2024/05/09

5/9 店日誌

5月9日、木曜日。開店後すぐに現れたのは、巷をにぎわずワイズ・ガイズ(Wise Guys)。ここ2週間ほどの顛末とその間にめばえた感情などを聞く。細かいことは書かないが、考え方と動き方の変わり目なのは間違いない。小さくともやれることをやればいい。自分に言えるのはそれだけなので、大半の時間は彼らの話に耳を向けていた。今後、どうやって交われるのかを時間をかけて探っていきたい。

その後、来店はゼロ。雨だし寒いし気持ちは上がらないから閉めちゃおうかなーってときに〈古着屋may〉の細矢さんが現れてホッとした。山形のお土産をいただく。

ふと思う。お客さんが欲しい本、話題の本を扱う気にならない自分は幼稚なのではないか。書店としての機能を果たすのなら、私情は混じえず本と金銭を交換すればいいだけだ。実際、それをやれている店もある。うーん。でも、そうなってくると、オレがやっている意味とは……(と、ここではじめに戻る)。

今日も書籍と音源に入荷あり。ご都合が合えば、ご来店を。

2024/05/08

『日本のポータブル・レコード・プレイヤー展 図録』

日本音楽史を裏で支えた独自の文化、ポータブル・レコード・プレイヤーを150台以上掲載解説した一冊。プラスチック製のキッチュで可愛いプレイヤーたちを、その時代背景やこぼれ話と共にお楽しみください。

『日本のポータブル・レコード・プレイヤー展 図録』が届きました。
ただいま、滋賀県彦根市〈山の湯〉で開催中(5月14日(火)まで)! 円盤のレコブックシリーズ初の横長仕様で展示図録でもある特別版。おそらく、ここまで幅広い種類を集めた人は他にいないんじゃないかと思われる日本のポータブル・レコード・プレイヤーの写真と解説を収録した手製冊子はフルカラー、せっかくなので、この展示をつくば市でも開催したいなーと思わせるだけの力があります。現物を見てみたいと感じるのは自分だけじゃないはず。

販売価格は1100円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

5/8 店日誌

5月8日、水曜日。今日は、評論家・坪内祐三の生まれた日。なぜ覚えているかというと、日付にちなんで五八(吾八かも)命名されかけたという逸話があるから。坪内五八だったら物書きにはならず別の人生を歩んでいたかもしれない。それだけ、名前には力がある。店名ではシリシリ器、バンド名ではゆらゆら帝国。最近出会ったネーミングで見事だなあと思ったのはこの二つ(と言うか、前者は後者の影響を受けているのか……と、いま察した)。

ゴールデンウィークなんて関係ねえ! って調子でやってたつもりでも、それなりにエネルギーを使っていたようで昨日は21時前に寝てしまって、6時頃まで目が覚めなかった。たっぷり眠れて元気いっぱい。と言いたいが、どんよりした空と重たい空気に、ややげんなり。まあ、無理せずやるべ。

今週もいくつか本の買取がある予定。遠方からの買取、査定を希望する方はまずメールでお問い合わせください。おおよその数を把握した上で、着払いで受け付けます。

今日明日、明後日は15時開店。来週13日(月)と14日(火)は連休です。

2024/05/07

5/7 雑記

先週末に見つけた、ゆらゆら帝国『美しい』はシングル盤。表題曲と「なんとなく夢を」、「なさけない&はずかしい」、「船」の4曲が入って22分32秒。これくらいのヴォリュームがちょうどいい。歌詞を読みながらじっくり聴く、なんとなく流してみる、楽器の鳴り方に耳を傾ける。少なくとも3種類の聴き方があって、それぞれにそれなりの労力がいる。

“純粋なクソがいい  おしゃれなクソにジェラシー  クソに魂込めた  リボンを結んでみた  同じか?  みんな同じか?” (「美しい」)

「美しい」のなかでコケにされている感情、生き方をかつての自分は肯定できた。今もなお、否定はしきれない。それでも、この曲の持つ厚みを感知できるようになっただけ、マシだと思いたい。作者になんの関係ない話なのだが。

2024/05/06

5/6 店日誌

“貧しいってお金がないってことじゃない。彼は自分がどういう人かわからなくて、何をやったらいいかわからなくて、いつも指示を待っているような状態。(…)彼は探すものすら持っていない。それがわたしにとっての貧しいってことなの。なにをどうしていいかわからない、向かっていく対象を持っていないことを貧しいって解釈してる。”–北村道子(「探すものすら持っていないことの貧しさ」)

5月6日、月曜日。北村道子『衣装術』を読んで、ビリビリ痺れた。北村さんの言葉が身体に響く。インタビュー(対話)をモノローグ(独白)の形式に置き換えて収録したのがばっちりハマってる。いわゆる名言集ではなく、詩集のようなイメージを含んでいるから、やすやすとは消費させない。単語の意味以上の深みがあって、読み手の思考をうながす作用がある。凄い、という言葉だけで片付けちゃいけない内容だと思う。

なにをやったらいいかわからない。いつも指示待ち。それを貧しさだとするなら、いまの社会はなんとも貧しい! 食うには困らず、捨てるほどの服を持っていても、どこか空疎。実体のある言葉をもたず、右から左に流していくだけ。と、嘆いてるだけじゃダメだよな。面白い本とか映画はたくさんあるし、魅力的な人もいるのだから。

本を買って、その後すぐに本を売りにくる。そんなやり取りをしながら言葉をかわした若い人。しずかに本を選ぶ人。時間をかけて店内を物色する人。出入りは多くなくても、印象に残るお客さんが何人かいた。

今日の営業は13時から19時まで。本の買取に関することなど、お問い合わせはお気軽に。

2024/05/05

5/5 店日誌

5月5日、日曜日。いやあ長かった! 気まぐれに営業時間を伸ばしてみたら、途中で息が切れてしまった。連休中とあってか遠方からきてくれる人がいる。近所の人もふらっと顔を出す。とあるバンドのドキュメンタリーを撮った監督もくる(たくさん音楽の話ができて楽しかった!)。ああ、嬉しい。だけど疲れる。たまらず、夕方過ぎにコンビニでビールを買って帰ってくると、ちょうど良く新田が登場。あとはもう流れのまま……。

オンライン・ストア〈平凡〉の常連Kさんが日吉からきてくれた。話をしたら、同い年。鹿児島市から遊びにきた方も何度か平凡を使ったと話してくれる。言葉にすればたんなる通販。でも、こうしてやり取りができると意味がちがう。

当店から徒歩3分、天久保の休憩所〈古着屋may〉は今日まで連休中。隣のカフェでは遠藤良個展「HEAVEN!」、近所の焙煎所でも焼き物の展示を開催中。あちらこちらで催しあり。

今日は11時から19時までの営業。お暇があれば、ご来店を。

2024/05/04

『PONPOKOYAMA』(CD-R)

ぽんぽこ山『PONPOKOYAMA』が届きました。
幡ヶ谷〈forestlimit〉で月イチ開催されている、“たぬきのお祭り”をイメージした選曲でDJをする「ぽんぽこ山」のサンプラー音源。レギュラーメンバーのテンテンコ・カントリー田村・チャーハンの3者が選んだ13曲を収録した、41分20秒。民謡とエキゾチックミュージック、若干のワールドミュージックの要素が相まって、めちゃくちゃにウケそうな内容です。今、こういうのを聴きたい人は多いんじゃなかろうか。

販売価格は700円(税込)。少数入荷のため、店頭販売のみ。

『Dream Sequencer』(CD-R)

チャーハン『Dream Sequencer』が届きました。
不思議な抒情を感じさせる、コラージュ&ミックス作。アヴァンギャルドな音像が続くのか……と、ほんのちょっぴり不安になる冒頭を経て、進めば進むほどに自然と音が連なっていくのが面白い。本作のジャケットをつくったソニックさん(a.k.aXREENSAVER)が話すとおり、妙にクセになる懐っこさがあるような気がします。

販売価格は1000円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

5/4 店日誌

5月4日、土曜日。旧ツイッターでの竹田ダニエル氏の発信をみていて、思い出したのが『Spectator』52号。アメリカの大学内での学生の意思表示、大学当局もとい警察の弾圧の激しさ。自分が掴めているのは全体のほんの一端。わからないことが多い。ツイートを凝視しても、クリアに頭に入ってこない。それでも、いま何が起きているのかを、もう少しだけでも知りたい。くだんの52号の特集は文化戦争。いま、世界で、アメリカで、この国で起きている事象をひもとくためのヒントがあるはず。

納品にきた青野さんと話したのはビヨンセの最新作でのウィリー・ネルソン起用のポイント(これを見てほしい)、次号の特集に関すること、完成間近の単行本の価格設定など。身近にいて、話ができるのが頼もしい。

ジェリー・ガルシア・アコースティックバンドのライブ盤に針を落とすと、乾いた空気にぴったり。買ったのは数年前。当時から気に入って聴いていたけど、今朝がいちばんよく響いた。ピーター・バラカンさんのラジオをすっ飛ばしてしまった。

今日明日は11時開店。本の買取、在庫の確認などのお問い合わせはお気軽に。

2024/05/03

『みちくさ』11

タカハシカオリ『みちくさ』11が届きました。
絵本作家/イラストレーターのタカハシカオリが不定期に発行する折込型のちいさな本、『みちくさ』の最新号。この前の号が何年前だったか、まったく思い出せないくらい間があったけど、こうして新しい号が届いたのが嬉しい。「ささくれさん」と題された今回のお話は現在の世相、母になった自分、複雑に組み合わさって答のみえない感情を昇華したもの。最後のコマで、救われるのか、突き放されるかは手に取ってからのお楽しみ。

今日から店頭で配布開始。オンライン・ストアご利用の方で入手希望の方はご一報を。

5/3 店日誌

“30歳以上になったら、世界で初めてをやんなきゃいけないと僕は思う。仕事人として、特に編集、クリエイティヴ、プロデュース、なんでもいいけど、この世にないものをつくるために僕らはいるわけだから。(…)この世にあるものは、既にあるんだから、もういいじゃない。”−秋山道男(「編集は編み集める発明」)

5月3日、金曜日。買取りの箱にまざっていた、菅付雅信・編著『東京の編集』をむさぼり読んだ。前に読んだのはいつだろう。あてがないほど間を空けて再読したのが良かったと思う。ちょうど今、周囲の催事や出来事に新鮮味がないなーと感じていたところにピタッとはまった。読んですぐ真似をする、とか、先達の手法を踏襲するためじゃなくて編集に向ける心意気と姿勢に刺激を受けた。

“僕がよかったのは「編集」という職業に就職して、編集者になったんじゃなくて、気がついたら編集者になってたってこと。”−後藤繁雄(「編集者というワクをつねに壊しながら生きていく」)

先週の月曜に受けた取材のテーマは、就職しないで生きるには。そのときも話したのだけど、就職しないんじゃなくて、就職できない。そっちの方が論点としては大きいし重要だよな。上記の後藤さんの発言とは異なる話ではあるけれど。

あたらしいアイデアを探すのは楽しい。でも、既にあって、誰からも見向きされていないものの価値を見出すのも面白い。どちらにもエネルギーが必要だけれど、それをサボっていては前に進めない。

今日も通常営業。本の買取に関することなど、お問い合わせはお気軽に。

5/2 店日誌

5月2日、木曜日。昨年から新刊の取り扱いを減らしたのは、まず古本の買い取りが増えたこと。つぎに、ちいさな書店向けの本の刊行がめちゃくちゃ多いこと。それは例えば、個人の日記だったり、世を憂う問題提起の本だったりする。別にそれらの本がわるいわけではないし、いい本があるのも知っているつもりだ。でも、そうした本を積極的にあつかう人たちの顔はどこか似通ってくる気がする。もちろん、わるいことではないのだが、どうも気持ちがスッキリしない。

珈琲や発酵食品(ビールやワインなども含む)を題材にした出版物も、自分が店をはじめた頃から活発になり、いまや定番。切り口を変えたり、文学的に語ってみたり、いろんな形で再生産されている。えてして自分は、そういうものには興味が持てない。

現在の当店は、古本屋。新刊の選別、仕入を主にして意思表示、自己表現する独立系書店ではない。時事的な書籍は多くないが、時代を越える内容をもつ本はある。いまは、選別よりも買取が主な仕事になっているのだ。

今日明日は通常営業。土曜と日曜は11時から営業します。

2024/05/01

5/1 店日誌

5月1日、水曜日。去年のいつだかに買って気に入って聴いているレコードがある。アーティストはザ・ブルース・バスターズ。彼らはジャマイカのヴォーカル・デュオで、砂浜みたいなところで笑い転げている変なジャケットのわりに内容がいい。筆記体でグジュグジュッと描かれたタイトルを気にしていなかったのを今朝、凝視してみるとフィリップ&ロイドと読めた。なるほどフィリップ・ジェームスとロイド・キャンベルの二人組なのだ。

だから、なに? そう言われたら何も言い返せないのだが、直近の発見がこれである。A面1曲目の“Baby,I’m Sorry”を目玉にする人も多いようだけど、オレはB面の“You’re the Best Thing That Ever Happened to Me”が気に入ってる。“I Shot the Sheriff”で聴こえるチロチロした鍵盤の音もいい。

先週につづいて、雨の水曜。これから人はくるのだろうか。そもそも、いまも連休の真っ只中なのか。いまいち、そんな空気が感じられないのだが。

今日明日、明後日は15時開店。週末は11時から開けてみようかな。

2024/04/30

4/30 雑記

アーサー・ライマン、マーティン・デニー、レス・バクスター、ポート・オブ・スペイン・シャッフル。気の向くまま、家にあるレコードを聴いていく。この次はギャビー・パヒヌイかソウル・ブラザーズ、ローランド・アルフォンソ、どれに針を落とそうか。どれもいいに決まってる。……ああ、それにしても! 昨夜のエキゾティコ・デ・ラゴのライブは上質だった。優雅さと猥雑さの混淆具合がちょうど良かった。

楽観はいけないが、また悲観し過ぎてもいけない。電車内で読み終えた、橋本治『草薙の剣』の解説でみつけた言葉だ。書いたのは、末木文美士さんという方。この漢字で、すえき・ふみひこ、と読むらしい。

2024/04/29

4/29 店日誌

4月29日、月曜日。やる気がでない。ツイッターやインスタグラムを見るのが億劫だ。世間がどんな雰囲気で、どんな場所に人気があるのか、いまはまったく興味がわかない。ブログを書くのも気が乗らない。今、読んでいるのは橋本治『草薙の剣』。祖父母や両親が若かった頃から、1983年生まれの自分が生きてきた時代まで追体験させる大作だ。ぐいぐい引き込まれている。

今日は11時から17時までの短縮営業。ご都合に合わせてお出かけください。

2024/04/28

『小さき者たちへ』

遠くの国で続く凄惨な戦争と、あいも変わらず続いてく日常。矛盾だらけでなにもできない自分。葛藤を重ね、無力感に身悶えし、それらを振り払わず思考し続けた先に放たれた、誠実で正直な言葉達。

夕暮宇宙船『小さき者たちへ』が届きました。
2018年の入荷以来、ながく確かに売れ続けている小野寺伝助『クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書』と続編の『クソみたいな世界で抗うためのパンク的読書』、しいねはるか『未知を放つ』を出版してきた地下BOOKSの最新刊。2023年10月にはじまったイスラエルによるパレスチナへの攻撃。それを受けての報道、反対行動、連帯への意思表示……などの声が飛び交う世界に生きるひとりの人。父親と祖母、犬との暮らし。答えのない自問自答を繰り返す著者の暮らしを描いた漫画作品。

「国家 為政者 資本家 大企業 これ以上 彼らを 私たちを 巻き込まないで 奪わないで 殺さないで どうか」という実感のこもったモノローグに胸を打たれて、本を置きました。地味かもしれないけど、とてもいい本だと思います。

販売価格は1100円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

4/28 店日誌

4月28日、日曜日。ちょうど1ヶ月前の鹿児島滞在のことを思い出す。初日に泊めてくれた泰尊くんの家で感じた安心感といったら、どう言葉にして表現していいか。市街地からとおく離れた田園地帯、静かな地区の高台の一軒家。朝の風が気持ちよかった。次はいつ行けるだろうか。その気になればいつだって行けるはずなのだけれど、なかなかタイミングがむずかしい。いやでも、その気になれば……なんて言ってるうちに時間が過ぎていく。

トウゴとココロは高校生、うちの店の最年少の常連だ。彼女にフラれた! オザケンとスチャダラのコンサートに行ってきた! これからバイトっす。なんてことを色々話して、いつも何かしらを買っていく。昨日はグリーン・デイとマーヴィン・ゲイ、中古CDを選んでいった。ちなみに、彼らの親は自分と同世代。

そう言えば! 個人的に注目していた〈シリシリ器〉でのトークイベントは、お客さんは1人だけだったらしい。その知らせを聞いて「 みんなセンスないなあ!」と言葉が出た。わかりやすく素敵だったりお得じゃないと人は集まらないってことなのか。そうだとすると、たいぶツマラナイ状況だよなあ。

今日は通常営業。明日は11時から17時までの変則短縮営業です。

2024/04/27

ピープルブックストア日報 2023年10月12日〜31日

天久保一丁目の印刷工房〈えんすい舎〉謹製、「ピープルブックストア日報」(10/21~31)が出来ました! ブログに書いている日誌を基にして再構成したもので、イラストとレイアウトは帰ってきた坂尾裕幸くん。今年3月に逝去した鳥山明氏への敬意を込めたスペシャル・エディションとのこと。則巻浩平なる謎の人物など、いろいろ描いてくれました。新緑を思わせる緑色の印字もナイスです。

店頭購入はもちろん、メール通販、オンライン・ストア〈平凡〉ご利用の方にもお付けします! 

4/27 店日誌

4月27日、土曜日。気まぐれにユンキーの2004年作『ASIAN ZONBIE』の入荷を告知してみたら、それを求めて人がきた。そのうちの一人、金山英明さんは日本と韓国を行き来しているアーティストでユンキー本人とも友達らしい。つい最近発売された弾き語りのカセットテープが収録された現場にもいた聞き、身を乗り出す。ライブが録音された〈Dragon Hill Print Shop〉の雰囲気とか店で開催されているライブのことなど、色々と教えてもらう。

肝心のCDは金山さんがくる数分前に売れてしまっていたのだけど、わざわざ足を運んでくれたことを喜んだ。自然体で安心感があったから、当たり前に話もはずむ。また、どこかで会えたらいいなあ。

来客数は多くなくていい。好きなように店を楽しんでくれる人が数人でも来てくれれば、充分だ。置いてあるレコード、古本、ZINEなどから生まれる空気を味わってもらえればいいのだ。なんとなくきてみたら楽しかった。それくらいの感じでいい。

てな感じで今日ものんびりやってます。気が向いたらお出かけください。

2024/04/26

4/26 店日誌

4月26日、金曜日。天気がいいと店の出入りが増える。その多くは冷やかしだ。見知った情報、記号が見当たらず「オシャレ〜」などと口走ってそのまま出ていく。性別、年齢は関係なく同じ反応だ。とっくに見慣れた状況だし、勝手に写真でも撮られない限りは放っておく。ショッピングモールかファミレス、店員がニコニコしているカフェ(のような場所)でしか楽しめない人ばかり。こんな国にしたのは誰なのか。特定の政党か、ものを考えず、主体的に行動しない個人の連なりか。後者の要因が大きい気がするのはオレだけか。

今月に入っても本の買取依頼がとだえない。次から次へと送られてきたり、持ち込まれたり。この流れがあれば、巷で話題の本がなくてもどうにかなる。どこもかしこも同じ本を売っていても面白くないよね。

とかナントカ偉そうに書いてはいるのだが、昨日の売り上げは一昨日の100分の1以下だった。店ってのは思い通りにいかないのである。上がり下がりを受け入れながらやっていくしかない。

今日もいつも通りに開けてます。ご都合があえば、ご来店を。

2024/04/25

4/25 店日誌

4月25日、木曜日。あっという間に今月も終わってしまう……と書きかけて、いや待てと思い直す。3月末から今月頭まで鹿児島にいた。そのまま東京に泊まって、もんじゃ焼きやカレーを食べた。その週末にはNRQのライブがあって、後にはあれ(タコパ)とこれ(泰尊)もあったなあ。振り返るとけっこう遠い出来事のように感じる。それだけ4月が濃かったということか。開店して丸11年、12年目の営業がはじまったのも数週間前のこと。それなりに楽しく過ごしているわけだ。

雨の水曜日だったけど、だーーーれも来ないわけでなく、開店してすぐひとりの若者。その後に買取希望の初見の方。建築士のスガワラさん。音楽好きのムーちゃん。単体では最高値の本が売れたりして、驚いた。

アイツはどうしているのだろうか。話だけが届いてきても、当人の声が聞こえないと心配がつのる。自分にできることはない。そんなの百も承知なのだが、どうしても気になる。店を開けておけば、そのうち何か通信があるんじゃないか。出来事は多くなくていい、ただ普通にやれればいい。多くは望んでいないのだけれど……。

今日明日は15時開店。お暇があれば、ご来店を。

2024/04/24

4/24 店日誌

4月24日、水曜日。いつのまにか、ゴールデンウィークの入り口が見えてきた。何連休なのかは把握できないが、買い物や旅行、里帰りのための時間が用意される。人が多いほど連休気分が高まるのか、渋滞や混雑が予想される場所に大勢が集まる。大規模な催しを模倣した中小の催事も開催される。あーあ、こうやって書くだけで疲れてくる。この時期の人の動きは嫌なんだよなあ。外の空気は爽やかなのに。

当店は当面、通常営業(4月29日(月)のみ、11時から17時までの変則営業)。火曜定休、水曜から金曜は15時開店、土曜から月曜までは13時開店。どの日もだいたい19時までは開けている。古本だけは、たくさんあります。

一昨日は出来事の多い営業日、昨日はだらーっと休んだ定休日。今日は、あいにくの天気。また、だーーーれもこないかもしれないから、覚悟しておく(でも、実際に来店ゼロだと気がしずむんだよなァ……)。

古本に入荷多数。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2024/04/22

4/22 店日誌

4月22日、月曜日。開店したのは11時前、そこから取材(*)が入って数時間、今の今まで話しまくってブログを書きはじめところで〈シリシリ器〉の新田が来店、これまた色々と話してくれる。グエっと声が出てしまうことあり、イヤイヤお前も! とツッコミをいれたりと忙しい。お互い笑って話していたので、良しとしよう。新田が企画するトークイベント「ニューたからについて知っていることを話そう」は27日(土)開催、ご注目を。

(*)取材をしてくれた人、掲載される媒体、どちらも信頼している。来月下旬までには完成、発売とのこと。ずばり、テーマは就職しないで生きるには。きっといい記事になる。

今日はこのまま19時まで開けてます。お暇があればご来店を。

2024/04/21

「ニューたからについて知っていることを話そう」

「ニューたからについて知っていることを話そう」
日時 2024年4月27日(土)14時開演
料金 無料
出演    佐藤陽向、髙木瑠美、淀川烈、新田颯人
会場 シリシリ器(茨城県つくば市吉瀬1679−1 池のとなり)

4/21 店日誌

4月21日、日曜日。家から店まで徒歩で約30分。Tシャツにジーパン、リュックといった軽装でもこれくらい歩くと汗をかく。通りすがった〈古着屋may〉が12時前に開いているから、驚いてのぞくと店番は岡野さんだった。こんちはー! っと挨拶をして、また歩きだす。隣のカフェも昼前だからか人が少ない。スタッフのみなさんに声をかけて店に到着。本とレコードの写真を撮って、この日誌を書いている。

静岡市から車中泊であちこちを回っているスギヤマくん、彼がつくったアンビエントを主にしたミックスCDがとてもよかった。夏までには沖縄に行きたいと話していた彼、またどこかで会えるだろうか。

27日(土)に開催するトークイベントのチラシを持ってきたのは〈シリシリ器〉の新田と筑波大生の辻くん。夜には、安田さんと上田くんが『路上の抵抗通信』と題したフリーペーパーを置きにきた。本を見に、レコードをチェックしに、自主制作物を持ちこんだり、いろんな用事で人がくる。

今日、明日は13時から19時までの営業です。お暇があればご来店ください。

2024/04/20

4/20 店日誌

4月20日、土曜日。インスタグラムのポストに見知らぬ方から返信があって、嬉しい。最近みつけたトマトスのレコード『ROCK−A−BLUE BEAT』収録の「いとしのママ」が好きだなあなんて調子で書いたら、ダイスケ(@daisukelokito)さんが「いとしのママは、アルセニオ・ロドリゲスをイメージして作ったそうです。キヨシ談」と教えてくれたのだ。へえ! 知らなかったと名前を検索して聴いてみると、なるほど。軽やかでおおらかなリズムに近いものがある。

気まぐれなポストに返信がかさなることで厚みが生まれる。そうか、SNSってこんな風に交流できると面白いんだ。見知った人の行動観察は好きじゃないけど、こうしたやり取りならば、喜んで引き受けたい。

あたたかくなって人の動きも活発になってきた。店の出入りも多い。隣で開催中の展示を目的にくる人も多いのかな。昨日は若い人のグループが多かった(できれば、本屋には少人数できてほしい)。

今日も書籍に入荷あり! オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

4/19 店日誌

4月19日、金曜日。今日もゆらゆら帝国……と書きたかったのだが、見つからなかった。友人に車を出してもらって、ちょっと離れた場所にある巨大リユース店に行ってみても、まったくない。中古CDのJ-POPのコーナーにあるのはゆずばかり(そんなときに限って、店内で「栄光の架橋」が流れる)。じゃあもう1店舗! と向かった店にあったのは、ゆうゆ。久しぶりに名前を見たからか、つい手に取ってしまった。立て続けにベスト盤とシングルが近場で見つかったのがラッキーだったんだな。

訳あって、ふだん行けない市内の店をまわった今週。〈cox/Shingoster LIVING〉や〈棕櫚〉なんかの飲食店はもちろん、おなじ天久保にある〈wear crab〉とか〈GoodNear Records〉といった近所の友人の店を覗けたのもよかった。

今日も書籍に入荷多数! 買い取ったばかりの本など、どんどん値付けして棚に並べていく。ツイッターやインスタグラムでの紹介もなかなか追いつかないので、気になればぜひご来店を。

今日は15時から20時までの営業! 明日と明後日、明々後日は13時開店です。

2024/04/18

『沼探り』(CD-R)

悪魔の沼 with MOOD魔N『沼探り』が届きました。
うーん、こりゃすげえ! 公式解説の言葉をまんま借りれば「2022年”FESTIVAL de FRUE 2022”グラスステージ、悪魔の沼3人+MOODMANを交えた特別編成4沼人(ぬまんど)による沼探りの記録」であるCD-R。ぴったり78分収録の盤に加えて、ライブのフル尺(恐ろしいことに3時間!)のダウンロード・コードも封入されています。なるほどズッポリとした沼なのですが、かなり豊かな内容なのでながく楽しめるはず。

販売価格は1760円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

4/18 店日誌

4月18日、木曜日。今日もゆらゆら帝国なのである。徒歩圏内のリユース店にあったのは『ラメのパンタロンetc』と題されたマキシ・シングル風のCD。表題曲のみ既発のヴァージョンで、ほか4曲はライブ録音と別ヴァージョンで、いま流れているのは「男は不安定(LIVE at LIQUID ROOM 2001.2.21)」。怪しげなベースラインが鳴り続ける低空飛行、8分43秒。不穏かつ不機嫌で、乗せられる言葉は文学的だ。古くも新しくもないが、めちゃくちゃに鋭利な音楽。

聴衆の歓声のような声のあとにはじまった「頭炭酸レディ(featuring YOKO)」は一転、人を食ったような暢気な雰囲気。あたまたんさん。いったい何なんだ、このバンドは。とか何とか書いてるうちに「3×3×3」が始まってしまった……。

マキシ・シングル(妙な呼称だ!)でもアルバムでもない音源。坂本慎太郎自身が手がけたアートワークも独特だ。既存のくくりには収まりきれない人、音楽を無理矢理に形に落としこんでいるわけで、とうぜんのように歪な形になっている。2001年に、おもしろいものが作られていたんだなあ。

今日明日は15時開店! 書籍はもちろん、中古レコードにも入荷あり。

2024/04/17

4/17 店日誌

4月17日、水曜日。なにげなく出かけたリユース店でゆらゆら帝国のベスト盤を見つけて、買った。店に戻って再生して、ぶっ飛んだ。なんてカッコいいんだ! 1曲目「グレープフルーツちょうだい」から興奮はおさまらない。独白調の歌詞に深みがある。演奏のキレ味、グルーヴといったらまあ、身体内の臓物をぐちゃぐちゃにされるような破壊力。四六時中聴いてたら気が狂う。こんなにすごいバンドだったと今の今まで知らなかった。

似た感覚があるとしたら、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。批評的な言葉は書けないが、楽曲にただよう退廃の気配に近いものがある。書きながら「午前3時のファズギター」が終わって「待ち人」がはじまった。この曲の雰囲気は昨今の坂本慎太郎の曲を思わせる。

気まぐれに開けてみた火曜日、きたのは主に友人たち。最長常連にしてMr.チューズデイの小川くん、エスプラくんにヨシオさん。最後の最後にあらわれた新田は今日もまたくるとか来ないとか。

今日明日は通常営業! 通販、在庫の確認などのお問い合わせはお気軽に。

2024/04/16

「text:T.L.M.」

My Loads Are Light「text:T.L.M.」が届きました。
当店には昨年6月の「PIGEON」以来の入荷! My Loads Are Lightの定番テキストソックスの新型「T.L.M.」は「THE LOVE MOVEMENT」の頭文字。全6色展開なのですが、いま店頭に在庫があるのがライトマスタードとライトローズの2色のみ。

販売価格は2420円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

4/16 店日誌

4月16日、火曜日。那須塩原市でコーヒースタンド〈Coffee Ontario〉をいとなむナオコさんに声をかけてもらって、車で出かけた。黒磯公園の桜は満開、花びらがはらはら舞う光景は夢のようだった。欲を走らせる人が見当たらず、のんびりした空気が流れていて、安心できる。滞在時間はみじかくとも、何かしらをチャージした気分。ここまで来てよかった。ここ数ヶ月、そう感じる遠出が増えている。

道中で友人をピックアップして、目指すは板室の乙女の滝。山をぐんぐん上がっていく。空気がかわいていて、心地よい風が吹く。話も弾む。目的地に着くと、個展開催中の矢吹くんとナオコさんが待っていた。ここもまた気持ちがいい。途中で矢吹くんのご両親も合流してワイワイと話して、コーヒーをのむ。いやあ、それにしても気持ちがいい。

再来週29日(月)までの会期で、オンタリオにて当店が小さく出店。古本9割、新刊1割。トートバッグもある。鹿児島の〈食堂湯湯〉とおなじく安価な本を並べているので、気軽に手にとってほしい。各地でこうした機会をつくってもらえて、ありがたい! ホントに嬉しいです。

今日は午後からのんびりと営業。お暇があったらお出かけください。

2024/04/15

矢吹純個展「山笑うとき」開催中!







矢吹純個展「山笑うとき」
会期 2024年4月6日(土)〜21日(日) ※会期中休みあり、SNSで要確認。
会場 COFFEE ONTARIO(栃木県那須塩原市板室 703)

2024/04/14

『DEAL』23号

フリーペーパー『DEAL』23号が届きました。
旧名『Lj』時代から野外フェスティバル/アウトドア・カルチャーを主に情報発信、催事紹介などに取り組む紙媒体、最新号の特集は「旅について(TALKING ABOUT TABI)」。巻頭インタビューは御大、藤原新也。“旅の果ての先にあるもの”と題された6ページ、しっかりと身の詰まった内容です。その他、sasaru Kozue、田中克海(民謡クルセイダーズ)、YAO(Dachambo)なども登場。今年のフェス情報もたっぷり掲載しています。

今号も、つくば市松代の編集部から直納品! 今日から店頭で配布しています。

4/14 店日誌

4月14日、日曜日。こりゃ、ビールがうまい気候だな。父親がつぶやくのを聞いて、血はあらそないと思い知る。キリンの晴れ風も悪くないが、ここ最近の一番はサッポロのファミリーマート限定缶、ビアサプライズ・至福の香りだ。ネーミングもラベルもダサいのだが、味はいい。爽やかだけれど、軽すぎず、ちょうどいい苦味がある。近所にファミマがあれば、もっとのむのに。

サントリーが売り出している銀色のビール、あれは遠からず姿を消すんじゃないかと思っている。自分ではまず買わないし、友人たちも持ってこない(他種より安いにもかかわらず)。派手な宣伝を打つほどにあやうい実体が浮かびあがってくる気がするのは、俺だけか。

ただいま鹿児島市名山町〈食堂湯湯〉で、当店の本を販売中。明日からしばらくは、那須塩原市板室〈Coffee Ontario〉でも本を売らせてもらう。どこかで見かけたら、気軽に手にとってほしい。

今日も通常営業! 明日15日(月)は本の搬入のため、休みます。

2024/04/13

4/13 店日誌

4月13日、土曜日。さすが〈ブックセンター・キャンパス〉である。洲之内徹『気まぐれ美術館』、宇佐美承『池袋モンパルナス』と読んでいくなかで興味を持った画家、靉光と長谷川利行に関する本はあるかなーっと聞いてみると、当然あった。他にもいっぱいあるらしい。手に取って魅了された『長谷川利行 未発表作品集』などを購入。会計時に「現代画廊にも行ったことがありますよ」と話してくれて、いろいろ教えてもらう。

古本屋を創業して70年ということは……今、ご主人は○×歳。安易に使いたい言葉ではないがレジェンドといって大袈裟でない存在だ。そんな人が身近にいる幸運に改めて感じ入る。

ここ数日、音源の動きが活発だ。Soi48が手がけるADMシリーズの新作2本、ETERNAL STRIFEの再発盤に加えて、PottmannとVivian Sui Methodのカセットテープも近く再入荷するはず。未知の音源に興味を示す人がいて、とても嬉しい。

今日明日は13時開店! お暇があればご来店を!

2024/04/12

『ADM #005』

意図せずA面、B面同じサンプリング・ネタが収録されているのも、アジアリアルな現場に潜入している2人だからこそ。

YOUNG−G&MMM『ADM #005』が届きました。
『ADM #004』と同時入荷のこちらも両A面! もう公式解説の言葉を借りるしかないのですが、「元々爆音でスピーカーを鳴らしたいという欲望だけで作られた一癖も二癖もある音源達をYOUNG-GがフィリピンのADM"ブドッツ"を中心にダンスミュージックとしてセレクト」、「MMMによるOMK的回憶ミックス。選曲は国境だけでなく、現場とネットの線引きも取り払ったOMKらしい全部盛りの30分」の両面。デッカい音で聴いてほしい。

販売価格は2200円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

『ADM #004』


SEESEA&ACS『ADM #004』が届きました。
やっぱり、ADMはとんでもねえ! 新作はシリーズ初の両A面! SEESEAは韓国の歌謡ダンスミュージック・ポンチャックとY2Kテクノ歌謡を世界に広める女性DJ、今作では「韓国とベトナムのADMビナ・ハウスをJANCHI(盆踊り)スタイルでミックス」とのこと。ACSは新進気鋭のDJデュオで、彼らが「ポップス、タイ産ベースミュージック"サイヨー"、インドネシアの"ファンコット"など一癖も二癖もある音源を自由自在にミックス」。

販売価格は2200円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

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■SEESEA
 2015年DJクルーBICHINDAのメンバーとして音楽活動を開始。 テクノからヒップホップ、ポンチャックまでジャンル問わずミックスし、ソウルの新都市、CAKESHOPで活動。大阪のダイバーシティパレード(2018)、東京クィア・パレード(2018)、ソウルクィア文化祭(2017, 2018, 2022, 2023)にもDJとして参加している。 現在、SHADEクルーで毎月差別のない尊重のクラブ文化パーティーをオーガナイズ。DJ YESYESと共に8ECHNOというハードコア・ダンス・ミュージック・パーティーを運営している。 2022年、BOILER ROOM SEOULに参加。 2023年9月、TECHNO GAKSULI名義で初のEP「JJAM - BBONG」をリリースし、プロデューサーとして本格的な活動を開始している。

■ACS
 ソウルのヴェニューACSを運営しているパルパルジョン(88JEONG)、シボンセ(C BONG SAE)で結成されたDJデュオ。BPMを自由自在に操り、スピード感のあるミックスでアジアのダンスミュージックをミックス。2022年からは鍾路の由緒あるキャバレー/ダンスホール国一館で観光バス/キャバレーで始まった/ポンチャック音楽に新たに注目するイベント「フューチャー観光メドレー」を開催している。

4/12 店日誌

4月12日、金曜日。知人がくれた台風クラブ『アルバム第二集』に針を落として、驚いた。いまは西暦何年だ。この音楽は新しいのか、古いのか、わからない。バチーンと熱がこもった音、青さを残す声と歌詞。再生する時間、状況によって、聴こえ方がまったく変わるのだろうな。簡素でも、バンドを持続させるのって簡単じゃないだろうな。この人たち、若くないってことも重要なポイントだよな。

朝晩は冷えるけど、日中は暖かい。店のドアを開けたままでいると、音もなく人が入ってくる。ひとり入ると、吸い込まれるようにまたひとり、ふたり。静かに出ていって、店内には誰もいない。

おかげさまで、サンキュー・フェアへの反応が多い。オンライン・ストア〈平凡〉をつかう人も増えている。一筆を添えて、ステッカー、チラシを封入して発送。在庫のあるうちは、ピープル・ブックストア日報も付けている。単なるキャッシュレス決済の買物とは、済ませたくない気持ちがある。

今日も通常営業。週明け15日(月)は出店準備のため、休業。

2024/04/11

『THE CITY YOU LIVE』(CD)

静かな夜明け。鮮やかな黒いフロアの染み。白いT-SHIRTS。形の良いドレス。針が景色をレイヤードしていく。幕がゆっくりとあがっていく。回りながらゆらめく影の向こうに美しい時間が踊っている。

ETERNAL STRIFE『THE CITY YOU LIVE』が届きました。
GRIN GOOSEとDJ HOLIDAYからなるセレクター・デュオの2作目となるMIX CDの再発盤。アートワークを改訂した上、得能直也によるマスタリングをほどこした2024年仕様のソウルフル&ハートウォーミング(ほんのちょっとトロピカル!)な69分39秒。桜は咲いても寒さも引かない春の入り口、このミックスは日常のさまざまなシーンにハマると思います。ながく、じっくり楽しんでほしい。

販売価格は1650円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

4/11 店日誌

4月11日、木曜日。店にきてポストを覗くと郵便物がたくさん入っている。おなじみのスマートレターは滋賀県彦根の〈山の湯〉が発行する『ゆうびん山』、封筒に手書き文字のもう一通は河野友花さんがつくる『respelatrol』。みずからの眼と耳、心をつかって世界と相対する人が書くテキストが読める手製媒体。立派とは言いがたい体裁でも、中身はめちゃくちゃに魅力的だ。

感受性のアンテナに触れたもの、こと、ひとについて書かれた言葉の連なりに読み手の心も暖められたり、ヒヤッとしたり。有用、無用の物差しだけ測られる情報伝達とはことなる作用がある。

呪われた水曜日……と、恐れながら開けた昨日は、平日にしては上々の客入り。本を見て、選んで、買っていく。本屋にして当たり前と思われるお客さんたちが多くて助かった。開店11年ってのを書いたSNSへの投稿に想像以上の反応があり、ややたじろぐ。

今日明日は15時開店。オンライン・ストア〈平凡〉も営業中。

2024/04/10

開店11年、サンキュー・フェア!

当店、PEOPLE BOOKSTOREは4月8日で開店して丸11年。今日から12年目の営業が始まりました。例年この時期に周年パーティーを開催していましたが、今年はなし。いつも通りに店をあけて、お客さんを待つことにします。……なのですが、せっかくなので、サンキュー・フェアを開催! 店頭もしくは、オンライン・ストア〈平凡〉で500円以上お買い上げの方に、当店のロゴステッカーをプレゼント(色は選べません)。

これまでに何枚も配ってきたので、馴染みの方には目新しさがない気がしますが、ご勘弁を! 今後ともよろしくってことで、おさめてください。

『アナキズム文献センター通信』68号

『アナキズム文献センター通信』68号が届きました。
静岡県富士宮市にある〈アナキズム文献センター〉発行の通信。最新号の一面は、同センターが所蔵する非日本語資料コレクションの展示会レポート(会場は〈イレギュラー・リズム・アサイラム〉で会期は3月2日から10日まで)。今号の注目記事は4~5面の、桑島生「石川三四郎と椎名其二の足跡、仏南部ドンムの旧ポール・ルクリュ邸を訪ねて」。いまから100年以上前に日本人アナキストが住んだ家、周辺の環境を平易な言葉で伝える好記事。間接的でも、人のやさしさに触れたような読み口でした。

販売価格は100円(税込)。入手ご希望であれば、店頭もしくはメールで気軽にお声がけください。

4/10 店日誌

4月10日、水曜日。先週の日誌にもチラリと書きましたが、再度お知らせ。4月15日(月)から29日(月)までの2週間、那須塩原市板室のコーヒー・スタンド〈Coffee Ontario〉の一角で、当店がちいさく出店します。古本を中心に新刊をちょこっと、音源も置くかもしれません。いまは矢吹純個展「山笑うとき」を開催中(21日(日)まで)。26日(金)からは河合浩個展「I’m not really sure why I slept in my shoes」が始まるとのこと。

上記出店にともない、15日(月)は休業。その翌日16日(火)は営業の可能性あり。今週中には確定させて、ブログとツイッター、インスタグラムでお知らせします。

先々週末の鹿児島出張でお世話になった、ラッパーの泰尊がつくばに来るのは14日(日)。つくばの盟友、エスプラともども60分のライブを披露するらしく、とても楽しみ。開場は16時。たぶん、ふたりのライブは19時頃から。会場は天久保一丁目〈Club OctBaSS/Bar Disocos〉。

さあ、水曜! 今週はだれか、来てくれるかな……。

2024/04/09

4/9 雑記

トマトス、中川イサト、フレッド・ニール、探していたレコード3枚が見つかって、ドキドキする。どれも安くはないが、相場に比べれば高くもないと思われる。いまこの値段で買わないと、このあとに出会える保証はない。スカ~ロックステディ、レゲエのCD何枚かと合わせてエイヤッ! と会計する。レコード屋に行くのをしばらく抑えていたので、自分の物欲に驚いてしまう。

家に帰ってきて、まず針を落としたのはトマトス。歌詞カードをひっぱり出して、収録曲の一つが山名昇さんの作詞とわかり、嬉しくなる。ジャケットもお洒落だ。満足感を得ながら、ここまで人を惹き寄せる中古レコードの魅力、存在の不可思議さについて考えてしまった。

4/8 店日誌

4月8日、月曜日。お釈迦さまの誕生日であり、当店の開店日。おかげさまで丸11年、12年目まで変わらずに営業できているのは、気にかけてくれている方々のおかげです。つくば市にピープル・ブックストアがあって良かった。そう言ってくれる人もいて、光栄だし、その度にやりがいを感じます。いい加減にはじめてしまった店だけれど、年をかさねるほどに存在の意味が増しているような気も……。

定休日以外はできるだけ休まず、こつこつやっていくつもりです。今後ともお付き合いよろしくお願い致します。

なーんて、それっぽく挨拶してても面白くないっスよね。NRQ・つくば公演の興奮がさめきらない感のあった昨日もまあ、賑やかだった! 佐藤拓人・悦子夫妻にはじまりESVでありジョンのサンでもあるマドさんご一行、数見亮平、河合浩とともに現れた鳥取の澤田さん、〈シリシリ器〉の新田や〈wear crab〉のアキカナ、チヨリさんとヤマーンさん、最長常連の小川くん。などなど。

たまたま居合わせたみんなでたこ焼きパーティー! もう何がどうなって、こうなったのかわからないまま、飲んで食べて、盛り上がった。主役は今日が展示最終日の齋藤祐平さん。展示ってあっという間に終わってしまうからさみしいな。

今日の営業は13時から19時まで! お暇があれば、ご来店を!