い時間からビールをのんでしまったし、知り合いが何人か来てくれたこともあって、昨日買ったばかりの『百年と一日』は冒頭の一文から全然進まなかった。

*

7月28日。蒸暑い。雨はやまない。静かに本でも読もうか、と思っていたところに段ボール二箱分の買取依頼。以前からちょこちょこ来てくれていた読書家のスケーター、Hくん。東京に引っ越すにあたって蔵書を整理したいらしい。これが、なかなか力のあるコレクション。とりあえず預かって、明日までに査定をする約束をする。そこから知り合いの来店が続く。同時に、さらに買取が2件。その間、友人たちとしゃべる。そうすると、自分の時間はまったくない。今日は本が読めなかった。

*

7月29日。とても静かな一日。お客さんも少しだけ。気がつけば、売上ゼロという日はほとんどなくなった。わずかではあれ、何かしらの売上はある。でもそれは最近のこと。昨年までは、年に何度かあったはず。

いろいろの生き方があるとは思いますが、七十数年生きてきてはっきり分かったことは、やりたいことをして生きるのがいちばんよさそうだということです。ぼくも、やりたいことだけやってきたとは思いませんが、少なくともやりたくないことはやらないで生きてきたとは言えるかもしれません。(木田元『闇屋になりそこねた哲学者』晶文社)

以前、知り合いの方がすすめていたように記憶している『闇屋になりそこねた哲学者』を古本屋で手に取る。終始、丁寧な語り口ではあるのだけど「ケンカはプロですから、どの程度のことをすればどうなるという計算は本能的にできますので、ギリギリの脅し方をしてやります」なんていう言葉もあり、著者の木田元さんに興味が増す。

*

7月30日。お隣〈千年一日珈琲焙煎所〉で開催している河合浩さんの個展もあって、人の出入りが多い。知り合いも多く混ざるので、話す機会も増える。一昨日、沢山の本を持ってきてくれた若者にお金を支払う。しっかり値段をつけたので、喜んでくれる。その後、知り合いのアナキスト、Kさんが貴重なアナキズム関連書をわけてくれる。近年、大きな関心を持っている分野なので、興奮する。与しがたいものもあるけれど少しずつでも読んでいこう。そんなこんなで、今日はまったく本を読めず。終盤はやけになってビールをのみ、閉店となる。面白い一日だった。

*

7月31日。賑やかな一日。だけれど、売れた本は一冊だけ。何年かに一度ある、こういう日。やたらと人が来て、よく話し笑って、ハッと気がつくと売り上げはほとんど無し。当然本は読めていない。むなしい。さみしい。という感慨はないけど、ほんの一瞬「何やってんだか」と思う。でもまあ、これが自分の店か。とすぐに持ち直す。こういう日が何日も続くと、さすがに参ってしまうのか。どっこい、それこそ店だろうと開きなおっていられるか。出来れば自分は後者でありたい。

後半、やや息切れしたけれど、これがほぼ一週間の記録である。扉さえ開けていれば、誰が、いつ、来てくれるかよめないところが店の醍醐味。ときに渦に呑まれるように時間が過ぎて、エネルギーも吸い取られる。静かに、自分の内面と向き合っているうちに過ぎる時間もある。ほどよく来店がありつつ本も読めるときもある。それ以外、言葉にできない平板な日も多い。今後もうまく、店と付き合っていければいい。


2020/07/30

7/30 店日誌


7月30日、木曜日。お隣の〈千年一日珈琲焙煎所〉で開催中、河合浩個展「FRAGMENTS」は二週目に。会期は二週間強の設定だけれど、お店の定休日もあり残す日数は今日をいれて、あと8日。けっこうな速度で変わっていく河合さんの作風を考えると今、現在の絵を見られる貴重な機会。ぜひ足を運んで頂きたい。ちなみに、作品はすべて購入可能。

今日は20時まで店にいます。日々、何かしらが入荷しています。

2020/07/29

7/29 店日誌


7月29日、火曜日。昨日は店を開けて、雨だし蒸暑いし、どうしたものかとボンヤリしていたら大きな買取依頼があり、驚いた。その後も知り合いを中心に来店が絶えず。よく話し、沢山の本を触った一日だった。扉を開けてさえいれば、誰かしらが来てくれる。店というのはやっぱり不思議だ。

今日は19時まで店にいます。雨季、なのでしょうか、この長雨。

2020/07/28

7/28 店日誌


7月28日、火曜日。蒸暑い。家から歩いてくるだけで汗だくだ。店に着いたらすぐに扇風機、冷房のスイッチを入れる。そして、音楽をかける。今日はThe Miceteethの『Baby』だ。「夏の面影」から「TALK TO STUDENT」、「レモンの花が咲いていた」の流れが素晴らしい。つい、ビールをのみたくなる。

今日は19時まで店にいます。7月も最終週、ご都合に合わせて無理なくご来店ください。

2020/07/27

7/27 家日誌


音楽が違うと、違う店みたいに見える、若い店主はカウンターの中から店内を眺めてよく思った。なにも変わらないのに、何十年前から同じ壁も、違う色に見えた。

サム・プレコップ、ミルトン・ナシメント、ジョニ・ミッチェル。今日買ってきたレコードを順番に聴きながらビールをのんでいる。ソファに身体を預けて、柴崎友香の新著『百年と一日』を読む。この本とは波長があう。すごく、いい気分。グッド・フィーリング。

2020/07/26

会期終了:「Photo Beachcombing:Japanese Found Photos」




Photo Beachcombing:Japanese Found Photos(from the collection of Yusuke Shinozuka)」
会期 2020年7月18日〜26日(会期中無休)11時〜19時 ※会期終了
会場 gallery Y(つくば市天久保1-8-6グリーン天久保201)

『Portland Diary』


SHOTARO KITADA『Portland Diary』が届きました。
北田正太郎さんが2015年の1月から9月までの約8ヶ月間滞在したオレゴン州ポートランドでの日々を記録したもの。なんて事のない、かの地での日常を写真と短文とで伝えてくれるシンプルな構成で、ポートランドが独自の文化を育む理由を感じさせてくれます。

販売価格は3200円(税込)。大判ですが軽い気持ちでめくってみてほしいです。

『LINES AND COLORS ON PAPERS』


SHOTARO KITADA『LINES AND COLORS ON PAPERS』が届きました。
2018年12月に東京都千代田区のギャラリー〈ANAGRA〉で開催された同名の展示を基にして制作された作品集。パッと見の親しみやすさと作家自身のさめた視線とのバランスが絶妙で、他にはない深み、味わいが生まれているような気がします。

販売価格は2200円(税込)。200部限定のファースト・エディション。

『THIS LOVE』(cassette tape)


現行チカーノソウル名曲をサンプリングしLowなビートに落とし込んだタイトル曲「this love」をはじめ、モダン・ジャズ、アダルト・コンンテンポラリー、スピリチュアル・ジャズ等から受けたインスピレーションにいまの状況を色濃く反映させたソウルフル・ダウンテンポな18曲が収録されています。

KEITA SANO『THIS LOVE』(MAD LOVE Records)が届きました。
ベルリン在住のエレクトロニック・プロデューサー、KEITA SANOの新作BEAT TAPE。「今までのKeita Sanoの破壊力のあるディスコ・ハウス路線とは一線を画したジャジー&ムーディーなインストゥルメンタル・ヒップホップ~プレイクビーツ小作品集」と公式案内にある通り、今、こういう音源が欲しかった! という感じのちょうど良さ。繰り返しても飽きないし、重くない。流しっぱなしにしておけます。

販売価格は1650円(税込)。DLコードが封入されているので、カセットテープを聴ける環境がなくてもお楽しみ頂けます。

7/26 店日誌


7月26日、日曜日。暑い! いよいよ梅雨明けか! と、錯覚するような空模様。朝から雨でどうも元気が出ないな〜と思っていたら、晴れてしまった。急に夏が来たようで戸惑ってしまう。けれど、やっぱり心は弾む。枝豆と缶ビールで早速始めてしまいたい。

今日は20時まで店にいます。お時間があれば、ご来店ください。

2020/07/25

7/25 店日誌


7月25日、土曜日。雨がザーッと降って、止むとすぐにセミが鳴き出す。こうして日々、店にいると、この季節は音が多いんだなあと気がつかされる。目の前の林(と言うか筑波大学)にはヒグラシが多いようで、夕方になるといっせいに鳴きはじめる。これもまた、この場所の特性と言えるだろう。

今日は20時まで、店にいます。お暇があれば、ご来店ください。

2020/07/24

7/24 店日誌


7月24日、金曜日。世間的には連休2日目とのこと。昨日が祝日らしい人の動きで賑やかだったから、曜日感覚がくるってしまった。身体的には今日が土曜日という感じ。しっかりと意識をしないと、ゴミ出しの日を間違えてしまいそうになる。

当店は連休とはまったく関係なく、いつも通りに開けています。

2020/07/23

7/23 店日誌


7月23日、木曜日。今日から謎の四連休がはじまっているらしい。極力出かけないでください! というのと、出かけるとお得ですよ!  という声がけが同時にされる緊急事態。笑わせてくれる。とりあえず、自分はいつも通りに店を開けて、しずかに生活する。ああ、五輪の開会式がなくて本当によかった。

今日からお隣で河合浩さんの個展「FRAGMENTS」が始まっています。

2020/07/22

7/22 店日誌


7月22日、水曜日。明日からお隣〈千年一日珈琲焙煎所〉で河合浩さんの絵の展示「FRAGMENTS」が始まります。会期は8月9日(日)までの約二週間(月、火、水がお休みなので、お出かけの際はご注意を)。ご近所〈gallery Y〉で開催中の篠塚祐介写真展「Photo Beachcombing」は7月26日(日)までの会期です。この期間に天久保一丁目、三丁目を行き来してくれる方がいれば嬉しいです。

冷蔵庫には、サッポロラガーが入っています。お暇があればご来店ください。

河合浩個展「FRAGMENTS」


河合浩個展「FRAGMENTS」
会期 2020年7月23日(木)−8月9日(日) ※月・火・水定休
会場 千年一日珈琲焙煎所(茨城県つくば市天久保3−21−3星谷ビル1−F/G)

2020/07/21

immeasurableの三作品


今一度、Record( レコード ) という言葉が、音盤と共に ‘記録 ( する )’ という意味を有していることに注視したい。 immeasurable では記録する媒体の特性 (= メディウム・スペフィック / ポスト・メディウム・スペシフィック ) を作家、リスナーに意識させる レーベルとして活動する。それは記録に留まらない、知覚と記憶に向けた意識への呼びかけであり、人々の感性を豊かにする一つの運動である。

アートアソシエーション/音楽レーベル「immeasurable(イメジャラブル)」がリリースしている三作品を在庫しています。前回入荷時に好評だった柳沢英輔『Wetland』は再入荷。Youngso noによる『18:33-19:43』は今回が初入荷。公式情報によれば「偶然に現れた音と、人間の聴覚外に存在する電波を音声変換した音とが 限られた時間の中で絡み合う 70 分のサウンドスケープ」。

販売価格はすべて1870円(税込)。秋山伸(edition.nord)によるジャケットデザインは、他では見られないもの。是非、直接手にして頂きたいです。

7/21 店日誌


7月21日、火曜日。天久保二丁目にある〈ベッカライ・ブロートツァイト〉の店主、菅原さんに教えてもらった映画『パブリック』を昨夜、レイトショーで観た。確かに図書館を舞台にした作品なのだけど、「図書館の奇跡」という副題は余計だろう。あの場に偶然はあっても奇跡はなかったと思う。人が他者にはたらきかけるエネルギー、その発露を描いたシーンに心が動いた。

今週もよろしくお願いします。明後日からの謎の四連休も通常営業です。

2020/07/20

7/20 家日誌


先週は手ごたえのない日々だったなと振り返る。それでも、すごく久しぶりに来てくれたあの人、いつもの彼、彼女とのやり取りが不毛だったとは思わない。単に来客数が少なかったということだ。店を続けていれば、こういう時もある。

2020/07/19

7/19 店日誌


7月19日、日曜日。松本のレコードショップ〈MARKING RECORDS〉の通販サイトで購入したレコード、『MY HEART IS AN OPEN FIELD』。TENCIというグループはまったくの初耳だったのだけれど、「JOY」という曲に惹かれて、買ってみた。朝もやのような、声と音質。起きぬけにぼんやりしたまま聴くと、とても良い。

本の買取依頼、大歓迎です。お気軽にお声がけください。

2020/07/18

7/18 店日誌


世界について知れば知るほど、世界はますます捉えがたい、ますます混乱させられる場になっていくと信じているのは自分一人でないことを私は知った。
−ポール・オースター『ナショナル・ストーリー・プロジェクト①』編者まえがき より (柴田元幸 他 ・訳)

7月18日、土曜日。開店前の時間をつかって、天久保一丁目の〈gallery Y〉で今日から始まった写真展「Photo Beachcombing:Japanese Found Photo」をのぞいてきた。同展の初回とはことなる印象を受ける。ピーカンの晴れの日よりもこういう天気に合う展示だと思う。もし、興味があれば是非足を運んでみてほしい。

今日は20時まで店にいます。お暇があれば、お運びください。

「Photo Beachcombing:Japanese Found Photos」






「Photo Beachcombing:Japanese Found Photos(from the collection of Yusuke Shinozuka)」
会期 2020年7月18日〜26日(会期中無休)11時〜19時 ※作家在廊日:18,19,23,25,26日
会場 gallery Y(つくば市天久保1-8-6グリーン天久保201)

ENTERTAINMENTの新作


作家集団「ENTERTAINMENT」の新作がひっそり公開されています。
写真の「(Re:)展覧会」、「制作マニア(MAD MAKING MANIAX)」という二型のTシャツに加えて、即興版画グループ「vivian sui methodo」による作品集も確認できました。毎度、彼らの動き方には刺激を受けています。

品切れの作品以外、旧作も含めてすべて「ENTERTAINMENT」のBASEで買えます。要チェック。

2020/07/17

『WANDERING』を販売します!


Yossy Little Noise Weaver『WANDERING』を販売します。
2018年発表のアルバム『Sun and Rain』リリースにあわせて制作された『GHOST』以来、久しぶりの7インチ・シングルはyossyさんとicchieさん、お二人によるデュエットで織りなすポップソング。B面にはインストを収録しているそうです。

販売価格は1760円(税込)。8月16日(日)発売予定。本日からご予約を受け付けますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

7/17 店日誌


7月17日、金曜日。最近、朝のラジオ体操にいそしんでいる。6時半に起きていれば、放送に合わせて身体を動かす。肩を回したり、足を曲げたり伸ばしたり、10分間うまく集中できると、とても気持ちがいい。ようやく第二にもついていけるようになってきた。

今日は20時まで店にいます。気軽に遊びに来てください。

2020/07/16

7/16 店日誌


7月16日、木曜日。天気はどうあれ、店を開けていると誰かしらがやって来る。それも、知り合いでないことが増えてきていて、嬉しい。どこかでこの場所のことを知り、何かしらの興味を持って足を運んでくれる人がいるから、こうして毎日店を開けられる。

今日は20時まで店にいます。本の買取も受け付けています。

2020/07/15

『Big Pants -スケートボード is 素敵−』


何事もやめるのは簡単だ。続けることのほうが大変な年齢になってきた。でもなんとか続けてさえいれば、良いことしか起こらないだろう。だってスケートボードってものが繋げてくれたさまざまなことっていうのは、本当に素敵だから。

柳町唯『Big Pants -スケートボード is 素敵−』が届きました。
稀に手にするフリー・マガジン『HIDDEN CHAMPION』を読むたびに印象に残ったのが、柳町唯さんによる連載「スケートボード is 素敵」だった。独特の言葉選びが生むリズム、スケートボードを通して出会う人、店、場所などを描くエモーションは特別だなーと思っていた。少々ヤンチャが過ぎる話も混ざった全十編の短編集。

販売価格は1320円(税込)。「ぴぽ」、「ニオイ」、「エレベーターホール」の三本がオススメです。

7/15 店日誌


7月15日、水曜日。激流のごとく情報が行き交うSNSから距離を置くためにブログに逃げ込み、記し始めたこの日誌。日々、書くことがとっ散らかった内面の整理に繋がっているのだと気がついた。店を開けるのと同じように、静かなペースで続けていこうと思っている。

今日は19時まで店にいます。お時間があれば、気軽に遊びにきてください。

2020/07/14

7/14 店日誌


7月14日、火曜日。今週の土曜日18日から、篠塚祐介の写真展「Photo Beachcombing:Japanese Found Photos」が始まります。会場は天久保一丁目の〈gallery Y〉。三丁目にある当店とも車や自転車なら楽々行き来できる距離ですし、天気が良ければ歩くのも気持ちがいいですよ。是非、お出かけください。

今日は19時まで店にいます。今週もよろしくお願いします。

7/14 家日誌


一昨日の「our lock down party」明けの月曜日、13日はお決まりの二日酔い。目は覚めても身体は動かず、昼過ぎまで横になる。どうにか起きて、自転車のパンクを直しにいく。それ以外はボーッとしていた。

2020/07/12

7/12 店日誌


7月12日、日曜日。暑い! 照り返しがキツい! 自分が関わる催事当日は本当によく晴れる。とは言え今日は雲も多く、変わりやすい天気になるとの予報なので、それぞれにお気をつけて。件の催事「our lock down party」は16時配信開始。18時から第一部のトークを約60分行ったあと、19時半からDJサモハンキンポーのプレイが始まる予定です。「twitch」経由で、お楽しみください。

今日は16時半までの短縮営業。明日月曜、13日は定休日です。

2020/07/11

「our lock down party」Tシャツ−受注受付中!−



our lock down party」Tシャツの受注予約を受け付けています。
デザインはtactsato(home made radio club)。カラーはホワイト×ブラック、ホワイト×ネイビー、ホワイト×レッド、グレー×ホワイト、チャコール×ホワイトの5パターン、サイズはSからXXLまで製作可能とのこと。ボディはプリントスターです。

販売価格は4500円(税込)。料金先払い。当店での受付期間は今日7月11日(土)から31日(金)まで。お渡し予定は8月末日。より詳しい情報は〈Club OctBaSS〉のHPでご確認ください。

7/11 店日誌


7月11日、土曜日。昨日、店に来てくれた方に大事なお話を聞かせてもらった。旧満州で小学2年生時に迎えた敗戦、佐世保に着いた引き揚げ船。そこから日本、山口県の小学校に編入するところまで。今、現在と繋がっている過去のこととして(固定化した歴史としてではなく)、話してくれたのがありがたかった。

その後、入れ違いで来店してくれた若いご夫婦にも、活力をもらった! やっぱり店は面白い! パンクロック的な姿勢を忘れずに、この場を保っていきたいなあと思う。

2020/07/10

7/10 店日誌


7月10日、金曜日。今日も雨かと思いきや、15時前のつくばは晴れていて、暑い。並びの店舗で共同管理している裏の駐車場がなぜか満車(来店数より車が多い)。いつもより早く店に着いたのに、その対応に追われて、いきなり疲れる。出来るだけ早く満車の理由をはっきりさせないといけない。さあ、どうしたものか。

『ランバーロール』03号など、新刊はじめ古本にも新入荷がございます。お時間があれば是非、お運びください。

2020/07/09

『ランバーロール』03号


漫画と文学のリトルプレス『ランバーロール』03号が届きました。
旧知のふるやまなつみ(ペンネームは古山フウ)さんの漫画デビュー作が収録されているならば、当店でも販売しないわけにはいかないでしょう。今号に参加しているのは、オカヤイヅミ、滝口悠生、ひうち棚、おくやまゆか、水原涼、森泉岳士、鈴木翁二、町屋良平、安永知澄という方々です。

販売価格は1650円(税込)。12日(日)まで、青山〈ビリケンギャラリー〉で刊行記念展を開催しているそう。お時間があれば是非、お出かけください。

「駒井哲郎 銅版画展」


この度、スタジオ35分では駒井哲郎 銅版画展を開催いたします。日本を代表する銅版画家のひとり駒井哲郎の作品が新井薬師の小さなギャラリーにやってきます。本展示では14点の作品を展示販売致します。今年は駒井哲郎の生誕100年にあたります。銅版画に生きた駒井哲郎の世界を広く知ってもらう機会になると幸いです。

「駒井哲郎 銅版画展」
会期 2020年7月15日(水)−8月8日(土) 17:00−23:00 ※日月火 休み
会場 スタジオ35分(東京都中野区上高田5−47−8)

7/9 店日誌


7月9日、木曜日。相変わらずの雨模様ですが、いつも通りに開けています。明々後日の日曜日、12日は「our lock down party」開催のため短縮営業。13時に開けて、16時半頃に閉める予定です。

2020/07/08

『Nicome』vol.5


『Nicome』vol.5が届きました。
三軒茶屋のカフェ〈nicolas〉が発行する小冊子。専業を持つ人8人に「二個目にやりたい(やりたかった)ことはなんですか?」と問いかけ、その応えを集めて編集されています。音楽家やお店のオーナー等、様々な立場の方々が寄せたテキストはそれぞれに内省的。鮮やかな見た目ではありますが、陰影のある内容です。

販売価格は400円(税込)。ニコラの常連で、友人の山田君が持ってきてくれました。

7/8 店日誌


日本人に決定的に欠けているのは「自由」なんですよ。管理された自由じゃない。風のにおいとかまで含めた詩的な自由。完全なまでの自由がね。
−北山耕平(佐野元春×北山耕平「ジェイルハウス日本の住人に完全なる自由はない」)

7月8日、水曜日。2016年発行の『spectator』37号、北山耕平特集を読み返している。どうしてだろうか。4年前より今の方が面白く読めて、得られる刺激も多いような気がする。この号はもちろん、他にも『spectator』のバックナンバーを在庫しているので、手に取ってみてほしい。

湿度は高めですが、店内は涼しくしています。お暇でしたらお運びください。

2020/07/07

『SAMIZDAT SKOOL ZINE』vol.1


SAMIZDAT SKOOL『SAMIZDAT SKOOL ZINE』vol.1が届きました。
小野寺伝助(地下BOOKS)、須藤謙一(DA NOISE BOOKSTORE)からなる「SAMIZDAT SKOOL」によるファースト・ジン。約15ページに書き手それぞれの個人的な声が収められていて、読むうちにじわじわ高まるものを感じました。今号には主催の二人に加えて、しいねはるか、カナイフユキがゲスト参加しています。

販売価格は600円(税込)。今号の教科書ZINE、カナイフユキさんの『LONG WAY HOME』も在庫しています。

7/7 店日誌


医療とは人間が人間に対して行う一つのサービスである。サービスとは何か。まず頭をたれることである。何に対して? 生命の尊厳や不可思議に対してである。おそれを知ることである。−浜田晋「いのちの基礎にあるもの」

7月7日、火曜日。何気なく手にした本、『心をたがやす』を一気に読んだ。1926年生まれの精神科医・浜田晋さんが1994年に上梓したもの(文庫化は2010年)。自分は医療はもちろん、サービスにも疎い人間だと自覚している。けれど、上に引いた一説には、ふむ。まさしく。という感じで納得してしまった。一様な物差しでは測りきれない人の存在、生のあり様を伝える浜田さんの語り口に共感したからだろうか。

今日は19時まで店にいます。雨が続きそうですが、今週もよろしくお願いします。

2020/07/06

7/6 家日誌


寝ても、起きても、雨。車を持っていない自分は、こういう天気が続くと生活の組み立てが大きく変わる。移動するなら、家人と用事を合わせて送ってもらうか、公共交通機関を使うか、歩いて行くかを早い段階で決める必要がある。さて、今日はどうしようか。

出来るだけ、しずかに。ひっそりと過ごしたい月曜日。

2020/07/05

7/5 店日誌


7月5日、日曜日。昨日は来客、来店が多くて慌ててしまった。狭い店だしゴチャゴチャ散らかっているので、外から見て先客がある場合はお隣〈千年一日珈琲焙煎所〉で落ち着くか、近所を散歩するなどして様子を見て頂けると、いいかもしれません。少しでも本を見やすい状況でお迎え出来ればいいなあと思っています。

今日は13時から店にいます。お暇であれば、お運びください。

2020/07/04

『トラベシア』vol.5


音がどこでどんなふうに鳴っていようとも、あるいは鳴っていなくても、音楽の形をしていなくても、「音楽の現場」はさまざまな姿で存在しうるはず、と考えています。その多様性と可能性を、探ってみたい。

『トラベシア』vol.5が届きました。
およそ一年ぶりに届いた最新号の特集は「音楽と金」。雑誌の編集者、CDショップ店主、ライター、ミュージシャン、ライブハウスを営む人、台北とシンガポールのレコードストアのオーナー等々、何らかのかたちで音楽に携わり、お金のやりくりをしている方々の記事で編まれたミニコミです。

販売価格は500円(税込)。「日本語について」特集のvol.4も在庫しています。

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○普通に読める日本語の雑誌|トラベシア|Vol.5|音楽と金

オン・チャイ・クーン|他人の靴
ケヴィン・スミス|銭湯と梅干しハイとライヴハウス!-ぼくが日本に住むようになったきっかけの話
佐々木美佳|2000ルピー札をポシェットで握りしめる
サミー・ミラー|使命感の大切さについて
柴崎祐二|繊細な経済圏のために 音楽と金をめぐって
ジョー長岡|瞽女をめぐる旅
ジョン・アリスン|我が父モーズ
杉本拓|本業と副業-妥協せずに芸術家として生きることは可能か?
鈴木並木|素晴らしいアメリカ音楽
たちなみえみ|うた 日々を綴る
詹宏翔|Music Makes Money, But Money Makes Me Moody
寺田俊彦|小さいからこそ続けられる-CDショップを続けること
原田和典|新たなる残骸
ひな|消費と愛用
森本アリ|新世界で橋が渡されグッゲンハイム
矢川俊介|それでも、音楽雑誌をつくる
安田謙一|カニコーセンに金の話ばっかり聞いた。
若木康輔|クロスワード・トラベシア

ともちゃんインタヴュー|「推し」で世界が広がった

イラスト・ロゴ原案|畑中宇惟
デザイン|村松道代
編集・発行|鈴木並木

『八角文化会館』vol.8


商店街は、昭和時代の買い物様式を後世に伝える遺跡です。地域の生活を支えた日常遺産であるとともに、街の中央に輝く都市の象徴でもありました。商店街は「道」であり「街」だったのです。

『八角文化会館』vol.8が届きました。
ファンの方々、お待たせしました。第8号の特集は「商店街ノスタルジア」。北海道から沖縄、台湾に残る商店街を歩き、味わい、記録に残してきた編集部(+ゲスト)による大力作です。パッと見は同じようにさびれ、人の少ない風景に見えますが、よく目を凝らせば見えてくるそれぞれの個性、独特の空気。ゆっくり、じっくりお楽しみください。

販売価格は1980円(税込)。前号、「パチンコホール」特集号も在庫しています。

7/4 店日誌


時代がカーヴを切ってまがっていったとき、それまでの時代とのっぴきならない関係を結んでしまった者は、いっしょにまがっていくことができないで、そこでおいていかれてしまう。

7月4日、土曜日。上に引用した一文は、三木卓『若き詩人たちの青春』(河出文庫)のなかで見つけたもの。残酷なまでの時間の流れ、時代の移り変わりを前に人は、詩人たちはどう振る舞い、その後の道をどう選択したのか。三つの時代を生きる詩人、三木卓さんの言葉は平易だけれど読み手を時に立ち止まらせて、沈思をうながす。力のある本。

今日は13時から20時まで開けています。お暇でしたらお運びください。