2024/12/19

12/19 店日誌

12月19日、木曜日。夜風が冷たく人通りもほとんどない。昨日は20時前にさっさと閉店、帰宅後すぐにカップラーメン。ビールとポテトチップスを準備して『コンタクト・キラー』を再生した。カウリスマキ生活、5日目にしてロンドンに舞台が移る。ニーナ・シモン? いやビリー・ホリデイ。冒頭から音楽がいい。英国水道局に勤める主人公はなかなか口を開かず、上司から解雇を宣告される場面で最低限の声を出す。いきなり失職。カウリスマキ作品の定番と言える展開だ。

自暴自棄になる主人公の名前はアンリ・ブーランジェ、堅物のフランス人。みずから命を絶とうとするが、方法がおかしい。大真面目な人物が酒とタバコを覚えて、女と出会う。あっという間にチェンジ・マインド。どうにか生きようとジタバタもがくアンリを追う冷たい眼をした男はゴホゴホと咳をする。

簡素なバーで歌うジョー・ストラマーが若い、といっても30代後半か。リーゼントがよく似合う。カリプソが街の雰囲気に馴染んでて、“London is the place for me”なんてコンピレーションのタイトルが頭に浮かぶ。ホテルのフロント、郊外のダイナーの店主、脇役のオヤジたちが実にシブい(ガイド本によれば後者はセルジュ・レジアニ、「フランス映画史上伝説の俳優」とのこと)。

寒くて暇だと時間の流れが遅くなる。侘しい気持ちにもなるのだが、本を読むか、こうして映画でも観ていれば過度に落ち込むことはない。ウハウハな気分じゃないから、カウリスマキの映画を観たくなるのかな。

今日も通常営業! オンライン・ストア〈平凡〉もチェックよろしく。

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