2025/11/20

11/20 店日誌

ジャッキー・ミットゥーは僕が最も敬愛するミュージシャンです。キーボードプレイヤーやアレンジャーとしてスカ・ロックステディ・レゲエの成立と進化に深く関わりながら、オルガンを使った、聴けば聴くほど独特なソロ作品を残しています。僕は1989年に東京でスカタライツのメンバーとして来日した彼の演奏を観ていて、同年の秋 MUTE BEAT のツアー中にニュージャージーにあるレーベル Wackie’s のスタジオを訪れた時には、直接彼に会うこともできました。(エマーソン北村)

11月20日、木曜日。2024年にアナログ盤で再発されたミュート・ビートのスタジオ作品では最終作『MARCH』(1989)に針をおろすことが多い。北村堅治(キーボード)、内藤幸也(ギター)の加入があり、サウンドの見直しがあったのか、バンド自体の老成だったのか、スカ調の性急なリズム/ビートを持った曲は皆無。ふくよかなレゲエが多く収録されていて、いつ聴いても気持ちがいいのだ。「フィオリーナ」「ハーモニー・イン・マルチニック」で幕を開けて徐々にダブ度が増していくB面の展開には深みがある。

ロックステディにはスカのようなマッチョ性がなくて……と、エマーソン北村さんが話すのが印象に残っている。ある種の勇ましさ(「スカタライツって軍歌みたいじゃない?」と言ったのは、長久保寛之さん。納得!)に支えられたスカ(~1965,66)、速度が落ちた分だけ甘く太くなったロックステディ(1966~1968)。奥ゆきが増していったアーリーレゲエ(1968~)。ここ最近は、そうした変遷を意識しながらジャマイカ音楽を聴いている。

雅楽がずっと好きだったんだ。まあ深くは聞いてないけど。コルトレーン聴いたときにも、雅楽を連想したよ。/録音物って、音質コミだと思うんだ。アレンジと同じくらい大事。いい音楽でも、音質が好みじゃなかったら好きになれない。(長久保寛之)

「長久保寛之インタビュー 〜本質は無駄のなかにある」には、『EXODELIC』の謎を解くためのヒントが散らばっている。今だからこそ、読まれるべきインタビュー。

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