2023/10/31

10/31 店日誌

10月31日、火曜日。いまのところ、明日からの11月は出張や催事出店の予定はなし。二度ある祝日(3日と23日)も通常営業。定時に開けて、棚を整理して、本を売る。レコードやカセット、CDなんかも買ってもらって、定時に閉める。そんな風に、たんたんと日を重ねていければいい。しばらくは暖かい日がつづくようなので、催事がギュウギュウにつまった三連休もあちこちが賑わうだろう。

先週末からフィッシュマンズを聴いていて、昨夜『98.12.28 男たちの別れ』と題されたライブ盤にたどり着いた。40分以上の尺がある「ロングシーズン」を聴いていて、何度か曽我大穂さんの演奏を思い出す。気に入ったのは「新しい人」のライブテイク。『8月の現状』収録のヴァージョンだ。

今日も書籍に入荷あり。オンライン・ストア〈平凡〉にも動きあり。

2023/10/30

10/30 雑記

朝、つくば駅のホームで父親と合流。昨年亡くなった祖父の墓参りをするため沼津に向かう。駅からバスに乗り、海沿いに15分ほど走った寺に行って、祖父や親戚たちに線香をあげる。少し歩いて、曽祖父、曽祖母、大叔父の墓にも参る。ようやく、しっかり手を合わせられた。墓地の高台にあがると駿河湾がきれいに目に入る。おだやかな海面、遠くの半島までくっきり見える。いい日に来れたと喜びあった。

またバスに乗り沼津駅、東海道線で三島駅、東海道新幹線で東京駅、京浜東北線で秋葉原駅、つくばエクスプレスでつくば駅。とんとん拍子で乗り換えて、あっという間に帰ってきた。ちょっとだけ店に寄り、日が暮れきる前に帰宅。シャワーを浴びて、ビールを開けると、ああ美味い。ぷはーっ。

2023/10/29

『HOOD CALLS』(CD)

再生すると流れ出す音と共に足を踏み出す。街に出ると全てが祝福してくれてるように感じるのは何かの錯覚じゃなくて、事実だと思う。

ETERNAL STRIFE『HOOD CALLS』が届きました。
GRIN GOOSEとDJ HOLIDAYからなるセレクター・デュオの5年ぶりの新作ミックス。ドゥーワップ、ソウル、ロックステディ、ラヴァーズ・ロックを主につむぐハート・ウォーミングな57分34秒。そこには確実に揺らぎがある。でも、凪のような瞬間もある」という表現が、そのままピッタリ当てはまる、暖かな内容です。本格的な冬を迎える前に届いてくれて、とても嬉しい。

販売価格は1650円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

10/29 店日誌

10月29日、日曜日。横尾忠則、ウイリアム・クライン、フランシス・ベーコン、野見山暁治、バンクシーなどの作品集、図録などに値をつけて棚に並べた。合間をぬって、川崎大助『僕と魚のブルーズ 評伝フィッシュマンズ』を読みふける。90年代の渋谷の空気、その一端に触れられる貴重な記録。浜田淳『ライフ・アット・スリッツ』とならぶ名著と言える。

何度聴いても、いまいち手ごたえがなく、空気のように消えていくフィッシュマンズにようやく出会えた気がする。今朝から繰り返し聴いているのは『8月の現状』というライブ盤。冷たい雨の日にぴったりだ。

今日も書籍の入荷予定あり。店内はやや乱雑な状態だけれど、あれこれひっくり返して探すのもいいんじゃないかと(無遠慮に引っ掻き回されるのは御免ですが……)。

買取依頼や在庫確認など、些細なことでもお問い合わせはお気軽に。

横尾忠則、3冊。



“日記はもう30年以上書き続けている。なんでも記録したり集めたりするくせがそうさせているのかも知れない。ぼくが絵を描くのもエッセイもほとんど日記形式である。日記を書くという他に写真もよく撮る。”(『Photo Photo Everyday』)

“集めることが遊びなのである。でなきゃこんな時間とお金とスペースのかかること誰がやりますかいな。遊びこそ自由であり、快楽であり、解放され、芸術の門に向かう行為ではなかったのか、といいたくなる。”(『涅槃境』)

“ものにとりつかれたように日夜、同じことばかりをくりかえす偏執狂的な芸術家もいるが、かれらはときには社会的現実から徹底的に目をそむけ、自己の閉ざされた世界への探求に熱心なあまり、社会の脱落者でもある。”(『横尾忠則日記 一米七十糎のブルース』)

2023/10/28

『dee’s magazine』vol.8

『dee’s magazine』vol.8が届きました。
もう、こればっかりは凄いとしか言いようのない! 前号から約9ヶ月ぶりに届いたフリーペーパーの最新号、特集は「さんぽとちず」。日本各地での散歩の記録を異なる方法と発想で、19個の記事にしています。毎回のことですが、届いてすぐは目が眩んで、文字が目に入ってこない……。未知の人、店との出会いを記事にしていく、千葉さんの編集姿勢に圧倒されっぱなし。

入手希望の旨を直接お声がけしてくれた方を優先して、手渡します。

10/28 店日誌

10月28日、土曜日。ちょっと奇妙な話。急に思いついて人に渡そうとしたカセットテープ(サンプルとして頂戴したもの)が見つからない。つい最近までラジカセ周辺で目にしていた記憶のあるのだが、いくら探しても見つからない。うーむ、自分でどこかに置いて見失ってしまったのか。次に、2冊ダブりの写真集(1冊は未開封)。時間のあるうちに読み込んでおこうと置いたはずの場所を見ると、ない。1冊消えている。なにか、おかしい。

ちょうど自分が欲したもの、ふたつが忽然と消えてしまった。無意識に物を置き換えて、そのまま忘れることはよくある。今回もその可能性が高いだろう。でも、どこか解せない。消え方がおかしい。大きく落胆もせず、平静は保てても、落ち着かない。この現象はいったいどういうことなのか……。

もともと不用心なのだし、他者を疑う立場でもない。でも、いったい何が起きたのか。この分からなさは、すぐには片付けられない。時間をかけて整理していこうと思う。

昨日の日誌で書いた直後に、『LOCKET』6号が到着! そのあとすぐにフリーペーパー『DEAL』22号も届いた。値付け前の古本もたんまりある。見応えのある本も多いので、気が向いたら足を運んでほしい。

今日明日は13時開店! オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2023/10/27

『DEAL』22号

フリーペーパー『DEAL』22号が届きました。
旧名『Lj』時代から野外フェスティバル/アウトドア・カルチャーを主に情報発信、催事紹介などに取り組む紙媒体、最新号の特集は「グレイトフル・デッドが残すもの」。昨年の5月〜7月に開催されたDEAD&COMPANY名義でのファイナルツアーのレポート座談会、ベテランデッドヘッズへのインタビュー、サイケデリック・アーティストやタイダイ染色人などの紹介もあり充実の内容です。

今号も、つくば市松代の編集部から直納品! 今日から店頭で配布しています。

『LOCKET』06

スキーのレベルの差異は世界を見ることのようにどこまでも広がるが、スキーを楽しむという一点においてはみんな同じ地平に立っている。

『LOCKET』6号が届きました。
編集人の内田洋介、デザイナーの大谷友之祐の最小単位の体制で編まれる独立系旅雑誌、最新号は「地図の銀白部」と銘打ったスキー特集。イラン、トルコ、ノルウェー、台湾のスキー文化のあり方をさぐるページそれぞれに異なる色合いがあって、読み手を惹きつける工夫を感じさせます。リソグラフで印刷されたページや雑誌内写真集などの試みも、面白い。

特集に挟まれた記事では猪熊弦一郎、猪谷六合雄、中谷宇吉郎も登場。読み手の好奇心をちょうど良く刺激する、いい塩梅の内容です。

販売価格は2200円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

10/27 店日誌

10月27日、金曜日。再入荷した、tactsato『RECORD DENGON Diary』が大人気! またたく間に5冊が売れた。ほぼ同時に届いた、友人のトニー李が手がける同人誌『EL CINNAMONS』vol.4、関西カルチャーを紹介する『IN/SECTS』 vol.17にもご注目を。今日か明日にでも、独立系旅雑誌『LOCKET』の最新号も届くのでは……という感じで新刊、古本ともに入荷の多い、この数日。

レコード、CDともに中古音源にも入荷あり。新譜では、KODAMA AND THE DUB STATION BAND『♪ともしび♪』HAPPFAT『MELT 4』なのるなもない×YAMAAN『水月』にもご注目を。秋が深まるほどによく響く、味わいのある作品たち。

今日は15時、明日明後日は13時開店。お暇があればご来店を。

2023/10/26

『IN/SECTS』vol.17

一人ひとり、一つひとつの集う理由、集い方にフォーカスしてみたい。小さな集合から見えてくる、新しいものづくりや場の醸し出すムード。

『IN/SECTS』vol.17が届きました。
関西発のローカル・カルチャーマガジン、最新号の特集は「私たちの集い –Small gathering near us–」。と、前号と同じ定型分で紹介をはじめたけれど、今号のインセクツはどこか懐かしい。この雑誌を知って、読みはじめた頃に感じていたもの。それに近い何かがつまっているような気がして、ページをめくって心が暖まった。

店や催事、小さなグループ、地域のコミュニティなどを「集い」と称して記事にした約130ページ。情報の集積以上の雰囲気が漂っていて魅力的。スズキナオの特別寄稿「淡路島の小さな港町・岩屋にある銭湯の集い」など気になるもの、多いです。

販売価格は1870円(税込)。前号と合わせて〈平凡〉でも販売します。

10/26 店日誌

10月26日、木曜日。かなり久しぶりで渋谷のライブハウス〈WWW〉に出かけた。駅から会場までの順路もあやふやだ。人混みを越えつつ、新しくなったパルコに足を向けて、裏道に入ってホッと安心。すぐに目的地が見つかる。階段を降りて受付に行くと、なんと開場は1時間後! これからどこで時間をつぶせばいいのだ……と途方にくれるも、ぱっと浮かんだ角打ちっぽい店に行ってみる。ビールのロング缶につまみを一品、600円。ああ、なんともちょうど良い。あそこは渋界界隈の穴場と言える。

KODAMA AND THE DUB STATION BANDの鳴らす音、一つ一つが胸を打ち、涙が出た。こだま和文の文学的なたたずまい、ボソリボソリと語るMC(……ヤーマン)、トランペットの音、歌どれもにブレがない。支えるバンドも頼もしい。電車の都合で途中までしかいられなかったけど、大満足。あれだけ人が渋谷の雑踏を越えて集まってきていることにも勇気づけられた。開演までの時間、本を読む人が数人いたのも印象的だ。

渋谷に行く前に、秋葉原~お茶の水~神保町をたどって歩き、古本屋をいくつか回って刺激を受けた。途中に入った喫茶店で、つくばと東京では、時間の流れ方がちがうと実感した。たまには店を休むのも悪くない。

今日からまた、通常営業! 本の買取りが増えていて、店内に活気あり。

2023/10/25

10/25 店日誌

今日、10月25日(水)は休みます。

10/24 店日誌

10月24日、水曜日。朝一番の時間で近所の郵便局に行き、レコードを送る。馴染みの局員さんに手渡しサイズを測ると580円。いつもよりちょっと安いけど、まあ、いいか(ちょっとラッキー)。ポケットティッシュをもらって「お願いします!」と荷物を託す。と思ってたら、やっぱり間違いだったと電話があって、追加の130円を払ってきた。ことを済ませたら、粗品をくれた。

帰り道に〈古着屋may〉を覗くと、ドアが開いたままで気持ちがいい。ちょっとだけ世間話をして「また!」といって店を出る。近所に見知った人がいて、言葉を交わしていい気分。徒歩圏内での交流を大事にしたい。

今日は通常営業。明日、10月25日(水)は休みます。

2023/10/23

10/23 雑記

秋晴れの週末。開店当初からの常連Hさんが「来るたびに目に入る本がちがって楽しい」と言って本を買っていく。つい最近店を知った方、数週間前に寺尾紗穂『彗星の孤独』を、昨日は片岡千歳『古本屋 タンポポのあけくれ』を買っていった。多くはないが、言葉を交わして、嬉しくなる。新聞の書評欄でルー・リードの本と並んで紹介されていたらしい。

近くで友人が植物(盆栽?)の展示販売をしていた。彼のつくるもの、やろうとしていることに積極的に関わることはできないが、応援している。今は、これくらいの距離感がいい。わざわざ出かけていかなくても、関係は保てると思っている。

2023/10/22

『SCENT OF PALMTREE』

ふとした瞬間に、さまざまな場所で目にとまる“椰子の樹がある風景”。それは私にとって植物というよりも、言葉にできないある種のイメージだ。たとえ自分や世界がどんなふうに変わっていったとしても、その風景のなかには、いつも気楽でのんびりとした南の風が吹いている。

MAYU SAKAZAKI『SCENT OF PALMTREE』が届きました。
ライター兼フリーエディターの坂崎麻結さんがライフワークのように撮りためた椰子の樹がある風景──国内外問わず、看板や写真、遊具も含めて──を集めたZINE。自分が行ったことのある場所は皆無なのに、なぜか懐かしい。かつて、どこかで見たことのあるような気がして、ジーンとした感情も沸いてくる。

“湘南”と呼ばれる辻堂の町で育ったからか、片岡義男さん、秋山晶さん、永井博さん、細野晴臣さん、佐藤秀明さんといった、ある種のイメージを持つ作家たちに惹かれてきたからか。どちらが先でどちら後なのか、自分のことはやっぱりよくわからない。

なぜ、椰子の樹を撮るのかを説明した上記文中にある通り、アメリカ的日本を思わせる風景と空気が切り取られている。流行のエキゾチックではなく、ながく残るある種の文化の香りも漂っている。

販売価格は2000円。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

10/22 店日誌

10月22日、日曜日。秋はレコード。ロックの名盤を聴いている。オールマン・ブラザーズ・バンド『ブラザーズ・アンド・シスターズ』、ジョン・レノン『イマジン』、ミッシェル・ガン・エレファント『ギヤ・ブルーズ』。アクチュアルじゃないのだが、バッシリとよく響く。身体で受け止める甲斐のあるレコードたちだ。内ジャケットやスリーブにも仕掛けがあって、ニヤリとさせられる。

店では主にCDを聴く。昨日はKODAMA AND THE DUB STATION BAND『♪ともしび♪』を繰り返し流した。秋から冬の空気にぴったりだ。この作品はながく、しっかり、お薦めしていく。なのるのなもない×YAMAAAN『水月』の抒情性も、今の時期によく合っている。ナットキング・コール『アフター・ミッドナイト』は暖炉のようで心地よい。

今日も通常営業! 明々後日25日(水)は臨時休業の予定。

2023/10/21

10/21 店日誌

10月21日、土曜日。目が覚めて、2発、3発とくしゃみをしたら歯が欠けていた。もしかしたら寝ているうちに取れていたのかもしれないけど、気がついたのはクシャミのあとだ。数年前に損傷したときに付けた差し歯とはいえ、少しでも欠けると違和感がある。鏡に映る顔はなんともマヌケ。しばらくはこのまま過ごすほかない。

7時20分からの「ウィークエンド・サンシャイン」の特集はロビ・ロバートソン追悼。ピーターさんが開口一番「かけたい曲がたくさんあって……」と言ったときに、ピクンと反応してしまった。欠けた歯のことを言っているわけじゃないのに。

だんだんと気温が下がってきて、空気も乾燥してきた。歳を重ねて季節の変わり目に敏感になるのはいいことだ。散歩をしていて、小さな変化に気がつくと、ごくたまにジーンとした感情にとらわれる。

最近また、本の買取依頼が増えている。昨日はご近所さんが歩いて一箱、持ってきてくれ嬉しかった。不要になった本があれば気軽に声をかけてほしい。出張はできないけれど、発送での買取は大歓迎。

今日明日は13時開店。オンライン・ストア〈平凡〉にもご注目を。

2023/10/20

『KRAITRIP』(2CD-R)

KRAIT『KRAITRIP』が届きました。
天久保一丁目の風神雷神(©︎SPRA)とも称される、KAY/KANAとTIMMYからなるDJデュオ・KRAITの結成10年にして初のリリースはなんと2枚組。DISK1は本人たちが「フレッシュ&ラブ」と評する約10年前のミックス。DISK2は南の島へのTRIPをテーマに編まれた最新ミックスとのこと。ディスク本体に加えてジャケット裏には「GIRL TALK」もあって面白い! こういうリリースが身近であって嬉しいです。

販売価格は1650円(税込)。2周年間近の〈GOOD NEAR RECORDS〉からのリリース。

10/20 店日誌

10月20日、金曜日。河合浩さんが『LIVING IN OBLIVION』を納品に来て、夏葉社の新刊が届いたところに某所からの買取依頼の本が3箱、誠光社に注文していた安田謙一さんの本が同時に到着。なんのこっちゃと混乱しながら、友人に頼まれている新譜音源へのコメントを書く。送ってもらったデモCD-Rを繰り返し聴くも、店の状況によっては全く耳に入ってこない。2日かけて再生を繰り返し、どうにか形にした。

おそらく今日も、知人から新刊が届く。3箱分の査定をしながらブログに紹介文を書いたり、SNSでも告知する。好きでやっているから辛くはないが、複数の案件重なると息がつまる。店を放って、自転車でパーッと走りたくなる。

そろそろキリン秋味に飽きてきた。今、いちばん美味いのは一番搾りの限定缶か。先週末に飲んだスーパードライの新型(低アルコール)は正直言って、よく分からない味だった。2缶飲んで、それなりに酔った。

今日は15時、明日明後日は13時開店。お暇があればご来店ください。

『古本屋 タンポポのあけくれ』

片岡千歳『古本屋 タンポポのあけくれ』が届きました。
2004年の刊行されたのち絶版、古書価が高騰していた本にあらたに2篇の随筆を加えて復刊。夏葉社らしい、新刊と言えるでしょうか。1963年から2004年まで、高知県高知市で営業していた古書店〈タンポポ書店〉での日々の雑記、著者である千歳さんの少女時代のこと、関わりのあった書き手のことなどが綴られたエッセイ集。1篇ずつ、じっくり味わってほしいです。

販売価格は2860円(税込)。増刷された『神様のいる街』も再入荷。

10/19 店日誌

10月19日、木曜日。今、日曜日のことを思い出してもニンマリできる。まだまだ、あの日の充実感が消えていない。声をかけてくれたフリーの編集者・坂崎麻結さんがつくるZINEを店で扱うことにした。インスタグラムでの紹介を見て気が合いそうだなーと感じていた、イラストレーター・木下ようすけさんとは、話してすぐに打ち解けた。やっていたバンドの話などを聞いていて、あの場に漂う気配の秘密に触れた気がした(ほんの一端だけれど)。

お互いが、何をして、どれだけの仕事や店を持っているのか、そんなことを気にせずに流れる音楽とか着ているTシャツのことなんかで話はじめる。キーワードがひとつあれば十分。前から知っていたように気楽に会話ができる。もちろん、あの場にいたすべての人と交感できたわけじゃない。それでも、あれだけリラックスして場を楽しめたのは大きな滋養になる。出かけてよかった。

店と、自分の選んできたもの、ことを客観視するきっかけも沢山あった。批評的な言葉を交わしたわけでなくても、手ごたえを感じる印象や感想を聞かせてもらったのも、ありがたい。

今日も通常営業。書籍、音源に入荷あり。

2023/10/18

『RECORD DENGON Diary』

年が変わり、今年も自分の好きなイメージのものを探そうと誓い、店中の棚を夫婦でうろちょろ。そんな時、ヒップホップの棚で、十年以上探していた盤に出会う。幸先良し。(「2021年1月16日」)

tactsato『RECORD DENGON Diary』が届きました。
イラストレーター・tactsatoがレコードを買いはじめた2020年9月4日から2023年7月24日までのレコード・ハンティング・ダイアリー。店で買った盤、友人からもらった盤、電車でなくした盤などなどレコードに関する悲喜交々が綴られた豆本的冊子に自主解説&選曲CD-Rを付属していて、とってもやさしい。ちょびっと狂気を感じさせるのも、ポイントです。

販売価格は770円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも購入可能。

10/18 店日誌

10月18日、水曜日。日曜の出店、月曜火曜の連休を経てリフレッシュ! 曜日感覚がおかしな感じだけれど、心身の状態はよし。久々に会った人、よく顔を合わす人、はじめてなのに前から知っていたような気がする人、そうでない人など多くの遭遇があった「Okappachan Record Club」(15日)は実家みたいに安心できたし、興奮もした。あんなにちょうどよく楽しめるイベントは珍しい。

16日(月)はゆっくり東京散歩。宿泊先の西葛西のホテルを出て、川沿いを散歩していたらいつのまにか海、葛西臨海公園に着いていた。「臨海公園」と「海浜公園」の差異を認識できたのは、公園スタッフの方の丁寧な説明があったから。図らずと、東京の地理と歴史に触れられた。

初めて足を踏み入れた早稲田の古本屋街。神保町ほどの蝟集ではないけど、歩いていると何軒もの店がある。外の均一棚、一つ一つが気になるけれど時間がかかって仕方ないので、ぐっと堪えて向かったのは〈古書現世〉。どこか目黒川沿いの店を思わせる品揃え。読みたかった本、気になる本など沢山見つける。選び抜いて4冊購入。

その後は神田〈まつや〉〜門前仲町〈ほどほど〉とたどり飲み、いい加減。まだまだ抜けている店があるけど、あとは口頭で。もしくはまた別の機会に、書いてみる。

今週以降はだいたい通常営業! 変更があれば、お知らせします。

2023/10/16

連休

 10月16日(月)、17日(火)は休みます。

2023/10/15

10/15 店日誌

10月15日、日曜日。今日は練馬区上石神井〈東京おかっぱちゃんハウス〉で開催される「Okappachan Record Club」に出店するため、店は休み。明日16日(月)は定休、明後日17日(火)は休業。次の営業は18日(水)です(オンライン・ストア〈平凡〉購入分の発送も、同日から再開予定)。

2023/10/14

『♪ともしび♪』(CD)

唯一無二のメランコリーな響きを湛えたこだまのトランペットを軸に、よりいっそう豊潤となったバンド・アンサンブルをもって、取り上げた楽曲に新たな息吹を吹き込んでいる。オリジナル・ナンバーとはまた違う魅力を放つ楽曲の数々を存分に楽しんでほしい。

KODAMA AND THE DUB STATION BAND『♪ともしび♪』が届きました。
2019年末に届いた『かすかなきぼう』から約4年ぶりとなる新作はカヴァー・アルバム。こだま和文の選曲による12曲、「花はどこへ行った」に始まり「FLY ME TO THE MOON」や「MOON RIVER」、「WHAT A WONDERFUL WORLD」でしめる展開はこのバンドのイメージを表したもの。

間に置かれる「IS THIS LOVE」や「AFRICA」などのレゲエ・クラシックはやはりシブく、カッコいい。目玉は「YOU’VE GOT A FRIEND」(こだまさんの歌唱が合ってる!)、「ゲゲゲの鬼太郎〜DUB〜」(超カッコいい!)や「タンゴ」あたりかなと感じます。

販売価格は3300円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

10/14 店日誌

10月14日、土曜日。近所のリユース店でラモーンズのCDを買った。『ロード・トゥ・ルーイン』。ウィキペディアによれば「ラモーンズの4枚目のスタジオ・アルバムで1978年9月22日にリリース」とある。自分が買ったのは日本盤の再発CDで、前の持ち主がよく聴いたのか、ジャケットの隅が破れていてライナーノーツもヨレている。それがまたラモーンズっぽくもあり、開封してからニヤリとした。

秋晴れの乾いた空気にぴったりなのが3曲目「ドント・カム・クローズ」。メロディラインが爽やかで、大きな音で鳴らすと気持ちがいい。ファスト&ラウドなパンクチューンと、キャッチーなポップチューンが並列するのがラモーンズ。彼らのアルバムをたくさん聴いてみたくなった。

明日15日(日)は〈東京おかっぱちゃんハウス〉での催事に出店するため、つくばの店舗は休業。16日(月)は定休、17日(火)は臨時休業。明日から店は三連休。

今日も天気よし! 気が向いたら、ご来店を!

2023/10/13

『書をステディー 町へレディゴー』

だれもが等しく情報にアクセスできるいまだからこそ、文章というものは、ますますその魅力を増している。(…)遠く離れたAとBを結びつけるのは、知識でもあるが、それ以上に文章であり、ユーモアだ。もっといえば、飛躍であり、こじつけであり、語呂合わせであり、グルーブだ。(島田潤一郎「安田謙一の最新アルバム」)

安田謙一/辻井タカヒロ『書をステディー 町へレディゴー』が届きました(再入荷)。
先に紹介した『ライブ漫筆』の約1年前、2019年11月に刊行された本書も先日再読、同じく猛反省! こんなに面白い本、なかなかないよ! 「ロックンロールストーブリーグ」の最後の4回分、改名後の「書をステディー 町へレディゴー」全編にボーナストラック的な「ポールがジョージにジョンずにリンゴの絵を描いた」を付け足した255ページ。

上記した島田潤一郎さんの解説「安田謙一の最新アルバム」にある通り、確かな知識としなやかなユーモアセンス、社会状況や大衆文化への好奇心が絶妙な配分でブレンドされた他のないエッセイ集。……忘れちゃいけない! 辻井タカヒロさんの挿絵、4コマ漫画もとってもいい味、笑わせてくれます。

販売価格は1760円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

『ライブ漫筆』

神のようなテクニックと理論を備えたヴァイが、孤高の存在を気取ることなく、しっかりと「芸」として日本人とコンタクトを取る姿に深い感銘を受けた。人柄の良さがにじみ出ている。居酒屋のおやじのような気さくな接客をする寿司職人。これは最強だ。(「ギター・ソロ、一生ぶん」スティーヴ・ヴァイ 2013年7月31日(水) 梅田クラブクアトロ)

安田謙一『ライブ漫筆』が届きました(再入荷)。
2020年8月刊行の本書、3年前にも当然扱っていたのだけれど、つい先日再読して猛反省! この本、めちゃくちゃ面白いのにしっかり紹介できていなかった。上記引用中の「居酒屋のおやじのような気さくな接客をする寿司職人」という一節は、そのまま安田謙一さんにも当てはまる。さりげなく書かれているのに、あちこちに的確な表現が見つかる。

エルヴィス・コステロ、電気グルーヴ、ベンジャミン・ブッカー、豊田道倫&mtvband、恵比寿★マスカッツ、ジェフ・ミルズ、クレイジーケンバンド、想い出波止場などなど、取り上げるライブ、アーティストのセレクトは縦横無尽。

販売価格は1650円(税込)。同時に『書をステディー、街へレディゴー』も再入荷。

10/13 店日誌

10月13日、金曜日。秋になって催事告知のチラシ、ダイレクトメールの持ち込みが増えた。主催する人が直に来て、企画の意図や目玉を伝えてくれると受け取る側にも熱が伝わる。店で預かりお客さんに渡すときに一言「面白そうですよ」と加えるだけで、単なる情報伝達ではなく厚みのあるやり取りになる気がする。だから、みんな直接持ってこい! と言いたいわけでなく、送付の際にちょっとだけでも工夫してほしいのだ。

ここのところ入荷が増えている新譜に加えて、既刊の補充や再入荷、古本の買取もあり、店の雰囲気も変わってきている。諸々のタイミングが重なって、いろんなものが集まってくる。店って不思議だ。

今日明日は秋晴れとのこと! 気が向いたらご来店を!

2023/10/12

「BLACK SOIL」

「BLACK SOIL」
日時 2023年11月25日(土) 21時開演
料金 2000円
出演    Phonehead,SB10,Kawashima,OKB,Shogo
会場 B side Sounds(茨城県土浦市桜町2−12−1 B1)

10/12 店日誌

10月12日、木曜日。先週末、〈古着屋may〉で見つけたジャストサイズのジーパンを無事購入。買おうと決めて店に向かった昨日は正直ドキドキ、無かったらどんな顔をしようかな〜とか色々考えながら歩いていったら、そのままあった! よかった。やや混み合っていた店内でササっと買って、帰ってきた。リーバイス550、ウエスト30×レングス30。裾をまくらずに履けるズボンはそうそう見つからない。

今日も書籍、音源に入荷あり! 店前の均一価格の本もちょこちょこと入れ替えているので、ご注目を。ここから数冊を選んで買ってくれるの、けっこう嬉しい。

今日、明日は15時開店。明後日は13時から20時までの通常営業。

2023/10/11

『鬼火』(2LP)

yumbo『鬼火』が届きました。
「オリジナル・リリースから7年、現在に至るまでロングセラーを続けるyumboの4thアルバム『鬼火』がJET SETより待望のアナログ・レコード化。2021年ドイツmorr musicからのキャリア・アンソロジー『The Fruit Of Errata』はあるものの、本作含めyumboのオリジナル・アルバムがアナログ化されるのは今回のリリースが初めて」(以上、レーベル公式解説より)。

販売価格は5500円(税込)。少数入荷のため、通販・取置き不可。

10/11 店日誌

10月11日、水曜日。ちょっと前まで買取の本にかこまれていて、自分の店は古本屋だと認識していた。それがどうだ、先月末からは怒涛のように音源が届いて、俺は音楽屋(ミュージックストアの直訳)を営んでいるのか? と錯覚している。記憶をたどれば、PEOPLE MUSIC STOREという宛名でメールが来たこともあったのだ。本と音楽、文化のお店。なんて名乗ると大袈裟だろうか。今、思いついたのだが。

今日は正式リリース日になる、エマーソン北村『COVERS 2003』に多くの反応があり、とても嬉しい。のちほど紹介する、yumbo『鬼火』にもご注目を。このレコードはきっと特別なもの。

今日はいい天気。20時までのんびりやってます。

2023/10/10

「KRAITRIP」

「KRAITRIP」
日時 2023年10月14日(土) 21時開演~9時終演
料金 2500円(1ドリンク込み)
出演    KRAIT(12hours all night long!),YURU YURU LOUNGE,OTA WAVE
会場 Club OctBaSS/Bar DISCOS(茨城県つくば市天久保1−5−4)

『COVERS 2003』(EP)

ひとつのパターンを繰り返すドラムボックス、さまざまな音楽要素を少ない手数に凝縮したオルガン、自身のミックスによるシンプルだがどこか定形を逸脱したサウンドなど、後に「エマソロ」と呼ばれることになる彼のスタイルはこの時すでに生まれており、カヴァー集でありながら、あるいはだからこそ、その「原点」を強く感じさせる作品になっています。

エマーソン北村『COVERS 2003』が届きました。
2003年に3枚の7インチ・シングルでリリースされ、ながらく廃盤になっていた楽曲をまとめた再発盤EP。ご自身が敬愛してきたジャズ、ソウル、ロックステディを愛機・TR−808(足鍵盤付きオルガン)でダビングなしのライブ録音。ソウル度の高いA面にウットリ、マイナー・ダブの気配ただようB面の展開にハラハラ、ドキドキ……この6曲のカッコ良さたるや! 他に例える例も浮かばない。独創的な楽曲集をご体感あれ。

販売価格は3080円(税込)。オンライン・ストア〈平凡〉でも販売します。

10/10 店日誌

10月10日、火曜日。先月末から個性を持った音源の入荷が続いている。DJはもちろん、雑誌編集や催事企画を手がけるユニット・Soi48のミックステープ『ADM #001』は早くもレーベル在庫が完売とのこと。現状、卸先店舗(当店ふくむ)のみで購入可能。品切れているind_fris『森と雨』は今週中の再入荷予定。ウイイレヤクザ『NIGHTCAP』の在庫は残りわずか。

昨日までの3連休は、多くの方が来てくれた。カフェめぐり的なひやかしも多少あったが許容範囲。好奇心や興味にそって物を選ぶ人、目当ての本や音源を買いにくる人。そういうお客さんが来ると安心する。

今週いっぱい通常営業! 来週15日(日)は催事出店、16日(月)と17日(火)は休みます。

『水月』(CD)

なのるなもない × YAMAAN『水月』が届きました。
前作『アカシャの唇』から10年ぶりとなる、なのるなもないの新作はプロデューサー/トラックメイカーの盟友・YAMAANとの共同名義でのリリース。1曲目「空よりも青く」のイントロ、一音目が鳴るだけで心がはずむ。「雲は分厚く/影は色濃く/木陰は優しく」と歌われるリリックにも安心してついていける。耳にする音、目で読む言葉、みつめる絵画の3要素が自然にとけあっていると感じる。

何もない を 失くさないようにしないと 目に映る全てに値札のついた 馬鹿になっちゃうよ

個人的には5曲目「Morse Code」で表現される世界に惹かれている。「ツーツーツーツー/ツートンツートン」とモールス信号で交わされるやり取り、描かれる感情に共感。聴くほどに面白い。

販売価格は2200円(税込)。ジャケットの絵画提供は白水麻耶子、織り込んで組み立てると箱庭になる特殊仕様。

10/9 店日誌

10月9日、月曜日。朝から本降り。旧友が〈てるてる坊主〉の屋号で出すカレーが食べられるのは今日が最後なのだが、諦めざるを得ない。まあ、今年は3回食べられたから、満足だ。また来年。そんなわけで午前中から動く気にならず、風呂に入りながらゴンチチのラジオを聴く。最近になってゴンザレス三上とチチ松村、両氏の声と顔を正確に把握できるようになった(……間違っていないはず)。

営業再開した〈ブックセンターキャンパス〉で手に取った、久住昌之『小説 中華そば「江ぐち」 アクマとタクヤのラーメン屋』を読んで驚く。こんなにすごい本だとは思っていなかった。情報にまみれた2023年の今、現在こそ読む意味がある。

18時までのんびりと営業中。お暇があればご来店を。

2023/10/08

10/8 店日誌

10月8日、日曜日。灼熱の夏が過ぎて、いちばん嬉しい出来事は吾妻にある古書店〈ブックセンターキャンパス〉の営業再開だ。SNSで開いてるっぽい情報を目にしていたけど「実際どうなのかな〜」と思って覗いてみると、開いてるじゃん! しばらく閉まったままだった均一の箱が開いているのが目に入って、ヨッシャ!とガッツポーズ。数ヶ月ぶりに足を踏み入れた店内にも欲しい本がたくさんある。ぐっと堪えて4冊購入。

その足で向かった〈古着屋may〉で履いたズボンはベリー・ジャスト! ウエストもレングスもぴったりだ。ただ、持ち合わせがなく、買わずに店に置いてきた。売れてくれるな……と、念を送りながら数日は我慢する。

自転車や徒歩圏内に好きな場所、店があるのはやっぱり嬉しい。SNSでのバズりやメディアの取材などで不自然な注目は集めてほしくない。好奇心を刺激される機会は身近にもたくさん転がっている。

今日明日は13時開店! オンライン・ストア〈平凡〉も稼働中!

2023/10/07

『ADM #001』(TAPE)−完売しました!−

アジア各国に根付くローカルなダンスミュージック・カルチャー『ADM』。(…)現地のクラブに潜入し、圧倒的なエネルギーを体感するとデトロイトやベルリンと変わらないダンス文化がアジアに根付いていることを実感できるだろう。

Soi48『ADM #001』が届きました。
昨年の夏、当店を温度以上に熱くしてくれたタブロイド型雑誌『OMK #001』(完売御礼!)を手がけたDJユニット・Soi48制作のミックス・テープ。アジア各国に根付くローカル・ダンスミュージック・カルチャーを紹介する「ADM」の第一作として届けられた本作のテーマは「タイ産のベース・ミュージック”サイヨー”を中心にインドのサウンドシステム音源、ミャンマーのディスコ」とのこと。なるほど、これは面白い! できるだけデカい音で聴いてほしい!

販売価格は2200円(税込)。両面合わせて60分のミックス、ダウンロード・コード付き。