7月30日、水曜日。先週末、土浦市立図書館で借りてきたのは橋本治『橋本治という行き方』、『対談集 六人の橋本治』、奥泉光・群像編集部(編)『戦後文学を読む』の3冊。前者2冊は読み終えて、『戦後文学〜』を読んでいるのだけど、これがとても面白い。まず、奥泉光はじめ論者として登場する作家の顔を見られるのが貴重。名前だけみたことあったけど、山城むつみって男の人だったんだ! とか、私服っぽい福永信の発言が鋭いなーとか、端々で目がひらく。
頭が悪くなったからだと思う。みんな教育のレベルが上がって、ま、レベルが高いんだからそんなに頭良くなくてもいいや、と思うようになったんだと思うのね。知識はあるんだけど、思考力はないみたいな。だから、コピペとか言うじゃないですか、あれですよ、日本の教養なんて。
能力をジャッジするという能力が日本になくなってきちゃったから、威勢のいい人を支持するというヘンテコリンなことになったの。威勢のいいだけの人ってどこか抜けているから、きちんと批判されると猛烈に怒るんだよね。
『六人の橋本治』では、天野祐吉との対談「二〇〇九年の時評」が面白かった! 本質的で痛快な言葉がたくさんある。上記以外にも「日本はバブル崩壊という形で、経済がいっぺんは壊れてるんですよ。壊れたんだから、そのことを前提にして考えればいいはずなのに、誰もそう思わない」とか、大事なことだと思う。
「もっとみんなで考えよう」と呼びかける能力は、マスメディアにはもうないと思う。メディアの仕事とは、より多くの人の人たちに何かを考えさせるようにすることなんだと思うけど、小学校の勉強と同じで、簡単に分かる答えを与えすぎるのね。
ラジオを聴いたり、ツイッターを眺めたり、識者の意見に耳を傾けるのもいいのだけど、いちばん重きを置くべきは「自分で考える」「安易な結論に流されない」ってことじゃないかな。橋本治の言葉に触れて、改めて認識した。
今日明日、明後日は15時開店! オンライン・ストア〈平凡〉もよろしくどうぞ〜!

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