“これまで”の通用しない“これから”を生きる私たちを、父の死とその周辺から身に染み込ませていく私小説。そしてその“物語にまつわる物語”によって完結する二重包の小さな本。
田口史人『父とゆうちゃん』(リクロ舎)が届きました。
父に会ったのは五年ぶりだった、という一節からはじまる「父とゆうちゃん」。その後日談「「父とゆうちゃん」のこと」の二篇を収録したちいさな本。父とゆうちゃん、新幹線で偶然乗り合わせた初老の男性、彼らが話す「いい時代」を経た現在、今を生きる自分たちはどこに向かうのか。その答えは出さず、読み手それぞれに余韻を残します。
販売価格は1320円(税込)。上に引いた文章は、帯に書かれた解説から。
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