2023/08/06

金沢出張記③


昼食後にすこし寝て、外に出る。ホテル近くのスーパーに寄り、せせらぎ通りを歩いていく。情緒のある道を歩いていくと、見つかるのが〈オヨヨ書林・せせらぎ通り店〉。引き戸を開けて中に入ると、本が山と積まれている。奥に進むとけっこう広く本棚があり、あちこちに本の山。音楽は静かなピアノ・ソロ。小林信彦の文庫がずらり。嵐山光三郎の読みたかった本もある。良心的な価格設定も嬉しい。迷わずに4冊購入。

そのまま歩いて、21世紀美術館に入る。この日の開場は15時半。本の配置を変えて、並べ直す。周囲のお店の方々、スタッフの面々と話すうちにお客さんも集まってくる。昨日より人が多いが、本への反応は、けっこう淡白。途中で疲れもあって眠くなる。時間をかけて本を見て、数冊買っていく人がいてありがたい。そうこうするうちに一部開演。

初日よりも締まったパフォーマンス。ぐっと音も整って、聴きやすい。光の数は多くなくとも的確。全体的なバランスがいい。大布を使った演出もばっちりハマる。渋い雰囲気の保ったまま、休憩に。店を紹介してくれた効果があってか、本を気にして手に取る人がちらほらいる。何人かと言葉を交わしたり、持ってきたものの紹介をするうちに、準備でできて二部がはじまる。

布に映る影、ゆらめく光、抽象的な音が溶けあって生まれる雰囲気は、仕立て屋のサーカスでしか体験し得ない。何十回(約百回か?)も観てきた自分でも、ハッとする瞬間がある。二日目の二部では影に動き方、写し方にあらためて目を見はった。これ以上の言葉が、今は出てこない。

片付けの後、大人数での中打ち上げ。さらにその後に出店仲間の〈One One Otta〉に場を変えて、路上立ち飲み。元気のいい若者たちが集まっていて楽しい。とてもいい店、愛のある場所。ヘトヘトになってホテルに戻って即就寝。金沢の夜は毎晩深い。

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